【2024年】オーディオインターフェイス おすすめ12選。選び方や用途別で適した製品を徹底解説

Universal Audio Volt 476

ぎたすけ

オーディオインターフェイスってパソコンにマイクとかギター繋ぐための機械のことだよな?

たけしゃん

そうだね。歌ってみたやDTMをやるのにすごく重要なアイテムだよ
この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
プロフィール詳細お問い合わせ

オーディオインターフェイスの選び方

Apogee Duet 3

オーディオインターフェイスは、さまざまな音響機器をPC・スマートフォンなどに接続するための機器です。

オーディオインターフェイスに繋ぐ楽器や機材を図にしたもの

歌ってみた、DTM、ライブ配信など、高い音質が求められる分野で好んで使用されます。

オーディオインターフェイスは、製品によって得意分野が分かれており、選び方も難しいです。

Solid State Logic SSL2 駆動しているところ。左斜め

本記事では、ボーカル・シンガーソングライター向けに「歌ってみた」と「DTM」に焦点を当てて、製品の選び方を解説していきます。

ライブ配信の利用をメインに考えている方は、下記記事を参照ください。

入力端子の構成

オーディオインターフェイスの入力端子の種類
XLR主にマイクを繋ぐ端子
LINE
(1/4”ライン入力)
ギターなど楽器を繋ぐ端子
コンボジャックXLR・LINE両対応の端子

オーディオインターフェイスには、上記3種類の入力端子が存在します。

接続する楽器によって、どの端子がいくつ必要になるか変わります。

ここで重要となるのが、「マイクを何本使用するか」です。

コンデンサーマイクを接続するには、XLR端子かコンボジャックが必要になります。

オーディオインターフェイスでマイク接続できる端子とできない端子
補足

ダイナミックマイクであれば、変換ケーブルでLINE端子に接続可能

例えば、歌とギターでマイクを2本同時に使用する場合、コンボジャックかXLR端子が2基必要となります。

Universal Audio Volt 276の前面
これはコンボジャック 2基
補足

最近だとXLR×2の製品はない。自由度の高いコンボジャックが採用されている

また、アコギなどを録音する方も、ステレオ録音することが多いと思うので、コンボジャック2基の製品をおすすめします。

UNIVERSAL AUDIO SP-1をセッティングしたところ 斜めから
生楽器は複数本のマイクで収録することが多い

逆に、歌い手の方はマイク1本で足りるので、XLR×1、LINE×1の製品でも問題ないです。

サンプリングレート

サンプリングレートとビットレートの説明
サンプリングレート1秒間のオーディオサンプル
取得回数
ビットレート
(量子化ビット数)
アナログ→デジタルに
変換する際の精度

サンプリングレート/ビットレートとは、簡潔に言うと音の解像度を指す言葉です。

数値が高くなるほど、音の情報量が多くなり、オーディオファイルのサイズが重くなります。

歌ってみた、DTM用途の場合は「48kHz/24bit」でのやり取りが一般的です。

補足

共同制作や仮歌などを依頼される場合、48kHz/24bitでの録音を依頼されることが圧倒的に多い

そのため、歌ってみた・DTM用途なら「48kHz/24bit」に対応した製品を選びましょう。

48kHzは、ほとんどの製品で対応していますが、低価格帯は16bitまでの製品が多いので気を付けましょう。

補足

32bit対応の製品は24bitも使えますので、192kHz/32bitなどの製品もOKです

対応OS

Macbookを机に置いた画像

最近の製品は、Windows、Mac、iOSの3つに対応しているものがほとんどです。

この中で、注意が必要なのはWindowsとiOSです。

それぞれの注意すべきポイントを解説していきます。

Windowsの場合

Windowsについては、オーディオインターフェイス専用のドライバインストールが必要となります。

注意

専用ドライバをインストールせずに製品をPCに繋ぐと正常に動作しません

大半のメーカーが、自社HPで無料配布していますが、海外メーカーだと英語サイトでユーザー登録・製品登録が必要となるものが多いです。

翻訳機能を使えば問題ないと思いますが、英語サイトが苦手な人は、日本語対応のメーカーを選びましょう。

(参考)日本語対応のメーカー
  • Steinberg
  • Roland
  • YAMAHA
  • ZOOM
  • TASCAM…など

iOSの場合

iPhone 13

iOSの場合は、配信をやるのかDTMをやるのかによって、選ぶ製品が変わってきます。

また、一口にiOS対応と言ってもメーカーによって大きく差があります。

メーカーによる差

一応動きはするというレベルのメーカーと、専用アプリで快適に使えるメーカーがあって差が激しいです

iOSでの製品選びは難しいため、記事を分けたので下記記事を参照ください。

価格帯別の傾向

Steinberg UR22C

オーディオインターフェイスは、価格帯別で傾向が分かれます。

大枠でまとめると、下表のとおりです。

価格帯傾向
~1.5万円必要最小限の機能
ループバックはない製品が多い
1.5~3万円コンボジャック×2が増える
配信に強い機種が多い
3~5万円音質重視でDTM向けが多い
配信向け機能は弱いものが多い
5~8万円3~5万円の製品に
入出力を足した製品が中心
4イン4アウト以上が増える
8万円~プロユースの製品が中心
10万円前後は入出力端子少なめ
それ以上は入出力端子も多い

15,000円未満の製品は、必要最小限の入出力端子で構成されるものが多いです。

Steinberg IXO12 稼働中を斜め右前から撮影
Steinberg iXO12

歌やギターを録音するだけなら、この価格帯の製品で問題ありません。

また、動画制作・雑談配信・テレワークといった用途も十分こなせます。

15,000円~30,000円の価格帯になると、ライブ配信で使いやすい機種が増えます。

配信で定番のYAMAHA AG03mk2も、この価格帯です。

YAMAHA AG03MK2 ブラック
YAMAHA AG03mk2

また、この価格帯では、コンボジャックを2基搭載した製品が増えます。

Steinberg UR22C 右斜め上から撮影
Steinberg UR22C

マイクを2本同時に使えるため、やれることが大分増えます。

3~5万円の製品になると、音質重視タイプが増えます。

代表的な製品は、MOTU M2です。

MOTU M2

MOTU M2は、録音・再生音のどちらも高音質で、3万円未満の製品と比べて明らかにランクが上です。

一方で、ライブ配信の機能に関しては、AG03m2やUR22Cに比べて劣ります。

このあたりは、自身の用途にあわせて選択を変えましょう。

5~8万円の製品では、主に入出力端子が増えるタイプが多いです。

例えば、先ほどのMOTU M2から入出力端子を増やした、MOTU M6などが代表例ですね。

MOTU M6
MOTU M6

この価格帯は、色んな機材を接続するDTMer向けの製品が多いです。

ボーカルだと、入出力端子が増えても使わないので、もう一つ上の価格帯を選択することが多いです。

最後の8万円以上は、プロクオリティの製品が中心です。

10万円前後は、入出力端子は少ないものの、音質がプロクオリティという製品が多いですね。

Apogee Duet 3
Apogee Duet 3

もっと上の価格帯になると、プロクオリティの音質で、入出力端子も豊富なスタジオ向けの製品が増えます。

MOTU 828 右側から撮影
入出力端子が豊富なMOTU 828

ボーカル・シンガーソングライターの場合、そこまで入出力端子は必要ありません。

逆に、DTMerの方で制作用のプライベートスタジオを作る方は、入出力端子が豊富な製品を選ぶと良いでしょう。

audio technica AT-UMX3のバナー(PC)PR

おすすめのオーディオインターフェイス 12選

MOTU M2

ここからは、おすすめのオーディオインターフェイスを用途に分けて紹介します。

用途の分け方は、以下の4種類です。

  1. 低価格のコスパ重視
  2. ライブ配信向け
  3. 歌ってみた・DTM(5万円以下)
  4. 歌ってみた・DTM(プロユース)

各用途で、3製品ずつ紹介していきます。

なお、筆者は歌ってみた・配信に詳しいシンガーソングライターなので、ボーカル視点で選んでいます。

このあとの目次

低価格のコスパ重視のオーディオインターフェイス

Steinberg IXO12 稼働中を斜め横から撮影

低価格のコスパ重視では、主に15,000円以内の製品を選定しています。

DTM・ライブ配信において、必要最低限の機能を備えており、音質は及第点を超えているものを紹介していきます。

商品紹介一覧

M-Audio M-Track SOLO

M-Audio M-Track solo
歌ってみた
弱い
強い
DTM
弱い
強い
配信
弱い
強い
項目機能・スペック

アナログ入力
コンボジャック ×1
LINE ×1
サンプリングレート48kHz/16bit
接続端子USB 2.0
ループバック×
内蔵エフェクト×
対応OSWin、Mac、iOS
付属DAWPro Tools
First M-Audio Edition

実売価格6,000円程度でちゃんと使える、格安オーディオインターフェイス M-Track SOLO

この価格帯でちゃんと使える上に。DAWも付属するという、驚異のコストパフォーマンスを誇る製品です。

価格が安い分、本体のスペックや機能は、必要最低限のレベルに抑えられています。

M-Audio M-Track Solo

とはいえ、ボーカルレコーディングやDTMで、ちゃんと使えるスペックは備えています。

実際に、M-Track SOLOで録った動画がこちら。

RAIN / 秦基博 アコースティックCover

音質もまあまあといったところで、価格を考えると十分すぎるレベルです。

さらに、M-Track SOLOにはDAWのPro Tools(First M-Audio Edition)が付属します。

一方で、ライブ配信で便利な、ループバックや内蔵エフェクトの機能はありません。

M-Audio M-Track soloを上から撮った写真

まずは、低予算で歌ってみたやDTMを始めたい方に適した製品です。

なお、プラス1,000円程度でコンボジャック2基搭載のM-Track Duoを買うことができます。

M-Audio M-Track soloとM-Track Duo
上がM-Track SOLO。下がDUO

M-Track Duoなら、マイク2本同時に使うことができるので、DTM用途の方はM-Track Duoをおすすめします。

ZOOM AMS-24

ZOOM AMS-24
配信
弱い
強い
歌ってみた
弱い
強い
DTM
弱い
強い
入力端子コンボジャック×2
出力端子1/4 “ライン出力×2
ステレオ 3.5mm出力 ×2
サンプルレート96kHz / 24bit
接続端子USB-C
ループバック
DSPエフェクト×
対応OSWin,Mac,iOS,Android

コンパクトなボディに、豊富な機能を詰め込んだオーディオインターフェイス ZOOM AMS-24です。

手のひらサイズで収まるボディに、コンボジャックを2基搭載しており、配信向けの機能まで付いています。

ZOOM AMS-24を手のひらに載せた

手のひらサイズでありながら、音質もなかなかに良好で、歌ってみたやDTMでも十分使えるレベルです。

AMS-24で録音した動画がこちら。

ありふれた言葉 / ROCKING TIME 【アコースティックCover】

マイクプリアンプのゲインレンジも、MAXで58dBまで上がるので、音量的に心配ありません。

さらに、AMS-24はループバックに対応しており、本体スイッチでON/OFFできます。

ZOOM AMS-24の右側面

加えて、MUSICモードとSTREAMINGモードの2つのモードが用意されており、こちらも本体スイッチで切替できます。

ZOOM AMS-24のモード切替

MUSICモードは主に音楽制作向け、STREAMINGモードは主に配信向けのモードです。

STREAMINGモードにすると、INPUT1と2がステレオミックスされて入力されるようになります。

ZOOM AMS-24のSTREAMINGモード
取扱説明書より引用

主に、iOSで配信する際や複数楽器を繋げて配信する際に便利な機能ですね。

コンパクトなので携帯しやすく、色んなところで配信する方にはとても便利なアイテムです。

なお、コンボジャックが4基に増えたAMS-44もあります。

ZOOM AMS-44

AMS-44はバンドやユニットなどの配信で重宝しますね。

Steinberg IXO12

Steinberg IXO12 稼働中を斜め右前から撮影
歌ってみた
弱い
強い
DTM
弱い
強い
配信
弱い
強い
項目機能・スペック

アナログ入力
コンボジャック ×1
LINE ×1
サンプリングレート192kHz/24bit
接続端子USB 2.0
ループバック
内蔵エフェクト×
対応OSWin、Mac、iOS
付属DAWCubase AI
Cubasis LE
実売価格約13,000円

サンプルボーカル

2024年に発売された、Steinbergのエントリーモデル IXO12

10年以上売れ続けていた、大人気モデルUR12の後継機種的な存在です。

Steinberg UR12とIXO12 を上から撮影
左がUR12、右がIXO12。ちょっと小さくなった

IXO12では、本体操作でミュートやループバックのON/OFFができるようになり、配信やテレワークでも使いやすくなりました。

Steiberg iXO12のミュートスイッチ
Steinberg IXO12 ループバックをONにすると丸スイッチが白く点灯する

加えて、マイク入力のスペックも向上しており、他メーカーでは2万円以上する製品と互角以上の性能です。

製品Steinberg UR12
UR12
iXO12の前面
IXO12
ゲインレンジ10 dB~54 dB6 dB~60 dB
最大入力
レベル
+0 dBu+6 dBu

さらに、CUBASE AIやCUBASIS LEなどのDAWが付属しており、DTMを始めるためのソフトウェアが揃っています。

15,000円以下の製品では、総合力No.1のオーディオインターフェイスだと思います。

はじめて買うオーディオインターフェイスとしても最適です。

Steinberg(スタインバーグ)
¥13,000 (2024/11/20 20:26:39時点 Amazon調べ-詳細)
Steinberg(スタインバーグ)
¥13,000 (2024/11/20 20:26:39時点 Amazon調べ-詳細)
Steinberg(スタインバーグ)
¥26,000 (2024/11/20 19:16:42時点 Amazon調べ-詳細)
PreSonus AUDIO BOX GO 駆動中。側面安いオーディオインターフェイス おすすめ10選。価格帯別で歌ってみたやライブ配信に適した製品を紹介

ライブ配信で便利なオーディオインターフェイス

Steinberg UR22C 右上から撮影

本章では、ライブ配信で使いやすい製品を紹介します。

ライブ配信には、雑談配信、ゲーム配信、歌枠配信などさまざまな種類があります。

紹介する製品は、どれも万能に使えるものばかりですが、その中でも筆者の専門である歌枠配信に焦点を当てて製品を選んでいます。

商品紹介一覧

YAMAHA AG03mk2

YAMAHA AG03MK2 ブラック
歌ってみた
弱い
強い
DTM
弱い
強い
配信
弱い
強い
項目機能・スペック

アナログ入力
コンボジャック ×1
LINE ×1
AUX ×1
サンプリングレート192kHz/24bit
接続端子USB-C
4極ミニ入出力
ループバック
内蔵エフェクト
対応OSWin,Mac,iOS,Android
※Androidは4極ミニ接続
付属DAWCubase AI
Cubasis LE

配信向けオーディオインターフェイスのベストセラー YAMAHA AG03MK2

豊富な入力端子に加えて、ループバックやDSPエフェクトを内蔵しており、配信に関する対応力は抜群です。

YAMAHA AG03MK2 ブラックの下部

音質もクリアで、ライブ配信だけでなく、歌ってみたやDTMでも使っていけます。

AG03MK2とコンデンサーマイク YCM01で録った動画がこちら。

二人話 / Vaundy 【アコースティックCover】

製品仕様的には、歌ってみた・DTM用途だとUR22Cのほうが優れていますが、AG03mk2でも十分やれます。

AG03mk2はライブ配信に特化しており、他のオーディオインターフェイスでは搭載していない機能が多く存在します。

YAMAHA AG03MK2 ブラック

例えば、オーディオ機器やスマートフォンを接続できるAUX端子、ヘッドセットを接続できる端子などが用意されています。

YAMAHA AG03MK2 ブラックの下部

さらに、本体スイッチでループバックやエフェクトを操作可能で、ワンオペ配信でも柔軟に対応できます。

配信メインで使う方には、非常に良いオーディオインターフェイスです。

逆に、DTMや歌ってみたにおいては他機種と比べてやや弱いため、配信をやらない場合は他機種のほうが良いですね。

audio technica AT-UMX3

audio technica AT-UMX3の正面を右斜めから近めで撮影
歌ってみた
弱い
強い
DTM
弱い
強い
配信
弱い
強い
アナログ入力コンボジャック×2
LINE(GUITAR)
LINE STREO(KEYBOARD)
アナログ出力HEADPHONE OUT
サンプルレート192kHz / 24bit
接続端子 USB-C
対応OSWindows
macOS Catalina
macOS Big Sur
macOS Monterey
macOS Ventura
iOS:16.4.1
iPad OS:16.4.1
Android OS:10、11、12、13

サンプルボーカル

2024年2月に発売した、audio technicaの配信向けオーディオインターフェイス AT-UMX3。

audio technicaのマイク開発を長年手がけてきた、技術および設計担当者が監修した製品です。

audio technica AT-UMX3とATH-M20x

コンパクトなボディには、配信に必要な機能だけを詰め込んでおり、初心者でもわかりやすい作りになっています。

audio technica AT-UMX3のコントロールパネルを説明した写真

ミュートやループバックといった、ライブ配信でよく使う機能は、本体操作でON/OFF可能です。

audio technica AT-UMX3の左側を上から撮影した

audio technica製なので、音質も良好ですね。

特に、再生音の質は1万円台にしては、かなり良いと感じました。

一方、配信向けに特化されているため、DTMには向いていません。

そのため、DTMと配信兼用で考えている人には不向きです。

audio technica AT-UMX3とiPhone 13 Pro。正面から撮影

また、エフェクトなどもないため、歌枠配信で使う場合もやや微妙と言えます。

逆に、雑談配信やゲーム配信でのみ使用する人には、おすすめの1台です。

Steinberg UR22C

Steinberg UR22C
歌ってみた
弱い
強い
DTM
弱い
強い
配信
弱い
強い
項目機能・スペック

アナログ入力
コンボジャック ×2
サンプリングレート192kHz/32bit
接続端子USB 3.0
ループバック
内蔵エフェクト
対応OSWin、Mac、iOS
付属DAWCubase AI
Cubasis LE

サンプルボーカル

2019年発売の、オーディオインターフェイスのベストセラーSteinberg UR22C

USB 3.0対応に加えて、専用アプリで操作可能な内蔵エフェクトを搭載した、完成度の高い製品です。

Steinberg UR22C 右側アップで撮影

2019年発売ですが、2024年にファームウェアアップデートが実施され、最新の配信事情にも対応できている点も素晴らしいです。

Steinberg dspMixFx Musicチャンネルから音が出ている画面
専用アプリが刷新され、使いやすくなった

入力端子には、コンボジャックが2基搭載されており、ファンタム電源にも対応。

コンデンサーマイクを2本同時に使うことができるため、いろんな用途で使えます。

Steinberg UR22C 前面上から撮影

サンプリングレートは、192kHz/32bitまで対応し、マイクプリの音質も良好。

UR22Cを使って録音した演奏動画がこちらです。

結 / Saucy Dog アコースティック Cover

UR22Cは配信だけでなく、DTMや歌ってみたでも使いやすいところが良いですね。

付属ソフトにCubase AIがついているため、音楽制作もすぐに始められる点も大きいです。

配信面では、ループバックとDSPエフェクトを搭載しています。

DSPエフェクト

オーディオインターフェイス側のチップで使えるエフェクト。PC側に負荷がないため、音が遅延しない

エフェクトは、EQ、コンプレッサー、リバーブ、アンプシミュレーターが用意されており、専用アプリで細かく調整できます。

Steinberg dspMixFxのチャンネルストリップ画面
EQとコンプレッサー
Steinberg dspMixFxのデジタルリバーブ
リバーブ
Steinberg dspMixFxのギターアンプシミュレーター
アンプシミュレーター

専用アプリはWindows、Mac、iOSで使用可能です。

特に、iPhone用アプリが用意された機種は非常に少ないので、iPhoneで使う人にもおすすめの機種といえます。

筆者的にはDTMと配信の総合点で評価するとUR22CがNo.1だと感じています。

Steinberg UR22C 左斜めから撮影

音楽制作も配信も、1台で快適にやりたいという人はUR22Cがおすすめです。

ライブ配信している部屋配信向けオーディオインターフェイス おすすめランキングベスト10。選び方や注意点を細かく解説

歌ってみた・DTM向けオーディオインターフェイス(5万円以内)

本章では、歌ってみたやDTMなど、音楽制作で使いやすいオーディオインターフェイスを紹介していきます。

紹介する商品は、3万円台が中心です。

この価格帯は、音質に優れたオーディオインターフェイスが多数存在します。

Universal Audio Volt 476

一方で、ライブ配信向けの機能は弱い機種が多いため、配信でも使い方はOBS STUDIOと併用することを検討しましょう。

商品紹介一覧

MOTU M2

MOTU M2
歌ってみた
弱い
強い
DTM
弱い
強い
配信
弱い
強い
入力端子コンボジャック×2
出力端子1/4 “TRSライン出力×2
RCA ×2
ヘッドホン端子 ×1
サンプルレート192kHz
接続端子 USB-C
対応OSWin,Mac,iOS
寸法(幅×奥×高)約190 x 108 x 45mm

サンプルボーカル

プロユースの製品を数多く販売する、MOTUの低価格モデルM2

3万円台とは思えない音質の良さで、大人気のオーディオインターフェイスです。

MOTU M2

M2に搭載されたマイクプリアンプは品質が良く、クオリティの高い音質でレコーディングすることができます。

レオ / 優里 【アコースティックCover】

そして、MOTU M2で特筆すべきは再生音です。

数十万円クラスのオーディオインターフェースで使用される、「ESS Technology 社 Sabre 32 Ultra DAC」を採用しており、高級機に劣らない素晴らしい音質を実現しています。

MOTU M2

3万円台とは思えないレベルの音質です。

自宅のリスニング環境をグレードアップさせる目的で買うのも良いですね。

加えて、M2はループバックにも対応しています。

ただ、ループバックの仕様にクセがあるので、使い方は少し理解しないといけません。

MOTU M2をiPhoneで使っているところ

配信でも使えますが、やはり歌ってみたやDTMなど制作用途向けの機種です。

低予算のなかで、音質をもっとも重視したい方には、間違いない製品といえます。

なお、MOTUのMシリーズはM2、M4、M6と3機種あります。

MOTU M2とM4の前面
上がM2、下がM4
MOTU M2とM4の背面
上がM2、下がM4
MOTU M6
MOTU M6
MOTU M6の背面
MOTU M6

基本的には数字が増えるほど、入出力端子が増えます。

歌い手、シンガーソングライターであれば、M2で十分です。

外部音源や複数楽器を繋ぎっぱなしにしたい人はM4、M6を検討するとよいでしょう。

AUDIENT iD4mkII

AUDIENT iD4mkII 左斜め
歌ってみた
弱い
強い
DTM
弱い
強い
配信
弱い
強い
入力端子コンボジャック×1
1/4 “ライン入力×1
出力端子1/4 “ライン出力×2
ヘッドホン端子 ×2
サンプルレート96kHz / 24bit
接続端子 USB-C
対応OSWindows 10
Windows 11 
macOS 10.13.6 (Hgh Sierra)
macOS 10.14.X(Mojave)
macOS 10.15.X(Catalina)
macOS 11.1.X(Big Sur)
macOS 12.X(Monterey)
macOS 13.X(Ventura)

サンプルボイス

音質に定評がある、AUDIENTの人気オーディオインターフェイスiD4mkII

低価格帯とは思えない高音質に加え、機能面も充実した、完成度の高い製品です。

AUDIENT iD4mkII 駆動しているところ。左斜め

使用されているマイクプリアンプの質が良く、音を増幅してもクリーンで雑味のない質感をキープできます。

音の輪郭もしっかり出ており、聴き心地がよいです。

加えて、再生音の音質も非常にクリアで良好ですね。

AUDIENT iD4mkII 駆動しているとこ。左斜め上から撮影

透き通った解像度の高い音なので、制作用途でもリスニング用途でも、とても使い勝手が良いです。

この価格帯では、MOTU M2とiD4mkIIの再生音の良さは頭一つ抜けてますね。

加えて、iD4mkIIはループバック機能を搭載しており、専用ソフトも用意されています。

AUDIENT iD4 mkIIのループバックミキサー。PCの再生音とマイクの音をループバックさせる

専用ソフトでループバックの音を細かく調整できるので、配信でも使い勝手はそれなりに良いですね。

iD4mkIIの入力端子は、コンボジャック×1、1/4”ライン入力×1という構成になっています。

AUDIENT iD4mkII 下から撮った
前面左が1/4”ライン入力
AUDIENT iD4mkII 背面
背面右側にコンボジャック

コンボジャック2基搭載のMOTU M2と比べると、マイクを2本同時に使えないので自由度は下がります。

MOTU M2
M2はコンボジャック 2基

代わりに、2万円台後半で売られていることが多く、M2よりは8,000円程度安いです。

ボーカルは、コンボジャック1基で足りる方も多いので、用途に合わせてMOTU M2にするか、iD4mkIIにするか検討するのがよいでしょう。

Universal Audio Volt 176

Universal Audio Volt 176
歌ってみた
弱い
強い
DTM
弱い
強い
配信
弱い
強い
入力端子コンボジャック
出力端子1/4 “ライン出力×2
ヘッドホン端子 ×1
サンプルレート192kHz / 24bit
ループバック×
内蔵エフェクトコンプレッサー
ビンテージマイクプリ
接続端子 USB-C
付属DAWAbleton Live Lite
対応OSWin,Mac,iOS

プロユースのオーディオメーカーとして有名な、Universal AudioのVolt 176です。

Universal Audioは高級機が多いですが、2022年から低価格帯のVoltシリーズを販売しています。

Volt 176は、ビンテージマイクプリアンプモードとアナログコンプレッサーを搭載しているのが特長です。

Universal Audio Volt 176 上から撮った
機能概要
ビンテージマイク
プリアンプモード
アナログチューブプリアンプの
サウンド特性を付加
76コンプレッサーボリュームピークをコントロール
サウンドにパンチと明瞭さを付加

Universal Audioは、有名なマイクプリアンプやコンプレッサーを多数開発しており、そのノウハウを活かしています。

この76コンプレッサーが非常に良くできており、ONにするだけでかなり良い感じに調整されます。

Universal Audio Volt 176を上から撮った

コンプは音量均一化できるので、配信で使うと音割れを防止しつつ、一気に声が聴きやすくなりますね。

補足

オーディオインターフェイス内蔵のコンプなので、アプリなどの環境に関係なく使える

エフェクトをオフにした、通常時のマイクプリアンプの音質は、クリアで素直な音です。

ボーカル、アコギを録った動画がこちら。

やわらかい気配 / 秦基博 【アコースティックCover】

アコースティックサウンドで非常に使いやすい音だなと感じました。

ビンテージマイクプリモードを使うことで、パンチが効いた音にもできます。

また、Voltシリーズには、ピッチ修正ソフトで有名な「Melodyne」などの音楽ソフトも付属します。

ピッチ修正ソフト melodyneの画面
Melodyne

歌ってみたでは、非常によく使われるソフトなので、付属しているのはありがたいですね。

ただ、良質なコンプレッサーが搭載されている分、価格はやや高めです。

Volt 176の入力は、コンボジャック1基のみですが、価格は3万円以上します。

Universal Audio Volt 176の前面

コンボジャック2基になるVolt 276だと、4万円程度します。

製品Universal Audio Volt 176
Volt 176
Universal Audio Volt 276
Volt 276
Universal Audio Volt 476
Volt 476
Universal Audio Volt 476P 正面
Volt 476P
入出力1イン2アウト2イン2アウト4イン4アウト
内コンボジャック×2
4イン4アウト
内コンボジャック×4
ビンテージ
マイクプリ
コンプレッサー
実売価格約33,880円約40,700円約50,050円約69,300円

そのため、どれだけコンプレッサーに魅力を感じるかがポイントとなります。

歌枠での配信では便利ですが、歌ってみたをやるだけだとオーバースペックかもしれません。

歌ってみた・DTM向けオーディオインターフェイス(プロユース)

RME Babyface Pro FS

最後は、10万円以上の価格帯も含めた、プロユースの製品を紹介します。

ここでは、ボーカル・シンガーソングライター向けのプロユースの製品を紹介します。

商品紹介一覧

Apogee Duet 3

Apogee Duet 3を動作させているところ
項目機能・スペック

アナログ入力
コンボジャック ×2
1/4″ インストゥルメント×2
接続端子USB-C
対応OSWindows
Mac
iOS
付属DAWなし
実売価格約99,000円

昔からプロアマ問わずに人気が高い、APOGEE Duetシリーズ3代目 Duet 3

コンパクトなボディで非常に高音質。入出力端子も豊富な機種です。

Bedroom Talk / Official髭男dism 【アコースティックCover】

輪郭のあるクッキリした音質で、特にボーカルが録りやすかったですね。

入出力端子には、ブレイクアウトケーブルが採用されており、本体とは切り離されています。

Apogee Duet 3とブレイクアウトケーブル

そのおかげで、本体は非常に薄い上に軽く、持ち運びにも便利な製品です。

Apogee Duet 3 専用ケースに収納

価格も10万円未満で買えるので、昔からMacユーザーでは使用者が多い製品ですね。

Duet 3は、DSPエフェクトとしてEQ、コンプレッション、サチュレーションコントロールを搭載しています。

apogee control2 DSPエフェクトの画面

Win、Mac、iOSで使える専用アプリで、ループバックなども使えるようになっています。

apogee control2

Duet 3になって、専用アプリが強化されたことで配信での使い勝手も良くなったのは大きいですね。

ちなみに、ApogeeというとMac専用というイメージですが、少し前にWindowsも対応しました。

Apogee Duet 3 ノブの下にLEDライトがある

Duet 3もWindows、Mac、iOSで動作します。

たけしゃん

自宅のWindowsでも使ってみましたが、動作は安定していました

Universal Audio Apollo Twin X

Universal Audio Apollo Twin X
項目機能・スペック

アナログ入力
コンボジャック ×2
LINE ×1
サンプリングレート192kHz/24bit
接続端子Thunderbolt 3
対応OSWindows
Mac
付属DAWLUNA(Mac専用)
実売価格約162,800円

プロアマ問わずに非常に人気の高いUniversal Audio Apollo Twin X

高品質なハードウェアでありながら、DSPで使えるUADプラグインが非常に優秀です。

UAD Consoleの画面

マイクプリアンプ、AD/DAコンバーターなどパーツの品質が高く、原音に忠実な素直な音が録れます。

Apollo Twin Xで、ボーカルを録った動画がこちら。

静かな夜 Lyric video【オリジナル】

Apolloシリーズもプロの使用者が多く、安心のクオリティです。

無料で使える専用アプリには、Unisonという機能が搭載されており、有名マイクプリアンプのサウンドをエミュレーションした音に変えられるようになっています。

UAD Consoleを動作させている画面

Neve、Manley、SSLなどのUADプラグインを挿すと、本体から「カチッ」という音がしてマイクプリの音質が変わります。

また、DSPで動作するUADプラグインは、モニターでの利用以外にかけ録り、DAWでの後がけも可能です。

UAD Consoleで3つのプラグインを挿した画面

UADプラグインは質が非常に良く、愛用しているプロユーザーも多数います。

ただし、DSPで動くため、同時に使用できるエフェクト数はDSPの基数に依存します。

DSP同時使用プラグイン数
SOLO(1基)重くないもので3~4個
重いものだと1個しか挿せない
DUO(2基)重くないもので7~8個
重いもの1個&普通3~4個など組める
QUAD(4基)重くないもので12~16個
重いものとの組み合わせも自由がきく
個数は組み合わせによるので参考程度です

Apollo Twin XはDUOとQUADから選択できます。

ボーカル、シンガーソングライターはDUOで足りる人が大半かなと思います。

逆にガッツリ制作やる人はQUADを選択したほうが良いですね。

Mac

  • 使用可能な Thunderbolt 1、2、もしくは3(USB-C*ポート経由)を内蔵する Apple Mac(Apple Silicon Mac との互換情報
  • macOS 10.14 Mojave、10.15 Catalina、11 Big Sur、12 Monterey

Windows

  • Thunderbolt 3(USB-Cポート経由)を内蔵する Windows PC
  • Windows 10、11(64ビット)

共通

  • Thunderbolt 3 ケーブル(別売)
  • 10GB 以上の空きストレージ容量
  • Quad Core i7 以上のプロセッサーを推奨
  • 8GB 以上のRAMを推奨
  • インターネット接続環境 (ソフトウェアの入手、製品登録と追加プラグイン購入のため)
  • AU、VST、RTAS、AAX 64 対応ホストアプリケーション

その他、細かい注意事項は公式サイトを参照ください。

RME Babyface Pro FS

RME Babyface pro fs
項目機能・スペック

アナログ入力
XLR ×2
LINE ×2
サンプリングレート192kHz/24bit
接続端子USB 2.0
ループバック
内蔵エフェクト
対応OSWindows
Mac
iOS
付属DAWなし
実売価格約154,000円

プロユースのオーディオインターフェイスでは定番の、RME Babyface Pro FSです。

小型のボディで入出力も少ないですが、音質は文句なしで、多数のプロアーティストが使っています

RME Babyface pro fs ケースに収納されている状態
RME Babyface pro fs 横から撮った画像

筆者も、普段はBabyface Pro FSを使っています。

プロユース製品はMac前提のものが多く、Windowsだと動作が安定するか若干不安になるのですが、RMEはWindowsでも安定していて助かってます。

補足

最近は、どのメーカーもWindowsでも安定動作するようになってきたと思います

Babyface Pro FSで録った動画はこちら。

ベテルギウス / 優里 【アコースティックCover】

エントリーモデルと比べて、音が格段にクリアで芯があります。

再生音の品質も素晴らしいので、歌録りのモニターも繊細な部分まで聞きとれて録りやすいです。

専用アプリのRME TotalMix FXは、非常に多機能で、ルーティングや内蔵エフェクトを細かく調整できます。

RME Totalmix FX

特に、ルーティングの面では、かなり柔軟に調整できるため、ライブ配信でも非常に使いやすいです。

OBS STUDIOとの連携ガイドも用意されているので、配信で使う方はこちらも参考にしてください。

ちなみに、iOS版RME TotalMix FX(有料)もあって、iPadでも使えるようになっています。

注意

RME TotalMix FXはiPhoneでは使えない

iOSでBabyface Pro FSを使うには、別売りのACアダプタ(1万円程度)が必要ですが、iOSで高級オーディオインターフェイスが使えるのは魅力的ですよね。

そんな便利なBabyface Pro FSですが、プロユースなので最初にルーティング設定などを一通りやらないと音が出ません。

説明書も分厚くて難解なので、機械に弱い人が買うと少し辛いです。

おすすめのオーディオインターフェイス まとめ

Universal Audio Apollo Twin MKII

ぎたすけ

オーディオインターフェイスって、色んなことを考えて選ばないとなんだな

たけしゃん

最近は、配信とかスマホとか多様化してるからね。以前より選ぶの難しくなってるよね

おすすめのオーディオインターフェイスについての解説でした。

筆者はレビューやってる関係で、いろいろな製品を持っているのですが、主に使ってるのはBabyface Pro FSとUR22Cの2台です。

RME Babyface pro fs
Babyface Pro FS
UR22Cの正面から撮った写真
Steinberg UR22C

音質的にはBabyface Pro FS 1台に統一したいですが、iPhoneでのライブ配信とか要所要所でUR22Cのほうが便利なとこがあって結局兼用してます。

DTMも配信も両方やる人は、UR22Cが間違いないのでおすすめです。

関連記事

ライブ配信している部屋配信向けオーディオインターフェイス おすすめランキングベスト10。選び方や注意点を細かく解説 MOTU M2をiPhoneで使っているところ【2024年】iPhone向け オーディオインターフェイスおすすめランキングベスト10。選び方や注意点をiOSで配信している筆者が徹底解説 PreSonus AUDIO BOX GO 駆動中。側面安いオーディオインターフェイス おすすめ10選。価格帯別で歌ってみたやライブ配信に適した製品を紹介 オーディオインターフェイスに繋ぐ楽器や機材を図にしたものオーディオインターフェイスで使うケーブル・シールドの種類や選び方を解説 DSPチップDSPとは?オーディオインターフェイスのサウンド機能を理解しよう