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コンデンサーマイクの選び方

コンデンサーマイクとは、電気を蓄え放出する「コンデンサー」を利用したマイクを指します。
感度が高く、細かな音の変化までクリアに収音できるため、レコーディングなどの用途で好んで使用されます。
ライブで使用されることが多い、ダイナミックマイクとの違いは「電源が必要であること」「環境変化に弱いこと」が挙げられます。

一方で、ダイナミックマイクより音の感度が高く、クリアで滑らかな音が録れます。
レコーディングスタジオや自宅など、静かで安定した環境なら、コンデンサーマイクのほうが良い音で録れることが多いでしょう。

昨今では、コンデンサーマイクは自宅でのレコーディング、ライブ配信、テレワークなど、さまざまな用途で活用されています。

本章では、コンデンサーマイクの選び方について、細かく解説します。
コンデンサーマイクの種類

コンデンサーマイクは、用途にあわせてさまざまな種類があります。
代表的なものをまとめると、下表の5種類です。
形状 | 概要 |
![]() ハンドヘルド | 一般的なハンドマイク ライブなどでよく使う |
![]() ラージダイアフラム | レコーディング用マイク スタジオや自宅で使う |
![]() スモールダイアフラム | 楽器録音向けマイク ペンシル型とも呼ぶ |
![]() ガンマイク | テレビ収録などに使う カメラ取付用の製品もある |
![]() ピンマイク | 首元につけるタイプ 番組収録などで良く使う |
このなかで、レコーディング、ライブ配信、テレワークによく使用されるのはラージダイアフラムです。

ラージダイアフラムは、名前の通りダイアフラムが大きいことが特長。
音の感度が高く、繊細な音の変化まで余すことなく収音します。
自宅やスタジオでの録音、配信、Web会議といった用途であれば、ラージダイアフラムを選択すると良いでしょう。
後半の<おすすめのコンデンサーマイク>の章でも、ラージダイアフラムのコンデンサーマイクを紹介します。
マイクの指向性

マイクの指向性とは、マイクが音を拾う方向を示したものです。
歌や楽器のレコーディング、ライブ配信、テレワークなどは単一指向性を用いるのが一般的です。

単一指向性は、正面の音をメインに収音するので、周辺の雑音をある程度カットしてくれます。
そのほかの指向性も、使用する場面は下表の通り、概ね決まっています。
指向性 | 使用する場面 |
![]() 単一指向性 | 正面の音のみを拾う 1人で使う場合に最適 |
![]() 双指向性 | 前後の音を拾う 対談などで便利 |
![]() 無指向性 | 360度の音を拾う 会議室などで便利 |
安価なコンデンサーマイクは、単一指向性のみ対応した製品が多いです。
価格が上がると、複数の指向性を切り替えできるマイクが増えます。

逆に、数千円など安すぎるマイクは、無指向性のみ対応した製品が多くなります。

無指向性は、周辺の雑音も大分拾ってしまうので、一人で利用するには不向きです。
安価で、指向性について何も書いていない製品は、無指向性が多いので注意しましょう。
たけしゃん
USBマイクとXLRマイク

コンデンサーマイクは、主にUSBマイクとXLRマイクに分かれます。
USBとXLRは、接続に使用する端子の違いです。

USBは、PCの周辺機器で使用される一般的な端子なので、マイクとPCを直接接続することができます。
XLRは、プロオーディオ用の機材に使われている端子です。
PCやスマートフォンには、XLR端子は用意されていないため、接続にはオーディオインターフェイスが必要になります。

もう一つ重要なことは、USBマイクにはオーディオインターフェイスが内蔵されているという点です。

USBマイクは、オーディオインターフェイス内蔵なので、PCやスマートフォンと直接接続できるわけです。
逆に、他のオーディオインターフェイスと接続することはできません。
しかも、USBマイク内蔵のオーディオインターフェイスは簡易なものになっています。

歌ってみたやDTMなど、高度な音楽制作で使うのは苦しいです。
なので、USBマイクにするか、XLRマイクにするかは用途によって変えましょう。
やや大雑把ではありますが、下表を参考に選ぶのがおすすめです。
用途 | USBマイク | XLRマイク |
テレワーク | ||
ライブ配信 (雑談・ゲーム) | ||
ライブ配信 (歌枠) | ||
歌ってみた | ||
DTM |
テレワークや雑談配信など、話せれば良いものなら、USBマイクのほうが手軽でおすすめです。
逆に、高度な音楽制作、歌枠などのライブ配信では、XLRマイクとオーディオインターフェイスをおすすめします。
次章では、おすすめのUSBマイクとXLRマイクを、それぞれ紹介します。
おすすめのコンデンサーマイク 17選

ここからは、おすすめのコンデンサーマイクを価格別でご紹介していきます。
価格の分け方は以下の通りです。
- 1万円以下(入門機)
- 1万円~3万円(趣味の方におすすめ)
- 3万円~5万円(仕事でも使っていけるレベル)
- 5万円~10万円(プロユースのエントリーモデル)
- 10万円以上(プロユース)
XLRマイクとUSBマイクの両方を紹介しますが、USBマイクは低価格帯しかありません。
また、趣味でやる方は「1万円~3万円」の製品がおすすめです。
歌い手を本気でやる、仮歌の仕事を請ける、といった本格的な方は「3万円以上」のマイクをおすすめします。

個人的には、3~5万円のマイクなら品質的に十分なので、それ以上のマイクを買うよりは他に予算を回した方がいいと思います。
たけしゃん
1万円以下でおすすめのコンデンサーマイク

まずは、1万円以下でおすすめのコンデンサーマイクを紹介します。
最近は、この価格帯でも音質の良いマイクが何本もあります。
一方、この価格帯は作りが安っぽいので、耐久性はあまり期待できません。
まずは、お試しで買いたい方向けです。
長く使いたい方は次の<1万円~3万円の製品>をおすすめします。
マランツプロ MPM-1000

項目 | 内容 |
タイプ | XLRコンデンサーマイク |
指向性 | カーディオイド |
本体機能 | なし |
本体重量 | 約300g |
6,000円程度で買える激安コンデンサーマイク、マランツプロ MPM-1000。
激安ですが、ちゃんとした音で録れるため、人気の高いマイクです。
音質は、癖がなくクリアな音になっています。
安いマイクによくある、音が奥に引っ込む感じはありますが、普通にキレイに録れるので驚きです。
歌ってみたなどの動画製作やライブ配信、デモ製作には十分使えるレベルです。
MPM-1000は、卓上マイクスタンドやマイクケーブルなど、豊富な付属品が付いてきます。

- ショックマウント
- ポップガード
- 卓上マイクスタンド
- マイクケーブル
付属のマイクスタンドは、簡易なものなので別で用意したほうが良いものの、他は普通に使えます。
まずはコンデンサーマイクを使ってみたいという方には、うってつけの1本です。
マランツプロ MPM1000U

タイプ | USBコンデンサーマイク |
指向性 | 単一指向性 |
周波数特性 | 20Hz – 17kHz |
最大SPL | 132dB |
S/N比 | 78dB |
寸法 | 158 × 48mm |
重量 | 300g |
安くて質が良いマランツプロのUSBコンデンサーマイク、MPM1000U。
先ほどの、MPM-1000のUSBマイク版です。
MPM1000Uも、7,000円程度とは思えない高音質なUSBマイクです。
MPM1000Uでボーカル録音した動画がこちら。
ただ、本体にイヤホン端子やつまみなどが一切ありません。

そのため、オンライン会議や配信で使う場合は、このあと紹介するHyperX SoloCastのほうが楽です。
また、付属品も質素で、マイクホルダーとUSBケーブルのみになっています。

手軽さよりは、音質と価格を重視する人におすすめのマイクです。
HyperX SoloCast

タイプ | USBコンデンサーマイク |
指向性 | カーディオイド |
周波数特性 | 20Hz~20kHz |
サンプリング周波数 | 96kHz / 24bit |
対応OS | Windows 7以降、Mac OS PS4、PS5 |
重量 | マイク:261g スタンド:125g |
ゲーミングデバイスに強いHyperXのUSBマイク SoloCast。
コンパクトなサイズ感と優れた音質で、人気の高いUSBマイクです。
USBマイクの中でも、最小レベルのサイズ感で、机にポンと置いて使うのに最適です。

付属スタンドは、角度を自由に変えられるので、設置の自由度は割と高くなっています。


マイク本体は、マイクスタンドから取り外して、別売りのマイクアームに取付することもできます。

なお、付属スタンドは振動ノイズを結構拾います。
タイピングしながら配信やオンライン会議をする人は、できればマイクアームを使ったほうが良いですね。
上部にはミュートボタンがついており、触るとマイク入力がミュートされます。


機能面は必要最小限という感じです。
その代わりに音質はかなり良く、1万円未満の機種ならトップレベルです。
サイズもコンパクトなので、ノートPCとセットで持ち歩くのに適しています。

有名人の方でも、出張先のホテルからの配信だとSoloCastを使っていたりします。
音質が良い小型マイクが欲しい人には、うってつけの製品です。
1万円~3万円でおすすめのコンデンサーマイク

続いては、1万円~3万円でおすすめのコンデンサーマイクを紹介します。
この価格帯は、最も商品バリエーションが豊富です。
特に、1万円台のマイクはどこのメーカーも力を入れています。
その中から、筆者が実際に使ってみて、おすすめできる製品を解説していきます。
audio technica AT2020

項目 | 内容 |
タイプ | XLRコンデンサーマイク |
指向性 | カーディオイド |
本体機能 | なし |
本体重量 | 約345g |
audio technicaのエントリーモデル、AT2020。
低価格帯コンデンサーマイクのベストセラーで、累計100万本以上売れている人気マイクです。
1万円程度の価格感で、音質と耐久性ともにかなりのクオリティに仕上がっています。
サイズや重量も程よいので、自宅でも扱いやすいところも良いですね。

付属品として、マイクホルダーとマイクポーチがついています。


シンプルですが、どちらも質が良いので使い勝手もよいです。
このへんは、さすがaudio technicaですね。
音質は、フラットで癖がないので万人向けという印象です。
最初に買うコンデンサーマイクとして、ちょうどいい製品と言えます。
1万円未満の製品と比べると、音質の差はそこまで感じないですが、耐久性など製品の品質に差を感じます。
AT2020は、マイク本体も付属品も質が良いので、安価ながらも長く使っていける製品です。
audio technica AT2035

項目 | 内容 |
指向性 | カーディオイド |
本体機能 | PAD ローカット |
本体重量 | 約403g |
audio technicaのエントリーモデル AT2035。
下位モデルでベストセラーのAT2020と比べると、以下の点が強化されています。
- S/N比の向上(低ノイズ)
- 付属品がショックマウントに変更
- 本体にPAD、ローカット機能が追加
まず、S/N比が82dB以上となり、非常に低ノイズで録れるようになっています。
マイクの音質はフラットで、原音に忠実な特性になっています。
1万円台のマイクにしては、かなりキレイに録れますね。
低ノイズなので、小さい音を録るときもやりやすくて良いです。
付属品は、振動ノイズに強いショックマウントが付いています。
AT2020はスタンドマウントだったので、グレードアップしていますね。


さらに、本体にはPADとローカットのスイッチが追加されています。


ローカット | 80Hzのハイパスフィルター |
PAD | -10dBの減衰 |
ボーカル録音では、PADは使わないものの、ローカットは周辺ノイズをカットできることもあるので、環境によっては使えます。
AT2020と比べると、ノイズ対策が強化されており、より低ノイズに録音できるようになっていますね。

AT2020は13,000円程度、AT2035は20,000円程度です。
自宅でレコーディングをしていると、ノイズ対策はとても重要なので、予算的に大丈夫ならAT2035がおすすめです。
LEWITT LCT 240 PRO

項目 | 内容 |
指向性 | カーディオイド |
本体機能 | なし |
本体重量 | 約310g |
元AKGのスタッフが立ち上げたオーストリアのマイクメーカーLEWITT。
そのLEWITTのエントリーモデルがLCT 240 PROです。
1万円台だと珍しい、明るくて抜けの良いサウンドが特徴的ですね。
クリアで音の解像度も高く、1万円台のマイクの中ではかなり完成度が高いです。

LCT 240 PROには、通常版とValuePackがあります。
通常版はスタンドマウントのマイクホルダーですが、ValuePackは振動ノイズに強いショックマウントが採用されています。

価格は2,000円~3,000円程度の差なので、ValuePackの購入をおすすめします。
マイク本体はコンパクトで、付属のショックマウントも使いやすいため、自宅での使い勝手も良好です。

初めて買うコンデンサーマイクとしても、おすすめできる安心の1本ですね。
audio technica AT2020USB-X

タイプ | USBコンデンサーマイク |
指向性 | カーディオイド |
サンプリング周波数 | 96kHz / 24bit |
接続端子 | USB-C(USB 2.0) |
対応OS | Windows 8.1、10、11 macOS Catalina Big Sur、Monterey |
質量 | 約373g |
2022年9月発売のaudio technica AT2020USB-X。
ロングセラー製品のAT2020USB+をブラッシュアップした、高音質なUSBマイクです。

もともと音が良いAT2020USB+から、更に音質向上しており、USBマイクの中ではトップレベルの音質になっています。
マイク本体には、タッチセンサー式のミュートスイッチがついています。

軽く触れるだけで反応し、ミュート時はマイクのLEDが赤くなります。


タッチセンサーなので、ミュートするときに音が鳴らないところが良いですね。
テレワークや配信では、サッとミュートにできるので使い勝手がいいです。
専用アプリやエフェクトなどはないですが、マイク自体の音質はトップレベルに良いです。
機能の豊富さよりは音質を重視したい!という人に最適な製品ですね。

なお、2023年6月にAT2020USB-XPが発売されました。
AT2020USB-Xに、ノイズリダクションとオートゲイン機能がついた製品です。

エフェクト | 効果 |
ノイズリダクション | ノイズ除去機能 レベルを3段階で選べる |
オートゲイン コントロール | 声の大きさに合わせて 自動で音量調整される |
ノイズリダクションを使うことで、周辺ノイズを自然にカットすることができます。
自宅環境のノイズが気になる方、いろんな場所で使う方はAT2020USB-XPがおすすめです。
YAMAHA AG01

タイプ | USBコンデンサーマイク |
指向性 | カーディオイド |
周波数特性 | 30 Hz – 20 kHz |
接続端子 | USB-C AUX 4極ミニ入出力 |
サンプリング周波数 | 192kHz / 24bit |
寸法(幅×高さ×奥行) | 116mm × 281mm × 118mm |
質量 | 1.2kg |
2022年10月に発売されたYAMAHAのUSBマイク AG01。
配信で大人気のオーディオインターフェイス AG03MK2の便利機能を継承し、コンデンサーマイクと一体化させたUSBマイクになっています。

USBマイクでは珍しく、ループバック機能に対応しており、DSPで使えるEQ・コンプレッサー・リバーブも搭載しています。

本体には多様なツマミがついており、本体操作だけで一通りのことができます。


また、USBマイクでは珍しく、AUXと4極入出力端子がついています。

AUXはスマホやオーディオ機器を繋ぐことでBGMなどを配信に流すことが可能です。
また、4極入出力端子を使うと、PCとスマホで同時配信することが可能になります。

その他、4極入出力でスマホと繋ぐことでAG01をイヤホンマイクのように使えます。
ループバックを絡めると、スマホの通話音声をPC配信に流すことも可能です。

オーディオインターフェイスやミキサーが必要だったことがAG01だけで実現できます。
配信向けのUSBマイクとして、非常に完成度の高い製品です。
一方、デメリットとして、USBマイクにしてはかなり大きい点が挙げられます。

縦長なので、設置スペースはそこまで必要ないですが、小型マイクほど自由度はありません。
なお、発売当初は25,000円くらいだったのですが、最近は15,000円~20,000円くらいで売っています。
その価格帯だったら、間違いなくおすすめですね。
3万円~5万円でおすすめのコンデンサーマイク

3万円~5万円は、XLRコンデンサーマイクのメインとなる価格帯と言えます。
この価格帯の製品は、プロアマ問わずに使用者が多いです。
たけしゃん
また、この価格帯からはUSBマイクの選択肢があまりありません。
本記事も、ここからはXLRマイクのみ紹介していきます。
LEWITT LCT 440 PURE

項目 | 内容 |
タイプ | XLRコンデンサーマイク |
指向性 | カーディオイド |
本体機能 | なし |
本体重量 | 約310g |
ここ数年で使用者が増えている、LEWITTのコンデンサーマイク LCT 440 PUREです。
3万円程度とは思えない、高い解像度で音を収録してくれるコンパクトなマイクです。

程よく煌びやかでクリアな音ですね。
今時のサウンドという感じなので、歌録り、楽器録り全般的に使いやすい音です。
LCT 440 PUREは付属品も質が良く、充実しています。

マイク本体もコンパクトなので、宅録や自宅配信での使い勝手はかなり良いですね。

audio technica AT4040はフラットな特性ですが、LCT 440 PUREは程よく煌びやかで抜けの良いサウンドです。
ミュージシャンからの評価も高く、最近ではかなりの人気のマイクです。
audio technica AT4040

項目 | 内容 |
タイプ | XLRコンデンサーマイク |
指向性 | カーディオイド |
本体機能 | PAD ローカット |
本体重量 | 約360g |
audio technicaの定番、 ATシリーズの中堅モデルAT4040。
昔から、宅録用のコンデンサーマイクとして人気の定番マイクですね。
AT4040の強みは、フラットでクセのないピュアな音質です。
AT4040でボーカルとアコギをそれぞれ録った動画がこちら。
フラットでバランスの良い音で、音の情報量も充実しているため、万人におすすめできるマイクです。

ボーカル録りはもちろん、アコギの録音もバッチリです。
バランスの良い、非常に聴きやすい音で録れます。

付属するショックマウントも金属製を採用しており、耐久性と安定性が向上しています。

人気の歌い手、DTMerの使用者も多く、筆者も仮歌の仕事で良く使っていました。
AT4040は1本持っておくと、すごく便利なマイクですね。
AKG C214

項目 | 内容 |
タイプ | XLRコンデンサーマイク |
指向性 | カーディオイド |
本体機能 | PAD ローカット |
本体重量 | 約280g |
プロユースのマイクメーカーとして有名なAKGのエントリーモデル、AKG C214。
プロのレコーディングスタジオで定番となっている、C414 XLIIを基にDTMer向け安価版として発売された製品です。

初期状態で高音が強めにチューニングされています。
煌びやかで、音が目立つので、ボーカルなどのリード楽器の録音に適しています。
実際に、C214で歌とアコギ録りをした動画がこちら。
音の抜けがすごく良いので、ボーカルがしっかり聴こえてきます。
一方で、やや派手になるので、原音に忠実な音が良い方はAT4040を選択しましょう。
AKG C214は、コンデンサーマイクの中でもコンパクトで軽量な部類に入ります。

安価なマイクアームでも安定するので、スペースの狭い自宅環境でも扱いやすいところがいいですね。

YouTube動画の制作、ライブ配信はもちろん、仮歌などにも使えるクオリティの高いコンデンサーマイクです。
5万円〜10万円でおすすめのコンデンサーマイク

本章では、5万円〜10万円でおすすめのコンデンサーマイクを紹介します。
この価格帯となると、プロユースのレコーディングスタジオにも置いてある製品が増えます。
指向性も複数に対応したマイクが多くなり、幅広い用途に使える製品が多いですね。
AKG C414XLS

項目 | 内容 |
タイプ | XLRコンデンサーマイク |
指向性 | 9段階 |
本体機能 | PAD ローカット |
本体重量 | 約300g |
往年の名機であるAKG C414シリーズの最新モデル、AKG C414XLS。
フラットな特性で、ボーカルから楽器まで幅広く対応できる、万能タイプのコンデンサーマイクです。
現行のC414は、フラットタイプのC414XLSと、ボーカルやリード楽器に最適な C414 XLIIの2種類があります。

C414XLSは、各音域のバランスがよく、原音に忠実なタイプです。
C414XLSで録った演奏動画がこちら。
指向性は9つのタイプに対応しており、マイク本体に調整できるスイッチがついています。

背面には、PADやローカットフィルターがついており、こちらも3種類から選択できます。

音質もさることながら、機能性にも優れたマイクです。
付属品も非常に豊富で、専用のポップガードも付属しています。


マイクの品質、機能性、付属品などを考えると、かなりコスパに優れたマイクです。
audio technica AT4050

項目 | 内容 |
タイプ | XLRコンデンサーマイク |
指向性 | カーディオイド 双指向性 無指向性 |
本体機能 | PAD ローカット |
本体重量 | 約510g |
プロ使用者も多い、audio technicaの上位モデルAT4050。
フラットな特性で、ボーカルをはじめ、さまざまな楽器の収音に対応できるコンデンサーマイクです。
実際に、AT4050でボーカル録音したサウンドがこちら。
特性は、AT4040と同じくフラットで、使いやすい音になっています。
加えて、AT4050はツインダイアフラムになっており、情報量が多く鮮明かつ忠実に収音できます。

クリアでクッキリとした音が録れるので、ボーカルの特性に合わせて色付けしやすいところも良いですね。
アコギの録音にも使いやすいので、1本で色んな役割を担えます。
10万円を切る価格帯ですが、プロユースのレコーディングスタジオに置かれていることも多く、信頼度の高いマイクです。

プロユーザーを見ると、NulbarichのJQさんなどが使用されています。
筆者も所有していますが、とても歌いやすいコンデンサーマイクです。
NEUMANN TLM 102

項目 | 内容 |
タイプ | XLRコンデンサーマイク |
指向性 | カーディオイド |
本体機能 | なし |
本体重量 | 約260g |
プロユースのマイクメーカーとして有名なNEUMANNが、宅録ユーザー向けに販売したエントリーモデルTLM 102。
コンパクトながらもさすがの音質で、プロアマ問わずに人気のあるコンデンサーマイクです。
筆者も、長年メインのコンデンサーマイクとして使用していますが、とても使いやすいです。

6kHz以上の高音を、軽くブーストしたチューニングになっており、ボーカルなどのリード楽器を収音するのに最適な仕様になっています。
また、マイク本体が非常に小さくて軽いため、自宅での使いまわしがとても楽です。

PCデスクでライブ配信するときも、マイク越しにディスプレイや譜面が見えるので、とてもいいです。
プロアーティストだと、大石昌良さんがライブ配信などで使用されています。
本格的な音楽活動や、音楽の仕事をしたいと考えている人におすすめのマイクです。
10万円以上でおすすめのコンデンサーマイク

最後は、10万円以上のコンデンサーマイクを紹介します。
この価格帯になると、プロアーティストが使っている製品が多くなります。
この価格帯のマイクを選択するなら、オーディオインターフェイスなどの、受けとる側の機材も良いものを使いたいところです。
AKG C414 XLII

項目 | 内容 |
タイプ | XLRコンデンサーマイク |
指向性 | 9段階 |
本体機能 | PAD ローカット |
本体重量 | 約300g |
老舗のマイクメーカーAKGの有名マイク、C414 XLII。
往年の名機C414シリーズの最新モデルで、ボーカルやアコースティックギターの録音に最適なコンデンサーマイクです。
現行のC414シリーズには、XLSとXLⅡの2つの製品があります。

C414 XLSはフラットな特性なので、ボーカルからギター、ドラムなど色んな楽器で使われています。
対して、C414XLIIはボーカルやリード楽器などのメインパートでマッチするマイクになっています。
プロアーティストでは、秦基博さんがプライベートスタジオでAKG C414 XLIIを使用しています。
筆者も、XLSとXLIIの両方使ってみましたが、ボーカルやアコギ録りではC414 XLIIのほうが好みでした。
煌びやかですが、派手さはなくて上品で良い音が録れます。
本体機能も豊富なので、1本で色んな使い方ができる便利なマイクです。
NEUMANN TLM 103

項目 | 内容 |
タイプ | XLRコンデンサーマイク |
指向性 | カーディオイド |
本体機能 | なし |
本体重量 | 約600g |
NEUMANNの名機U 87で使われている、K 67 / 87のカプセルを踏襲したラージダイアフラムマイクNEUMANN TLM 103。
伝統的なNEUMANNサウンドを継承しつつ、機能面をシンプルにすることで価格を抑えた製品です。
5万円~10万円のコーナーで紹介した、TLM102と見た目は一緒ですが、一回り大きいサイズ感になっています。

TLM102と比べると、音の解像度が高く、リッチなサウンドになっています。
どこかの音域が出てる感じもなくバランスよく、煌びやかな音です。
筆者も、普段はTLM102を使っていますが、TLM103は大分キャラクターが違う印象を受けました。
どちらも違う良さがありますが、TLM103のほうが全体的に豊かでリッチな印象を受けます。
TLM103は、マイクの素材にコストを割いているため、マイク本体の機能は何もありません。
加えて、付属品も木箱とマイクホルダーのみです。

プロミュージシャンでは、山崎まさよしさんが、デモ音源の仮歌用マイクとして使用されています。
Universal Audio UA Bock 187

項目 | 内容 |
指向性 | カーディオイド |
本体機能 | PAD ローカット FATモード |
本体重量 | 約725g |
プロユースの音響機器メーカーUniversal Audioが、2023年5月に発売したUA Bock 187。
NEUMANN U87をインスパイアした、クラシックなトーンをモダンに磨き上げたサウンドが、特徴のマイクです。
世界的なマイクデザイナーであるDavid Bock氏がマイクデザインを行い、カリフォルニアのUAカスタムショップでハンドメイドされています。

全体的には、FATでクラシックなトーンですが、高音は煌びやかで今時なサウンドでもあります。

音の質感がよく、録っていて非常に歌いやすかったです。
メインのボーカルマイクとして使い勝手が良いマイクですね。
また、本体にはローカット、PADの他に、FATモードに切り替えるスイッチがついています。

FATモードは。10〜400Hzをブーストしたモードで低音域が強くなります。
アコースティックギターを聴き比べると、FATモードは低音弦の音が前にきているのがわかります。
アコギ録りで、ややマイクを離して録る際などは、FATモードにすると程よく低音域も入ってくれますね。

ボーカルマイクとしてはもちろん、FATモードを活用することで、1本で色んな役割をこなせるマイクになります。
おすすめのコンデンサーマイク まとめ

ぎたすけ
たけしゃん
おすすめのコンデンサーマイクについての解説でした。
録音の音質については、マイクだけに投資しても効果は出にくいです。
オーディオインターフェイスや部屋の音響なども整えないと、高級機のスペックを活かせません。

なので、限られた予算で検討する場合、マイクは3~5万円で良いので、他の機材に予算を回した方が良い結果になるのではないかと思います。
一方で、良いマイクは歌っていてほんとに気持ちがいいので、予算を作れるならぜひ検討してみてほしいですね。
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