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循環コードとは
循環コードとは、その名前の通りで「循環して繰り返し使えるコード進行」を指します。
多くは3つ以上のコード群で構成され、4小節あるいは8小節で構成されることが多いですね。
最近はシティポップを中心に循環コードを最初から最後までループさせるループ曲が流行っており、循環コードの引き出しをどれだけ持っているか?はかなり重要な要素になってます。
本記事では循環コードの仕組みや定番パターンの紹介から、シティポップなどで使われているおしゃれな循環コードを解説してきます。
なお、記事内ではディグリーネームとCメジャーキーで解説をしていきます。
ディグリーネームやダイアトニックスケールがわからない方は先にダイアトニックコードの記事を読んでください。
ダイアトニックコードとは。一覧表付きで仕組みや活用方法を解説
ダイアトニックコードとは。一覧表付きで仕組みや活用方法を解説循環コード基本編 目次
循環コードの仕組み
循環コードはコードの役割における「不安定」→「安定」の流れを活用したコード進行です。
不安定な響きのコードは安定した響きのコードに戻ろうとする強い流れがあります。
その強い流れを利用して、不安定なコードで終わって安定なコードに戻ることで自然な循環を作ります。
ここで重要となるのがダイアトニックコードにおける役割です。
- トニック系(安定)…Ⅰ、Ⅲm、Ⅵm
- サブドミナント系(やや不安定)…Ⅱm、Ⅳ
- ドミナント系(不安定)…Ⅴ
ダイアトニックコードにはそれぞれ、安定、やや不安定、不安定とコードによって役割が分かれています。
循環コードではこの役割を利用して、「不安定→安定」の流れを作り出します。
例えば、循環コードの定番である1625進行を見てみましょう。
トニック(安定)コードから始まって、ドミナント(不安定)コードで終わってます。
このコード進行を循環させると、「安定→不安定」→「安定→不安定」という流れでコードが循環するわけですね。
循環する際の接続部分が「不安定→安定」となっているので、非常に自然な形でコード進行をループできます。
逆循環コード
循環コードの一種に逆循環コードと呼ばれるコード進行があります。
循環コードは「不安定なコードで終わって安定したコードに戻る」という流れで循環していましたが、逆循環コードは「安定コードで終わってやや不安定なコードに戻る」という流れで循環するコード進行です。
ちなみに音楽理論的には循環コード、逆循環コードと名称を分けてますが、実際にプレイヤー同士話してるときは全部まとめて循環コードですね。
セッションの現場などで律儀に循環コードと逆循環コードを分けて話してる人を僕はみたことがありません(笑)。
定番の循環コードと逆循環コード
基本を押さえたところで、具体的な例を10パターンほど見ていきましょう。
コードフォームやコードネームは全てCメジャーキーで統一していますので、慣れてきたら他のキーにも転用してみましょう。
Ⅰ-Ⅵm-Ⅱm-Ⅴ
Ⅰ-Ⅲm-Ⅱm-Ⅴ
Ⅰ-Ⅵm-Ⅳ-Ⅴ
Ⅰ-Ⅴ-Ⅰ-Ⅳ
Ⅰ-Ⅴ-Ⅵm-Ⅳ
ここから先は逆循環コードを5パターン紹介していきます。
Ⅱm-Ⅴ-Ⅰ-Ⅵm
Ⅳ-Ⅴ-Ⅰ-Ⅵm
Ⅳ-Ⅴ-Ⅵm-Ⅰ
Ⅳ-Ⅴ-Ⅵm-Ⅲm
Ⅳ-Ⅰ-Ⅴ-Ⅵm
循環コードと逆循環コードの定番パターンをそれぞれ5種類紹介しました。
循環コードはいくらでもありますが、ポップスでよく使われているのはこのへんですね。
また、サンプル音源ではCメジャーキーで演奏してますが、アコギ弾き語りだとDメジャーキーやGメジャーキーでもよく使いますね。
色んなキーで使えるようにしておくと、作曲の幅も広がりますし、耳コピが格段に楽になりますね。
おしゃれな循環コードを覚えよう
さて、循環コードの基本を覚えたところで、次はおしゃれな循環コードについてです。
実際に循環コードを覚えて、曲を作ってみるとおしゃれな感じにはならないことに気がつくはずです。
特に最近流行りのシティポップ系の曲を作りたいと思ってる人は前段の循環コードだと雰囲気出ないですよね。
実際にシティポップ系の曲を耳コピしてみると、色んな手法を盛り込んだ循環コードを使ってるんですよね。
心地よいビートに凝ったコード進行を載せて永遠とループさせてるわけです。
本章ではその手法の解説と、定番のおしゃれな循環コードを紹介していきます。
循環コード応用編 目次
循環コードとセカンダリードミナント
シティポップ系の楽曲で定番のパターンはセカンダリードミナントを組み込んだ循環コードです。
セカンダリードミナントとは、Ⅰ以外のコードにドミナントモーションするコードを指します。
詳細な説明は下記の記事を参照ください。
よくあるパターンの1つが2516進行のⅥmをセカンダリードミナントのⅥ7にすることですね。
Ⅵ7が他のキーから借用したドミナントなので不安定な響きになっており、先頭のⅡm7がⅥ7からみたときのⅠm7(トニック)となってます。
つまりは一瞬転調して、転調先のキーで不安定→安定の流れが作られてます。
おしゃれ曲だと、ここにテンションコードなども加えてループさせることが多いですね(後述)。
循環コードとサブドミナントマイナー
続いては、循環コードにサブドミナントマイナーを加えたパターンです。
サブドミナントマイナーは主にダイアトニックコードのⅣをマイナーにしたコードを指します。
詳細な解説は下記の記事を参考にしてください。
サブドミナントマイナーを使った循環コードは主に逆循環コードの「Ⅳ→Ⅳm」といった流れで活用されます。
具体的なコード進行例は「Ⅳmaj7→Ⅳm7→Ⅲm7→Ⅱm7→Ⅲm7→Ⅳmaj7」ですね。
最近の楽曲だとVaundyのlife hackで使われています。
life hackはAメジャーキーなので、下図のコード進行ですね。8小節のコード進行を終始ループさせてます。
life hackみたいにややポップにもいけますし、更にテンションコード入れておしゃれ感を増すことも可能です。
循環コードとテンションコード
最後はテンションコードです。
おしゃれ曲ではテンションコードを入れて、循環コードを華やかにすることが多いですね。
テンションコード自体の解説は下記の記事を参照ください。
セカンダリードミナントのところで登場した2516進行をテンションコードあり、なしで比較してみましょう。
テンションコードが入ると、だいぶ雰囲気変わりますよね。
ブラックミュージック寄りのシティポップやネオソウルではテンションが入った循環コードを終始ループさせてます。
一方でVaundyのようにあえてテンションコードは入れずに程々のおしゃれ感で止めてるアーティストもいます。
このあたりは曲の雰囲気や展開で使い分けできるといいですよね。
おしゃれな循環コードの定番パターン
それでは最後におしゃれな循環コードについても具体例を4パターン紹介します。
コードネームやフォームはCメジャーキーあるいはAマイナーキーで統一しています。
色んな曲で活用されているパターンなので、ディグリーネームで覚えてキーを変更できるようしましょう。
Ⅱm7(9)-Ⅴ7(13)-Ⅰmaj7(9)-Ⅵ7(♭13)
先ほども登場したテンションコードとセカンダリードミナントを入れた2516進行です。
このコード進行をずっと弾いてるだけでも、ノレますよね。鼻歌でメロディ載せてもいい感じになります。
Ⅳmaj7-Ⅳm7-Ⅲm7-Ⅱm7-Ⅲm7
サブドミナントマイナーを入れたコード進行ですね。
このコード進行もループさせてるだけで、歌いたくなるような魅力的なコード進行です。
Ⅰm7-♭Ⅶm7-♭Ⅲ9-♭Ⅵmaj7-Ⅱm7-5-Ⅲ7
セッションでの定番曲であるSunnyという楽曲で用いられるコード進行です。
Aマイナーキーでセカンダリードミナントを上手く組み込んでます。
このコード進行も色んな楽曲で使われていますね。
Ⅳmaj7-Ⅲ7-Ⅵm7-Ⅴm7-Ⅰ7
最後は通称 Just the Two of Us進行ですね。
J-POPでも、とにかく色んな曲で使われています。
代表的な曲としては椎名林檎さんの丸の内サディスティックです。そのため、丸サ進行と呼ぶ人も多いですね。
このコード進行はセカンダリードミナントの連続でマイナーキーとメジャーキーを行ったり来たりしてます。
キーが目まぐるしく変化することで生まれる浮遊感がたまらないですよね。
ずっとループさせたくなる魅力があります。
循環コード まとめ
- 循環コードは不安定→安定の流れを使って循環させるコード進行のこと
- 安定→不安定という逆の流れで循環させる逆循環コードもある
- セカンダリードミナント、サブドミナントマイナー、テンションコードを組み合わせておしゃれなループ進行を作ろう
ぎたすけ
たけしゃん
循環コードの解説でした!
少し前まではAメロ、Bメロ、サビで全部違うコードパターンの曲が多かったんですが、最近は循環コード使ったループ曲がほんとに多くなりました。
それだけに循環コードの引き出しや工夫が重要になってきてますね。
まずは今回紹介したコード進行をつかって、曲を作ってみると面白いですよ!
第1章 音や楽譜の読み方を覚えよう
第2章 キーやスケールを理解しよう
第3章 コード進行のバリエーション
第4章 ノンダイアトニックコードの導入
第5章 応用的な音楽理論の活用
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