評価:4.5
ぎたすけ
たけしゃん
AG03MK2
AG03
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YAMAHA AG03MK2
入力端子 | コンボジャック×1 LINE(モノ・ステレオ) × 1 AUX ×1 |
出力端子 | モニターアウト×2 Phone ×2(同時使用不可) AUX ×1 |
サンプリングレート | 192kHz/24bit |
接続端子 | USB 2.0 4極ミニ入出力 |
対応OS | Win,Mac,iOS,Android ※Androidは4極ミニ接続 |
寸法(WHD) | 126 × 63 × 201mm |
ライブ配信で大人気のAG03の後継機種、AG03MK2。
AG03との違いは大きくは4点です。
- 音質の改善
- 4極ミニ入出力端子の追加
- ミュートボタンの追加
- iOS専用アプリの追加
大きな追加は「4極ミニ入出力端子」と「iOS専用アプリの追加」ですね。
スマホやタブレットで運用している人には、かなり恩恵がある変更点です。
また、AG03MK2は2種類のカラーバリエーションが用意されています。
今回お借りしたのは黒カラーですが、すごくカッコいいですね。
それでは製品仕様から細かく解説していきます。
製品仕様を飛ばして、レビューを読みたい方は<AG03MK2をレビュー>を参照ください。
製品仕様の目次
入出力端子
入出力端子はAUXが入力から入出力に変わったくらいですね。
ファンタム電源対応のコンボジャックは1基なので、マイクは1本のみ使用可能です。
AG06MK2はコンボジャック2基になっているので、マイクを2本使いたい人はAG06MK2にしましょう。
それ以外は特に言うことはない感じですね。
必要な端子は揃っており、DTM、配信、普段のPC接続に当たって困ることは基本ないはずです。
ヘッドセット端子も用意されているので、ゲーム実況などでも便利ですね。
なお、AUX端子がいわゆる「4極ミニ入出力」にあたります。
AG03時代は入力のみでしたが、出力もできるようになっており、これが地味に大きいです。
たぶん、4極ミニ入出力にどんな恩恵があるのかわからない人が大半だと思うので説明していきます。
4極ミニ入出力の恩恵
4極ミニ端子は主にスマホやタブレットと繋ぐときに使用します。
USB接続だと正常に動作しないときに使うのがメイン用途です。
AndroidはUSB接続だと端末相性があって、動かない機種やアプリが多いんですよね。
4極ミニ接続の場合は電源供給や専用アプリとの連携などはできないですが、その分端末相性はほとんど出ません。
たけしゃん
なので、公式でも「Android: 4極ミニ入出力端子(TRRS)接続により対応」と記載があります。
また、iOSでも通話モードになるアプリだとUSB接続の機種は動作しません。
対して、4極ミニ接続は通話モードになるアプリでも使えます。
通話モードになるアプリ例
- 通話
- LINE電話
- SKYPE
- FaceTime…など
たけしゃん
少し前に流行ったClubhouseも当時はUSB接続の外部マイクは使えませんでした。
USBと4極ミニの両方が使えると、こういった場面で接続を切り替えれば対応できるので良いですよね。
また、細かいですがUSBと4極ミニ入出力は同時利用できる仕様になってます。
そのため、例えばPCでツイキャス配信しつつ、同時にスマホでSpoonにも配信といったことが可能です。
あとはラジオ番組でよくある番組中にリスナーと電話を繋ぐ的なこともできますね。
USB接続したPCで配信しつつ、4極ミニで繋いだスマホで電話すれば相手の声もPC配信に流せます。
AG03MK2の登場で配信の新しい形が発展していきそうな気はしますね。
また、Androidユーザーには救世主的な機種です。
これまでは4極ミニ入出力対応のTASCAM iXZを使ってる人が多かったですが、機能面で弱かったですからね。
AG03MK2なら多機能で自由度も高いので、待ち望んでいたユーザーも多いのではないかと思いました。
充実した本体機能
AG03時代からの強みである、豊富な本体ボタンはAG03MK2でも健在です。
エフェクト・ループバックのON・OFFに加えて、ミュートボタンが追加されました。
ワンオペ配信だと、本体操作で基本機能が完結するのは地味にありがたいんですよね。
ただ、エフェクトの細かい調整などは専用アプリでやる必要があります。
AG03MK2になって、iOSも専用アプリができたので配信前にスマホ・PCから調整しておきましょう。
また、AG03MK2はフェーダーがついており、感覚的に音量調整ができます。
ちなみに基本の音量調整はゲインを使って行います。
フェーダーは太い白ラインあたりに固定して、ゲインを回して適正音量を確認しましょう。
そして、配信中の音量微調整のときだけフェーダーを使うのがおすすめです。
ゲインを最適化したうえでフェーダーを調整弁として使うように心がけましょう。
オプションでフットスイッチにも対応
AG03MK2は別売りのフットスイッチFC5を取付できます。
FC5を取付することで足元でリバーブやミュートのON/OFFを切替できます。
フットスイッチに何の機能をアサインさせるかは専用アプリのAG Controllerから選択できます。
使い道は色々ありそうですが、パッと思いつくのはリバーブの細かいON/OFFです。
ラジオ番組みたいにタイトルコールやセリフにだけ深いリバーブをかけるような使い方が適してますね。
手で本体スイッチを押すでも良いですが、足元のほうが瞬時にできますからね。
深めのリバーブをセットしておいて、足元で切替できると、よりラジオ番組っぽい構成が作れそうです。
AG Controller
AG03MK2にはWindows、Mac、iOSで動く専用アプリ「AG Controller」が用意されています。
AG Controllerを使うことでアプリ上でエフェクトの調整などを細かく行えます。
AG Controller
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AG Controllerには「Simple」と「Detail」の2モードが用意されています。
Simpleモードは音響機器が分からない人でも感覚的に使えるように設計されています。
Detailは通常モードという感じでエフェクトなどを微調整できます。
最近はPCを持ってない人も大分多いので、スマホ内でエフェクト調整が完結できるのは本当に貴重です。
これまではiPhoneで専用アプリがある機種はStenberg UR-Cシリーズくらいだったので、AG03MK2の登場は大きいですね。
実際のエフェクトのかかり具合は後半のレビューでサンプル音源を付けて紹介していきます。
ループバック機能
配信ではよく使うループバック機能も、もちろん搭載されています。
ループバックのON/OFFは本体スイッチで操作できます。
項目 | 内容 |
DRY CH 1-2G | 1CHと2CHをパラ出力 DTMなど制作用途で使用する エフェクトは反映されない |
INPUT MIX | 全入力をステレオミックス エフェクトは反映する |
LOOPBACK | 全入力・端末の音をステレオミックス エフェクトは反映する |
配信で使うのは「INPUT MIX」か「LOOPBACK」のどちらかです。
PCの再生音を配信で流したいなら、LOOPBACKですね。
INPUT MIXはスマホでのライブ配信やコラボ配信で使うことが多いです。
コラボ配信でLOOPBACKを選ぶと、相手の声がハウリングしますので注意しましょう。
INPUT MIXとLOOPBACKを適切に使い分けるのが地味に重要です。
ループバックについての詳しい話は下記の記事を参照ください。
付属品
- 取扱い説明書
- USBケーブル
- Cubase AI(ダウンロード)
- Cubasis LE(ダウンロード)
- WaveLab Cast(ダウンロード)
- Rec’n’Share(ダウンロード)
現物の付属品は取扱い説明書とUSBケーブルです。
USBはAG03MK2本体の端子はUSB-Cですが、接続の形式自体はUSB2.0です。
そのため、接続先のPCはUSB2.0でも特に問題はありません。
USB2.0での接続でも、別での電源供給は不要でバスパワーのみで動作します。
ただし、スマホ・タブレットへの接続、4極ミニ端子での接続時は別途電源供給が必要になります。
スマホをUSB接続
4極ミニ接続
iOSの場合はUSB 3カメラアダプタを別途用意しましょう。
また、4極ミニ端子用のケーブルは付属しないため、別途用意しましょう。
また、ソフトウェアはDAWであるCubase AIとCubasis LE(スマホ・タブレット)のライセンスが付属します。
歌ってみたなどの音楽制作で活用できます。
手軽に動画撮影できるRec’n’Shareとも連携できるので、動画・音楽制作も手軽に楽しめます。
Rec’n’Share
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YAMAHA AG03MK2をレビュー
それでは、AG03MK2を細かくレビューしていきます。
はじめにメリット・デメリットを箇条書きすると以下の通りです。
配信に使う上でこれ以上に便利な製品ないですね。
AG03に比べると、主にスマホ配信における機能が強化されています。
とりあえず、AG03MK2を買っておけば一通り何でもできる安心感がありますね。
一方で先代のAG03を持っている人が買い換えるまでは必要ないと感じました。
音質良好で万能に使える
AG03MK2でボーカル、アコギの録音からライブ配信まで色々使ってみました。
所感としてはAG03からはあまり変わってないですが、配信やカバー動画制作で使うには十分ですね。
比較用でワンフレーズ録ったサンプル音源を用意しました。
使用したマイクはAG03MK2と同時発売のYAMAHA YCM01です。
AG03MK2
AG03
Babyface Pro FS
聴き比べてみると、AG03MK2は中高音域がハッキリしている印象を受けます。
プロユースのBabyface Pro FSと比べても、割と良い勝負をしているのでライブ配信や音楽制作でも十分活躍できるレベルです。
AG03MK2でカバー動画も作ってみました。
普通に良い感じ録れたと思います。動画制作でも活躍できます。
ちなみにAG03MK2も先代と一緒で、ダイレクトモニターの音はホワイトノイズがやや多いです。
ただ、録り音はノイズも少なくキレイに録れます。
また、INPUT MIXとLOOPBACKはDRY CH1-2Gより音量が小さいです。
これもAG03時代から一緒ですが、適正な音量はモードによって変わるので気を付けましょう。
たけしゃん
このあたりの細かい使い分けをちゃんとしておけば、制作でも配信でも十分役に立つはずです。
AG Controllerは非常に使いやすい
新しくなったAG Controllerは非常に使いやすい作りになっています。
Simpleモードでは自身の用途を選ぶだけで、エフェクトが自動設定されます。
エフェクトなしと用途設定後の音をサンプルで用意したので、聴き比べてみましょう。
エフェクトなし
下図のエフェクト設定
リバーブがほんのりかかって、コンプレッサーはやや強めに効いてます。
配信で歌枠やる人は大体この設定で問題ないと思います。
もっと細かくエフェクト調整したい方は「Detail」モードにすれば、詳細に設定できます。
各エフェクトの他にPANやSENDの設定もできるようになっています。
Detailモードでもプリセットがたくさん用意されています。
エフェクトの操作に詳しくない人はプリセットを中心に色々いじってみましょう。
僕も色んなメーカーのオーディオインターフェイスを触ってますが、AG Controllerが一番わかりやすいです。
なお、エフェクトは「DRY CH1-2G」だとモニター専用になります。
なので、配信でエフェクトをかけた音を流す場合は「INPUT MIX」か「LOOPBACK」を選択しましょう。
たけしゃん
4極ミニ入出力でテレワーク利用でも便利
AG03MK2は4極ミニ入出力に対応しています。
恩恵を受けられる人は以下の方々ですね。
- Androidユーザー
- スマホでLINE通話、SKYPEなどのアプリを使う人
- ボイスチャットなど通話を手軽に配信で流したい人
- 2つの配信アプリで同時に配信したい人
多いのはAndroidユーザーとスマホで会議系アプリを使いたい人かなと思います。
テストでAG03MK2を経由してコンデンサーマイクで友達とLINE通話しましたが、音が超キレイです(笑)。
また、手持ちのAndroid AQUOS sense2でnanaの歌録りをやってみました。
nana-music.com音の遅延は少し感じましたが、nana側で調整して普通に録れました。
AndroidだとAG Controllerは使えませんが、本体ボタンでエフェクトやループバック自体は使えます。
USBと4極ミニ入出力の両対応機種はたぶん他にはない気がします。
PCメインの人は4極ミニ入出力はなくてもいいですが、スマホだと地味に欲しい場面は多いのでありがたいですね。
なお、接続に際して、iOSは3.5mm変換アダプタが必要です。
iOS用
競合機種との比較
AG03MK2 | UR22C | AG06MK2 | |
入力端子 | コンボジャック LINE | コンボジャック×2 | コンボジャック×2 LINE×2 |
ビットレート | 192kHz / 24bit | 192kHz / 32bit | 192kHz / 24bit |
4極入出力 | 〇 | × | 〇 |
ヘッドセット | 〇 | × | 〇 |
エフェクト | 〇 | 〇 | 〇 |
スマホアプリ | 〇 | 〇 | 〇 |
ループバック | 〇 | 〇 | 〇 |
実売価格 | 約18,300円 | 約17,820円 | 約23,100円 |
AG03MK2と比べる競合機種はStenberg UR22CとAG06MK2です。
どれもスマホ専用アプリがあって、ライブ配信・音楽制作など万能に使える機種です。
どれを選んでも困ることはないですが、強いて言うなら下記の選び方をおすすめしたいですね。
製品 | こんな人におすすめ |
AG03MK2 | 配信メインの人 ゲーム実況をやる マイク2本は使わない |
UR22C | 音楽制作メインの人 ゲーム実況はやらない マイクを2本使う |
AG06MK2 | 配信メインの人 ゲーム実況をやる マイクを2本使う |
UR22Cは配信でも便利ですが、音楽制作用途に適した機種です。
AG06MK2よりは安価でコンボジャックが2基あり、MIDI入出力もあったりとDTM向けに最適化されてます。
配信に関しても歌枠や弾き語り枠ならヘッドセットやAUX端子は使わないので、UR22Cで大丈夫です。
逆にゲーム実況やテレワークなどで使いつつ、音楽用途でも使う方はAGシリーズが適してます。
AG03MK2は色んなライブ配信で活躍する端子が揃ってますからね。
また、Androidで使う人はもちろん4極ミニで使えるAGシリーズが良いです。
このあたりは割とすみ分けできているので、自身に合う機種を選択しましょう。
YAMAHA AG03MK2 まとめ
- AG03から改良されて、ライブ配信・テレワークで万能な機種になった
- 4極ミニ入出力対応で端末やアプリに関わらず使えるようになった
- 配信がメインならAG03MK2、音楽制作メインならUR22Cがおすすめ
ぎたすけ
たけしゃん
AG03MK2のレビューでした!
やはり、何と言ってもAndroidユーザーが一番うれしいのではないかと思います。
AG03MK2を導入することで配信、制作、テレワークと多方面で高音質なマイクが使えるのは良いですよね。
ぜひ、購入を検討してみてください!
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