ぎたすけ
たけしゃん
用途 | 項目 |
---|---|
ライブ配信 | |
DTM | |
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SHURE SM7dB
マイクタイプ | XLRダイナミックマイク |
指向性 | カーディオイド |
周波数特性 | 50 to 20,000 Hz |
感度 | -59 dBV/Pa(1.12 mV) -41 dBV/Pa (8.91 mV) -31 dBV/Pa (28.2 mV) |
質量 | 約837g |
2023年9月に発売されたSHUREのダイナミックマイク SM7dBです。
昔から有名なSM7Bにプリアンプを搭載させたモデルになっています。
SM7Bは音質、ノイズ抑制などの面で非常に優れたマイクで、昔から放送局や業務用スタジオでよく使用されています。
昨今ではDTM、動画制作、ライブ配信など、自宅で利用されている方もかなり多いです。
一方でSM7Bは感度がかなり低いため、安価なオーディオインターフェイスでは十分な音量を得られないことがあります。
製品名 | GAIN最大値 | 実売価格 |
AudioBox Go | 50dB | 10,800円程度 |
UR12 | 54dB | 11,000円程度 |
AG03mk2 | 60dB | 18,700円程度 |
MOTU M2 | 60dB | 32,780円程度 |
iD14mkii | 58dB | 47,300円程度 |
Duet 3 | 65dB | 99,000円程度 |
そのため、業務用スタジオは良いものの、個人の環境で使うにはややハードルが高いマイクでした。
SM7dBはマイク自体にプリアンプを内蔵することで、この問題を解決しています。
SM7dBなら安価なオーディオインターフェイスでもSM7Bの音を忠実に再現できるため、自宅でのライブ配信でも使いやすくなっています。
まずはSM7dBの製品仕様から解説していきます。
使用を飛ばして、レビューを読みたい方は<SM7dBをレビュー>を参照ください。
SM7Bとの違い
SM7dBはサウンド特性などはSM7Bのまま、プリアンプが内蔵されたモデルとなっています。
ただ、カラーやサイズ感などは微妙に異なります。
まず、カラーですがSM7Bはチャコールグレー、SM7dBはブラックになっています。
また、SM7dBは本体両サイドに「SHURE」のロゴが印字されています。
サイズはSM7Bと比べて、SM7dBは縦幅が9mmほど長くなりました。
横幅などはSM7Bと一緒です。
重量も73g重くなり、837gとなっています。
ちなみに安価なマイクアームは800g程度から、任意の位置で固定しづらくなるものが増えます。
そのため、SM7dBを使う方はそれなりに良いマイクアームを選びましょう。
筆者のテスト環境ではRODE PSA1を利用しています。
RODE PSA1はアームが長いこともあり、SM7dBとの相性がとてもいいですね。
カーディオイドマイク
SM7dBは正面の音を中心に拾うカーディオイドマイクです。
左右の音はあまり拾わないため、スピーチやボーカルなどの用途に適しています。
SM7dBはSM7Bと一緒で、音を拾う範囲が比較的広い印象を受けますが、エアコンやPCの動作音などはあまり拾わずに声だけをクリアに拾ってくれます。
周波数特性は50 to 20,000 Hzと普通のダイナミックマイクより広いです。
中低音域の密度が高いパワフルなサウンドですが、細かなニュアンスもしっかり再現してくれます。
ウィンドスクリーン・ショックマウント内蔵
SM7dBはウィンドスクリーン・ショックマウント内蔵のマイクです。
ウィンドスクリーンは本体にそのまま取付けるタイプでブラックカラーが採用されています。
なお、交換用パーツとしてブラックカラーのウィンドスクリーンRK345Bも同時発売されています。
また、ショックマウントも内蔵されているため、振動ノイズにも強いです。
別途、ショックマウントやポップフィルターを用意する必要がなく、手軽に使うことができます。
プリアンプ内蔵
SM7dBは音を増幅するためのプリアンプが内蔵されています。
本体底面にコントロールパネルがついており、+18dBと+28dBから選択できます。
安価なオーディオインターフェイスで使う分にも十分なレベルですね。
なお、bypassスイッチをONにするとプリアンプはスルーされ、SM7Bと同じ出力レベルになります。
また、プリアンプを使用する場合はファンタム電源の供給が必要となります。
マイクを接続するオーディオインターフェイスもしくはミキサーから供給しましょう。
底面にはプリアンプ以外に周波数特性を調整できるスイッチもついています。
SM7dBではイラストがわかりやすくなり、スイッチも手で切替えられるように改良されています。
SM7dBはSM7Bから地味に細かいところが改良されていますね。
付属品
- フォームウィンドスクリーン(A7WS)
- 3/8インチ→5/8インチ変換ねじ
付属品として、大きいサイズのウィンドスクリーンと変換ねじが入っています。
SM7dBは標準では3/8インチのねじ穴になっています。
マイクスタンド側のねじが5/8インチの場合は変換ねじで合わせましょう。
SHURE SM7dBをレビュー
それでは、SM7dBを細かくレビューしていきます。
はじめにメリット・デメリットを箇条書きでまとめると以下の通りです。
SM7B自体が完成度の高いマイクですが、さらにブラッシュアップされた感じですね。
安価なオーディオインターフェイスでも音量の心配がなくなりました。
価格もSM7Bから+15,000円程度なので、SM7Bにインラインプリアンプを追加購入する場合とほぼ変わらないです。
中低音域が魅力的でノイズに強い
SM7dBでボイス、ボーカルなどを録ってみました。
SM7Bの特色をそのまま引き継いでおり、中低音域の密度が高く、魅力的な音が録れます。
低域から高域までワイドに録れるので、普通のダイナミックマイクよりも明瞭に感じます。
マイクにかなり近いづいても、低音が不要に膨らむことがないので扱いやすいところも良いですね。
また、周囲の環境ノイズやハムノイズにも強い設計なので、家電の動作音や電磁ノイズの混入を抑制してくれます。
エアコンをつけながらテストしても、ほとんど気にならないレベルでした。
こういったところがライブ配信者に人気な理由ですね。
内蔵プリアンプは原音のまま持ち上げるタイプ
内蔵されたプリアンプを利用して、サウンドを録ってみました。
使用しているオーディオインターフェイスはYAMAHA AG03です。
内蔵プリアンプはほぼ原音のまま、キレイに音を持ち上げるタイプですね。
SHURE純正ということもあり、SM7Bの音の特性が損なわれることはありません。
プリアンプOFFの音源はAG03のGAINを90%程度にして録っていますが、+28dBだとGAIN 40%あたりで同程度になりました。
筆者は声量があるのでプリアンプOFFでも音量的に問題はないですが、プリアンプを通してAG03のGAINを下げたほうが低ノイズに感じました。
5万円以下のオーディオインターフェイスだとGAIN最大値がSM7Bの推奨値である60dBに届かない、もしくはギリギリの製品がほとんどなので、SM7dBだと安心ですね。
製品名 | GAIN最大値 | 実売価格 |
AudioBox Go | 50dB | 10,800円程度 |
UR12 | 54dB | 11,000円程度 |
AG03mk2 | 60dB | 18,700円程度 |
MOTU M2 | 60dB | 32,780円程度 |
iD14mkii | 58dB | 47,300円程度 |
Duet 3 | 65dB | 99,000円程度 |
ライブ配信者の方はAG03mk2に繋ぐ方が多いかと思いますが、SM7dBであれば音量の心配はありません。
インラインプリアンプとの比較
SM7Bでは安価なオーディオインターフェイスなどに接続する場合、インラインプリアンプを挟むのが解決策となっていました。
本章ではSM7Bにインラインプリアンプを買い足すのと、SM7dBを買うのではどっちが良いかを検討してみましょう。
筆者が考えるSM7dBを選択するメリット・デメリットは以下の通りです。
SM7dBのメリットはマイクと一体化しているため、コンパクトであることです。
SM7B&インラインプリアンプだとプリアンプの設置スペースが必要なので、若干場所は取ります。
また、マイクを携帯する際もインラインプリアンプを一緒に持ち歩く必要があります。
SM7dBのほうが手軽さや携帯性の面で優れています。
更にSM7dBはSHURE製のプリアンプが搭載される点も大きいですね。
マイクプリアンプは入力音量をブーストする以外に、そのプリアンプ独特の質感を付与する目的でもよく使われます。
SM7dBのプリアンプはSM7dB専用に設計されており、SM7Bの質感をそのまま活かすようになっています。
やはり、専用に設計されたメーカー純正のプリアンプが安心ですよね。
一方でSM7dBの場合はプリアンプを他のマイクに使い回せないというデメリットがあります。
そのため、他のマイクにプリアンプを使い回すかどうかが製品選びのポイントになりますね。
続いて、価格についてです。
SM7dBとSM7Bの価格差は15,000円程度で、SM7Bでよく使われるインラインプリアンプの実売価格は下表の通りです。
製品名 | 実売価格 |
Cloud Microphone Cloudlifter CL-1 | 24,800円程度 |
sE Electronics DM1 DYNAMITE | 14,000円程度 |
SM7B&CL-1だと1万円ほど高くなりますが、SM7B&DM1だとSM7dBとほぼ同価格です。
そのため、やはりプリアンプを他のマイクでも使いたいかどうかが焦点になるかと思います。
SM7Bしか使わないならSM7dBが間違いないですし、他のマイクでも使い回すならSM7B&インラインプリアンプが良いでしょう。
SHURE SM7dB まとめ
- SM7dBはSM7Bにプリアンプを搭載したマイク
- プリアンプは原音に忠実なタイプでSM7Bの特性を損なわない
- カラーやデザインなど細かいところも少し変わっている
ぎたすけ
たけしゃん
SHURE SM7dBのレビューでした。
ライブ配信がメインならYAMAHA AG03mk2と組み合わせて使いたい方が多いでしょうから、SM7dBの登場はかなり大きいのではないでしょうか。
配信向けのオーディオインターフェイスだと、プリアンプのスペックが良いものは少ないため、SM7dBが活躍する場面は多そうですね。
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