ぎたすけ
たけしゃん
読みたい場所をクリック!
オーディオインターフェイスの選び方
オーディオインターフェイスは、さまざまな音響機器をPC・スマートフォンなどに接続するための機器です。
歌ってみた、DTM、ライブ配信など、高い音質が求められる分野で好んで使用されます。
オーディオインターフェイスは、製品によって得意分野が分かれており、選び方も難しいです。
本記事では、ボーカル・シンガーソングライター向けに「歌ってみた」と「DTM」に焦点を当てて、製品の選び方を解説していきます。
ライブ配信の利用をメインに考えている方は、下記記事を参照ください。
入力端子の構成
XLR | 主にマイクを繋ぐ端子 |
LINE (1/4”ライン入力) | ギターなど楽器を繋ぐ端子 |
コンボジャック | XLR・LINE両対応の端子 |
オーディオインターフェイスには、上記3種類の入力端子が存在します。
接続する楽器によって、どの端子がいくつ必要になるか変わります。
ここで重要となるのが、「マイクを何本使用するか」です。
コンデンサーマイクを接続するには、XLR端子かコンボジャックが必要になります。
例えば、歌とギターでマイクを2本同時に使用する場合、コンボジャックかXLR端子が2基必要となります。
また、アコギなどを録音する方も、ステレオ録音することが多いと思うので、コンボジャック2基の製品をおすすめします。
逆に、歌い手の方はマイク1本で足りるので、XLR×1、LINE×1の製品でも問題ないです。
サンプリングレート
サンプリングレート | 1秒間のオーディオサンプル 取得回数 |
ビットレート (量子化ビット数) | アナログ→デジタルに 変換する際の精度 |
サンプリングレート/ビットレートとは、簡潔に言うと音の解像度を指す言葉です。
数値が高くなるほど、音の情報量が多くなり、オーディオファイルのサイズが重くなります。
歌ってみた、DTM用途の場合は「48kHz/24bit」でのやり取りが一般的です。
そのため、歌ってみた・DTM用途なら「48kHz/24bit」に対応した製品を選びましょう。
48kHzは、ほとんどの製品で対応していますが、低価格帯は16bitまでの製品が多いので気を付けましょう。
対応OS
最近の製品は、Windows、Mac、iOSの3つに対応しているものがほとんどです。
この中で、注意が必要なのはWindowsとiOSです。
それぞれの注意すべきポイントを解説していきます。
Windowsの場合
Windowsについては、オーディオインターフェイス専用のドライバインストールが必要となります。
大半のメーカーが、自社HPで無料配布していますが、海外メーカーだと英語サイトでユーザー登録・製品登録が必要となるものが多いです。
翻訳機能を使えば問題ないと思いますが、英語サイトが苦手な人は、日本語対応のメーカーを選びましょう。
- Steinberg
- Roland
- YAMAHA
- ZOOM
- TASCAM…など
iOSの場合
iOSの場合は、配信をやるのかDTMをやるのかによって、選ぶ製品が変わってきます。
また、一口にiOS対応と言ってもメーカーによって大きく差があります。
iOSでの製品選びは難しいため、記事を分けたので下記記事を参照ください。
価格帯別の傾向
オーディオインターフェイスは、価格帯別で傾向が分かれます。
大枠でまとめると、下表のとおりです。
価格帯 | 傾向 |
~1.5万円 | 必要最小限の機能 ループバックはない製品が多い |
1.5~3万円 | コンボジャック×2が増える 配信に強い機種が多い |
3~5万円 | 音質重視でDTM向けが多い 配信向け機能は弱いものが多い |
5~8万円 | 3~5万円の製品に 入出力を足した製品が中心 4イン4アウト以上が増える |
8万円~ | プロユースの製品が中心 10万円前後は入出力端子少なめ それ以上は入出力端子も多い |
15,000円未満の製品は、必要最小限の入出力端子で構成されるものが多いです。
歌やギターを録音するだけなら、この価格帯の製品で問題ありません。
また、動画制作・雑談配信・テレワークといった用途も十分こなせます。
15,000円~30,000円の価格帯になると、ライブ配信で使いやすい機種が増えます。
配信で定番のYAMAHA AG03mk2も、この価格帯です。
また、この価格帯では、コンボジャックを2基搭載した製品が増えます。
マイクを2本同時に使えるため、やれることが大分増えます。
3~5万円の製品になると、音質重視タイプが増えます。
代表的な製品は、MOTU M2です。
MOTU M2は、録音・再生音のどちらも高音質で、3万円未満の製品と比べて明らかにランクが上です。
一方で、ライブ配信の機能に関しては、AG03m2やUR22Cに比べて劣ります。
このあたりは、自身の用途にあわせて選択を変えましょう。
5~8万円の製品では、主に入出力端子が増えるタイプが多いです。
例えば、先ほどのMOTU M2から入出力端子を増やした、MOTU M6などが代表例ですね。
この価格帯は、色んな機材を接続するDTMer向けの製品が多いです。
ボーカルだと、入出力端子が増えても使わないので、もう一つ上の価格帯を選択することが多いです。
最後の8万円以上は、プロクオリティの製品が中心です。
10万円前後は、入出力端子は少ないものの、音質がプロクオリティという製品が多いですね。
もっと上の価格帯になると、プロクオリティの音質で、入出力端子も豊富なスタジオ向けの製品が増えます。
ボーカル・シンガーソングライターの場合、そこまで入出力端子は必要ありません。
逆に、DTMerの方で制作用のプライベートスタジオを作る方は、入出力端子が豊富な製品を選ぶと良いでしょう。
おすすめのオーディオインターフェイス 12選
ここからは、おすすめのオーディオインターフェイスを用途に分けて紹介します。
用途の分け方は、以下の4種類です。
- 低価格のコスパ重視
- ライブ配信向け
- 歌ってみた・DTM(5万円以下)
- 歌ってみた・DTM(プロユース)
各用途で、3製品ずつ紹介していきます。
なお、筆者は歌ってみた・配信に詳しいシンガーソングライターなので、ボーカル視点で選んでいます。
低価格のコスパ重視のオーディオインターフェイス
低価格のコスパ重視では、主に15,000円以内の製品を選定しています。
DTM・ライブ配信において、必要最低限の機能を備えており、音質は及第点を超えているものを紹介していきます。
M-Audio M-Track SOLO
項目 | 機能・スペック |
アナログ入力 | コンボジャック ×1 LINE ×1 |
サンプリングレート | 48kHz/16bit |
接続端子 | USB 2.0 |
ループバック | × |
内蔵エフェクト | × |
対応OS | Win、Mac、iOS |
付属DAW | Pro Tools First M-Audio Edition |
実売価格6,000円程度でちゃんと使える、格安オーディオインターフェイス M-Track SOLO。
この価格帯でちゃんと使える上に。DAWも付属するという、驚異のコストパフォーマンスを誇る製品です。
価格が安い分、本体のスペックや機能は、必要最低限のレベルに抑えられています。
とはいえ、ボーカルレコーディングやDTMで、ちゃんと使えるスペックは備えています。
実際に、M-Track SOLOで録った動画がこちら。
音質もまあまあといったところで、価格を考えると十分すぎるレベルです。
さらに、M-Track SOLOにはDAWのPro Tools(First M-Audio Edition)が付属します。
一方で、ライブ配信で便利な、ループバックや内蔵エフェクトの機能はありません。
まずは、低予算で歌ってみたやDTMを始めたい方に適した製品です。
なお、プラス1,000円程度でコンボジャック2基搭載のM-Track Duoを買うことができます。
M-Track Duoなら、マイク2本同時に使うことができるので、DTM用途の方はM-Track Duoをおすすめします。
ZOOM AMS-24
入力端子 | コンボジャック×2 |
出力端子 | 1/4 “ライン出力×2 ステレオ 3.5mm出力 ×2 |
サンプルレート | 96kHz / 24bit |
接続端子 | USB-C |
ループバック | 〇 |
DSPエフェクト | × |
対応OS | Win,Mac,iOS,Android |
コンパクトなボディに、豊富な機能を詰め込んだオーディオインターフェイス ZOOM AMS-24です。
手のひらサイズで収まるボディに、コンボジャックを2基搭載しており、配信向けの機能まで付いています。
手のひらサイズでありながら、音質もなかなかに良好で、歌ってみたやDTMでも十分使えるレベルです。
AMS-24で録音した動画がこちら。
マイクプリアンプのゲインレンジも、MAXで58dBまで上がるので、音量的に心配ありません。
さらに、AMS-24はループバックに対応しており、本体スイッチでON/OFFできます。
加えて、MUSICモードとSTREAMINGモードの2つのモードが用意されており、こちらも本体スイッチで切替できます。
MUSICモードは主に音楽制作向け、STREAMINGモードは主に配信向けのモードです。
STREAMINGモードにすると、INPUT1と2がステレオミックスされて入力されるようになります。
主に、iOSで配信する際や複数楽器を繋げて配信する際に便利な機能ですね。
コンパクトなので携帯しやすく、色んなところで配信する方にはとても便利なアイテムです。
なお、コンボジャックが4基に増えたAMS-44もあります。
AMS-44はバンドやユニットなどの配信で重宝しますね。
Steinberg IXO12
項目 | 機能・スペック |
アナログ入力 | コンボジャック ×1 LINE ×1 |
サンプリングレート | 192kHz/24bit |
接続端子 | USB 2.0 |
ループバック | 〇 |
内蔵エフェクト | × |
対応OS | Win、Mac、iOS |
付属DAW | Cubase AI Cubasis LE |
実売価格 | 約13,000円 |
2024年に発売された、Steinbergのエントリーモデル IXO12。
10年以上売れ続けていた、大人気モデルUR12の後継機種的な存在です。
IXO12では、本体操作でミュートやループバックのON/OFFができるようになり、配信やテレワークでも使いやすくなりました。
加えて、マイク入力のスペックも向上しており、他メーカーでは2万円以上する製品と互角以上の性能です。
さらに、CUBASE AIやCUBASIS LEなどのDAWが付属しており、DTMを始めるためのソフトウェアが揃っています。
15,000円以下の製品では、総合力No.1のオーディオインターフェイスだと思います。
はじめて買うオーディオインターフェイスとしても最適です。
ライブ配信で便利なオーディオインターフェイス
本章では、ライブ配信で使いやすい製品を紹介します。
ライブ配信には、雑談配信、ゲーム配信、歌枠配信などさまざまな種類があります。
紹介する製品は、どれも万能に使えるものばかりですが、その中でも筆者の専門である歌枠配信に焦点を当てて製品を選んでいます。
YAMAHA AG03mk2
項目 | 機能・スペック |
アナログ入力 | コンボジャック ×1 LINE ×1 AUX ×1 |
サンプリングレート | 192kHz/24bit |
接続端子 | USB-C 4極ミニ入出力 |
ループバック | 〇 |
内蔵エフェクト | 〇 |
対応OS | Win,Mac,iOS,Android ※Androidは4極ミニ接続 |
付属DAW | Cubase AI Cubasis LE |
配信向けオーディオインターフェイスのベストセラー YAMAHA AG03MK2。
豊富な入力端子に加えて、ループバックやDSPエフェクトを内蔵しており、配信に関する対応力は抜群です。
音質もクリアで、ライブ配信だけでなく、歌ってみたやDTMでも使っていけます。
AG03MK2とコンデンサーマイク YCM01で録った動画がこちら。
製品仕様的には、歌ってみた・DTM用途だとUR22Cのほうが優れていますが、AG03mk2でも十分やれます。
AG03mk2はライブ配信に特化しており、他のオーディオインターフェイスでは搭載していない機能が多く存在します。
例えば、オーディオ機器やスマートフォンを接続できるAUX端子、ヘッドセットを接続できる端子などが用意されています。
さらに、本体スイッチでループバックやエフェクトを操作可能で、ワンオペ配信でも柔軟に対応できます。
配信メインで使う方には、非常に良いオーディオインターフェイスです。
逆に、DTMや歌ってみたにおいては他機種と比べてやや弱いため、配信をやらない場合は他機種のほうが良いですね。
audio technica AT-UMX3
アナログ入力 | コンボジャック×2 LINE(GUITAR) LINE STREO(KEYBOARD) |
アナログ出力 | HEADPHONE OUT |
サンプルレート | 192kHz / 24bit |
接続端子 | USB-C |
対応OS | Windows macOS Catalina macOS Big Sur macOS Monterey macOS Ventura iOS:16.4.1 iPad OS:16.4.1 Android OS:10、11、12、13 |
2024年2月に発売した、audio technicaの配信向けオーディオインターフェイス AT-UMX3。
audio technicaのマイク開発を長年手がけてきた、技術および設計担当者が監修した製品です。
コンパクトなボディには、配信に必要な機能だけを詰め込んでおり、初心者でもわかりやすい作りになっています。
ミュートやループバックといった、ライブ配信でよく使う機能は、本体操作でON/OFF可能です。
audio technica製なので、音質も良好ですね。
特に、再生音の質は1万円台にしては、かなり良いと感じました。
一方、配信向けに特化されているため、DTMには向いていません。
そのため、DTMと配信兼用で考えている人には不向きです。
また、エフェクトなどもないため、歌枠配信で使う場合もやや微妙と言えます。
逆に、雑談配信やゲーム配信でのみ使用する人には、おすすめの1台です。
Steinberg UR22C
項目 | 機能・スペック |
アナログ入力 | コンボジャック ×2 |
サンプリングレート | 192kHz/32bit |
接続端子 | USB 3.0 |
ループバック | 〇 |
内蔵エフェクト | 〇 |
対応OS | Win、Mac、iOS |
付属DAW | Cubase AI Cubasis LE |
2019年発売の、オーディオインターフェイスのベストセラーSteinberg UR22C。
USB 3.0対応に加えて、専用アプリで操作可能な内蔵エフェクトを搭載した、完成度の高い製品です。
2019年発売ですが、2024年にファームウェアアップデートが実施され、最新の配信事情にも対応できている点も素晴らしいです。
入力端子には、コンボジャックが2基搭載されており、ファンタム電源にも対応。
コンデンサーマイクを2本同時に使うことができるため、いろんな用途で使えます。
サンプリングレートは、192kHz/32bitまで対応し、マイクプリの音質も良好。
UR22Cを使って録音した演奏動画がこちらです。
UR22Cは配信だけでなく、DTMや歌ってみたでも使いやすいところが良いですね。
付属ソフトにCubase AIがついているため、音楽制作もすぐに始められる点も大きいです。
配信面では、ループバックとDSPエフェクトを搭載しています。
エフェクトは、EQ、コンプレッサー、リバーブ、アンプシミュレーターが用意されており、専用アプリで細かく調整できます。
専用アプリはWindows、Mac、iOSで使用可能です。
特に、iPhone用アプリが用意された機種は非常に少ないので、iPhoneで使う人にもおすすめの機種といえます。
筆者的にはDTMと配信の総合点で評価するとUR22CがNo.1だと感じています。
音楽制作も配信も、1台で快適にやりたいという人はUR22Cがおすすめです。
歌ってみた・DTM向けオーディオインターフェイス(5万円以内)
本章では、歌ってみたやDTMなど、音楽制作で使いやすいオーディオインターフェイスを紹介していきます。
紹介する商品は、3万円台が中心です。
この価格帯は、音質に優れたオーディオインターフェイスが多数存在します。
一方で、ライブ配信向けの機能は弱い機種が多いため、配信でも使い方はOBS STUDIOと併用することを検討しましょう。
MOTU M2
入力端子 | コンボジャック×2 |
出力端子 | 1/4 “TRSライン出力×2 RCA ×2 ヘッドホン端子 ×1 |
サンプルレート | 192kHz |
接続端子 | USB-C |
対応OS | Win,Mac,iOS |
寸法(幅×奥×高) | 約190 x 108 x 45mm |
プロユースの製品を数多く販売する、MOTUの低価格モデルM2。
3万円台とは思えない音質の良さで、大人気のオーディオインターフェイスです。
M2に搭載されたマイクプリアンプは品質が良く、クオリティの高い音質でレコーディングすることができます。
そして、MOTU M2で特筆すべきは再生音です。
数十万円クラスのオーディオインターフェースで使用される、「ESS Technology 社 Sabre 32 Ultra DAC」を採用しており、高級機に劣らない素晴らしい音質を実現しています。
3万円台とは思えないレベルの音質です。
自宅のリスニング環境をグレードアップさせる目的で買うのも良いですね。
加えて、M2はループバックにも対応しています。
ただ、ループバックの仕様にクセがあるので、使い方は少し理解しないといけません。
配信でも使えますが、やはり歌ってみたやDTMなど制作用途向けの機種です。
低予算のなかで、音質をもっとも重視したい方には、間違いない製品といえます。
なお、MOTUのMシリーズはM2、M4、M6と3機種あります。
基本的には数字が増えるほど、入出力端子が増えます。
歌い手、シンガーソングライターであれば、M2で十分です。
外部音源や複数楽器を繋ぎっぱなしにしたい人はM4、M6を検討するとよいでしょう。
AUDIENT iD4mkII
入力端子 | コンボジャック×1 1/4 “ライン入力×1 |
出力端子 | 1/4 “ライン出力×2 ヘッドホン端子 ×2 |
サンプルレート | 96kHz / 24bit |
接続端子 | USB-C |
対応OS | Windows 10 Windows 11 macOS 10.13.6 (Hgh Sierra) macOS 10.14.X(Mojave) macOS 10.15.X(Catalina) macOS 11.1.X(Big Sur) macOS 12.X(Monterey) macOS 13.X(Ventura) |
音質に定評がある、AUDIENTの人気オーディオインターフェイスiD4mkII。
低価格帯とは思えない高音質に加え、機能面も充実した、完成度の高い製品です。
使用されているマイクプリアンプの質が良く、音を増幅してもクリーンで雑味のない質感をキープできます。
音の輪郭もしっかり出ており、聴き心地がよいです。
加えて、再生音の音質も非常にクリアで良好ですね。
透き通った解像度の高い音なので、制作用途でもリスニング用途でも、とても使い勝手が良いです。
この価格帯では、MOTU M2とiD4mkIIの再生音の良さは頭一つ抜けてますね。
加えて、iD4mkIIはループバック機能を搭載しており、専用ソフトも用意されています。
専用ソフトでループバックの音を細かく調整できるので、配信でも使い勝手はそれなりに良いですね。
iD4mkIIの入力端子は、コンボジャック×1、1/4”ライン入力×1という構成になっています。
コンボジャック2基搭載のMOTU M2と比べると、マイクを2本同時に使えないので自由度は下がります。
代わりに、2万円台後半で売られていることが多く、M2よりは8,000円程度安いです。
ボーカルは、コンボジャック1基で足りる方も多いので、用途に合わせてMOTU M2にするか、iD4mkIIにするか検討するのがよいでしょう。
Universal Audio Volt 176
入力端子 | コンボジャック |
出力端子 | 1/4 “ライン出力×2 ヘッドホン端子 ×1 |
サンプルレート | 192kHz / 24bit |
ループバック | × |
内蔵エフェクト | コンプレッサー ビンテージマイクプリ |
接続端子 | USB-C |
付属DAW | Ableton Live Lite |
対応OS | Win,Mac,iOS |
プロユースのオーディオメーカーとして有名な、Universal AudioのVolt 176です。
Universal Audioは高級機が多いですが、2022年から低価格帯のVoltシリーズを販売しています。
Volt 176は、ビンテージマイクプリアンプモードとアナログコンプレッサーを搭載しているのが特長です。
機能 | 概要 |
ビンテージマイク プリアンプモード | アナログチューブプリアンプの サウンド特性を付加 |
76コンプレッサー | ボリュームピークをコントロール サウンドにパンチと明瞭さを付加 |
Universal Audioは、有名なマイクプリアンプやコンプレッサーを多数開発しており、そのノウハウを活かしています。
この76コンプレッサーが非常に良くできており、ONにするだけでかなり良い感じに調整されます。
コンプは音量均一化できるので、配信で使うと音割れを防止しつつ、一気に声が聴きやすくなりますね。
エフェクトをオフにした、通常時のマイクプリアンプの音質は、クリアで素直な音です。
ボーカル、アコギを録った動画がこちら。
アコースティックサウンドで非常に使いやすい音だなと感じました。
ビンテージマイクプリモードを使うことで、パンチが効いた音にもできます。
また、Voltシリーズには、ピッチ修正ソフトで有名な「Melodyne」などの音楽ソフトも付属します。
歌ってみたでは、非常によく使われるソフトなので、付属しているのはありがたいですね。
ただ、良質なコンプレッサーが搭載されている分、価格はやや高めです。
Volt 176の入力は、コンボジャック1基のみですが、価格は3万円以上します。
コンボジャック2基になるVolt 276だと、4万円程度します。
そのため、どれだけコンプレッサーに魅力を感じるかがポイントとなります。
歌枠での配信では便利ですが、歌ってみたをやるだけだとオーバースペックかもしれません。
歌ってみた・DTM向けオーディオインターフェイス(プロユース)
最後は、10万円以上の価格帯も含めた、プロユースの製品を紹介します。
ここでは、ボーカル・シンガーソングライター向けのプロユースの製品を紹介します。
Apogee Duet 3
昔からプロアマ問わずに人気が高い、APOGEE Duetシリーズ3代目 Duet 3。
コンパクトなボディで非常に高音質。入出力端子も豊富な機種です。
輪郭のあるクッキリした音質で、特にボーカルが録りやすかったですね。
入出力端子には、ブレイクアウトケーブルが採用されており、本体とは切り離されています。
そのおかげで、本体は非常に薄い上に軽く、持ち運びにも便利な製品です。
価格も10万円未満で買えるので、昔からMacユーザーでは使用者が多い製品ですね。
Duet 3は、DSPエフェクトとしてEQ、コンプレッション、サチュレーションコントロールを搭載しています。
Win、Mac、iOSで使える専用アプリで、ループバックなども使えるようになっています。
Duet 3になって、専用アプリが強化されたことで配信での使い勝手も良くなったのは大きいですね。
ちなみに、ApogeeというとMac専用というイメージですが、少し前にWindowsも対応しました。
Duet 3もWindows、Mac、iOSで動作します。
たけしゃん
Universal Audio Apollo Twin X
項目 | 機能・スペック |
アナログ入力 | コンボジャック ×2 LINE ×1 |
サンプリングレート | 192kHz/24bit |
接続端子 | Thunderbolt 3 |
対応OS | Windows Mac |
付属DAW | LUNA(Mac専用) |
実売価格 | 約162,800円 |
プロアマ問わずに非常に人気の高いUniversal Audio Apollo Twin X。
高品質なハードウェアでありながら、DSPで使えるUADプラグインが非常に優秀です。
マイクプリアンプ、AD/DAコンバーターなどパーツの品質が高く、原音に忠実な素直な音が録れます。
Apollo Twin Xで、ボーカルを録った動画がこちら。
Apolloシリーズもプロの使用者が多く、安心のクオリティです。
無料で使える専用アプリには、Unisonという機能が搭載されており、有名マイクプリアンプのサウンドをエミュレーションした音に変えられるようになっています。
Neve、Manley、SSLなどのUADプラグインを挿すと、本体から「カチッ」という音がしてマイクプリの音質が変わります。
また、DSPで動作するUADプラグインは、モニターでの利用以外にかけ録り、DAWでの後がけも可能です。
UADプラグインは質が非常に良く、愛用しているプロユーザーも多数います。
ただし、DSPで動くため、同時に使用できるエフェクト数はDSPの基数に依存します。
DSP | 同時使用プラグイン数 |
SOLO(1基) | 重くないもので3~4個 重いものだと1個しか挿せない |
DUO(2基) | 重くないもので7~8個 重いもの1個&普通3~4個など組める |
QUAD(4基) | 重くないもので12~16個 重いものとの組み合わせも自由がきく |
Apollo Twin XはDUOとQUADから選択できます。
ボーカル、シンガーソングライターはDUOで足りる人が大半かなと思います。
逆にガッツリ制作やる人はQUADを選択したほうが良いですね。
Mac
- 使用可能な Thunderbolt 1、2、もしくは3(USB-C*ポート経由)を内蔵する Apple Mac(Apple Silicon Mac との互換情報)
- macOS 10.14 Mojave、10.15 Catalina、11 Big Sur、12 Monterey
Windows
- Thunderbolt 3(USB-Cポート経由)を内蔵する Windows PC
- Windows 10、11(64ビット)
共通
- Thunderbolt 3 ケーブル(別売)
- 10GB 以上の空きストレージ容量
- Quad Core i7 以上のプロセッサーを推奨
- 8GB 以上のRAMを推奨
- インターネット接続環境 (ソフトウェアの入手、製品登録と追加プラグイン購入のため)
- AU、VST、RTAS、AAX 64 対応ホストアプリケーション
その他、細かい注意事項は公式サイトを参照ください。
RME Babyface Pro FS
項目 | 機能・スペック |
アナログ入力 | XLR ×2 LINE ×2 |
サンプリングレート | 192kHz/24bit |
接続端子 | USB 2.0 |
ループバック | 〇 |
内蔵エフェクト | 〇 |
対応OS | Windows Mac iOS |
付属DAW | なし |
実売価格 | 約154,000円 |
プロユースのオーディオインターフェイスでは定番の、RME Babyface Pro FSです。
小型のボディで入出力も少ないですが、音質は文句なしで、多数のプロアーティストが使っています
筆者も、普段はBabyface Pro FSを使っています。
プロユース製品はMac前提のものが多く、Windowsだと動作が安定するか若干不安になるのですが、RMEはWindowsでも安定していて助かってます。
Babyface Pro FSで録った動画はこちら。
エントリーモデルと比べて、音が格段にクリアで芯があります。
再生音の品質も素晴らしいので、歌録りのモニターも繊細な部分まで聞きとれて録りやすいです。
専用アプリのRME TotalMix FXは、非常に多機能で、ルーティングや内蔵エフェクトを細かく調整できます。
特に、ルーティングの面では、かなり柔軟に調整できるため、ライブ配信でも非常に使いやすいです。
OBS STUDIOとの連携ガイドも用意されているので、配信で使う方はこちらも参考にしてください。
ちなみに、iOS版RME TotalMix FX(有料)もあって、iPadでも使えるようになっています。
iOSでBabyface Pro FSを使うには、別売りのACアダプタ(1万円程度)が必要ですが、iOSで高級オーディオインターフェイスが使えるのは魅力的ですよね。
そんな便利なBabyface Pro FSですが、プロユースなので最初にルーティング設定などを一通りやらないと音が出ません。
説明書も分厚くて難解なので、機械に弱い人が買うと少し辛いです。
おすすめのオーディオインターフェイス まとめ
ぎたすけ
たけしゃん
おすすめのオーディオインターフェイスについての解説でした。
筆者はレビューやってる関係で、いろいろな製品を持っているのですが、主に使ってるのはBabyface Pro FSとUR22Cの2台です。
音質的にはBabyface Pro FS 1台に統一したいですが、iPhoneでのライブ配信とか要所要所でUR22Cのほうが便利なとこがあって結局兼用してます。
DTMも配信も両方やる人は、UR22Cが間違いないのでおすすめです。
関連記事
配信向けオーディオインターフェイス おすすめランキングベスト10。選び方や注意点を細かく解説 【2024年】iPhone向け オーディオインターフェイスおすすめランキングベスト10。選び方や注意点をiOSで配信している筆者が徹底解説 安いオーディオインターフェイス おすすめ10選。価格帯別で歌ってみたやライブ配信に適した製品を紹介 オーディオインターフェイスで使うケーブル・シールドの種類や選び方を解説 DSPとは?オーディオインターフェイスのサウンド機能を理解しようよく読まれている記事
初心者が覚えるべき ギターコード 10個を練習用の譜例付きで解説
男性の音域を平均・低め・高めの3種類で解説。音域チェックできる音源付き
コンデンサーマイク おすすめランキングベスト10【2024年版】 〜プロアーティスト使用マイクも紹介〜
初心者向けアコースティックギター おすすめ6選。購入するギターの選び方を107名のアンケート調査付きで解説
ギターのストロークパターンを練習しよう。弾き語りでよく使う譜例 10パターンで解説
ギターのカポタストでキー変更するための上げ方、下げ方を役立つ早見表と合わせて解説
ギター初心者も弾ける簡単な曲 おすすめ50選。練習時のポイント解説付き
SYNCROOM(シンクルーム)の使い方、設定、遅延対策を解説。無料で自宅セッションを楽しもう!
女性の音域を平均・低め・高めの3種類で解説。参考アーティストも合わせて紹介
アコギ メーカー11社を解説。ブランドごとの特徴やおすすめのギターを紹介