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Steinberg IXO12
入力端子 | コンボジャック×1 1/4 “ライン入力×1 |
出力端子 | 1/4 “ライン出力×2 ヘッドホン端子 ×1 |
サンプルレート | 192kHz / 24bit |
接続端子 | USB-C |
対応OS | Windows 11 Version 22H2 (以降) Windows 10 Version 22H2 (以降) macOS Sonoma macOS Ventura macOS Monterey macOS Big Sur iOS 14以上 iPadOS 14以上 |
本体重量 | 450g |
2024年1月に発売された、Steinbergのオーディオインターフェイス IXO12。
1万円台前半で買えるエントリーモデルであり、ベストセラーであるUR12の後継機種的な存在になります。
一通り触った感じは、UR12をベースに今の時代にアップグレードさせた製品という印象です。
UR12は2014年発売なので、スマホでのライブ配信では使いづらい点が多かったですからね。
まずは、IXO12の製品仕様から解説します。
飛ばしてレビューをみたい方は<IXO12をレビュー>を参照ください。
2イン2アウト
IXO12は入力2つ、出力2つの2in 2outのオーディオインターフェイスです。
入出力端子は必要最低限に留めて、コストを抑えています。
入力端子は、前面にあるコンボジャックと、1/4”ライン入力の2つです。
コンボジャックは、主にマイクを接続するXLR入力と、楽器を接続するライン入力の両方に対応します。
1/4”ライン入力は、主にギターなどの楽器の接続で使用します。
コンボジャックは、ファンタム電源にも対応しており、コンデンサーマイクを使用することができます。
UR12はXLR入力だったので、コンボジャックのIXO12はより多くのニーズに対応できるようになっています。
また、各入力チャンネルにミュートスイッチがつきました。
瞬時に音声をOFFにできるので、配信やテレワークでも便利です。
出力は、背面にある1/4”ライン出力×2です。
スピーカーなどに接続する際に使用します。
出力も、UR12はRCAだったので、IXO12はDTMでも使いやすくなりましたね。
出力のボリュームノブは、前面パネルの右側に配置されています。
その隣には、ヘッドホンを接続する6.3mm Phone端子があり、ボリュームノブは1/4”ライン出力と兼用になっています。
なお、上位モデルのIXO22になると以下の点が変わります。
- 入力がコンボジャック2基になる
- Phone端子に独立したボリュームノブがつく
マイクを2本同時に使う方は、IXO22がいいですね。
逆に、「一人で配信をやる」「一人で歌を録る」という用途であれば、IXO12で問題ないです。
ダイレクトモニタリング
IXO12は、ダイレクトモニタリング機能を搭載しています。
ダイレクトモニタリングとは、接続した端末を介さずに、マイクなどの入力音声を接続したヘッドホンに直接出力する機能です。
接続したPCなどを経由させないことで、音の遅延を抑制することができます。
ダイレクトモニタリングは、本体の「MONITOR」スイッチでON/OFF可能です。
DAWやライブ配信アプリからモニターを返す時は、音が重複するため、ダイレクトモニタリングはOFFにしましょう。
ループバック
IXO12は、ループバック機能も搭載しています。
ループバックとは、接続した端末で流している音声を、インプットにループさせて出力させる機能です。
具体的には、PCで再生したBGMを、ライブ配信アプリに流す用途で使うことが多いですね。
IXO12では、本体の「MONITOR」スイッチを長押しすることで、ルーバックをON/OFFできます。
UR12では、PCから操作しないとON/OFFできませんでしたが、IXO12は本体操作でループバックをON/OFFできるようになりました。
また、ループバックをONにすることで、全チャンネルの入力音がステレオミックスされる仕様になりました。
ループバックOFFの状態だと、iOSの一部配信アプリでは、コンボジャックの音はL、1/4”ライン入力の音はRからしか出ません。
UR12では、この状態を回避する方法がありませんでしたが、IXO12ではループバックをONにすることで両耳から音が出るようになりました。
この事象が原因で、UR12から別の製品に買い替えたユーザーは一定数いたと思うので、IXO12で改善されたのは大きいですね。
付属品
- USB 2.0ケーブル( Type-C to Type-A, 1.5 m)
- CUBASE AI
- CUBASIS LE
- STEINBERG PLUS
IXO12には、USBケーブルとCUBASE AIなどのDAWが付属しています。
PC用の「CUBASE AI」、iOS・Android用の「CUBASIS LE」が付属しているため、すぐに音楽制作を始められます。
また、DTMで使えるVSTインストゥルメントやループ素材がセットになった「STEINBERG PLUS」も付属しています。
Steinbergの製品は、DTMを始めるために必要なソフトウェアが一通り付属しているのも強みです。
Steinberg IXO12をレビュー
それでは、IXO12を細かくレビューしていきます。
はじめに、箇条書きで要点をまとめると以下の通りです。
エントリーモデルのオーディオインターフェイスとして、完成度は非常に高いですね。
UR12の課題であった、iOSでの使いやすさも改善されています。
一方で、UR22Cまで頑張ったほうがよいと感じる点も多いです。
レビューでは、UR22Cとの比較も解説します。
音質は価格以上
IXO12で、ボーカルやアコギなどを録音してみました。
音質はクリアで、「歌ってみた」「弾いてみた」で十分使えるレベルになっています。
予算1万円の製品ではトップレベルの音質です。
できるだけ低価格で、ちゃんとした音質の製品が欲しいという人に最適ですね。
出力に関しても、PC標準のサウンドボードと比べると段違いに良いです。
さらに、IXO12は先代のUR12と比べると、ゲインレンジと最大入力レベルがパワーアップしています。
UR12は、最大入力レベルが+0dBuとやや低く、ボーカル録音では音が歪みやすいところが欠点でした。
IXO12は、+6dBuになったことでボーカル録音でもかなり使いやすくなっています。
加えて、ゲインレンジも最大60dBまで上がるようになったので、ダイナミックマイクでも使いやすくなりました。
1万円台前半の製品では、ここまで高スペックの製品はほとんどないです。
エントリーモデルとして、非常に強い製品だなと感じました。
本体の操作性が向上した
IXO12は、ミュートスイッチの追加、ループバックの切り替えなど、本体機能が強化されました。
配信やテレワークで使う方には、ミュートスイッチの追加は地味に大きな強化ポイントです。
加えて、ループバックが本体操作でON/OFFできるようになったことも大きいです。
地味に、本体操作でON/OFFできる製品は少ないんですよね。
そもそも、1万円程度でループバック搭載している製品自体少ないので、IXO12になってDTM・配信兼用機種としての価値は一層高まったと感じます。
スマホ配信でも使いやすくなった
個人的に、UR12からの最大の強化点と感じたのはスマホ配信での使いやすさです。
UR12では、ステレオ仕様のiOS配信アプリだと片耳からしか音が出ない問題の解決方法がなかったんですよね。
アプリ | 仕様 |
17Live | モノラル |
nana | モノラル・ステレオ切替可能 |
nanaパーティー | ステレオ |
Poco-cha | ステレオ |
インスタライブ | モノラル |
LINEライブ | モノラル ※1chしか認識しない |
ツイキャス | ステレオ |
YouTube Live | ステレオ |
TikTok | モノラル ※1chしか認識しない |
GarageBand | モノラル・ステレオ切替可能 |
iOSのビデオ | ステレオ |
IXO12では、ループバックONにすることで、この問題を解決できます。
この点がネックで、UR12を薦めにくかったところはあったので、改善されてよかったです。
一方で、ツイキャスなどのコラボ配信機能を使うと、相手の声までループバックしてハウリングを起こします。
同様に、nanaのようにアプリ側から伴奏を流して歌えるタイプも、伴奏ごとループしてハウリングします。
UR22CやAG03mk2では、自分の声だけループバックさせるモードが用意されており、この事象を回避できます。
IXO12には同様の機能はないため回避できませんので、注意してください。
なお、IXO12とiPhoneの接続には、Apple社製Lightning-USB3カメラアダプタが必要です。
加えて、iOS端末では電源供給量が足りないため、別途電源供給が必要になります。
IXO12の背面には、電源供給用のUSB-C端子があるので、そちらをコンセントやモバイルバッテリーと接続しましょう。
IXO12付属のUSBケーブルは1本なので、iOSと接続する方は、電源供給用のUSB-Cケーブルを別途用意しましょう。
配信メインならUR22Cまで頑張ったほうがよい
Steinbergには、IXOシリーズとは別にUR-Cシリーズが存在します。
UR-Cシリーズの特長は、PCとiOSで使える専用アプリが用意されており、エフェクト機能が搭載されていることです。
この専用アプリは、ライブ配信において非常に便利です。
特に、カラオケなど歌枠の配信をやる人には、リバーブなどのエフェクトが使えるのは大きいですね。
加えて、前述のコラボ配信などでハウリングする問題に対しても、アプリ側の調整で対応できます。
そのため、ライブ配信をメインで使う方はUR22Cを選んだほうが良いでしょう。
一方で、IXO12になってからは、マイク録音に関する基本スペックはUR22Cと互角以上になりました。
そのため、ライブ配信での機能性を意識する必要がなければ、IXO12のほうがコスパはいいです。
あなたの用途に合わせて、選ぶ製品を変えると良いでしょう。
同価格帯製品との比較
最後は同価格帯製品との比較です。
比較対象として、MINIFUSE 2とAMS-24を選出しました。
上記の3製品を比較すると、総合力はIXO12が頭1つ抜きん出ていると感じました。
一方で、用途によっては他の2製品のほうが良い場合もあるかなと感じますので、そこを解説していきます。
まずは、ARUTRIA MINIFUSE 2との比較です。
MINIFUSE 2は、音質はなかなか良好で、付属するDTM用ソフトが豊富なところが強みです。
一方、iOS非対応だったり、英語サイトのユーザー登録が必要だったりと、初心者向けとは言い難いです。
そのため、基本的にはIXO12をおすすめします。
DTMでの打ち込みを重視する方なら、MINIFUSE 2もありかなというところです。
続いては、ZOOM AMS-24との比較です。
AMS-24は、超コンパクトながらもコンボジャック2基搭載のオーディオインターフェイスです。
ライブ配信向けにSTREAMINGモードを搭載しており、iOSでも使いやすいところも強みですね。
IXO12と比較すると、総合力はIXO12のほうが上です。
AMS-24は、DTM周りの付属ソフトがないですし、音質的にもIXO12のほうがワンランク上という印象です。
一方で、AMS-24は非常にコンパクトで持ち歩きやすいところが強みです。
スタジオなどに持ち歩きたい方は、AMS-24のほうが使い勝手がいいと思います。
こうして比較してみても、IXO12は頭1つ抜きん出ていると感じました。
1万円前半で考えるなら、安定の1台という印象ですね。
Steinberg IXO12 まとめ
- 2024年1月発売でUR12の後継機種的な存在
- 1万円前半で音質が良く、ループバック対応で完成度の高いエントリーモデル
- 配信中心の方は、UR22CかAG03mk2のほうがよい
ぎたすけ
たけしゃん
Steinberg IXO12のレビューでした。
UR12は、2014年発売の製品とは思えない完成度でしたが、さすがに10年経つと厳しいところもありましたからね。
IXO12の登場によって、これからもエントリーモデルはSteinbergで安定という図式は変わらないかなと感じました。
それだけ、安いながらも完成度の高い、素晴らしいオーディオインターフェイスでした。
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