評価:4.5
ぎたすけ
たけしゃん
用途 | 項目 |
---|---|
ライブ配信 | |
DTM | |
テレワーク |
ボイス
ボーカル
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YAMAHA AG01
マイクタイプ | USBコンデンサーマイク |
指向性 | カーディオイド |
周波数特性 | 30 Hz – 20 kHz |
接続端子 | USB-C AUX 4極ミニ入出力 |
サンプリング周波数 | 192kHz / 24bit |
寸法(幅×高さ×奥行) | 116mm × 281mm × 118mm |
質量 | 1.2kg |
2022年10月に発売されたYAMAHAのUSBマイク AG01。
配信で大人気のオーディオインターフェイス AG03MK2の便利機能を継承し、コンデンサーマイクと一体化させたUSBマイクになっています。
「XLRマイク+オーディオインターフェイス」と比べると、機能面で劣ることが多いUSBマイクですが、AG01は全く引けを取らないスペックです。
多様性のある機能と入出力端子で、様々な用途に1台で対応することができます。
まずはAG01の製品仕様から解説していきます。
使用を飛ばして、レビューを読みたい方は<YAMAHA AG01をレビュー>を参照ください。
なお、多機能かつ具体的な使い道も解説するため、製品仕様の解説はかなり長いです。
製品仕様の目次
指向性はカーディオイド
AG01は正面の音を中心に拾うカーディオイドのコンデンサーマイクです。
指向性切替機能はありません。
2万円台のUSBマイクで指向性切替できない製品は珍しいですが、1人での配信なら基本はカーディオイドだけで十分です。
マイクの音量調整は他のUSBマイクと少し違うので注意が必要です。
まず、前面にマイク用の音量ツマミがついています。
この音量ツマミはVOLUMEです。GAINではありません。
GAINは背面のMIC GAINスイッチで調整します。
この音量ツマミ(VOLUME)とMIC GAINの両方を使って、マイク音量を調整します。
ノイズを抑えて、自分の声をキレイに拾うためにはGAINを適切に調整するのが重要です。
GAINとVOLUMEの違いは下記の記事で詳しく解説しているので、合わせて参照ください。
また、前面の上部にはミュートボタンがついています。
ミュートがONになっていると赤く点灯します。
DSPエフェクト
AG01はDSPエフェクトを搭載しており、下記の3種類のエフェクトを使用できます。
エフェクト | 効果 |
COMP | 大きい音を圧縮、小さい音をブースト |
EQ | 各帯域の音をブーストあるいはカット |
Reverb | 音に残響音や反射音を加える |
マイク本体にはReverbスイッチがあり、ON/OFFを瞬時に切り替えることができます。
Reverbのかかり具合は専用アプリのAG Controllerで行います。
AG Controller
Yamaha Corporation無料posted withアプリーチ
COMPとEQはON/OFF、かかり具合ともにAG Controllerからのみコントロール可能です。
ちなみにAG03MK2だとReverbはINPUT MIXかLOOPBACK時のみかけ録り可能でしたが、AG01はかけ録りが基本になっています。
ループバック
AG01はUSBマイクにしては珍しく、ループバック機能を搭載しています。
3種類のモードがあり、背面のSTREAMING OUTスイッチでモードを切り替えることができます。
項目 | 内容 |
MIC | マイクに入力された音のみアプリに送る |
INPUT MIX | マイクとAUXに入力された音を ステレオミックスして送る |
LOOPBACK | INPUT MIXの音とPCなど 端末の再生音をステレオミックス |
PCで再生したBGMを配信に流す際はLOOPBACKを選択します。
INPUT MIXは主に雑談配信やチャットなどに適しています。
なお、LOOPBACKをONにするときは配信アプリやDAWのモニター機能はOFFにしましょう。
モニター機能をONにするとループしてハウリングを起こします。
MIX MINUS
MIX MINUSは他メーカーで言うダイレクトモニタリングのことです。
マイクに入力した音を接続したヘッドホンに直接返すことができます。
MIX MINUSをOFFにするとダイレクトモニターがONになります。
ライブ配信時に自分の声を聞きたくない場合はONにしましょう。
なお、ヘッドホン端子は底面についており、3.5mm端子が採用されています。
接続したヘッドホンの音量調整は前面の2つのツマミで行います。
項目 | 影響する音 |
音符ツマミ | PCなど端末の再生音の音量 |
ヘッドホンツマミ | ヘッドホンに流れる音の音量 |
ちょっとわかりづらいですが、音符アイコンのツマミはPCやスマホで流している再生音だけが変化します。
対して、ヘッドホンアイコンのつまみはヘッドホンに流れる音全てが変化します。
具体的な使い分けを言うと、歌枠で自分の声とオケのバランスを調整するときですね。
音符アイコンのツマミならオケの音だけ音量を変えられます。
なお、この2つのツマミはモニター音のみ反映されるものです。
配信で実際に流れる音量には影響しないので注意しましょう。
AUXと4極入出力端子
底面にはAUXと4極入出力端子(スマホアイコン)が付いています。
AG03MK2はAUXが4極入出力に対応していましたが、AG01はAUXが3極入力でスマホアイコンが4極入出力対応となっています。
ザックリ言うと、下記のような使い分けをします。
端子 | 主な使い方 |
AUX | スマホや音楽プレイヤーを繋ぎ PCの配信にBGMや効果音を流す |
4極入出力 | AG01をスマホ用の外部マイクとして使う |
AG01をiPhoneの外部マイクとして使うなら、USBで接続すればいいわけですが、USBだと使えないアプリが結構あります。
- 通話
- LINE通話
- FaceTime
- Skype
要は通話モードになるアプリです。
通話モードではUSBでAG01を接続しても、強制的に内蔵マイクが選択されてしまいます。
しかし、4極入出力なら通話モードでもAG01を使えるようになっています。
また、AndroidはUSB接続だと動作しない端末・アプリが多いですが、4極入出力なら大半の製品が使えます。
なので、4極入出力が使えるのは地味に大きいんですよね。
また、AG01はUSB接続と4極入出力接続を同時に利用できるようになっています。
例えば、PCとUSB接続しつつ、スマホは4極入出力で繋げば、PC・スマホで同時配信することも可能です。
また、4極入出力で繋いだスマホの通話音声をループバックで入力することもできます。
なので、ラジオでよくある番組中にリスナーに電話する的なことも簡単にできます。
USBマイク単体でこんなことができるのはAG01くらいしかないと思いますね。すごいです。
付属品
AG01の付属品はUSBケーブルと専用スタンド(最初から取付済)です。
その他、以下の5点がダウンロードして使えます。
- AG Controller
- Cubase AI
- Cubasis LE
- WaveLab
- Rec’n’Share
音楽制作向けソフトで定番のCubase AIが付いてくるのが良いですね。
なお、専用スタンドは取り外して、別売りのマイクスタンドにAG01を取り付けることも可能です。
別売りマイクスタンドへの取付には別途、3/8インチ変換アダプタが必要です。
AG01はネジ穴が背面にあるため、普通の変換アダプタだとマイクの角度調整が辛くなります。
そのため、マイクアームで使う方はYAMAHAも推奨しているK&M 19695を買いましょう。
また、iOSで使う場合はUSBケーブルによる5V DCでの電源供給とUSB 3カメラアダプタが別途必要です。
コンセントへつなぐ、5V DC側もUSB-C端子になるのでケーブルがない人は追加で購入しましょう。
あと、4極入出力で接続する際は4極入出力対応のケーブルも必要になります。
まとめて載せておくので、必要なものを購入してください。
YAMAHA AG01をレビュー
それでは、AG01を細かくレビューしていきます。
初めにメリット、デメリットを箇条書きでまとめると以下の通りです。
ほんとに何でもできる便利なUSBマイクですね。音も普通に良いです。
その分、価格もUSBマイクの中では高めです。
非常に素晴らしい製品ですが、YCM01とAG03MK2で良いんじゃないか?と思ってしまうのが本音ですね。
レビューではそのへんも触れていきます。
AG01のレビュー 目次
クリアで素直な音質
AG01でボイス、ボーカルを録ってみました。
クリアで素直な音ですね。USBマイクの中では、十分高音質な部類に入ります。
ボイス
ボーカル
ライブ配信、ポッドキャスト、動画制作などで使うには十分な音質です。
GAINの調整幅が3パターンからしか選べないのが、少し残念ですね。
音楽制作の用途ではGAINの設定がキモなので、アプリ側でマニュアル設定にも対応してほしかったです。
とはいえ、GAINの設定は難しいので、3パターンに絞ったことで初心者でも設定しやすいというメリットはあります。
豊富な機能で対応力抜群
AG01の魅力は何といっても、豊富な機能による対応力の高さです。
USBマイクでは珍しく、下記の機能が搭載されています。
機能 | 概要 |
ループバック | PCの再生音は配信に流せる |
ASIOドライバ | Windows向けのソフトウェア 動作が安定し、遅延も少ない |
AUXと4極入出力 | スマホや外部機器を繋いで使える |
このへんに対応しているUSBマイクはほとんどないです。
あとダイレクトモニターをON/OFF切替できるのも珍しいですね。
大半のUSBマイクは強制ONでダイレクトモニターをOFFにはできませんからね。
特に配信で活躍しそうなのはループバック、AUX・4極入出力端子ですね。
USBマイクで配信にBGM、効果音、通話音などを簡単に載せられる製品は他にないと思います。
そういったことをやりたいならオーディオインターフェイスやOBS STUDIOなどが必要でしたが、AG01なら一台で実現できます。
また、DSPで使えるエフェクト群も使い勝手がよいですね。
リバーブをかけたサンプル音がこちら。
本体スイッチでリバーブON/OFFできるUSBマイクもAG01くらいじゃないかと思います。
コンプレッサーも使えるので、配信で聴きやすい音作りもできます。
このように多様な配信への対応力では、他社USBマイクと比べてAG01は頭1つ出ています。
何買うか迷ったら、AG01を選んでおけば間違いないですね。
競合製品との比較
USBマイクで2万円以上の機種は、各メーカーのハイエンドモデルにあたります。
ここでは、ハイエンドモデルの中でも代表的なSHURE MV7、Blue Yeti XとAG01を比較してみましょう。
この3製品は強みがそれぞれ異なります。
SHURE MV7はXLR/USB両対応でCOMP、AUTO LEVELで初心者でも音量設定が簡単にできます。
ダイナミックマイクなので、周辺ノイズも拾いにくいです。
専用アプリはWin、Mac、iOS対応でプリセットを利用して、簡単に設定できます。
一方でリバーブやループバックはなく、コンデンサーマイクほど高音質ではありません。
そのため、MV7はシンプルな配信向けですね。
続いて、Blue Yeti Xです。
Yeti Xは高音質なコンデンサーマイクで、PC専用アプリを通してEQ、COMP、ノイズ除去、など多彩なエフェクトを使えます。
ノイズ除去を使うことで、エアコンなどの周辺ノイズを抑えられるのが良いですね。
ただ、リバーブとループバックはないため、使いたい人はOBS STUDIOなどの機能を利用する必要があります。
なので、基本的にはPCからの配信で使うマイクという感じですね。
iOSではAG01のほうが断然便利です。
他2機種と比べた際のAG01の主な強みは下記の3点です。
- リバーブが使える
- ループバックが使える
- AUX、4極入出力端子でBGMや効果音を出せる
ザックリ言うと、AG01はOBS STUDIOがなくても一通りのことはできるということです。
特にスマホ配信ではOBSは使えないので、AG01の強みが活きますね。
AG03MK2との比較
最後は迷う人も多いであろう、AG03MK2との比較です。
AG01はザックリ言うと、コンデンサーマイクのYCM01とAG03MK2が一体化した製品です。
そのため、AG01をAG03MK2に接続して使うことはできません。
AG01をAG03MK2と比べたときのメリットデメリットをまとめると以下の通りです。
まず、AG01とYCM01&AG03MK2で音質に差はほとんど感じません。
なので、比較すべきポイントは「設置スペース」「操作性」の2点です。
設置スペースに関してはマイクと一体化したAG01のほうが断然良いです。
縦長のフォルムなので、省スペースで設置できます。
専用スタンドが付属するので、別途マイクアームなどを用意しなくていいのも大きいですね。
対して、AG03MK2の強みは何といっても操作性の良さです。
手元にAG03MK2を設置しておけば、ワンオペ配信でもサッと音量調整やエフェクトの切替ができます。
AG01にはない「COMP/EQ」ボタンがある上にGAIN、ループバック、MIX MINUSなどのボタンも揃ってます。
配信中だとマイク背面のボタンを操作するのはきついので、AG03MK2のほうが操作性は断然良いです。
よって、省スペースに専用スタンドを使って設置したい人はAG01。
設置スペースは問題なく、操作性を重視したい人はYCM01とAG03MK2を選択するのが良いでしょう。
YAMAHA AG01 まとめ
- AG03MK2とほぼ同等の機能を搭載したUSBマイク
- ASIOドライバがあり、ループバックも使える
- 縦長で専用スタンドもあるため、省スペースで設置可能
ぎたすけ
たけしゃん
YAMAHA AG01のレビューでした。
非常に多機能で何でもできる便利なUSBマイクでしたね。
AG03MK2とコンデンサーマイクを一体型した製品という感じなので、ライブ配信では非常に役立つアイテムです。
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