ぎたすけ
たけしゃん
なお、宅録で必要になる機材をまとめて紹介した記事もあるので、合わせて参考にしてください。
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宅録向けのマイク
最近では、DTMだけでなく、歌ってみた・弾いてみた・動画制作など宅録する機会は飛躍的に増えました。
一方で自宅はスタジオとは違い、クリアな音を録音するのが難しいです。
マイクも自宅での録音に適したアイテムを選ぶ必要があり、色々と選び方に注意が必要です。
おすすめ製品を紹介する前に、まずは宅録向けマイクの選び方から細かく解説していきます。
コンデンサーマイクとダイナミックマイク
マイクは大きく分けると、コンデンサーとダイナミックの2種類に分かれます。
それぞれの特徴を箇条書きでまとめると以下の通り。
基本的には解像度高く録れるコンデンサーマイクをおすすめします。
ただし、ダイナミックマイクのほうが周辺ノイズや湿度などの環境変化に左右されづらいです。
そのため、周囲がうるさかったり、湿度が大きく変化する部屋の場合はダイナミックマイクのほうが有効なこともあります。
基本的にはコンデンサーマイクを推奨しますが、ハードな環境で使う人はダイナミックマイクを選びましょう。
USBとXLR
最近のマイクの端子はUSBとXLRの2種類に分かれます。
宅録で使う場合はXLR端子のマイクがおすすめです。
USBマイクはゲーム実況などのライブ配信やテレワーク向けの製品が中心です。
対して、XLRマイクはレコーディングなどの用途が中心の製品になっています。
XLRマイクはPCとの接続にオーディオインターフェイスが必要です。
オーディオインターフェイスは宅録で便利な機能を補完してくれる製品です。
USBマイクだとオーディオインターフェイスを使えないので、その点でもXLRのほうが宅録に有利ですね。
マイクの指向性
指向性とはマイクの音を拾う方向や範囲を指します。
ボーカルや楽器のレコーディングはほぼカーディオイドで対応します。
特に宅録だと、複数人のレコーディングをする人も少ないので、カーディオイド以外は使わない人が大半ですね。
音楽用途の製品であれば、ほとんどのマイクがカーディオイドに対応しています。
コンデンサーマイクの場合は本体スイッチで指向性を切替できる製品もあります。
特に理由がなければ、カーディオイドのマイクを選びましょう。
本記事で紹介する製品も、全てカーディオイドのマイクです。
宅録におすすめのコンデンサーマイク 5選
まずはコンデンサーマイクのおすすめを5本紹介していきます。
価格帯を分けて、5本選出したので予算に応じて選んでください。
なお、ダイナミックマイクを探している方は後半の<ダイナミックマイク おすすめ5選>を参照ください。
マランツプロ MPM-1000
項目 | 機能・スペック |
タイプ | XLRコンデンサーマイク |
指向性 | 単一指向性 |
最大SPL | 136dB |
S/N比 | 77dB |
重量 | 約300g |
実売価格 | 約6,000円 |
6,000円程度で買えるコスパ抜群のコンデンサーマイク マランツプロ MPM-1000。
この価格でちゃんとした音で録音できます。
音はクリアで目立ったクセもないので、使いやすいです。
ボーカル、アコギを別々にMPM-1000で録った動画がこちら。
低予算で宅録を始めたい方にはすごく良いマイクですね。
また、MPM-1000は付属品が豊富で録音に必要なものが一通りついてきます。
マイクスタンドは別で必要なレベルですが、他のアイテムは普通に使えます。
非常にコスパの良いマイクですね。
audio technica AT2020
マイクタイプ | XLRコンデンサーマイク |
指向性 | 単一指向性 |
周波数特性 | 20Hz – 20kHz |
最大SPL | 144dB |
S/N比 | 71dB |
寸法 | 160 × 52mm |
重量 | 345g |
実売価格 | 11,800円程度 |
予算1万円のベストセラーマイク audio technica AT2020。
音質、品質ともによくできた、代表的なコンデンサーマイクの入門機です。
音はフラットな特性で、扱いやすいサウンドになっています。
AT2020でボーカル、アコギを別々に録った動画がこちら。
クリアで聴きやすい音で録れています。
宅録の入門機として、人気が高いのもよくわかりますね。
付属品はマイクポーチとスタンドマウントです。
付属品の質も良く、頑丈で耐久性も安心です。
予算1万円程度でコンデンサーマイクを探すなら、安定の一品ですね。
LEWITT LCT 240 PRO
項目 | 機能・スペック |
指向性 | 単一指向性 |
最大SPL | 142dB SPL |
等価ノイズレベル | 19 dB (A) |
重量 | 約310g |
実売価格 | 約18,920円 |
元AKGのスタッフが立ち上げたオーストリアのマイクメーカーLEWITT。
そのLEWITTのエントリーモデルがLCT 240 PROです。
1万円台だと珍しい、明るくて抜けの良いサウンドが特徴的ですね。
クリアで音の解像度も高く、1万円台のマイクの中ではかなり完成度が高いです。
LCT 240 PROは通常版とValuePackがあります。
通常版はスタンドマウント、ValuePackは振動ノイズに強いショックマウントを採用しています。
ショックマウントであれば、床などの振動ノイズも拾いにくいのでおすすめです。
LCT 240 PRO ValuePackは1.9万円程度で必要なものは揃っています。
また、マイク本体がコンパクトかつ軽量なので、自宅での使い回しも良好です。
宅録用のマイクとして、とても使いやすいので、初めてマイクを買う人にもおすすめです。
audio technica AT4040
マイクタイプ | XLRコンデンサーマイク |
指向性 | カーディオイド |
周波数特性 | 20~20,000Hz |
最大音圧レベル | 145dB SPL (1kHz THD1%) |
本体機能 | ローカットフィルター、PAD |
寸法 | 170 × 53.4mm |
重量 | 360g |
実売価格 | 35,000円程度 |
3万円近辺で人気のコンデンサーマイク audio technica AT4040。
昔から宅録ユーザーに使用者が多い、定番のマイクですね。
AT4040はフラットで原音に忠実なサウンドが録れます。
サウンドに物足りなさもなく、芯のある良い音で録れるのが良いですね。
AT4040でボーカル、アコギを別々に録った動画がこちら。
音の距離感も良い感じで、解像度も高いです。
付属のショックマウントも使いやすく、マイクのサイズ感的にも宅録で使いやすいのも良いですね。
僕も以前はAT4040で仮歌の仕事をやっていましたが、人気な理由がよくわかる良いマイクです。
NEUMANN TLM 102
マイクタイプ | XLRコンデンサーマイク |
指向性 | 単一指向性 |
周波数特性 | 20Hz – 20kHz |
最大SPL | 144dB |
S/N比 | 82dB |
寸法 | 116 × 52mm |
重量 (マイクのみ) | 210g |
実売価格 | 90,000円程度 |
プロのレコーディングスタジオで超定番のマイクメーカーNEUMANN。
そのNEUMANNが個人ユーザー向けに発売したエントリーモデル TLM 102。
数十万円するマイクばかりのNEUMANNの中で、10万円以内で買えるボーカル向けマイクです。
僕も長年、メインマイクとして使ってますが、ボーカル録りですごく良いですね。
高音に煌びやかで、艶のある魅力的な音が録れます。
TLM 102は少しハスキーな自分の声とも相性が良いので気に入っています。
また、サイズがコンパクトで自宅での使い回しも楽なのが良いですね。
このサイズ感で、これだけ優れた音質なのはさすがNEUMANNです。
宅録におすすめのダイナミックマイク 5選
続いては、宅録向けのダイナミックマイクです。
コンデンサーマイクに比べると、音の解像度や密度は劣りますが、環境変化に強いのが特徴です。
ダイナミックマイクは取扱も楽なので、そういった意味では宅録に適していますね。
ダイナミックマイクも価格別で5本紹介していきます。
SHURE SM58
項目 | 機能・スペック |
指向性 | カーディオイド |
感度 | –54.5 dBV/Pa (1.85 mV) |
実売価格 | 約11,900円 |
ダイナミックマイクで一番有名な製品 SHURE SM58。
どこのライブハウス、スタジオにも置いてある安心のマイクです。
音の抜けはまあまあといったところで、ボーカルによってはこもった感じにもなりやすいです。
頑丈で吹かれにも強く、1本買っておけば長期間使えるのがSM58の強みですね。
SM58でボーカル、アコギを別々に録った動画がこちら。
業界標準的なマイクなので、マイクの基準と言える音質です。
SM58は宅録とライブを兼用できるのが良いですね。
使い道が豊富なので、1本持っておいて損はないマイクです。
SHURE BETA58A
ライブハウスやリハーサルスタジオでSM58と並んで定番のBETA58A。
SHURE SM58より音の感度を上げて、低音域と高音域を広げたマイクになってます。
SM58は音がこもりやすいですが、BETA58Aは音の抜けが良いのでバンドでも弾き語りでも使いやすいです。
もちろん、BETA58Aは宅録でも使えるマイクです。
SM58より、音の感度が高いので自宅環境でも音量を確保しやすい点も良いですね。
また、指向性がスーパーカーディオイドを採用しており、音を拾う範囲が狭めになっています。
そのため、周辺ノイズの回り込みを抑制できます。
SM58と比べると、BETA58Aは宅録環境でも使いやすい仕様になっていますね。
SENNHEISER e 935
項目 | 機能・スペック |
指向性 | カーディオイド |
感度 (0 dB = 1V/Pa) | 2,8mV/Pa = -51dB |
実売価格 | 約17,500円 |
ライブマイクとして人気の高いSENNHEISERのe 935です。
高音の抜けがよく、歌っていて気持ちが良いマイクですね。
e 935はカーディオイドで中高音域を広げたチューニングになっており、特に高音の抜けが良いです。
僕の声質はハイトーンでちょっとハスキーなので、e 935は良い感じに拾ってくれて使いやすかったです。
音の感度も高めで、抜けの良い音なので宅録でも使いやすいマイクですね。
なお、e935はカーディオイドですが、e945はスーパーカーディオイドが採用されています。
周辺ノイズの回り込みを抑制したい場合はe945を選択しましょう。
防音設備がない自宅環境では、e945のほうが使いやすい人が多そうですね。
UNIVERSAL AUDIO SD-1
マイクタイプ | XLRダイナミックマイク |
指向性 | カーディオイド |
周波数特性 | 50 ~ 16,000 Hz |
感度 | -58 dB (1.3 mV) |
質量 | 約735g |
実売価格 | 44,000円 |
Universal Audioが2022年に新しく発売したダイナミックマイク SD-1。
ボーカル、楽器、スピーチなど様々な用途で万能に使えるマイクです。
周辺ノイズの抑制力が高く、PCの動作音やエアコンの音などの混入を抑制してくれます。
自宅環境でもクリアな音で録りやすいですね。
SD-1を使って、ボーカル・アコギを別々に録った動画がこちら。
SHURE SM7Bと比べるとフラットで色付けのない原音に忠実な音が録れます。
宅録以外にもライブ配信などでも使いやすいマイクですね。
また、SD-1はUNIVERSAL AUDIOのApolloシリーズで使うと、専用のプリセットが利用できます。
ボーカル、ギター、配信に最適化したマイクプリセットが用意されており、EQやコンプレッションも設定されます。
デフォルトでも十分扱いやすい音ですが、Apolloシリーズを持っている人には嬉しい特典ですね。
SHURE SM7B
マイクタイプ | XLRダイナミックマイク |
指向性 | カーディオイド |
周波数特性 | 50 to 20,000 Hz |
感度 | -59.0 dB (1.12 mV) |
質量 | 約765.4g |
実売価格 | 52,000円程度 |
世界的に有名なSHUREのマイク SM7Bです。
放送局やスタジオライブなどでよく使用されているマイクです。
SM7Bは周辺ノイズやハムノイズに強く、自宅環境でも狙った音だけクリアに録りやすいです。
宅録にも非常に適したダイナミックマイクですね。
SM7Bはダイナミックマイクですが、レンジがコンデンサーマイク並みに広くなっています。
高音はもちろん、中低音域も魅力的に録れるので、ボーカル・スピーチが良い感じに録れますね。
一方で感度が-59dBとかなり低いです。
接続するオーディオインターフェイスのスペック、声量によっては音量が足りません。
音量が足りない場合は間にブーストするインライン・プリアンプを挟むと良いでしょう。
もしくは2023年9月に発売されたプリアンプ内蔵のSM7dBを選択しましょう。
SM7dBは内蔵のプリアンプで+18dB、+28dBブーストすることが可能です。
これだけブーストできれば、安価なオーディオインターフェイスでも音量は余裕で足ります。
まずはSM7Bを買って、音量が足りなかったらインラインプリアンプを買い足すのが効率的ですが、はじめからSM7dBを買うのも有効です。
SM7Bは環境ノイズや電磁ノイズに強いため、宅録でも非常に使いやすいマイクです。
宅録向けマイク まとめ
ぎたすけ
たけしゃん
宅録向けマイクの解説でした!
僕はコンデンサーマイクをおすすめしていますが、反響音や周辺ノイズが気になる部屋ではダイナミックマイクのほうが良いことが多いですね。
あなたの部屋の環境に合わせて、選択するマイクを変えるようにしましょう。
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