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ループバックとは
ループバックとは接続している端末の音をオーディオインターフェイスのINPUTにループさせる機能です。
ループさせることで、PCで流している音楽などをマイクの音声と一緒にライブ配信アプリに送ることが可能になります。
主な使い方はPCで再生したBGMや効果音をライブ配信に載せることです。
無音で喋るよりはBGMが流れている状態で喋るほうが華やかなので、BGM流す人が多いですよね。
PCで流したBGMをライブ配信に載せるのは一見簡単そうですが、実際はOS標準の機能だけでは難しいです。
なので、オーディオインターフェイスのソフトウェアであったり、OBS STUDIOなどの外部ソフトでルーティングを変える必要があるわけです。
その最もお手軽な手法がオーディオインターフェイスのソフトウェアを使ったループバック機能です。
ループバックのON/OFFはソフトウェア(アプリ)で行うのが一般的です。
YAMAHA AG03MK2など本体にON/OFFスイッチがついている機種もありますが、数は少ないです。
最近ではライブ配信の急激な普及もあって、ループバック機能は色んな機種に実装されています。
一方で1万円未満と高価格帯のオーディオインターフェイスには、ループバック機能はないことが多いので注意しましょう。
ループバック機能の説明は以上で終了です。
ここからは実際に配信で使っていくときの話だったり、BGMを流す以外の色んな使い方を解説していきます。
ループバックの活用方法
ループバックというとライブ配信にBGMを流すための機能と認識されています。
実際はここ数年で色んな使われ方をしており、よくある使い方は下記の3種類です。
用途 | 具体的な内容 |
PCの音を配信に流す | BGMを配信に流す PCの音を録音する |
DSPリバーブを使う | オーディオインターフェイスの 内蔵リバーブを配信で使う |
ステレオ入力にする | iOSの一部配信アプリでも 両耳から音が聞こえるようにする |
特にスマホでのライブ配信が急激に普及した関係で、ステレオ入力のためにループバックを利用している人はかなり多いです。
本章ではそれぞれを細かく解説していきます。
PCで再生したBGMを配信で流す
まずはPCの音を配信に載せる、ループバックの王道的な使い方ですね。
トークの後ろで流すBGMだったり、伴奏を流して歌うカラオケ配信(歌枠)などで活用されています。
ただ、ここ数年でこの使い方をする人は大分減った印象はあります。
というのも、オーディオインターフェイス側にスマホを繋いでBGMを流している人が多いんですよね。
スマホから流す利点はBGMを止めるときにPC側を操作しなくていいことです。
PCは配信で使っているため、スマホでBGMを操作できるとオペレーションが楽になります。
ライブ配信用途で作られているAG03MK2などはスマホを繋げる想定で端子が用意されてます。
そのため、AG03を使っている人はループバックよりはスマホを直で繋いで流している人が多いイメージですね。
また、カラオケ配信においてもOBS STUDIOの使用が一般的になってきています。
OBS STUDIOではデスクトップ音声という名称でPCの音を配信に流せる機能がついています。
OBSは配信に便利な機能がたくさんあるので、OBSで映像・サウンドをまとめて管理する人が増えてますね。
更には、最近だとnanaやPokekaraなどアプリ側から伴奏を流せるカラオケアプリも人気が高いです。
そんな背景もあって、BGMやオケを流す用途でのループバックは年々需要が低くなってます。
一方でループバックは簡単なので、手軽に配信でBGMを流したい人には今でも使いやすい機能ではあります。
DSPのリバーブをかけた音声を配信で流す
最近のオーディオインターフェイスはエフェクト機能を内蔵しています。
このオーディオインターフェイス単独で使えるエフェクトをDSPエフェクトと呼びます。
DSPエフェクトを活用して配信に流す音を細かく調整することが可能になっています。
しかし、ほとんどのメーカーがリバーブだけはモニター専用になっており、配信で流す音にかけられないんですよね。
そこで、リバーブがかかったモニターの音を配信に流すためにループバック機能を使います。
ループバックをONにすると、モニターの音もINPUTとミックスされるので、ライブ配信にもリバーブのかかった音が載ります。
たけしゃん
ステレオ入力にするためにループバックを使う
ループバックをONにすると全ての音をステレオミックスして送る仕様に代わる機種があります。
YAMAHA AG03MK2とSteinberg UR22Cがループバックでステレオミックス仕様になる機種です。
このステレオミックスの仕様はiOSでのライブ配信で役立ちます。
iOSではアプリによって、モノラルとステレオ仕様のものに分かれます。
ステレオのアプリだと、INPUT1はLからINPUT2はRから音が出力されてしまいます。
そこで、ループバックを使ってステレオミックスに切り替えるとLR両方から同じ音が出るようになるわけです。
僕が2021/2に調べた主要アプリのモノラル・ステレオの仕様はこちら。
アプリ | 仕様 |
17Live | モノラル |
nana | モノラル・ステレオ切替可能 |
nanaパーティー | ステレオ |
Poco-cha | ステレオ |
インスタライブ | モノラル |
LINEライブ | モノラル ※1chしか認識しない |
ツイキャス | ステレオ |
YouTube Live | ステレオ |
TikTok | モノラル ※1chしか認識しない |
GarageBand | モノラル・ステレオ切替可能 |
iOSのビデオ | ステレオ |
ちなみにループバックを使ってもステレオミックスにならないオーディオインターフェイスのほうが多いです。
例えば、UR22Cはステレオミックスになりますが、UR12はならないので注意してください。
たけしゃん
ループバックでハウリングさせない方法
最後はループバックに付き物のハウリングについてです。
ループさせる関係で気を付けないと音が無限ループして、「キィィーン!」と強烈なハウリングが発生します。
本章ではループバック絡みでハウリングが起きる箇所と対策を解説していきます。
ダイレクトモニタリングを使う
まずは基本的なところで、ソフトやアプリのモニター機能は全てOFFにしましょう。
モニター機能がONになっていると、無限ループが発生してハウリングします。
ループバックをONにする場合はオーディオインターフェイスのダイレクトモニタリングを使いましょう。
ダイレクトモニタリングは接続する端末を経由せずにショートカットしてモニターを返す機能です。
大抵のオーディオインターフェイスに搭載されています。
ちなみにライブ配信アプリはモニター機能がないものが多いため、あまり気にしなくても大丈夫です。
一方でツイキャスなどコラボ機能があるものはコラボした途端にモニター機能が強制ONになってハウリングを起こします。
コラボ配信する際は後述の<複数人と会話するケース>を参考にしてください。
アプリで伴奏を流して歌うケース
続いてはアプリで伴奏を流して歌うケースです。
Pokekaraやnanaといったオンラインカラオケ的なことができるアプリが対象です。
アプリ側から伴奏が流れる場合は、ループバックをONにすると伴奏が無限ループしてハウリングします。
なので、カラオケ系のアプリではループバックを切りましょう。
しかし、nanaパーティーなどはループバックでステレオミックスしないと片耳からしか音が出ません。
そこで使えるのが「INPUTだけステレオミックス」させる機能です。
INPUTだけステレオミックスさせればアプリ側の伴奏はループせずに、自分の歌声はステレオで入力できます。
INPUTはモニターの音とミックスされてるので、DSPリバーブのかかった音も配信アプリに送れる優れものです。
AG03MK2以外にもSteinberg UR22Cにも同様の機能が搭載されています。
項目 | 内容 |
Live Cast | INPUTと端末の音を 全てステレオミックス ※普通のループバック |
Voice Chat | INPUTに入力された音のみ ステレオミックス |
この機能はすごく便利ですが、搭載されている機種はAG03MK2とUR-Cシリーズくらいですね。
たけしゃん
複数人と会話するケース
ツイキャスのコラボ配信やDiscordなど相手の声を聴く必要があるケースです。
ループバックをONにしていると、相手の声が無限ループしてハウリングします。
なので、ループバックをOFFにするか、INPUTだけループバックさせる必要があります。
このパターンはiOS版ツイキャスでコラボ配信をやってる方によくありがちです。
ツイキャスはiOSだとステレオ仕様なので、AG03MK2やUR22Cの「INPUTだけステレオミックス」機能を使うのがベストです。
なお、PCの場合はループバックをOFFにするか、OBS STUDIOを使えば解決します。
OBS STUDIOのデスクトップ音声はループバックと似てますが、実際はループさせてないのでハウリングしません。
まあ、やっぱりスマホ配信においてはAG03MK2とUR22Cの便利さが際立ちますね。
UR22Cは人気ありすぎて、2020年からずっと品薄&価格高騰が続いてますが、やっぱり便利なんですよね。
ループバック機能はいらない?
ここまでループバック機能について解説してきました。
結局、ループバック機能はあったほうがいいのか?どうなのか?
これは人によるとしか言いようがありません。
昔ながらの「BGMを配信に流す」という用途に限定して議論するなら、なくても問題ないケースが多いです。
直接、オーディオ機器を接続したり、OBS STUDIOを使えばOKです。そのほうが使い勝手も良いです。
たけしゃん
一方でスマホでの配信においては、やっぱりループバック機能は便利です。
僕もnanaパーティではUR22CのDSPリバーブをかけて、ステレオミックスした音を出してます。
iOSでツイキャスやってる知人もこの方法で弾き語り配信してますね。
なので、どの端末でどのアプリからライブ配信するのか?によって、ループバックが必要かどうかは変わります。
よくわからんという人はUR22CかAG03MK2を買っとくのが間違いないです。
ハイエンドモデルのループバック機能
最後は10万円を超えるようなハイエンドモデルのループバック事情についてです。
基本的に高級機はループバック機能はついていないものが多いです。
しかし、最近はプロユースのメーカーも配信のニーズに応えるべく、ループバック機能を付け始めました。
特に使いやすい仕様になっているのは、RMEとMOTUです。
最新の製品では専用アプリを介して、ループバックを使えるようにしています。
しかも、AG03MK2などと比べて、ループバックの自由度が圧倒的に高いです。
ループさせる音を任意で選べるうえに音量調整もトラック単位で細かくできます。
また、配信に使うループバックの音とモニターの音を別管理もできます。
例えるなら、AG03MK2やUR22Cのループバックはオートマ仕様で、RMEやMOTUはマニュアル仕様です。
アプリの使い方を理解すれば、大半のことは何でもできるようになってます。
なので、高級機で制作・配信兼用の物が欲しい人はMOTU CueMix5、RME TotalMix FXが使える機種を選ぶと良いでしょう。
ループバック まとめ
- ループバックは端末の音をINPUTにループさせる機能
- ライブ配信でBGMを流すのによく使われている
- 最近ではスマホ配信に合わせて色んな使われ方をしている
ぎたすけ
たけしゃん
ループバックの解説でした!
僕自身も読者さんの相談に答えるために色々試してたら詳しくなったのですが、大分奥が深いですよね。
スマホでライブ配信したい人はループバックでやれることを理解したうえで、オーディオインターフェイスを選べるとベストですね。
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