評価:4
ぎたすけ
たけしゃん
用途 | 項目 |
---|---|
ライブ配信 | |
DTM | |
テレワーク |
サンプル(ボイス)
サンプル(ボーカル)
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SHURE SM7B
マイクタイプ | XLRダイナミックマイク |
指向性 | カーディオイド |
周波数特性 | 50 to 20,000 Hz |
感度 | -59.0 dB (1.12 mV) |
質量 | 約765.4g |
SHUREの有名マイク、SM7B。
ラジオなどの放送局で良く使われているほか、スタジオライブなどでもよく使用されています。
また、最近ではYouTuberや配信者などの使用者も多く、非常に人気がありますね。
一方でマイクの感度がかなり低く、接続する機器や使い方には注意が必要だったりします。
そのへんも含めて、サンプル音源付きで詳しくレビューしていきます。
まずはSM7Bの製品仕様から解説していきます。
仕様を飛ばして、レビューを読みたい方は<SHURE SM7Bをレビュー>を参照ください。
製品仕様の目次
カーディオイドマイク
SM7Bは正面の音を拾うカーディオイドマイクです。
普通のダイナミックマイクと比べると、音を拾う範囲は比較的広めに感じます。
一方で周囲の雑音はしっかり抑制してくれます。
エアコンやPCの動作音などもほとんど感じず、声だけクリアに拾ってくれます。
周波数特性も50 to 20,000 Hzとなっており、普通のダイナミックマイクより広いです。
パワフルな音ですが、細かなニュアンスもしっかり拾ってくれますね。
ウィンドスクリーン・ショックマウント内蔵
SM7Bはウィンドスクリーンとショックマウントがはじめから付いています。
そのため、そのままマイクスタンドやマイクアームに取付て使用するだけです。
マイクスタンド取付用の3/8変換ネジも付属しているため、必要なものは揃っています。
また、本体には周波数特性を調整できるスイッチがついています。
底面スイッチの組み合わせで3種類の周波数特性を切替できます。
使ってみた感じは基本的にはデフォルトのままで問題ありません。
SM7Bに合うマイクアーム
SM7Bは約765.4gと本体重量が重たいです。
また、逆さに吊るしたほうが使いやすいため、マイクアームは良いものを買ったほうが良いですね。
一般的なデスクであれば、audio technica AT8700Jがおすすめです。
広い机だったり、マイクアームをしっかり伸ばしたい人はアームが長いRODE PSA1をおすすめします。
感度が低い
SM7Bは-59.0 dB (1.12 mV)と感度が大分低いです。
感度が低いと、同じ音を録った場合に音量が小さくなります。
そのため、安価なオーディオインターフェイスだと音量MAXでも音が小さいです。
SHURE公式でもマイクプリアンプのゲインが60dBを超えない場合はインラインブーストアンプなどの使用を推奨しています。
また、2023年9月にSM7Bにプリアンプを内蔵したSM7dBが発売されました。
SM7dBは底面のコントロールパネルで+18dB、+28dBのブーストが可能です。
安価なオーディオインターフェイスで使用したい方はSM7dBを選択すると間違いないですね。
なお、僕がSM7B使ってみた感じでは、声が小さい人以外はAG03などでも問題ないかなと感じました。
このあたりはレビューの章で掘り下げて細かく解説していきます。
SHURE SM7Bをレビュー
それでは、SM7Bを細かくレビューしていきます。
まずはじめにメリット・デメリットを箇条書きしたものがこちらです。
一番良いと感じた点は周辺ノイズの抑制ですね。
ノイズ除去が必要ないレベルで、声だけ明瞭に録れます。
音自体はダイナミックマイクらしいですが、パワフルでダイナミックの良さが出てますね。
レビューの目次
周辺ノイズを抑えた明瞭な音
SM7Bでボイス、ボーカル、アコギなどを録音してみました。
周辺ノイズを抑制したクリアな音が録れます。
SM7Bで録ったサンプル音がこちら。
サンプル(ボイス)
サンプル(ボーカル)
また、SM7Bでボーカル、アコギを別々に録った動画がこちら。
マイクにかなり近いづいても低音が膨らむことがなく、聴きやすい音で録れます。
また、歌を録ってみると中音域のパワーが強いSHUREらしい性質も感じますね。
音の感触的にはダイナミックとコンデンサーの中間という感じでしょうか。
コンデンサーほどの繊細さはないものの、ダイナミックよりは低音から高音までワイドに収録されます。
色々録った感じではボーカル、ナレーションに適していると感じました。
アコギの音はかなり淡白で、そのままだと少し物足りなさを感じます。
SM7Bは生活ノイズ、ハムノイズなどに強い設計なので、自宅環境でも扱いやすい点が強いですね。
録り音をmixしていてもノイズ除去はいらないと感じるレベルでした。
感度が低いため、接続機器には注意
SM7Bは-59.0 dB (1.12 mV)と感度が大分低いです。
そのため、オーディオインターフェイス側のGAINはかなり上げる必要があります。
YAMAHA AG03、RME Babyface Pro FSを使って、音量について色々実験してみました。
ちなみにAG03はGain 60dB、Babyface Pro FSはGain 65dBまで上がります。
製品名 | GAIN最大値 | 実売価格 |
AudioBox Go | 50dB | 10,800円程度 |
UR12 | 54dB | 11,000円程度 |
AG03mk2 | 60dB | 18,700円程度 |
MOTU M2 | 60dB | 32,780円程度 |
iD14mkii | 58dB | 47,300円程度 |
Duet 3 | 65dB | 99,000円程度 |
僕が自身で使ってみた所感では、どちらも音量的に問題ありませんでした。
サンプル音はこちら。
GAINは+51dBで録りました。波形はこれです。
僕は声が大きくて通るので、低価格帯の製品でも問題なさそうでした。
声が小さい人やボソボソ喋る人だと60dB近くまで上げないと厳しいかもしれないですね。
1万円台のオーディオインターフェイスだとGain 55dBくらいのものが多いので、声量によって問題ない人と音量が足りない人が出ると思います。
音量不足の対策としてはインラインブーストアンプを挟むか、プリアンプ内蔵のSM7dBを選択することです。
僕が使ったSE ELECTRONICS DM1 DYNAMITEは+28dBのクリーンなゲインを稼げます。
DM1 DYNAMITEを付けると、AG03のGAINも40%くらいで十分になるので大分余裕があります。
また、プリアンプ内蔵のSM7dBも同じように+18dB、+28dBのゲインをプラスできます。
SM7dBはSM7Bとサイズ感もほぼ変わらず、プリアンプもSM7Bの特性を損なわないように設計されているので安心です。
SM7Bをメインマイクとして利用する方はSM7dBにしておくと音量不足の心配がないので間違いないです。
SHURE MV7との比較
最後はSHURE MV7との比較です。
MV7はSM7Bの特徴を継承しつつ、自宅のライブ配信などで使いやすくしたマイクです。
具体的には、下記の点が使いやすい仕様になっています。
- -55dBとSM7Bよりは感度が高い
- USBマイクとしても利用可能
- 専用アプリでオートレベルモードが使える(USB接続時のみ)
このようにMV7は初心者でも扱いやすい機能が搭載されています。
また、感度が-55dBなので、SM7B(-59dB)よりは周辺機器の必要スペックは下がります。
そのため、音響機器について知識がほとんどない人はMV7をおすすめします。
SM7Bは接続するオーディオインターフェイスもそれなりのスペックが必要で、ややハードルが高いです。
一方で音質を比較すると、周辺ノイズ遮音性能や汎用性などあらゆる面でSM7Bのほうが上です。
SM7B
MV7
サンプル音を聴いてもSM7Bのほうが明らかに低音域が豊かで、音に立体感が出ます。
特に低音ボイスの方はSM7Bのほうが大分魅力的に聴こえると思います。
そんなわけで、予算的に頑張れるならSM7Bが間違いないです。
逆に低予算かつ音響機器初心者の方にはMV7をおすすめします。
SHURE SM7B まとめ
- ワイドレンジで明瞭な音質
- 周辺ノイズ、ハムノイズに強く、自宅環境でも良い音で録れる
- 感度が低いため、接続機器によってはプリアンプが別で必要
ぎたすけ
たけしゃん
SHURE SM7Bのレビューでした。
やはり、名機と言われるだけあって、良いマイクだなと思いました。
特に周辺ノイズを遮断する性能はかなり優れており、自宅環境でも良い音で録りやすい点が良いですね。
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