評価:4
ぎたすけ
たけしゃん
用途 | 項目 |
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UNIVERSAL AUDIO SD-1
マイクタイプ | XLRダイナミックマイク |
指向性 | カーディオイド |
周波数特性 | 50 ~ 16,000 Hz |
感度 | -58 dB (1.3 mV) |
質量 | 約735g |
Universal Audioが2022年に新しく発売したダイナミックマイク SD-1。
ボーカル、楽器、スピーチなど様々な用途で万能に使えるマイクです。
SD-1はPCの動作音、エアコンなどの周辺ノイズを遮音する能力が高く、自宅での配信に最適ですね。
SM7Bに比べると、音がフラットで明瞭なので使いやすい感じもします。
レビューの章では、サンプル音源付きでSM7Bとの比較も細かくしていきます。
それでは、まずは製品仕様から解説していきます。
仕様を飛ばして、レビューを読みたい方は<SD-1をレビュー>を参照ください。
カーディオイド
SD-1は正面の音を拾うカーディオイドマイクです。
左右の音も多少拾いますが、周辺ノイズはかなり遮音されますね。
なお、本体の底面にローカット・フィルターとアーティキュレーションブーストがついています。
機能 | 概要 |
ローカット・フィルター | 200 Hz、6dB / oct 車やエアコンの音などを 抑制できることがある |
アーティキュレーション ブースト | 3~5kHzをブースト 声がより明瞭に聴こえる |
僕が使った感じでは、どちらもOFFで問題なかったです。
周辺ノイズや声の明るさが気になるときは使ってみましょう。
ウィンドスクリーン・ショックマウント内蔵
SD-1は吹かれノイズを抑制するウィンドスクリーンと振動ノイズを抑制するショックマウントが内蔵されています。
そのため、本体をそのままセッティングするだけでノイズに強い仕様になっています。
また、取付ネジは5/8インチ – 3/8インチ 変換アダプタが付属しているので、マイクスタンドに合わせて変えられます。
SD-1に合うマイクアーム
SD-1は本体重量735gとダイナミックマイクの中ではかなり重いです。
そのため、マイクアームはしっかりしたものを選びましょう。
一般的なデスクであれば、audio technica AT8700Jがおすすめです。
逆さに吊るしたり、マイクアームをしっかり伸ばしたい人はアームが長いBlue Compassをおすすめします。
Hemisphere マイク・モデリング・プラグイン
SD-1は無償で使えるHemisphere マイク・モデリング・プラグインに対応しています。
このプラグインを使うことで、有名マイクのサウンドを再現した音にできます。
更にマイクの近接効果、軸をパラメーターで調整することもできます。
パラメーター調整は録音後でも可能なので、録ってみてマイキングを変えたい場合などに有効です。
なお、Hemisphere マイク・モデリング・プラグインはネイティブなので、DAW上で使用することができます。
また、オーディオインターフェイスにApolloシリーズを使うとDSPで動作します。
DSPで使うとリアルタイムでプラグインをかけても、レイテンシーがほぼ発生しないので便利ですね。
とはいえ、動作は軽いのでネイティブでもPCのスペックが低くなければ、リアルタイムで使っても問題なかったです。
UNIVERSAL AUDIO SD-1をレビュー
それでは、SD-1を細かくレビューしていきます。
はじめにメリット・デメリットを箇条書きでまとめると、以下の通りです。
全体的の所感としては、すごく良いマイクですね。
周辺ノイズを遮断しつつ、声はクリアで明瞭に聴こえます。
一方でマイクの感度が低いため、安いオーディオインターフェイスで運用する人は注意が必要です。
レビューではそのあたりも含めて、細かく解説していきます。
製品レビューの目次
フラットで素直な音質
SD-1でボーカル、スピーチ、アコギなどを録ってみると、非常に素直な音だなと感じました。
色付けはほとんどされておらず、原音そのままに録れます。
実際に録ったサンプル音がこちら。
SHURE SM7Bは低中音域のパワーがありますが、SD-1は原音に忠実という感じですね。
ボーカル・スピーチではかなり使いやすい音に仕上がってます。
アーティキュレーションブーストをONにすると、高音域が強くなります。
SD-1はフラットな特性から、高音ブーストした状態へ切替できるので便利ですね。
配信から歌録りまで、万能にこなせる1本です。
Hemisphereプラグインで音の質感を変えられる
SD-1は無償で使えるHemisphere マイク・モデリング・プラグインで有名マイクをモデリングしたサウンドを使用できます。
選べるマイクは5種類あり、それぞれ微妙にニュアンスが変化します。
サンプル音源を用意したので、聴き比べてみてください。
ほんのわずかですが、質感が変化しています。
プラグインなので、録音後にもマイクの種類を変えられるところが良いですね。
また、画面下部のノブでマイク距離などを調整できるようになっています。
項目 | 概要 |
FILTER | ローカットやPADがかかる ※効果はマイクによって変わる |
PROXIMITY | 近接効果を調整する |
AXIS | マイク軸の角度を変える |
マイクに近づきすぎた場合に後から、PROXIMITYを下げて、低音域のふくらみを抑えることができます。
録音後に処理できるので、地味に便利です。
非常に低ノイズ
SD-1の良いところは周辺ノイズを遮断してくれる点です。
先ほどのサンプル音を聴いてもわかる通り、エアコンの音やPCの動作音はほとんど拾っていません。
ノイズ除去する必要がないレベルでクリアな音が録れますね。
また、マイクに近づいて録っても低音域が膨らみすぎないようになっています。
そのため、かなり口元にマイクを近づけて録っても自然な音で録れます。
音の発信源に近づければ、マイクプリのゲインを下げられるので、より低ノイズで録れます。
自宅での配信・レコーディングで使うには非常に良いマイクです。
マイクの感度はかなり低い
SD-1は感度が-58 dB (1.3 mV)とかなり低いです。
そのため、安いオーディオインターフェイスで使う場合は音量不足になる可能性があります。
僕のボイスサンプル音はオーディオインターフェイスのゲインを+47dBにして録っています。
僕は声が大きいので、声が小さい人はもっと上げる必要があります。
しかし、低価格帯のオーディオインターフェイスはMAXで55dBくらいまでしか上がらない製品が多いです。
SD-1に繋ぐオーディオインターフェイスは60dBくらいまで、クリーンで上げられる製品だと安心かなと思います。
もしくはマイクの信号をブーストできるインライン・プリアンプを間に挟むと良いですね。
手持ちのオーディオインターフェイスで音量が足りないときはインライン・プリアンプを使うのが一番手軽です。
SHURE SM7Bとの比較
SD-1 | SM7B | |
指向性 | カーディオイド | カーディオイド |
周波数特性 | 50 ~ 16,000 Hz | 50 ~ 20,000 Hz |
感度 | -58 dB (1.3 mV) | -59.0 dB (1.12 mV) |
重量 | 約735g | 約765.4g |
実売価格 | 4.4万円程度 | 5.2万円程度 |
最後はSHURE SM7Bとの比較です。
SD-1とSM7Bはルックスやスペック的にはかなり近いですね。
周辺ノイズに強く、声をクリアに拾ってくれる能力はほぼ同等ですが、違いは音の特徴です。
SM7Bは低中音域の密度が高く、SHUREらしい音になっています。
SHURE SM7Bの音
対して、SD-1はフラットで原音に忠実な音で、今時っぽい印象を受けますね。
SD-1
SM7Bは往年の名機らしい魅力的なサウンドで、SD-1は万能で使いやすいサウンドという印象です。
初心者の方にはSD-1のほうが使いやすいと感じました。
あとはルックスの好みでしょうか。
カラーがホワイトとブラックで異なるため、配信で映す際にどっちが良いかで選ぶのも良いでしょう。
音質面ではタイプがやや異なるくらいで、どちらのマイクも素晴らしい品質です。
UNIVERSAL AUDIO SD-1 まとめ
- 2022年に発売されたUNIVERSAL AUDIOのダイナミックマイク
- 周辺ノイズを遮断しつつ、声はクリアで明瞭に録れる
- フラットで原音に忠実な音。本体スイッチで3~5kHzをブーストできる
ぎたすけ
たけしゃん
UNIVERSAL AUDIO SD-1のレビューでした。
SM7Bの対抗馬としても、すごく良い選択肢が生まれましたね。
周辺ノイズを拾わないので、自宅でのレコーディングや配信している人に最適です。
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