ZOOM AMS-44をレビュー。ハンディサイズで入力端子が豊富なオーディオインターフェイス

ZOOM AMS-44

評価:4.5

ぎたすけ

軽くて小さいのにコンボジャック4基は確かにすごいな!

たけしゃん

イヤホン端子も2つあって、ループバックとかも使えるからニッチな需要にハマりそうだね
補足

製品レビューのためにメーカー様よりデモ機をお借りしました

AMS-44の評価
音質
 (3.5)
機能性
 (4.5)
コスパ(19,900円程度)
 (4.5)
総合評価
 (4.5)
メリット
デメリット
  • ハンディサイズで携帯しやすい
  • 音質もなかなか良い
  • 配信で使いやすい仕様になっている
  • DSPエフェクトはなし
家族の風景 / ハナレグミ 【アコースティックCover】
この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
プロフィール詳細お問い合わせ

ZOOM AMS-44

ZOOM AMS-44
入力端子コンボジャック×4
出力端子1/4 “ライン出力×2
ステレオ 3.5mm出力 ×2
サンプルレート96kHz / 24bit
接続端子USB-C
対応OSWin,Mac,iOS,Android
公式HP

2022年6月に発売されたコンパクトなボディに豊富な機能が魅力のZOOM AMSシリーズ。

そのシリーズの上位モデル AMS-44です。

AMSシリーズ比較

製品ZOOM AMS-22
AMS-22
ZOOM AMS-24
AMS-24
ZOOM AMS-44
AMS-44
入力端子コンボジャック×1
ステレオ3.5mm×1
コンボジャック×2コンボジャック×4
出力端子1/4 ライン×2
ステレオ3.5mm×1
1/4 ライン×2
ステレオ3.5mm×2
1/4 ライン×2
ステレオ3.5mm×2
ループバック
ステレオリンク×
電池駆動×
実売価格約11,900円約14,900円約19,900円

AMS-44はコンパクトなボディにコンボジャック4基を搭載したモデルです。

ZOOM AMS-44を手で持ってみた
本体は軽くて小さい

配信に特化したSTREAMINGモードを搭載しており、複数人でのスタジオ配信などでも役立ちそうですね。

まずはAMS-44の製品仕様から解説していきます。多機能なのでちょっと長いです。

仕様を飛ばして、レビューを読みたい方は<ZOOM AMS-44をレビュー>を参照ください。

製品仕様の目次

4イン4アウト

ZOOM AMS-44

AMS-44はコンパクトなボディに4イン4アウトの入出力端子を搭載させています。

多機能なので、少し仕様が特殊です。そのへんも解説していきます。

まず、入力端子は前面のコンボジャック4基です。左から1~4と番号が振られています。

ZOOM AMS-44

各インプットの音量は上面のつまみで調整できます。

ZOOM AMS-44を上から撮った

なお、一番左のIN1のみHi-Z切替に対応しており、左上のスイッチで切替可能です。

ZOOM AMS-44のHi-Z切替

エレキギターやベースなどパッシブの楽器を直接コンボジャックに繋ぐときは「GUITAR」を選択しましょう。

このほか、MUSICモード・STREAMINGモードで入力端子の挙動が変わります。

ZOOM AMS-44のMUSICモードとSTREAMINGモードの切替

各モードによる入力の違いは長くなるので、後述の<MUSICモードとSTREAMINGモード>で解説します。

続いて、出力端子です。まずは背面のTRS×2ですね。OUTPUT Aという名称になっています。

ZOOM AMS-44の背面

OUTPUT Aはモニタースピーカーなどに接続できます。

そして、前面にヘッドホン端子が2つ付いています。上がA、下がBとなっています。

ZOOM AMS-44
右の3.5mm端子がヘッドホン端子

それぞれの音量調整は上面のつまみになりますが、下図のように割り振りされています。

ZOOM AMS-44のアウトプットつまみ

ヘッドホン AとOUTPUT Aは兼用となっているため、音量を別管理したい場合はヘッドホンはBに繋げましょう。

ちなみにソフトウェア上ではOUTPUT1/2とOUTPUT3/4が用意されています。

ZOOM AMS-44をCubaseに認識させた
Cubaseの画面

OUTPUT1~4に設定した音は下表のようにAMS-44の各端子に出力されます。

ソフトウェアAMS-44の端子
OUTPUT 1/2OUTPUT A
ヘッドホン A
OUTPUT 3/4ヘッドホン B

このへんの機能をうまく活用することで、音源と同期させたライブパフォーマンスなども可能です。

ハンディサイズなのに、かなり多機能です。

ループバック機能

ループバック機能の説明図解

AMS-44はループバック機能を搭載しています。

ループバックの切替は本体側面のスイッチで行います。

ZOOM AMS-44の右側面

なお、隣にはダイレクトモニターのON/OFFスイッチもついています。

ダイレクトモニタリングのルーティング図
PCなどを介さずにモニターできる機能

ループバックの切替スイッチがついている製品は珍しいですね。

ソフト操作不要でループバックをON/OFFできるのは、ワンオペ配信だと結構便利なんですよね。

なお、ループバックONの状態では自分の声はダイレクトモニターでモニタリングしましょう。

アプリ側のモニター機能をONにするとハウリングします。

MUSICモードとSTREAMINGモード

AMS-44にはMUSICモードとSTREAMINGモードの2つのモードが用意されています。

ザックリ言うと、MUSICモードは音楽制作、STREAMINGモードは配信用です。

MUSICモードは各入力端子の音がパラで入力されます。

ZOOM AMS-44のMUSICモード 内部回路
取扱説明書より引用

出力もOUTPUT AとBで別個に管理できる仕様ですね。

DAWでの音楽制作、音源と同期させたライブではMUSICモードが良いですね。

STREAMINGモードは各入力端子の音がミックスされてステレオ入力されます。

ZOOM AMS-44のSTREAMINGモード 内部回路
取扱説明書より引用

出力に関してはOUTPUT AもBもOUTPUT1/2の音が出力されます。

ライブ配信や複数人でのポッドキャストなどでは、STREAMINGモードが良いですね。

なお、INPUT3/4に関してはステレオリンク機能がついています。

ZOOM AMS-44のステレオリンク

ステレオリンクを押して点灯させると、INPUT3がL側、INPUT4がR側から出るステレオ入力になります。

補足

ステレオリンクONのときはINPUT3/4の音量は3のゲインノブで調整できる

STREAMINGモード時もステレオリンクは機能します。

そのため、キーボードや電子ドラムなどステレオ入力したい楽器はINPUT3/4に接続してステレオリンクをONにしましょう。

STREAMINGモードは地味にかなり良いですね。

ミキサーを挟まないとできなかったことが、オーディオインターフェイス1台で実現できるようになってます。

付属品

ZOOM AMS-44と付属のUSBケーブル

AMS-44の付属品はUSB-C to Aケーブルのみです。

DAWなどのソフトウェアは付属しません。

なお、AMS-44はiOSとAndroidでも使用できます。

注意

Androidの方は必ず公式の動作確認済み端末リストを確認しましょう。

iOSと接続するためには別売りのUSB 3カメラアダプタが必要です。

また、スマホでの使用ではUSBケーブルとは別で電源供給が必要となります。

AMS-44は単三電池×2とUSB電源供給の2種類に対応しています。

単三電池で動かす場合は本体下部に電池を入れて、BATTERYスイッチをONに変えます。

ZOOM AMS-44の左側面

USBで電源供給する場合はBATTERYスイッチをOFFにして、背面の5V DCにUSBケーブルを接続します。

ZOOM AMS-44をスマホと接続する場合の配線
5V DCもUSB-C端子になっている

接続したUSBケーブルはモバイルバッテリーもしくはコンセントに接続します。

なお、コンセントに接続する場合はZOOM純正のAD-17Aを使用しましょう。

ZOOM AD-17A
ZOOM AD-17A

基本はPCで、たまにスマホへ接続する人は単三電池で十分かなと感じます。

スマホ利用がメインの人はACアダプターを購入したほうが便利ですね。

audio technica AT-UMX3のバナー(PC)PR

ZOOM AMS-44をレビュー

ZOOM AMS-44
AMS-44の評価
音質
 (3.5)
機能性
 (4.5)
コスパ(19,900円程度)
 (4.5)
総合評価
 (4)

それでは、AMS-44を細かくレビューしていきます。

はじめにメリット・デメリットを箇条書きにしたものがこちらです。

メリット
デメリット
  • ハンディサイズで携帯しやすい
  • 音質もなかなか良い
  • 配信で使いやすい仕様になっている
  • DSPエフェクトはなし

ニッチな需要に刺さりそうな製品ですね。

複数人配信でも、ミキサー不要で手軽に最適化できる点が良いと感じました。

レビューの目次

音質もなかなか良い

ZOOM AMS-44

AMS-44を使って、ボーカル・アコギを録ってみました。

クリアかつ低ノイズでなかなかに良い音で録れます。価格と端子数を考えると、かなりコスパ良いです。

実際にAMS-44でボーカル・アコギを録った動画がこちら。

家族の風景 / ハナレグミ 【アコースティックCover】

マイクプリのゲインも必要十分ですし、ゲインを上げてもクリアですね。

演奏動画の制作、ライブ配信で使うには十分なクオリティになっています。

再生音も価格相応に良いですね。

コンパクトな点が売りの製品ではありますが、音質面でも十分なレベルを担保しています。

多人数配信で非常に使いやすい

ZOOM AMS-44

AMS-44はコンボジャックを4基搭載し、STREAMINGモードで入力をまとめることができます。

この機能がスマホでライブ配信するのにとても便利です。

まず、スマホのライブ配信アプリはINPUT1のみ、もしくはINPUT1/2しか認識しないものがほとんどです。

そのため、バンドやユニットの配信ではあらかじめミキサーで楽器の音を1~2chにまとめる必要があります。

ミキサー

ところがAMS-44はSTREAMINGモードにすると、INPUT1~4の音がステレオミックスされてINPUT1/2にまとまる仕様となっています。

ZOOM AMS-44のSTREAMINGモード 内部回路
取扱説明書より引用

そのため、アコースティックユニットなど複数人でのスマホ配信で非常に使いやすいです。

また、リアルタイム配信ではなく、後で編集して動画投稿する場合はMUSICモードでDAWにパラで録音することも可能です。

ZOOM AMS-44のMUSICモード 内部回路
取扱説明書より引用

スタジオでの配信から、簡易的なレコーディングまで1台でこなせるので活動の自由度も大分上がります。

アコースティックユニット、デュオの人はとりあえず1台持っておくと良いくらいにおすすめです。

コンパクトで携帯性も良好

ZOOM AMS-44を手で持ってみた

AMS-44は入力も豊富で多機能ですが、ハンディサイズで非常に軽いです。

その上、PCとの接続ではUSBバスパワーで動作します。

スマホでの使用時も単三アルカリ電池2本で約3時間駆動します。

補足

約3時間駆動は44.1kHz、48V OFF、ヘッドフォン32Ω負荷時

これだけコンパクトで軽いのにコンボジャック4基使えて、ミキサーのようなこともできるのはすごいですね。

他の製品と比べてもサイズ感は圧倒的にコンパクトです。

ZOOM AMS-44とUR22C、AG03MK2
AMS-44とUR22C、AG03

コンボジャック 4基搭載なのに、AG03の1/3程度のサイズ感ですからね…。

ハンディサイズでここまで色々できるのは画期的だなと感じました。

ZOOM AMS-44 まとめ

ZOOM AMS-44の外箱
  • ハンディサイズでコンボジャック4基搭載のオーディオインターフェイス
  • STREAMINGモード搭載で配信で非常に使いやすい
  • アコースティックユニット、デュオには特におすすめ

ぎたすけ

今や音楽制作だけでなく、ライブ配信でもオーディオインターフェイスって重要なんだな

たけしゃん

入力が豊富な製品で配信に最適化されたものって、まだまだ少ないからAMS-44の登場は大きいよね

ZOOM AMS-44のレビューでした。

STREAMINGモードの存在は非常に大きいですね。

オーディオインターフェイスとミキサーの両方必要となると、持ち運びや配線など面倒ですからね。

1台で済む、AMS-44はかなり便利な製品だなと思いました。

関連記事

YAMAHA AG06MK2YAMAHA AG06MK2をレビュー。弾き語り配信にも最適な配信に強いオーディオインターフェイス Universal Audio Volt 476Universal Audio Volt 476をレビュー。アナログコンプレッサー搭載の4イン4アウトのオーディオインターフェイス AUDIENT EVO4 駆動しているところ。Macbookとセットで撮影オーディオインターフェイス おすすめランキング ベスト10【2024年】DTM、歌ってみたに適した機種を徹底解説 MOTU M2をiPhoneで使っているところ【2024年】iPhone向け オーディオインターフェイスおすすめランキングベスト10。選び方や注意点をiOSで配信している筆者が徹底解説 PreSonus AUDIO BOX GO 駆動中。側面安いオーディオインターフェイス おすすめランキング ベスト10。高コスパで失敗しない選び方も解説 ライブ配信している部屋配信向けオーディオインターフェイス おすすめランキングベスト10。選び方や注意点を細かく解説