Solid State Logic SSL 2 MKIIをレビュー。3万円台で買える実戦的で高品質なオーディオインターフェイス

SSL2MKIIを左下から撮った写真

評価:4.5

ぎたすけ

SSLって音響機器で有名なメーカーだよな?

たけしゃん

SSLはプロ向けのメーカーだね。そこの製品だから安くても音質はすごくいいよ
SSL2MKIIの右側面のアップ
SSL 2 MKIIの評価
音質
 (4.5)
機能性
 (4)
コスパ(35,680円程度)
 (4.5)
総合評価
 (4.5)
メリット
デメリット
  • 3万円台ではトップレベルの音質
  • バンドルソフトが豊富
  • 4Kスイッチで音にアナログ感を加えられる
  • DSPエフェクトはない
  • iOSは動作保証対象外

ボーカル(デフォルト)

ボーカル(4K ON)

この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

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たけしゃん

tkshan

プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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Solid State Logic SSL 2 MKII

SSL2MKIIを上から撮影
入力端子コンボジャック×2
1/4 “ライン入力×2
出力端子1/4 “ライン出力×2
ヘッドホン端子 ×2
サンプルレート192kHz / 32bit
接続端子 USB-C
対応OSMac OS 12 and above
Windows 10, Windows 11
公式サイト

プロユースのオーディオミキシングコンソールで有名な、SSLが販売するオーディオインターフェイスSSL 2 MKII。

2020年に発売された、SSL 2に寄せられたフィードバックを基に改良された次世代機です。

初代SSL2とSSL2MKII
上がSSL 2 MK2、下がSSL 2

初代と比べると、192kHz/32bit対応コンバーターが採用されており、デザインもユーザーフレンドリーになりました。

一通り使った所感でも、初代から確実にグレードアップしています。

一方、価格もワンランク上がったので、3万円台のベストセラーであるMOTU M2と同価格帯になりました。

MOTU M2
MOTU M2

本記事では、SSL 2 MKIIのレビューをする中で、MOTU M2との比較も解説します。

まずは、製品仕様から解説します。

仕様を飛ばして、レビュー見たい方は<SSL 2 MKIIをレビュー>を参照ください。

補足

入出力端子の仕様がやや複雑なので、仕様の章も読むことをおすすめします

2in 2out

SSL2MKIIの右側面のアップ

SSL 2 MKIIは、2系統の入力と出力を持つ2in 2outのオーディオインターフェイスです。

入力は、前面の1/4 “ライン入力2基、背面のコンボジャック2基で構成されています。

SSL2 MKIIの背面にあるコンボジャック2基
コンボジャックはINPUT1 INPUT2
SSL2 MKIIの前面にある1/4"ライン入力
1/4 “ライン入力はINST 1、INST 2

コンボジャック端子とINST端子は排他となっており、INSTにケーブルを挿すとコンボジャックが無効になります。

排他

同時利用できない仕組みを指す。INST 1にケーブルを挿すと、コンボジャック1が使えなくなる

そのため、入力端子は4つあるものの2INという仕様になっています。

前面のINST 1とINST 2はHi-Z入力になっており、エレキギターなどを直接接続する際に使用します。

SSL2 MKIIの前面にある1/4"ライン入力
1/4 “ライン入力はINST 1、INST 2

逆に、マイクやローインピーダンスの機器を接続する際は、背面のコンボジャックを利用するとよいでしょう。

出力は、背面の1/4 “ライン出力です。

SSL2 MKIIの背面にある1/4"ライン入力
名称はOUTPUTS 1、OUTPUTS 2

イヤホンやヘッドホンを接続するPhone端子は、前面に2基用意されています。

SSL2 MKIIの前面にあるPhone端子2基

Phone端子は2つとも連動しており、個別に音量調整することはできません。

とはいえ、2個欲しいことは割と多いので、ありがたい仕様ですね。

先代のSSL 2では、入出力端子はすべて背面に配置されていて、これが地味に不便だったんですよね。

初代SSL2の前面
先代のSSL 2の前面
Solid State Logic SSL2 背面
先代のSSL 2の背面

特に、Phone端子は前面にあってほしいなと思っていたので、SSL 2 MKIIで改良されて嬉しいです。

ちなみに、上位モデルにあたるSSL 2+ MKIIでは、SSL 2 MKIIから以下の点が変更されています。

  • ヘッドホン端子…2基それぞれが独立
  • 1/4 “ライン出力…4基搭載
  • MIDI入出力…追加

SSL 2+ MKIIは、ヘッドホン端子2基が独立しているところが一番のポイントですね。

別々に音量調整したり、出力先を変えたりしたいことは、割と多いです。

価格差は1万円程度なので、2基のヘッドホン端子を個別に調整したい人は購入を検討するとよいでしょう。

LEGACY 4K

SSL2MKIIを上からアップ気味に撮影。4KをON

SSL 2 MKIIは、先代にもついていたLEGACY 4Kが搭載されています。

本体下部にある「4K」というボタンを押すと、「ANALOGUE ENHANCEMENT EFFECT」がかかります。

SSL2MKIIのコントロールパネル左側のアップ
ONにすると赤く点灯する

このエフェクトをONにすると、以下2つの変化が起こります。

  • 高い周波数成分でのEQブースト
  • 厳密に調整された共鳴歪み

この音の特性は、多くのレコーディングスタジオで採用されている、SSL4000Eシリーズコンソールのサウンドイメージしたものです。

アナログらしい質感がプラスされて、音が前に出るため、ボーカルなどの録音と相性が良いです。

一方、アナログ回路上で調整される機能なので、かけ録りになります。

かけ録り

エフェクトをかけた状態で録音すること

録音後にLEGACY 4Kの効果をOFFできないので注意が必要です。

ループバック

ループバック機能の説明図解

SSL 2 MKIIは、配信などで便利なループバック機能を搭載しています。

ループバック用の専用チャンネルが用意されており、配信ソフトの設定から選択することで使用できます。

OBS STUDIOの音声設定画面。SSL2 MKIIのチャンネルがどう表示されるかを確認
Loopback L/Rがループバックチャンネル

ちなみに、SSL 2はMacだとループバックが常にONになるという厄介な仕様でしたが、SSL 2 MKIIも同様です。

AUDIO MIDI設定でも解除できないため、解除方法はわかりません。

補足

SSL 2のときは公式サポートに確認したところ、常時ON状態を解除する方法はないという回答でした。(今回は未確認)

DAWで使う分には困らないですが、OBS STUDIOで配信するときは困りますね…。

ちなみにZOOMは、設定で入力チャンル3-4のチェックを外すことでループバックを解除できました。

ZOOMの音声設定画面からオーディオ入力チャンネルの「管理」を選択
オーディオ入力チャネルの「管理」を選択
ZOOMのオーディオ入力チャンネルでチャンネル3と4のチェックを外す
チャネル3と4のチェックを外す

OBSも似たような設定項目があるのですが、こちらは解除できませんでした。

OBS STUDIOの音声詳細プロパティ
トラックのチェック外してもダメだった

そのため、OBS STUDIOで使おうと考えているMacユーザーにはおすすめできないですね…。

また、ZOOM以外は確認していないので、DiscordやTeamsなどのアプリで使う方も、事前に公式サポートに確認したほうがいいかもしれません。

初代SSL2との違い

上がSSL2 MKII、下が初代SSL2
上がSSL 2 MKII、下がSSL 2

初代SSL 2との比較も見てみましょう。

まずはスペック面ですが、総じてパワーアップしています。

項目SSL 2 (MKI)SSL 2 MKII
AD/DA 解像度24-bit / 192 kHz32-bit / 192 kHz
ダイナミックレンジ
(マイク入力)
110.5 dB116.5 dB
ダイナミックレンジ
(ライン入力)
110.5 dB117 dB
ダイナミックレンジ
(モニター出力)
112 dB120 dB
ダイナミックレンジ
(ヘッドフォン)
約111 dB約119.5 dB
ゲインレンジ
(マイク入力)
62 dB64 dB
HPF (80 Hz)―○
SSL 2 / SSL 2 MKII 仕様比較

3万円台の製品で、このスペックは凄すぎますね…。

筆者がメインで使っているBabyface Pro FS(15万円程度)と比べても、数値上はあまり変わらないです。

本体の構成としては、Hi-Z対応の楽器用入力端子が前面に追加されました。

SSL2 MKIIの前面にある1/4"ライン入力
Solid State Logic SSL2 背面
初代SSL 2はコンボジャックのみ

楽器を接続する端子が背面なのは、意外と不便なんですよね。

今回の変更で、ギタリストやベーシストの方は、かなり使いやすくなったのではないでしょうか。

加えて、Phone端子が2基に増えました。

SSL2 MKIIの前面にあるPhone端子2基
ボリュームなどは連動している
Solid State Logic SSL2 背面
初代SSL 2は背面に1基

初代SSL 2から価格は1万円程度上がったものの、価格以上のアップグレードになっています。

付属品

SSL2MKIIと付属のUSBケーブル

SSL 2 MKIIの付属品は、USBケーブルです。

先端には、Type-CをType-Aに変換するアダプタがついており、両対応できるようになっています。

加えて、DAWをはじめとした、音楽制作用のソフトウェアが大量に付属します。

ソフト概要
Ableton Live Lite 総合音楽制作ソフト(DAW)の入門版
SSL Vocalstrip 2
& SSL Drumstrip
ボーカル/ドラム向けの高品位プロセッサ
EQ・コンプ・トランジェントなどを統合
Harrison Mixbus 10 アナログ卓サミングを再現したミキシング用DAW
IK Multimedia
AmpliTube 5 SE
ギター/ベース用アンプ&エフェクト・モデリング
Native Instruments
Hybrid Keys &
Komplete Start
シンセ/サンプル音源とエフェクト2,000超を収録
Celemony
Melodyne Essential
定番ピッチ&タイミング補正ソフト
AAS Session Bundle シンセ/ギター/エレピなど3種のモデリング音源
Loopcloud Samples
1.5 GB
即戦力ループ/ワンショット素材を厳選収録
SSL + Slate Complete Access
(3 か月サブスク)
SSL Native & Slate Digital 全プラグインを期間限定で利用可
Auto-Tune Unlimited
(3 か月サブスク)
Auto-Tune 製品群をフルで使えるボーカル補正サブスク
Arcade by Output
(3 か月サブスク)
クラウド型ループ/インスト音源を月額で提供
付属ソフトの詳細は 公式ページ をご覧ください
補足

ダウンロード形式での提供となり、公式サイト(英語)でのユーザー登録が必要

一通りのプラグインが付属するので、音楽制作を始めたい方にうってつけのセットになっています。

Solid State Logic SSL 2 MKIIをレビュー

SSL2MKIIを右下から引きで撮った写真
SSL 2 MKIIの評価
音質
 (4.5)
機能性
 (4)
コスパ(35,680円程度)
 (4.5)
総合評価
 (4)

それでは、SSL 2 MKIIを細かくレビューしていきます。

はじめに、簡単な箇条書きでまとめたメリット・デメリットです。

メリット
デメリット
  • 3万円台ではトップレベルの音質
  • バンドルソフトが豊富
  • 4Kスイッチで音にアナログ感を加えられる
  • DSPエフェクトはない
  • iOSは動作保証対象外

先代と比べて、明らかにパワーアップしています。

2024年発売なこともあり、2019年発売のMOTU M2と比べても互角以上です。

一方で、音楽制作をやらない人にはオーバースペック気味ではあります。

このへんも踏まえて、本章では細かく解説します。

音質は明らかに価格以上

SSL2MKIIのコントロールパネル

SSL 2 MKIIで、ボーカルやアコースティックギターを録音してみました。

4K ON/OFFした状態のサンプル音源を用意したので、聴いてみてください。

ボーカル(デフォルト)

ボーカル(4K ON)

アコースティックギター(デフォルト)

アコースティックギター(4K ON)

どれも、良い感じですね。

4KをONにすると、音が明瞭になって前に出るような感じです。

筆者の好み的には、ボーカルは結構使いそうだけど、アコギではあまり使わなそうです。

入力音に関しては、先代のSSL 2とほとんど変わらない印象ですね。

上がSSL2 MKII、下が初代SSL2

マイクプリアンプなども、スペック上はSSL 2 MKIIのほうが上ですが、聴覚上では違いがわからないレベルでした。

とはいえ、3万円台では間違いなくトップレベルの音質です。

加えて、ヘッドホン出力の音質が良くなっているように感じました。

SSL2MKIIの右側面

先代のSSL 2では、MOTU M2やAUDIENT iD4mk2と比べると、再生音はワンランク下のように感じていました。

一方、SSL 2 MKIIではレンジも広くなり、音の解像度が高くなったことで、上記2機種と比べても遜色ないように感じました。

先代SSL 2の時点でもレベルは高かったですが、MKIIになって更にパワーアップしています。

スペック表の数値上もグレードアップ

SSL2MKIIを左から撮った写真

先代のSSL 2と比べて、入力も出力もスペックが高くなっています。

項目SSL 2 (MKI)SSL 2 MKII
AD/DA 解像度24-bit / 192 kHz32-bit / 192 kHz
ダイナミックレンジ
(マイク入力)
110.5 dB116.5 dB
ダイナミックレンジ
(ライン入力)
110.5 dB117 dB
ダイナミックレンジ
(モニター出力)
112 dB120 dB
ダイナミックレンジ
(ヘッドフォン)
約111 dB約119.5 dB
ゲインレンジ
(マイク入力)
62 dB64 dB
HPF (80 Hz)―○
SSL 2 / SSL 2 MKII 仕様比較

先代は、このへんの数値でMOTU M2に負けていたのですが、SSL 2 MKIIになって互角以上になっています。

わかりやすいところだと、入力・出力ともに音量に余裕ができました。

ノブを12時で固定したときに、SSL 2 MKIIは先代と比べて1~2割ほど音量が大きいです。

初代SSL2とSSL2MKII

特に、ハイ・インピーダンスのヘッドホンを鳴らす際に、大分余裕ができました。

先代だと、ノブを結構回さないといけなかったのですが、SSL 2 MKIIなら13時くらいで十分になりました。

3万円台のオーディオインターフェイスでは、確実にトップクラスのスペックです。

端子の配置なども使いやすくなった

SSL2MKIIを右下から引きで撮った写真

SSL 2 MKIIになって、ヘッドホン端子が前面に移動したのは大きいですね。

先代のSSL 2では、ヘッドホン端子も背面でしたが、確実に前面のほうが良いです。

SSL2 MKIIの前面にあるPhone端子2基

また、ギターやベースを直接つなぐ、Hi-Z対応端子が前面に配置されたのも嬉しいですね。

自分の環境でも、マイク入力は背面でもいいのですが、ギター入力が背面はかなり面倒に感じます。

INSTにケーブルを挿せば、マイク入力が自動で無効化されるので、切り替えも必要ない点も良いところです

SSL2MKIIとコンデンサーマイクとノートパソコン

ただ、この点は他社製品よりも使いづらかった部分が改善されたというものです。

なので、マイナスがゼロになったという意味合いが強いですね。

MOTU M2との比較

製品SSL2MKIIを右上から撮影。ケーブル接続前
SSL 2 MKII
MOTU M2
M2
メーカーSSLMOTU
アナログ入力コンボジャック×2
1/4″ライン入力×2
※上記2つは排他
コンボジャック×2
ループバック〇〇
エフェクトLEGACY 4Kなし
Phone21
対応OSWindows、MacWindows、Mac、iOS
実売価格約35,680円約35,970円
ECサイトAmazon
楽天市場
サウンドハウス
Amazon
楽天市場
サウンドハウス

最後は、同価格帯であるMOTU M2との比較をしていきます。

まず、筆者の主観による意見は以下の通りです。

  • 音楽制作で使うなら、SSL 2 MKII
  • 配信やオーディオ再生のみなら、MOTU M2

歌ってみたやDTMなどの音楽制作で使うなら SSL 2 MKIIがおすすめです。

SSL2MKIIを左下から撮影

音の質感を変えられる4K、2基のヘッドホン端子、ローカットやモニターミックス機能も搭載。

加えて、マイクプリアンプの性能などがSSL 2 MKIIのほうが高い点が大きいですね。

項目M2SSL 2 MKII
AD/DA 解像度24-bit / 192 kHz32-bit / 192 kHz
ダイナミックレンジ
(マイク入力)
115 dB116.5 dB
ゲインレンジ
(マイク入力)
60 dB64 dB
M 2 / SSL 2 MKII 仕様比較

音楽制作の観点でいくと、感覚的にもスペック的にもSSL 2 MKIIのほうが優れていると感じました。

一方、ライブ配信・ゲーム・動画視聴・オーディオ再生といった用途だけであれば、MOTU M2のほうが良いと思いました。

MOTU M2

理由としては、以下の3点です。

  1. 操作がシンプルでわかりやすい
  2. 前面パネルのインジケーター表示で入出力の音量がわかりやすい
  3. (Mac限定)常時ループバック状態をAUDIO MIDI設定で解除できる

簡単にまとめると、MOTU M2のほうがプロオーディオ機器初心者でも扱いやすいということです。

SSL 2 MKIIは、音楽制作向けに色んな機能が搭載されていて、音楽制作をやらない人にはかえって邪魔なんですよね。

そのため、ライブ配信やオーディオ再生機器としての利用で検討している方は、MOTU M2で良いと思います。

MOTU M2

ちなみに音質面ではどちらも素晴らしく、差はほとんど感じませんでした。3万円台でこのクオリティなら文句なしです。

Solid State Logic SSL 2 MKII まとめ

SSL2MKIIの外箱

ぎたすけ

初代もすごかったけど、それを超える品質ってことだな

たけしゃん

そうだね。2024年発売なのもあって、3万円台では一番高性能なんじゃないかなと思ったよ

SSL 2 MKIIのレビューでした。

初代のSSL 2も高性能でしたが、MKIIになって確実にパワーアップしています。

2025年現在では、3万円台のDTM用のオーディオインターフェイスであれば、SSL 2 MKIIが頭1つ出てるんじゃないかと感じました。

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