評価:4.5
ぎたすけ
たけしゃん
ボーカル
アコースティックギター
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Universal Audio UA Bock 187
マイクタイプ | XLRコンデンサーマイク |
周波数特性 | 20 Hz〜16 kHz、±2 dB |
感度 | -42 dB (8 mV) ref 1V @ 1 Pa、1 kHz |
S/N比 | 82 dB |
最大SPL | 125 dB SPL 1% THD |
重量 | 725g |
Universal Audioが2023年5月に新たに発売したUA Bock 187。
NEUMANN U87のクラシックなトーンをインスパイアし、モダンなサウンドに磨き上げたコンデンサーマイクです。
世界的なマイクデザイナーであるDavid Bock氏がマイクデザインを行い、カリフォルニアのUAカスタムショップでハンドメイドされています。
UA Bock 187を使ってみた感じは高音域が程よく煌びやかで存在感がでます。
その上で全体の音の質感はふくよかでクラシックなテイストも感じられますね。
まずは製品仕様から解説していきます。
仕様を飛ばしてレビューを読みたい方は<UA Bock 187をレビュー>を参照ください。
製品仕様の目次
大型Cinemag出力トランスを搭載
UA Bock 187はCinemag製の大型トランス出力を搭載しています。
また、ミニマル設計のクラスA FET回路も搭載しており、煌びやかな高域と豊かな低音が得られるマイクになっています。
クラシックなトーンですが、高音域が上品で煌びやかなので、ビンテージサウンドを今時な音に上手く消化した印象を受けました。
FATモード
UA Bock 187は本体背面のスイッチでNormalとFATのモードを切り替えできます。
FATは10〜400Hzをブーストするモードで音にふくよかさを足してくれます。
NormalとFATを録り比べてみると、アコギ録りで違いを感じました。
FATに切り替えると、低音域中心に力強さが増しますね。
マイク1本で2種類のキャラクターを使い分けられるのは良いですね。
そのほか、PADとローカットのスイッチもついています。
なお、PADは-10dB、ローカットは120Hzが対象となっています。
また、スイッチは奥に引っ込んでおり、切り替えには何か先端の細いものが必要です。
付属品
- マイク本体
- スタンドマウント
- プレミアムウッドストレージケース
UA Bock 187の付属品は以下の3点です。
マイクスタンドとの接続はスタンドマウントが付属しています。
なお、変換ねじが内蔵されているので、マイクスタンドに合わせて変換ねじを外しましょう。
もう一つの付属品のプレミアムウッドストレージケースは木箱です。
非常に質の良い木箱です。
付属品はシンプルでこの2つだけですが、どちらも質がいいですね。
Universal Audio UA Bock 187をレビュー
それでは、UA Bock 187をレビューしていきます。
メリット・デメリットを箇条書きでまとめると以下の通りです。
音質はとても良いですね。非常に使いやすいです。
10万円台ですが、高級マイクと比較しても全く引けを取らないと感じました。
レビューの目次
クラシックなトーンにモダンな雰囲気を上手く取り入れた音
UA Bock 187でボーカルとアコギを色々録ってみました。
印象としてはモダンな音でボーカルもアコギもすごく良い感じに録れます。
ボーカル
アコースティックギター
価格帯は少し落ちますが、今自宅にあるNEUMANN TLM 102とaudio technica AT4050と比べてみましょう。
NEUMANN TLM 102
audio technica AT4050
アコギの方がわかりやすいと思いますが、UA Bock 187は音がふくよかでFATな印象を受けました。
TLM 102と比べると高音域はやや似ていますが、UA Bock 187の方が奥行きがあって厚く感じます。
また、AT4050と比べるとUA Bock 187のほうが煌びやかですね。
歌もUA Bock 187のほうがハイトーンの抜けがよく、軽めに出しても前に出てくるので歌いやすかったです。
UA Bock 187は高音域の美味しいところもしっかり拾うので、ビンテージとモダンの良いとこ取りしたようなマイクになっています。
価格は17.6万円程度とプロユースの価格帯ですが、価格以上に良いマイクだと感じました。
FATモードでパンチのあるサウンドにもできる
UA Bock 187は本体スイッチでNormalとFATでモードを切り替えることができます。
FATモードにすると、10〜400Hzの低域がブーストされます。
Normalモード
FATモード
こちらもアコースティックギターの方が違いはわかりやすいですね。
FATモードでは5〜6弦の聴こえ方が変わっており、低音域が大分前に出ています。
録ってみた印象ではFATモードは歌よりは楽器向きの印象を受けました。
アコギ録りでオフマイク気味に録る際にFATモードにすると、良い感じに低音域も入ってくれます。
FATモードを使うことで、1本で色んな役割をこなせるマイクになっていますね。
AKG C414 XLIIと比較
最後はUA Bock 187と近い価格帯になるAKG C414 XLII-Y4との比較です。
アコースティックギターのサンプル音があるので、聴き比べてみましょう。
C414 XLIIの録音時期は少し前のものですが、使用しているギターやオーディオインターフェイスは同じです。
UA Bock 187
AKG C414 XLII
どっちも良い感じに聴こえますが、僕は粒立ち感がUA Bock 187のほうが好みでした。
UA Bock 187は高音域だけでなく、中低音域が豊かに聴こえますね。
機能面では指向性切替できる点でC414 XLIIのほうが優れています。
対して、UA Bock 187はFATモードを使うことで、中低音域をブーストできるところがユニークですね。
どっちも良いマイクですが、ボーカルメインで使うなら僕はUA Bock 187を選びます。
僕はUA Bock 187のほうが高音域が魅力的で歌いやすく感じました。
やや抑えめに出しても、音がしっかり抜けるので声にニュアンスも付けやすくて好みでした。
Universal Audio UA Bock 187 まとめ
- NEUMANN U87のクラシックなトーンをインスパイアしたコンデンサーマイク
- 高音域が魅力的。中低音域もふくよかで音に太さもある
- FATモードで10~400Hzをブーストすることもできる
ぎたすけ
たけしゃん
Universal Audio UA Bock 187のレビューでした。
20万円以内なので、個人でもギリギリ頑張れる価格帯です。
それでいて、非常に魅力的なサウンドなので、同価格帯のNEUMANNやAKGのマイクを検討している方はチェックしてみてください。
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