ぎたすけ
たけしゃん
カノン進行とは
カノン進行とはクラシック曲の「パッヘルベルのカノン」で用いられているコード進行のことです。
具体的には「Ⅰ→Ⅴ→Ⅵm→Ⅲm→Ⅳ→Ⅰ→Ⅳ→Ⅴ」のコード進行を指します。
Cメジャーキーでいうと「C→G→Am→Em→F→C→F→G」ですね。
カノン進行は構成音が1音ずつ下がっていく順次進行になっています。
カノン進行は鼻歌でメロディーも載せやすいので、作曲をはじめたての人はカノン進行にメロディーを載せてみる練習をするのは有効ですね。
一方でカノン進行は非常にシンプルなコード進行とも言えるので、単調で飽きやすいメロディーラインになりがちというデメリットもあります。
カノン進行が使われている楽曲
カノン進行が使われている楽曲の代表例でよくあがるのが、スピッツのチェリーです。
Aメロのコード進行がそのまんまカノン進行です。カノン進行と違って、1つのコードが1小節ずつ入る構成になってますね。
非常に聴き心地がよく、なめらかに進んでいくのがわかりますね。
ぎたすけ
たけしゃん
カノン進行はヒット曲の黄金パターンなどと言われますが、実は「Ⅰ→Ⅴ→Ⅵm→Ⅲm→Ⅳ→Ⅰ→Ⅳ→Ⅴ」をそのまんま使ってる曲はかなり少ないんですよね。
色んなサイトで「カノン進行の名曲〇〇選」と紹介されてますが、紹介されてる曲の9割以上の曲がカノン進行の変形パターンです。
そのため、次章ではカノン進行の変形パターンを楽曲付きで具体的に紹介していきます。
カノン進行の変形パターン
さて、本章では実際にヒット曲で多用されるカノン進行の変形パターンについて紹介していきます。
カノン進行はポップスでは色んな変化パターンが使われていますが、まとめて「カノン進行」でくくられて紹介されてしまっているので、柔軟に捉えたほうが良いです。
たけしゃん
本記事では、よく使われているパターンを楽曲例も出しながら3種類ほど解説していきます。
後半のⅣをⅡmに変えたパターン
カノン進行の変形パターン1つめは後ろから2番目のⅣをⅡmに変えたパターンです。
そして、「カノン進行を使ったヒット曲」で紹介されている曲の大半はこっちが使われています。
理屈的にはⅣはサブドミナントで、ⅡmはⅣの代理コードでもあるので差し替えたわけですね。
しかも、ⅣをⅡmに変えることで本家のカノン進行よりも長く順次進行が続きます。
順次進行でⅡmまで進んで、最後はⅡm→Ⅴという強進行の流れになってます。
実際に変形パターン①が使われている楽曲は山ほどありますが、代表的なものを上げると以下の2曲です。
- さくら/森山直太朗(YouTube)…サビの後半が変形パターン①
- 愛をこめて花束を/Superfly(YouTube)…サビの前半が変形パターン①
両アーティストともに歌声が魅力的なので、このシンプルなコード進行とメロディーが活きてますよね。
4番目の音をⅤに変更
変形パターン②は4番目のコードをⅢmからⅤに変更したパターンです。
カノン進行で4番目のコードを変えることは比較的多く、Ⅴ以外にもⅢ7、Ⅳ、Ⅵm7なども良く使われます。
また、多くのパターンで変形パターン①(後半のⅣをⅡmに変える)と併用されています。つまり下図のコード進行です。
どんどん、原型がなくなってきてますね…(笑)。
とはいえ、カノン進行の特徴と言える順次進行によるコード進行のなめらかさは維持されてます。
そんなわけで変形を繰り返しても「カノン進行」でまとめられてるのかもしれませんね。
変形パターン②を使った代表的な楽曲は一青窈さんのハナミズキですね。
Aメロで変形パターン②のコード進行が使われています。
あと、前段で紹介した森山直太朗さんの「さくら」もサビの前半は変形パターン②で後半が変形パターン①という流れになってます。
順次進行の音をルートに持ってくる
最後の変形パターンは順次進行で下っていく音をルート音に持ってくるパターンです。
ルート音に持ってくることで、順次進行がよりわかりやすくなります。
Cメジャーキーの楽曲だとギターでもやりやすいので、弾き語りでは良く使われますね。
変形パターン③が用いられている代表的な楽曲はあいみょんの「マリーゴールド」です。
Aメロ部分が変形パターン③で演奏されています。ただ、あいみょんの演奏だとAm7/Gは普通のGを弾いてますね。
ギター弾き語りでカノン進行というと、変形パターン③がパッと浮かぶ人のほうが多いんじゃないかなと思います。
変形パターン③についても変形パターン①(後半のⅣをⅡmに変更)を併用することが多いですね。
例えば、絢香さんの「Jewelry day」のAメロは併用パターンが用いられています。
この併用したコード進行はアコギのアルペジオにバッチリハマるんですよね。
カノン進行 まとめ
- カノン進行は「Ⅰ→Ⅴ→Ⅵm→Ⅲm→Ⅳ→Ⅰ→Ⅳ→Ⅴ」というコード進行のこと
- ヒット曲で多数使われているが、実際に使われているのはほとんどが変化形
- カノン進行はかなり広義で使われているので、ザックリ覚えておくくらいで良い
ぎたすけ
たけしゃん
カノン進行についての解説でした!
あんまり、「カノン進行」って言葉にとらわれないほうが良いですね。
音の流れでこういったコード進行が定番なんだなぁと感じてもらえれば、それで十分です。
一方でギター弾き語りだと、最後のマリーゴールドのパターンなどは良く使うので押さえておきましょう。
第1章 音や楽譜の読み方を覚えよう
第2章 キーやスケールを理解しよう
第3章 コード進行のバリエーション
第4章 ノンダイアトニックコードの導入
第5章 応用的な音楽理論の活用
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