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マイクの仕組み
![音がマイクからPCに流れるまでの図解2](https://hikigatarisuto-labo.jp/wp-content/uploads/2021/12/sensitivity2-1024x405.webp)
最初にザックリとマイクの仕組みから解説をします。
マイクは空気の振動で発せられる音を電気信号に変えて伝える役目を担います。
声がPCなどから出力されるまでの流れ
- 息が声帯を振動させて、声として発せられる
- マイクが声を拾って電気信号に変換する
- マイクプリで増幅してPCなどに送る
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マイクは内部にあるダイアフラムという薄い金属が電気を貯めて、音の振動で電圧を変化させることで音を電気信号に変換します。
![C214のダイアフラム](https://hikigatarisuto-labo.jp/wp-content/uploads/2018/11/C214-15.webp)
コンデンサーマイクの場合は上図のように、マイクグリルから透けて見えるものが多いです。
また、コンデンサーマイクのダイアフラムは電気供給が必要となるので、ファンタム電源と呼ばれる電源がないと使えません。
![UR22Cのファンタム電源](https://hikigatarisuto-labo.jp/wp-content/uploads/2020/03/UR22C_8.webp)
最近のオーディオインターフェイスやミキサーは大半の製品がファンタム電源を搭載しています。
一方でダイナミックマイクのダイアフラムはマイクグリルの中に入っています。
![SHURE KSM8のマイク内部](https://hikigatarisuto-labo.jp/wp-content/uploads/2021/02/KSM8-17.webp)
ダイナミックマイクは内部にダイアフラムとコイル・磁石が入っており、ダイアフラムの振動をコイルに伝えることで音を電気信号に変換します。
そのため、ファンタム電源を供給することなく使用できます。
たけしゃん
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コンデンサーマイクとダイナミックマイク
![コンデンサーマイクとダイナミックマイクの違い](https://hikigatarisuto-labo.jp/wp-content/uploads/2021/10/mic-fantam.webp)
違いをまとめると上記の通り。
ダイナミックマイクはダイアフラムとコイル・磁石で電気信号に変換するシンプルな仕組みなので、環境変化や衝撃に強い構造になってます。
![SHURE BETA57A](https://hikigatarisuto-labo.jp/wp-content/uploads/2020/10/beta57_4.webp)
そのため、ライブ会場などの変化や動きが激しい環境でよく使用されています。
一方でコンデンサーマイクは音の感度が高く、非常に繊細な機材なので環境変化や衝撃に弱いです。
そのため、レコーディングスタジオやプライベートスタジオといった落ち着いた環境でのレコーディングに用いられます。
![NEUMANN U87ai](https://hikigatarisuto-labo.jp/wp-content/uploads/2021/09/U87ai-3.webp)
たけしゃん
エントリーモデルは両製品とも数千円から1万円ほどです。
一方でダイナミックマイクは高くても7万円程度ですが、コンデンサーマイクは50万円以上の高級機が多数存在します。
以前はコンデンサーマイクは安くても2~3万円はしてましたが、ここ数年で安い機種が爆発的に増えましたね。
ここからはもう少し細かくマイクの違いを解説していきます。
マイクの違い 目次
マイクの感度
![音がマイクからPCに流れるまでの図解](https://hikigatarisuto-labo.jp/wp-content/uploads/2021/12/sensitivity-1024x544.webp)
マイクの感度とは 「最も感度が高い方向から1kHz、1Paの音圧を加えたときの、無負荷の電圧」 を指します。
たけしゃん
そして、コンデンサーマイクのほうがマイクの感度が高いため、同じ条件の音であれば音量が大きくなります。
ちなみによく言われているのが「感度が高い=環境音をたくさん拾う」というものです。
実際に検証してみるとそんなことはありません。
マイクで変換された電気信号はマイクプリアンプという機械で増幅されます。
![オーディオインターフェイスのマイクプリアンプ](https://hikigatarisuto-labo.jp/wp-content/uploads/2020/06/AG03_26.webp)
この増幅量(ゲイン)をちゃんと適正化すれば、コンデンサーマイクだけが周りの音を拾いすぎるということはありません。
実際にキーボードの打音で比較した音源を用意したので聴き比べてください。
ダイナミックマイク
コンデンサーマイク
上の音源は音量が同一になるようゲインを調整してます。
調整をちゃんとすれば、環境音の混入量はコンデンサーもダイナミックもほとんど変わりません。
ただ、ちゃんと調整するのが地味に難しいのはありますね。
どちらかというとマイクの感度で本当に困るのはダイナミックマイクです。
![SM58の画像](https://hikigatarisuto-labo.jp/wp-content/uploads/2020/07/SM58_3.webp)
安いマイクプリは増幅幅が大きいとやたらノイズが載ります。これはどうしようもありません。
自宅で安いオーディオインターフェイスを使うときは、感度の高いコンデンサーマイクでゲインを抑えて調整するのが安定です。
マイクの指向性
![マイクの指向性 単一指向性・双指向性・無指向性を説明した図解](https://hikigatarisuto-labo.jp/wp-content/uploads/2022/01/Directivity-sum.webp)
マイクには音を拾う方向を定める指向性というものがあります。
ダイナミックマイクは基本的に単一指向性のみです。
SHURE SM11-CNなど他の指向性のダイナミックマイクもありますが、非常に珍しいです。
対して、コンデンサーマイクは指向性切替できる製品が多数あります。
![AKG C314の指向性切替](https://hikigatarisuto-labo.jp/wp-content/uploads/2021/10/C314-8.webp)
各指向性の主な特徴、用途を記載すると以下の通りです。
指向性 | 特徴 |
![]() 単一指向性 | 正面の音のみを拾う 1人で使う場合に最適 |
![]() 双指向性 | 前後の音を拾う 対談などで便利 |
![]() 無指向性 | 360度の音を拾う 会議室などで便利 |
複数人での用途がなければ、単一指向性のみで問題ないです。
チームやバンドで使う場合は他の指向性も使えるコンデンサーマイクを選択すると間違いないですね。
マイクの周波数特性
![AKG C414-xlii](https://hikigatarisuto-labo.jp/wp-content/uploads/2021/10/C414-xl2-6.webp)
周波数特性とはマイクが収音する音域の範囲、また音域によるマイクの感度を示したものです。
製品仕様書にグラフで表記されています。
![SHURE SM58の周波数特性](https://hikigatarisuto-labo.jp/wp-content/uploads/2020/02/SM58-FQ.webp)
このグラフが平らなマイクは「フラットな特性」と言われます。
逆にグラフ右が上がっているマイクは「ハイ上がり」などと言われます。
そして、コンデンサーマイクとダイナミックマイクでは周波数特性の範囲が異なります。
ご覧の通り、ダイナミックマイクのほうが低音・高音ともに狭くなっています。
一方でグラフ自体の傾向はコンデンサー、ダイナミックで違いはほとんどありません。
やはり、コンデンサーマイクのほうが細かい音の変化やニュアンスも繊細にとらえてくれます。
一方でダイナミックマイクの拾い方のほうが良いこともあります。
例えばリズムギターとしてのアコギ録りなど、音の輪郭だけ欲しい場合はダイナミックマイクが使われることも多いです。
![SM57の斜めからとった写真](https://hikigatarisuto-labo.jp/wp-content/uploads/2020/02/SM57_1.webp)
どっちが良いというのは収録する楽器、欲しい音によって変わるので奥が深いですね。
USBマイクはどれになる?
![AT2020USB+の写真](https://hikigatarisuto-labo.jp/wp-content/uploads/2020/06/AT2020USB_1.webp)
ゲーム配信やテレワークで大活躍のUSBマイク。
USBマイクはダイナミックマイクとコンデンサーマイクの両方が存在します。
USBマイクは接続端子がUSBというだけで、普通のマイクと基本は変わりません。
![USB端子とXLR端子](https://hikigatarisuto-labo.jp/wp-content/uploads/2020/06/AT2020USB_14.webp)
そのため、USBマイクにおいてもダイナミックマイクとコンデンサーマイクの両方が存在するわけですね。
ただし、USBマイクの場合は必要な電力がUSB端子から供給されるので、コンデンサーマイクであってもファンタム電源を用意する必要がありません。
![Blue Yeti Xのスマートノブ イヤホン音量調整](https://hikigatarisuto-labo.jp/wp-content/uploads/2022/01/Blue-yetix18.webp)
何とも便利な仕様ですが、音楽制作においてはUSBマイクだとスペック的に不便な部分は多いですね。
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用途別 マイクの選び方
製品名 | ![]() ダイナミック マイク | ![]() コンデンサー マイク | ![]() ハンドヘルド コンデンサー |
ライブ | ◎ | △ | ◎ |
レコーディング | 〇 | ◎ | 〇 |
路上ライブ | ◎ | × | 〇 |
宅録 | △ | ◎ | 〇 |
ライブ配信 | 〇 | ◎ | ◎ |
ぎたすけ
たけしゃん
ダイナミックマイクとコンデンサーマイクは一長一短なところがあります。
一方で中間的な位置づけがハンドヘルド型コンデンサーマイクです。
![NEUMANN KMS104](https://hikigatarisuto-labo.jp/wp-content/uploads/2020/11/KMS104_7.webp)
ハンドヘルドコンデンサーマイクはライブでの使用を想定して作られたコンデンサーマイクです。
2020年以降はスタジオやライブハウスからのライブ配信が急激に増えたので、以前より売れているようですね。
万能なのはダイナミックマイク、コンデンサーマイクを1本ずつ所有することではあります。
一方でハンドヘルドコンデンサーマイク 1本で全てこなすのも良いですね。
おすすめマイクの使い分け 目次
自宅ではどのマイクが良い?
![FLEXISPOT E3に機材を載せた](https://hikigatarisuto-labo.jp/wp-content/uploads/2021/03/FLEXISPOT-E3-1.webp)
最近は自宅で歌や楽器の音を録音して、動画サイトにアップすることが一般的になってきました。
その際によく聞かれるのが、自宅利用ではダイナミックマイクとコンデンサーマイクのどっちが良いか?という質問です。
僕はコンデンサーマイク(ハンドヘルドコンデンサー含む)を推奨してます。
![audio technica AT4040をBX9で接続した](https://hikigatarisuto-labo.jp/wp-content/uploads/2022/07/AT4040-BX9-3.webp)
コンデンサーマイクのほうが音がキレイに解像度高く録れるので、コンデンサーマイクで録りたいです。
よく、「コンデンサーマイクは環境音を拾うから自宅ではダイナミックマイクが良い」と聞きますが、実際にテストするとそんなことないんですよね。
検証用に空気清浄機をフルで回した状態で録った音源です。
ダイナミックマイク(SM58)
![SM58の画像](https://hikigatarisuto-labo.jp/wp-content/uploads/2020/07/SM58_3.webp)
コンデンサーマイク(TLM 102)
![TLM102とショックマウント](https://hikigatarisuto-labo.jp/wp-content/uploads/2018/11/TLM102_2.webp)
細かく聴き比べると、わずかにSM58のほうがノイズは少ないです。
ただ、ほぼ変わらないですよね。違いはこんなもんです。
なので、環境音を拾いにくいものという観点ではどっちでも大差はありません。
![BETA57Aをマイキングしてるところ](https://hikigatarisuto-labo.jp/wp-content/uploads/2020/10/beta57_11.webp)
また、安いオーディオインターフェイスやUSBマイクはマイクプリの質が悪いです。
そのため、感度が高いコンデンサーマイクを使ってマイクプリのゲインを抑えたほうが良い結果になることが多いです。
おすすめのダイナミックマイク
![ゼンハイザー e935](https://hikigatarisuto-labo.jp/wp-content/uploads/2020/09/e935_11.webp)
ここからは種類別のおすすめマイクを1本ずつ紹介していきます。
ダイナミックマイクはゼンハイザーのe935です。
高音の抜けがよくて、歌っていて気持ちいい音質になっています。
普段、ライブハウス備え付けのSM58で歌っていて、音の抜けに不満があってマイマイクでe935を選ぶという人が多いです。
僕も高音の抜けが良いマイクの方が好きなので、e935は好きですね。
e935で録った動画
![BETA58とSM58](https://hikigatarisuto-labo.jp/wp-content/uploads/2020/10/beta58_6-160x160.webp)
おすすめのハンドヘルド型コンデンサーマイク
![audio technica AE5400](https://hikigatarisuto-labo.jp/wp-content/uploads/2020/09/AE5400_6.webp)
国内の有名音響機器メーカー audio technicaのAE5400です。
価格帯は4万円以上しますが、有名なコンデンサーマイクであるAT4050と同じダイアフラムを使っており、音質は素晴らしいです。
AE5400レベルの音質なら、これ1本でライブも自宅でのレコーディング・配信なども十分こなせます。
back numberの清水 依与吏さんなどプロアーティストで使ってる方も多いマイクです。
AE5400で録った動画
![audio technica AE3300](https://hikigatarisuto-labo.jp/wp-content/uploads/2020/09/AE3300_10-160x160.webp)
おすすめのコンデンサーマイク
![audio technica AT4040](https://hikigatarisuto-labo.jp/wp-content/uploads/2022/07/AT4040-23.webp)
コンデンサーマイクでおすすめの製品はaudio technica AT4040です。
3万円程度で買える、昔から宅録で人気のコンデンサーマイクですね。
フラットな特性で原音に忠実なクリアな音が録れます。
ボーカル録り、アコギ録りのどちらでも使っても、すごく良い音で録れます。
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![コンデンサーマイクを10本並べた画像](https://hikigatarisuto-labo.jp/wp-content/uploads/2021/11/condencer-mic-160x160.webp)
マイクの種類・使い分けでよくある質問
ダイナミックマイクとコンデンサーマイクの大きな違いは何ですか?
ダイナミックマイクは音の感度がやや低いですが、頑丈でハウリングにも強いです。コンデンサーマイクは音の感度が高く、繊細でハウリングにも弱いです。また、コンデンサーマイクは別途ファンタム電源で電源供給が必要です
ファンタム電源はどうやって供給すればいいですか?
オーディオインターフェイスやミキサーに内蔵されている機種であれば、マイクを接続してファンタム電源をONにするだけで大丈夫です。最近のオーディオインターフェイスは内蔵されている機種が大半です
ライブハウスでコンデンサーマイクを使うのは厳しいですか?
使えなくはないですが、環境や用途的に不向きです。ハンドヘルド型コンデンサーマイクであれば普通に使えます
USBマイクはコンデンサーマイクですか?
USBマイクは接続端子がUSBというだけなので、ダイナミックマイクもコンデンサーマイクも両方存在します。また、コンデンサーマイクの場合はファンタム電源はUSBで供給されるので別途電源不要です
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コンデンサーマイクとダイナミックマイク まとめ
![RODE NT2-A](https://hikigatarisuto-labo.jp/wp-content/uploads/2022/08/nt2a-10.webp)
- ダイナミックマイクはライブハウスなどに最適
- コンデンサーマイクはスタジオや自宅でのレコーディングに最適
- ダイナミックマイク 1本、コンデンサーマイク 1本持っておくと無難
ぎたすけ
たけしゃん
弾き語りやるとボーカル・楽器でそれぞれマイク欲しいし、1本ずつ買っておくのが無難だよね
ダイナミックマイクとコンデンサーマイクの違いについての解説でした!
僕も両方持ってますが、やっぱり用途に合わせて使い分けするのが一番良いですね。
優先順位的にはコンデンサーマイクを先に買うのが良いですね。
ダイナミックマイクはライブハウスやスタジオに常設されてるので、借りられますからね。
それぞれの違いを理解して、用途に合わせて使い分けましょう。
![audio technica AT2020](https://hikigatarisuto-labo.jp/wp-content/uploads/2022/09/AT2020-40-160x160.webp)
![SM58を横から撮った写真](https://hikigatarisuto-labo.jp/wp-content/uploads/2020/07/SM58_9-160x160.webp)
![TLM 102を手で持っている写真](https://hikigatarisuto-labo.jp/wp-content/uploads/2022/03/tlm102-5-160x160.webp)
![コンデンサーマイクを10本並べた画像](https://hikigatarisuto-labo.jp/wp-content/uploads/2021/11/condencer-mic-160x160.webp)
![BETA58とSM58](https://hikigatarisuto-labo.jp/wp-content/uploads/2020/10/beta58_6-160x160.webp)
![audio technica AE3300](https://hikigatarisuto-labo.jp/wp-content/uploads/2020/09/AE3300_10-160x160.webp)
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