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iPhoneアプリのモノラルとステレオ
まずはモノラルとステレオについて簡単に説明をしておきます。
それぞれの特徴を簡潔に箇条書きでまとめると以下の通り。
普段、音楽を聴いていてもギターが左から、ベースが右から聴こえる…などステレオ環境に慣れてるはずです。
普通に音楽を聴く分にはオーディオ設定からユーザーが任意でモノラル・ステレオを切替可能です。
※「設定」 >「アクセシビリティ」>「オーディオ/ビジュアル」から変更可能
ところが、オーディオを録音・配信するときは使用するアプリによって録音形式がモノラルかステレオか変わる上にユーザー側で変更はできません。
そして、最近のiPhoneの内蔵マイクや純正イヤホンマイクがステレオなので、ステレオ仕様のアプリが多くなっています。
一方でオーディオインターフェイスは大半がモノラルです。USBマイクはモノによりますが、ステレオが多いです。
モノラルだと、どうなるのかというと…。
外部マイクを繋いで録音すると、片耳からしか音が出ないという現象が起こるわけです。
オーディオインターフェイスで言うと、1chのマイクはLから2chのマイクはRからしか聞こえない状態になります。
そもそも1chしかないオーディオインターフェイスだと、Lからしか音が出ません。
ライブ配信をやっているときにリスナーさんから「片方からしか音が聴こえないよ」と言われるのは大抵はこの現象です。
面倒なのはアプリによって、仕様が異なることなんですよね。
例えばライブ配信アプリでも、モノラル環境だと片耳からしか音が出ないアプリと両耳から音が出るアプリが存在するんですよね。
ちなみにユーザーが多いであろう、17Live、インスタ、LINE、TikTokがモノラル仕様なので、あんまりこの問題は知られてなかったりします。
主要アプリのモノラル・ステレオ
アプリ | 仕様 |
17Live | モノラル |
nana | モノラル・ステレオ切替可能 |
nanaパーティー | ステレオ |
Poco-cha | ステレオ |
インスタライブ | モノラル |
LINEライブ | モノラル ※1chしか認識しない |
ツイキャス | ステレオ |
YouTube Live | ステレオ |
TikTok | モノラル ※1chしか認識しない |
GarageBand | モノラル・ステレオ切替可能 |
iOSのビデオ | ステレオ |
音楽で使いそうなアプリを検証してみた結果は上記の通り。
ちなみに僕は音楽系しかやってませんが、サウンドハウスさんがZOOMとかSKYPEなどでも検証してます。Web会議などの用途の方は下の記事を参照ください。
記事を見るとZOOMは1chだけ認識して両耳から音が出ますが、それ以外の通話系アプリは通話モードになってしまい強制的にiPhone内蔵マイクに切り替わる仕様ですね。
ちなみにですが、音楽講師の方でオンラインレッスンをSKYPEでやってる人は注意してください。
PC版のSKYPEは1chだけ認識して両耳から音が出ますが、iOS版は通話モードに強制切替されるのでオーディオインターフェイスや外部マイクを認識しません。
生徒さん側がオーディオインターフェイスから音が出せないというケースはiOS版SKYPEを使ってる可能性が高いです。
また、ライブ配信系のアプリは1chと2ch、もしくは1chしか認識しないものばかりです。
そのため、多チャンネルのオーディオインターフェイスを使ってる方は楽器の接続チャンネルに気を付けてください。
ぎたすけ
たけしゃん
PC版のアプリと仕様が異なる
注意してほしいのが、結構なアプリがiOS版とPC版で仕様が異なることです。
代表例がYouTube Liveとツイキャスで、下記のようになってます。
ぎたすけ
たけしゃん
また、PC版の場合はOBS STUDIOが使用できるので、大抵のアプリが何ともでもなるんですよね。
なので、PCで配信する人はモノラル・ステレオ問題で困ることはほとんどないです。
ちなみにPC版ツイキャスは通常配信がモノラルで、OBSなどを使ったツール配信はステレオ仕様になります。
ステレオ仕様アプリの対処方法
じゃあ、ステレオ仕様のアプリで外部マイクの音を両耳から流す方法はないのか?というと、いくつか対策はあります。
僕がざっと思いつく対策は以下の3パターン。
- マイクを2本使う
- ミキサーを介してステレオ入力にする
- ステレオ入力可能な機種を使う
①と②は機材を足してステレオにしてしまう力技です。
なので、手軽なのは③のステレオ入力可能なオーディオインターフェイスやUSBマイクを使うことですね。
また、いっそのこと諦めてiPhone内蔵マイクで録るというのも有効な選択です。
特にライブ配信やオンラインレッスンの場合はそこまで音質が重視されるわけではないので、割り切ってiPhoneマイクでやるのが良いかなと思います。
とはいえ、高音質でやりたいと考える人も多いと思うので、先ほどの3パターンの対処方法を掘り下げて解説していきます。
なお非常に残念な話ですが、1chしか入力がないオーディオインターフェイスについては対処方法はありません。
買い替えるか、モノラル仕様のアプリで活動しましょう。
対処方法の目次
マイクを2本使う
非常にシンプルな力技です…(笑)。
1chがL、2chがRからしか音が出ないのだから、マイクをそれぞれに接続して同じ音を録ってしまえばいいという考えですね。
注意してほしいのは、マイキングです。
1本をボーカル寄り、1本をアコギ寄りなど分けてセッティングすると、結局はボーカルがLに寄って、アコギがRに寄ってしまい音が分離するので、2本ともセンター付近にセットしましょう。
ミキサーを介してステレオ入力する
力技②は間にミキサーを挟む方法です。
ミキサーにマイクや楽器などをすべて接続して、ステレオアウトとオーディオインターフェイスの1ch、2chを接続することでステレオ入力させます。
ステレオ仕様をちゃんと活かすなら、この手法がベストです。
ミキサーなら、PANの設定ができるものが多いのでボーカルや楽器の定位を整理できるからです。
お手軽さは下がりますが、色んな機能が使えるので音の観点ではベストな方法かなと感じます。
ステレオ入力可能な機種を使う
オーディオインターフェイスの中にはステレオ入力可能な機種が一部存在します。
定番オーディオインターフェイスの中でステレオ入力可能なのはSterinberg UR22CとYAMAHA AG03MK2です。
UR22C
YAMAHA AG03MK2
この2機種はループバック機能をONにすると、ステレオ入力に切り替わります。
UR22Cの場合はループバックをモノラル出力にするかステレオ入力にするか、本体ボタンで選択できます。
ループバックをONにしないといけませんが、AG03MK2もUR22Cも接続してる機器の音全てをループバックさせるか、入力音のみループバックさせるか選択できるので便利です。
※UR22Cのスマホアプリ
- Live Cast…UR22Cの入力音とPCの音の両方がループバック
- Voice Chat…UR22Cの入力音のみループバック
実際に僕もUR22Cを使って、ステレオ仕様のnanaパーティーでライブ配信してます。
公式のガイダンス
たけしゃん
モノラルのままの機種の方が多いみたいです
ステレオ入力可能なオーディオインターフェイスを購入するのが追加の機材購入も不要で、一番お手軽な方法かなと思います。
そんなわけで、僕はボーカルやシンガーソングライターからのオーディオインターフェイス購入相談では、いつもUR22Cを推してます。
※UR22Cは専用スマホアプリでエフェクト調整もできる
DTMerの方は配信やらない人が多い上に、PC持ってる人が大半なので他でも良いんですが、ボーカル・シンガーソングライターはPCがなくてライブ配信する人が非常に多いのでUR22Cがベストだと思ってます。
また、USBマイクは多くがステレオ入力になってます。
例えば、AKG Lyra-Y3、audio technica AT2020USB+などがステレオ入力対応機種です。
Lyra-Y3は音質も良好でライブ配信、Web会議など色んな用途で使えるマイクです。
iPhoneのアプリと外部マイク まとめ
- iPhoneのアプリはモノラル仕様とステレオ仕様がある
- ステレオ仕様だと外部マイクの音は片耳しか音が出ない
- 手っ取り早い対策はステレオ入力に切替できるオーディオインターフェイスやUSBマイクを買うこと
ぎたすけ
たけしゃん
iPhoneに外部マイクを繋ぐと片耳からしか音が出ない問題についての解説でした。
最近はこの問題についても、メーカー側で対応できる機種の開発してるっぽい感じがしますね。
ステレオ入力可能な機種が徐々に増えてますし、メーカーによっては既存機種のファームウェアをスマホ配信向けにアップデートしたりしてます。
とはいえ、2021年現在は対応できる機種の方が圧倒的に少ないので、事象を把握して購入機種を検討するのが良いですね。
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