ぎたすけ
たけしゃん
M2を使って制作したカバー動画
読みたい場所をクリック!
MOTU M2

入力端子 | コンボジャック×2 |
出力端子 | 1/4 “TRSライン出力×2 RCA ×2 ヘッドホン端子 ×1 |
サンプルレート | 192kHz |
接続端子 | USB-C |
対応OS | Win,Mac,iOS |
寸法(幅×奥×高) | 約190 x 108 x 45mm |
音楽制作では昔から有名な、MOTUが販売するエントリーモデル M2。
MOTUは、プロユースの高級機が多いですが、M2は3.5万円程度で買える低価格帯の製品です。
とはいえ、音質は高級機に負けないと評判で、発売当初から話題になっていました。

M2を実際に使ってみると、その音質の高さに驚きます。
音は高解像度でクリア。しかも入力だけでなく、出力も高音質で高級機にも負けないレベルです。
MOTUの製品は、日本国内だと使い方解説の記事や動画が少ないところが難点ですが、MOTU M2は非常に売れているので比較的トラブルシューティング系の情報が多いのも強みです。
まずは、MOTU M2の製品仕様から解説します。
仕様や使い方を飛ばしてレビューを読みたい方は<MOTU M2をレビュー>を参照ください。
入力・出力端子


M2の入出力端子は、エントリーモデルでよくある構成ですね。
入力端子は、前面のコンボジャック2基となっています。

XLR(主にマイク)、1/4フォン(主に楽器)のどちらも接続可能です。
ファンタム電源(48V)にも対応しており、ダイレクトモニタリング(MON)も端子毎にON/OFFできます。

ちなみに「MON」ボタンを長押しすると、IN1とIN2が連結してステレオモニターできるようになります。


M2は、インジケーターがとても見やすく、本体だけで音量調整しやすいのが良いところですね。
特に、ライブ配信やオーディオ再生用途で使う方には、このインジケーターはとても良いと思います。
続いて出力端子ですが、前面にはヘッドホン端子がついています。

スピーカーなどを接続する出力端子は、背面に1/4フォンとRCAの2種類が用意されています。

なお、RCAと1/4フォンの音量調整は前面の大きいツマミです。

また、背面にはPCなどの端末接続用のUSB-C端子もあります。

付属するケーブルはUSB C to Aです。

Macbookなど、USB-Cしかない端末と接続する際は、変換アダプタかUSB C to Cケーブルを用意しましょう。
さらに、本体左上には電源ON/OFFスイッチが付いています。

低価格のオーディオインターフェイスは、ON/OFFスイッチがないものが多いので珍しいですね。
電源スイッチは地味に欲しい場面が多いので、嬉しいです。
なお、Windows PCとの接続は必ず専用ドライバをインストール後にしましょう。
インストール前に接続すると正常に認識しなくなる可能性があります。
ループバック機能

MOTU M2は、ループバック機能を搭載しています。
なお、ループバック機能の利用にはWin、Macともに専用ドライバのインストールが必要です。
1点注意が必要なのは、Macだと専用ドライバを入れると常時ループバックON状態になることです。対策は後述します。
また、iOSではループバックは使えませんでした。
まずは、Windowsでのループバックの使い方です。
他メーカーだと、ソフトウェア上でON/OFFするだけですが、MOTUの場合はループバック専用の入力チャンネルが用意されています。

入力CH | 概要 |
in1 | IN1に繋いだ楽器の音が出る |
in2 | IN2に繋いだ楽器の音が出る |
Loopback 1 Loopback 2 | 接続したPCの音が出る IN1、IN2の音は出ない |
Loopback Mix 1 Loopback Mix 2 | 接続したPCの音と IN1、IN2の音が出る |
動作確認した感じは、上表のようになっていました。
ちなみに、WindowsのOBSやツイキャスの画面では、下図赤線の3種類の入力CHが出ます。

In 1-2は、In1とIn2に繋いだ楽器の音が出ます。
LoopbackはPCからの音だけ、Loopback MIXはPCの音とIn1-2の音が出ます。
一般的に、ループバックと呼ばれる機能に該当するのは「Loopback Mix」です。
必要に応じて、入力チャンネルを切り替えましょう。
MacのOS標準機能だと、入力チャンネルは1つしか表示されません。

そして、専用ドライバをインストールすると、この唯一のチャンネルに常時ループバックがかかってしまいます。
ZOOMやOBSだと、ループバックONのまま変更できなくなります。


この常時ループバックをOFFにするには、Finderから「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「Audio MIDI設定」で設定を変えましょう。

画面左で「M2」を選んで画面右の「入力」をクリックすると、入力チャンネルが一覧表示されます。
その中から、Loopbackがつく全チャンネルの「消音」にチェックを入れるとループバックOFFになります。
配信でループバックを使いたい場合は、都度「Audio Midi設定」を変更しましょう。
もしくは、OBSを使うならM2のループバック機能は使わず、BlackHoleでループバックするのが良いでしょう。
BlackHoleの設定については、下記記事の<Macでデスクトップ音声を使用する方法>参照ください。
なお、DAWではWindowsと同じように入力チャンネルが複数出てくるので、ループバックをON/OFFできます。

ただし、前述のAudio Midi設定でLoopbackを消音にしていると、Loopbackを選択しても音が出ないので注意してください。
ちなみに、Macの場合はOS標準ドライバで動くので、専用ドライバを入れないという選択肢もあります。
ただ、専用ドライバはレイテンシーの抑制にもなるようなので、入れた上でループバックを切るのが良いと思います。
iOSにも対応

MOTU M2は、iOSでも使えます。
ただし、使用するには下記のアイテムが必要です。
- USB 3カメラアダプタ(USBカメラアダプタでも可)
- セルフパワータイプのUSBハブ
iOSと接続する場合は、別で電源供給が必要なものが多いですが、M2はUSBバスパワーで駆動します。
その代わり、コンセントから電源を取れるセルフパワータイプのUSBハブが必要です。
試しにnanaで使ってみましたが、普通に問題なく使えました。

ただ、ループバックやステレオミックス機能は使えないので、メイン用途がiOSの人にはいまいちです。
PCでの利用がメインで、iPhone利用はサブ程度なら十分使えるかなという印象ですね。
付属ソフトウェア

MOTU M2には、DAWであるPerformer Lite、Ableton Live Liteが付属します。
Performer Liteは、職業作家で使用者が多いMOTU Digital Performerのライト版です。
サウンドエンジンが優秀で音質が良く、付属する音源やプラグインの質も非常に良いです。

Pefomer Liteは、ネット上に情報があまりないのがネックですが、ハイレゾリューションさんが使い方動画を制作してくれています。
MOTU Performerシリーズで楽曲制作(YouTube)
MOTU M2をレビュー

それでは、MOTU M2をレビューしていきます。
はじめにメリット・デメリットをまとめるとこちら。
音質は確実にお値段以上です。
一方で、若干ネックになるのが取説がなかったり、ネット情報が少なかったりする点ですね。
製品仕様も微妙に他メーカーと異なるので、AG03などのブログやYouTube情報を流用できなかったりもします。
そのため、配信用途においては初心者向けとは言い難いと思いました。
入力・出力ともに音質が良い

MOTU M2は、前評判通りで音質が非常に良いです。
僕はかなり色んな製品触ってますが、3万円近辺の製品では一番良いと感じました。
マイクプリはクリアで、GAINをかなり上げても歪まずにクリーンに音が増幅されます。

録り音は、原音に忠実でキレイに録れるので、すごく良いですね。
実際にaudio technica AT2020とM2で録った動画がこちら。
良い感じに録れますね。
歌ってみたや弾いてみたを頻繁にやる人には非常に良い機種です。
また、M2は再生音が非常に高音質です。
ヘッドホン端子から出る音が高級機並みに良いですね。

DACは、高級機によく搭載されているESS Sabre32 Ultra DACテクノロジーを採用しています。
低価格のオーディオインターフェイスは、再生音が弱いものが多いので、M2とかなり差を感じますね。
筆者は、録音以上にヘッドホンやスピーカーで再生したときの音の良さに驚きました。
このレベルならオーディオ再生用として、買うのも良いですね。
Windowsでも安定している

動作チェックも兼ねて、数日間 WindowsでMOTU M2を日常使いしていました。
筆者のPCでの動作は安定していました。
ちなみに、筆者は10年くらいMOTU 828mk3 HybridをWindowsで使ってます。

828mk3は、筆者のWindows PCと相性が悪くて苦労していたので、M2も大丈夫かな?と心配でしたが、全然問題なかったです。
ちなみに、MacやiOSでもテストしましたが、どちらとも非常に安定していました。
Macは、常時ループバックする問題がありましたが、<解決方法>が分かれば問題ありません。
初心者向けとは言い難い

MOTU M2は、基本的な使い方は簡単です。
専用ドライバを入れて、USBで繋いで、電源を入れるだけで使えます。
一方で、歌い手が良く使う配信系アプリ、録音アプリなどの設定やWindowsでの細かい話などはネットを探しても情報がありません。
そのため、配信や外部ソフトの設定などは自力で頑張る必要があります。
しかも仕様がちょっと特殊なので、AG03ユーザーなどの情報を基に設定できないのも辛い部分です。
ただ、DTM・配信・テレワークと一通り使ってみても難しい設定が必要な場面はなかったです。
デバイスの設定周りなど、基本的な仕組みさえわかっていれば、普通に対処できます。

不安な人は、YAMAHA AG03MK2など、ネット上に使い方情報が豊富にある製品を選ぶことをおすすめします。
競合製品との比較
最後は競合製品との比較です。
MOTU M2と比較されることが多い、AUDIENT iD4mkII、SSL 2 MKIIを比較対象とした選出しました。
なお、この3製品は予算3万円の有力機種ですが、どれも音質重視で歌ってみた、DTMなど制作用途向けです。

配信メインの場合は、1万円台のSteinberg UR22CやYAMAHA AG03mk2のほうが便利です。

その上で3製品を細かく比較していきます
AUDIENT iD4mkIIとの比較

まずは、音質の良さに定評のあるAUDIENT iD4mkIIとの比較です。
実際に音質面を比べて見ると、ほぼ互角でどちらも3万円前半とは思えないレベルです。
録音だけでなく、再生音も素晴らしいので、モニターの音や普段のリスニングもとても快適です。
iD4mkIIは入力端子がコンボジャック1基、1/4”ライン入力1基という構成になっています。

そのため、コンボジャック2基のMOTU M2と比べると、入力楽器の自由度が下がります。
弾き語りや生楽器収録でマイクを2本同時に使う方はM2にしたほうが良いですね。
ループバックに関してはどちらもループバック専用の入力チャンネルが用意されたタイプです。

ただ、iD4mkIIは専用ソフトでループさせるソースを選択できたり、個別に音量調整することが可能です。

そのため、配信用途においてはiD4mkIIのほうが便利な仕様になっています。
ここまでの内容を総合した筆者の意見は下記の通りです。
- DTMなら入力端子の自由度が高いMOTU M2
- ボーカル録音と配信のみならiD4mkII
基本的にはコンボジャックが2基必要かどうかが焦点です。
アコースティックギターなどを弾く方はMOTU M2にしたほうが良いです。
逆に、ボーカルのみならマイク1本で足りるので、ループバックが使いやすいiD4mkIIが良いですね。
SSL 2 MKIIとの比較

続いてはSSL 2 MKIIとの比較です。
まず、音質面に関しては録音は互角ですね。どちらも3万円近辺とは思えないレベルです。
ただ、マイクプリアンプのスペック的には、SSL 2 MKIIのほうがやや上になっています。
項目 | M2 | SSL 2 MKII |
AD/DA 解像度 | 24-bit / 192 kHz | 32-bit / 192 kHz |
ダイナミックレンジ (マイク入力) | 115 dB | 116.5 dB |
ゲインレンジ (マイク入力) | 60 dB | 64 dB |
初代のSSL 2では、MOTU M2のほうがどの点でも上回っていた印象ですが、MKIIになって改良されています。
MOTU M2は2019年発売で、SSL 2 MKIIは2024年発売なので、このへんは上回るように意識したのかなと思いました。
加えて、SSL 2 MKIIには「LEGACY 4K」という入力音の質感を変えるユニークな機能が備わっています。
このエフェクトは高音部分がブーストされつつ、アナログらしい質感がプラスされるものです。
ボーカルにかけると音の抜けが良くなり、音が前に出ます。
録音に関してはこの「LEGACY 4K」も含めて、SSL 2 MKIIのほうが優勢ですね。

再生の音質に関しては、どちらも素晴らしく、互角と言えるレベルです。
MOTU M2はPhone端子が1つ、SSL 2 MKIIは2つなので、機能的にはSSL 2 MK2が優勢となっています。

全体的にみても、音楽制作で使うなら後発のSSL 2 MKIIのほうが優勢と言えます。
一方、ライブ配信やリスニング用途で使う分には、MOTU M2のほうが使いやすいとも感じました。
理由としては、前面パネルのインジケーターが大きいです。

M2は、インジケーターによって音量がわかりやすいです。
また、SSL 2 MKIIは音楽制作での便利な機能が色々ついていて、MOTU M2と比べると操作がやや複雑なところがあります。

そのため、音楽制作をやらない人には、MOTU M2のほうが使いやすいと思います。
なので、音楽制作メインの方はSSL 2 MKII、音楽制作以外がメインの方はMOTU M2が良いと思いました。
MOTU M2 まとめ

- 3万円程度とは思えない高音質
- ループバックも使用可能。Macは一手間必要
- ライブ配信よりは音楽制作中心の方におすすめ
ぎたすけ
たけしゃん
MOTU M2のレビューでした。
入出力端子は多くなくて良いので、音質が良くて安いものが欲しいという人に最適ですね。
これから、Windowsやライブ配信の使用者が増えてネット上に情報が増えてくると、より使いやすくなりますね。
関連記事






よく読まれている記事
初心者が覚えるべき ギターコード 10個を練習用の譜例付きで解説
男性の音域を平均・低め・高めの3種類で解説。音域チェックできる音源付き
コンデンサーマイク おすすめ17選【2025年】。ボーカルレコーディングで定番の製品を徹底比較。
初心者向けアコースティックギター おすすめ6選。購入するギターの選び方を107名のアンケート調査付きで解説
ギターのストロークパターンを練習しよう。弾き語りでよく使う譜例 10パターンで解説
ギターのカポタストでキー変更するための上げ方、下げ方を役立つ早見表と合わせて解説
ギター初心者も弾ける簡単な曲 おすすめ50選。練習時のポイント解説付き
女性の音域を平均・低め・高めの3種類で解説。参考アーティストも合わせて紹介
アコギ メーカー11社を解説。ブランドごとの特徴やおすすめのギターを紹介
SYNCROOM(シンクルーム)の使い方、設定、遅延対策を解説。無料で自宅セッションを楽しもう!