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Solid State Logic SSL 2
入力端子 | コンボジャック×2 |
出力端子 | 1/4 “ライン出力×2 ヘッドホン端子 ×1 |
サンプルレート | 192kHz / 24bit |
接続端子 | USB-C |
対応OS | Windows 8.1 Windows 10 Mac OS 10.11 and above |
レコーディングスタジオ向けのコンソールなどプロユースの製品で有名なSolid State Logic(SSL)。
そのSSLが販売する低価格帯オーディオインターフェイス SSL 2です。
2万円半ばという価格帯でありながら、音質はさすがSSLですね。
付属ソフトも充実しており、音楽制作に適したエントリーモデルです。
まずは製品仕様から解説していきます。
使用を飛ばして、レビューを読みたい方は<SSL 2をレビュー>を参照ください。
2IN 2OUT
SSL 2はシンプルな2IN 2OUT仕様になっています。
入力はXLRと1/4″に両対応したコンボジャックが2基搭載されています。
コンボジャックは上面のスイッチでファンタム電源のON/OFFやインピーダンスの切り替えに対応できます。
各チャンネルにインジケーターがついており、音量を目視で確認できるようになっています。
出力は1/4″ライン端子とヘッドホン端子です。
音量調整は上面のノブで行います。
青の大きいノブが1/4″ライン端子、右下の小さいノブがPhone端子と個別に分かれています。
また、右上のMONITOR MIXノブでダイレクトモニターとPCの再生音のバランスを調整できます。
MONITOR MIX横のSTREOボタンはダイレクトモニターの音声をモノラルとステレオで切り替えられます。
ボーカルやギターで使う場合はモノラルでOKです。
なお、SSL 2には入出力端子が増えた上位モデル SSL 2+があります。
ボーカル・シンガーソングライターはSSL 2で十分な方が大半です。
DTMerだと共同作業者のことも考えて、SSL 2+の方が安心かなと思います。
LEGACY 4K
SSL 2の入力には4Kと書かれたスイッチがついています。
この4Kスイッチを押すと「ANALOGUE ENHANCEMENT EFFECT」がかかります。
このエフェクトの効果は以下の通りです。
- 高い周波数成分でのEQブースト
- 厳密に調整された共鳴歪み
上記2点の効果から、音が強調されるようになっています。
このLEGACY 4Kはボーカルやアコースティックギターにマッチします。
より、アナログらしい質感になり、音が前に出ます。
一方でアナログ回路上で調整される機能なので、かけ録りすることになります。
録音後にLEGACY 4Kの効果をOFFできないので注意しましょう。
ループバック
SSL 2は配信で便利なループバックに対応しています。
ループバックは専用の入力チャンネルが用意されているタイプですね。
配信ソフトやDAWの入力設定でLoopback L/Rを選択すれば、PCの再生音が入力されます。
逆にループバックを使用しない場合はINPUT(SSL 2 USB Audio Device)を選択しましょう。
なお、Loopback L/Rにマイク入力の音を送ることはできませんでした。
そのため、OBSを使う場合は「マイク音声」にINPUT(SSL 2 USB Audio Device)を設定し、「マイク音声2」にLoopback L/Rを設定すると良いでしょう。
OBSを使わずに配信する場合は、このループバックの仕様だと厳しいですね…。
配信用というよりは単純にPCの再生音を録音するための機能という感じです。
また、Macだと常時ループバックONを解除できないため、ファームウェアはアップデートせずに「BlackHole(無料)」や「Loopback(有料)」で対応したほうが良いですね。
付属品
SSL 2の付属品はA to CとC to CのUSBケーブルです。
SSL 2自体はUSB-C端子なので、接続するPCに応じてケーブルを変えましょう。
また、ダウンロード形式で以下のソフトが付属しています。
ソフト | 概要 |
Ableton Live Lite | 総合音楽ソフト(DAW) Ableton LiveのLite版 |
Vocalstrip 2 & Drumstrip Plug-ins | ボーカル、ドラム向け プラグイン集 |
AmpliTube 5 SE | ギター用プラグイン アンプシミュレーター エフェクター |
Hybrid Keys & Komplete Start | インストゥルメントパック |
Melodyne Essential | ピッチ修正ソフト |
Samples from Loopcloud | サンプリング集 |
SSLは自社のハードウェアをプラグイン化して販売しているため、付属プラグインは豊富です。
なお、SSL 2はiOS非対応です。
口コミを見るとセルフパワータイプのUSBハブとUSBカメラアダプタで動く機種もあるようですが、筆者のiPhone 13 Proは認識しませんでした。
Solid State Logic SSL 2をレビュー
それでは、SSL 2を細かくレビューしていきます。
初めにメリット・デメリットを箇条書きにすると以下の通りです。
音楽制作用のオーディオインターフェイスとしてはかなり完成度高いですね。
2万半ばでこのクオリティはすごいなと思いました。
一方でライブ配信での使い勝手はイマイチなので、配信と兼用する方は一工夫入りそうです。
マイクプリの音質はかなり良い
SSL 2でボーカルやアコギを録音してみました。
2.5万円にしてはかなり良い音です。
ゲインを十分に引き上げても、クリアで音の芯もしっかりあります。
上のサンプルボーカルはエフェクトなしですが、録れ音がしっかりしているので普通に聴けます。さすがSSLです。
再生音に関してもクリアで良質です。
ただ、近い価格帯のAUDIENT iD4mkIIやMOTU M2と比べると再生音はワンランク落ちる印象を受けました。
とはいえ、この2機種と比べるとSSL 2は2.5万円程度と価格帯はワンランク安いです。
また、録音の音質に関しては上記2機種に引けを取らないので、低予算で音質にこだわりたい人には良い製品ですね。
LEGACY 4Kはなかなか使える
本体に付いている4Kボタンを押すと、「ANALOGUE ENHANCEMENT EFFECT」がかかります。
このエフェクトの効果は以下の通りです。
- 高い周波数成分でのEQブースト
- 厳密に調整された共鳴歪み
OFFとONでそれぞれサンプル音を用意したので、聴き比べてみましょう。
4KをONにすると、音の抜けが大分よくなります。
高音域中心に伸びやかなサウンドになるので、ボーカルやアコースティックギターに適していますね。
マイクの音がややこもるようなときに4KをONにすると、音がグッと前に出ます。
それでいて、過度な色付け感はないので、かなり使いやすい機能だなと感じました。
配信はOBSなどで一工夫したほうが良い
SSL 2はループバック対応ではありますが、ループバックの仕様などを考えると配信に向いてはいません。
そのため、配信で使う場合はOBS STUDIOなどで機能を補完するのが良いと思います。
SSL 2はアナログライクな見た目なので、本体で直感的に音量調整できます。
ループバックやエフェクトなどの機能をOBSで補えば、配信でも使い勝手は良くなります。
逆にOBSなどは使わずに配信をやりたい人はAUDIENT iD4mkIIあたりをおすすめします。
競合製品との比較
最後は競合製品との比較です。
ここでは、SSL 2とよくセットで紹介されるMOTU M2、AUDIENT iD4mkIIを選出しました。
この3製品はザックリ言うと、どれも音質重視で制作用途に適した製品となっています。
配信メインの方は1万円台のSteinberg UR22CやYAMAHA AG03mk2のほうが便利ですね。
また、SSL 2はMOTU M2、AUDIENT iD4mkIIと比べると再生音の質はやや劣ります。
とはいえ、SSL 2も十分再生音は良いですし、2.5万円で買えます。
他の2機種は予算3万円のゾーンなので、あなたの予算感が商品選びの大きなポイントになると思います。
AUDIENT iD4mkIIとの比較
まずはAUDIENT iD4mkIIとの比較ですが、ポイントは入力端子の構成です。
SSL 2はコンボジャック2基ですが、iD4mkIIはコンボジャック1基と1/4”ライン入力1基という構成です。
つまり、iD4mkIIだとマイクは1本しか使えません。
弾き語りや生楽器録音などで、同時にマイク2本使う場合はSSL 2もしくはMOTU M2を選択する必要があります。
一方でiD4mkIIはループバック用の専用ソフトが用意されており、細かく調整可能です。
このソフトウェアでループバックさせるソースの選択や音量の個別調整ができます。
そのため、PC配信で使う場合はiD4mkIIのほうが断然便利です。
あとはSSL 2にはLEGACY 4Kがついているため、音にアナログ感を加えたい人はSSL 2ですね。
ポイントは同時にマイク2本使うかどうかですね。
ループバックやLEGACY 4Kはそんなに大きな要素ではないと思います。
マイク1本しか使わないなら、基本的にiD4mkIIのほうが良いです。
SSL 2より6,500円ほど高いですが、再生音の質が良いので価格相応の差はあります。
逆にマイク2本使う場合はiD4mkIIでは足りないので、SSL 2かMOTU M2を選択しましょう。
MOTU M2との比較
続いてはMOTU M2との比較です。
入力端子の構成は一緒ですが、MOTU M2は前面に接続端子があり、SSL 2は背面に端子があります。
このへんは好みですが、マイクの抜き差しを頻繁に行う人は前面のMOTU M2のほうが楽です。
また、ループバックに関しては若干ですが、MOTU M2のほうが便利です。
SSL 2はマイク入力をループバックチャンネルに送れませんが、MOTU M2は送れます。
OBSを使えば、どっちでも一緒ですが、一応少しだけMOTU M2のほうが融通が利きます。
あとはSSL 2にはLEGACY 4Kがついているため、音にアナログ感を加えたい人はSSL 2ですね。
ただ、筆者的には再生音の質と価格差がどっちを選ぶかのポイントだと思いました。
ループバックやLEGACY 4Kはさほど大きな要素ではありません。
再生音はSSL 2も良いですが、MOTU M2のほうがワンランク上だと感じました。
MOTU M2は高級機でよく使われるESS Sabre32 Ultra DACテクノロジーを採用しています。
実際に聴き比べると、再生音はそれなりの差を感じます。
一方でMOTU M2は3.2万円程度するので、SSL 2より6,500円ほど高いです。
SSL 2も2万円台にしては再生音は十分良いので、SSL 2にして予算を押さえるのも有効な選択です。
リスニング用のDACとして使う方はMOTU M2をおすすめしますが、DTMや歌ってみたなどで使うならSSL 2で全く問題ありません。
このへんは予算感次第ですね。どっちを選んでも後悔することはないレベルの製品です。
Solid State Logic SSL 2 まとめ
- 2.5万円で買える高音質なオーディオインターフェイス
- LEGACY 4Kでアナログ感を良い感じに加えられる
- 3万円近辺のMOTU M2やiD4mkIIと比べると再生音の質がやや劣る
ぎたすけ
たけしゃん
SSL 2のレビューでした。
前から触ってみたいと思っていた製品だったので、色々試せてよかったです。
少しだけ上の価格帯になるMOTU M2やAUDIENT iD4mkIIが良いので、なかなか厳しいですが、SSL 2も2.5万円にしては非常に良い製品だと感じました。
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