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Universal Audio SC-1
マイクタイプ | ラージダイアフラム コンデンサーマイク |
指向性 | カーディオイド |
周波数特性 | 20~20,000 Hz |
感度 | -39 dB (0 dB = 1V / Pa @ 1 kHz) |
最大SPL | 145 dB (1% THD @ 1 kHz) |
接続端子 | XLR |
重量 | 363g |
2023年11月に発売されたUniversal Audioのコンデンサーマイク SC-1。
無償で使えるHemisphere マイク・モデリング・プラグインで、有名マイクのサウンドを再現できるマイクです。
また、録音後にプラグインでマイクの距離感や軸を調整することができます。
価格帯も79,200円とそこまで高くないため、宅録用にハイクオリティなマイクが欲しい方にもピッタリです。
まずはSC-1の製品仕様から解説していきます。
仕様を飛ばして、レビューを読みたい方は<SC-1をレビュー>を参照ください。
ラージダイアフラム・コンデンサーマイク
SC-1はラージダイアフラムのコンデンサーマイクです。
広いダイナミックレンジと優れたウルトラリニア回路でクリアかつ解像度の高い音を収音できます。
最大SPLも145 dBと高いため、ギターアンプやドラムなどの大音量楽器も問題なく対応できます。
ちなみにSC-1はUniversal AudioのStandard シリーズ・マイクに属する製品です。
同シリーズにはダイナミックマイクのSD-1、ペンシル型コンデンサーマイクのSP-1もあります。
Hemisphere マイク・モデリング・プラグインも、Standard シリーズ・マイクに対応しており、選択画面でマイクを選ぶようになっています。
モデリングできるマイクもそれぞれ異なっており、SC-1は有名コンデンサーマイクをモデリングできるようになっています。
カーディオイドマイク
SC-1は正面の音を中心に拾うカーディオイド型のマイクです。
ボーカル、スピーチ、楽器録音に適した指向性です。
他の指向性には対応していませんが、ボーカルやギター録音であれば、カーディオイドだけで問題ありません。
なお、同じUniversal AudioのSphereシリーズはプラグインで指向性を変更できましたが、SC-1は非対応です。
Hemisphere マイク・モデリング・プラグイン
SC-1の目玉機能は無償で使えるHemisphere マイク・モデリング・プラグインです。
プラグインを介して、有名マイクのサウンドを再現できます。
選択できるマイクはNeumann、AKG、SONYなどの有名マイク 8種類です。
SC-1自体のサウンドはフラットで原音に忠実なタイプなので、モデリングで色をつけていくというイメージですね。
また、専用プラグインはモデリングだけでなく、マイクの距離感や軸を調整することもできます。
項目 | 概要 |
FILTER | ローカットやPADがかかる ※効果は選択マイクによって異なる |
PROXIMITY | 近接効果を仮想的に調整する |
AXIS | マイク軸の角度を仮想的に調整する |
マイキングをシミュレートしてサウンドを変えるので、EQとは異なる自然な変化が得られます。
録音した後でも変化させられるので、かなり便利です。
この専用プラグインはSC-1購入後に製品登録するとダウンロードできます。
なお、オーディオインターフェイスにApolloシリーズを使用している方は、ApolloのDSPでも専用プラグインを使うことができます。
Apolloと一緒に使うことで、リアルタイムでモニタリングしてもレイテンシーがほぼ発生しないというメリットがあります。
もちろん、PCのCPUを使ったネイティブ・プラグインとしても動作するので、他のオーディオインターフェイスでも利用できます。
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付属品
- マイクスタンドマウント
- 5/8インチ – 3/8インチ・スレッドアダプター
- キャリングケース
SC-1の付属品は上記3点です。
マイクスタンドとの接続には、専用のスタンドマウントが用意されています。
スタンドマウントの中には、5/8インチと3/8インチを変換できるアダプタ(ねじ)が内蔵されています。
また、専用のキャリングケースが付属しています。
サイズ感はやや大きいですが、衝撃にも強く、ケーブルなども収納できるので、収納・携帯に便利なケースです。
Universal Audio SC-1をレビュー
それでは、SC-1を細かくレビューしていきます。
まず、メリットとデメリットを箇条書きでまとめると以下の通りです。
マイク自体の性能がすごく良いと感じました。
プラグインが目玉機能だとは思いますが、録った音をそのままでも十分良いです。
逆にプラグインは便利ではあるものの、Sphereシリーズと比べると調整できる自由度は低くなっています。
レビューでは、その点も細かく触れています。
低音から高音まで滑らかで良い音
SC-1でボーカル、アコギを録音してみました。
フラットで素直な音です。低域から高域まで滑らかで、とても歌いやすかったです。
個人的には、別にプラグインなくて良いかなと思うくらいにSC-1の音がしっくりきました。
ボーカルから弦楽器、アンプ、ドラムなど色んな用途で使えそうなマイクです。
ハイ上がりの特性が好きな人は、物足りなさを感じそうですが、そのへんは次章のマイク・モデリング・プラグインで補えます。
プラグインでマイク特性を変えられる
SC-1はフラットな特性のマイクですが、Hemisphere マイク・モデリング・プラグインで音質を変えられます。
モデリングできるマイクも中音域や高音域が少し持ち上がるタイプなど、SC-1とは違うものが用意されています。
サンプル音源を用意したので、聴き比べてみてください。
同じラージダイヤフラム型コンデンサーマイクのモデリングなので、そんなに音は変わらないですね。
とはいえ、微妙に特性が変化しているのはわかります。
また、特性が微妙に変化する程度で、原音が損なわれるようなこともないので扱いやすい点が良いですね。
そして、Hemisphere マイク・モデリング・プラグインはマイクの距離感や軸も調整できます。
こちらもアコギのサンプル音を用意したので聞いてみてください。
PROXMITYは近接効果の調整値となっており、-100だと低域が薄くなり、マイク距離が遠くなったことがわかります。
そして、AXISはマイクの軸を回転させるものです。
180°にするとマイク正面で音を捉えていない感じになりますね。マニュアルでは約45°以下で調整するのが有効と記載があります。
このパラメーターはマイキングをシミュレートして調整しているので、EQではできないような自然な調整ができます。
また、プラグインなので録音後でも調整可能なため、アコギ録りではかなり便利な機能です。
しかも、Hemisphere マイク・モデリング・プラグインはCubaseなどのDAW上で動作するので、とても便利ですね。
Sphereシリーズとの比較
Universal AudioはSC-1が属するStandard シリーズ・マイクのほかにSphereシリーズがあります。
Sphereシリーズも有名マイクをモデリングできるSphere プラグインが用意されています。
比較してみると、Sphereシリーズのほうが色々と便利です。
SC-1 | Sphere LX | Sphere DLX | |
マイク モデリング | 8モデル | 20モデル | 38モデル |
指向性 | カーディオイド | 9種類 | 9種類 |
ステレオ収録 | × | × | 〇 |
PAD スイッチ | なし | なし | -20dB |
実売価格 | 7.9万円程度 | 15.4万円程度 | 23万円程度 |
価格差もかなりあるので、当然と言えば当然ですね。
両方借りて使ってみた印象では、自分は以下のように感じました。
- ボーカル録音だけならSC-1のほうがコスパが良い
- アコギ録音ならSphereシリーズのほうが断然便利
まず、ボーカル録音だけであれば、そこまでの差はないと思いました。
やはり、音の質感などはSphereシリーズのほうが良いと感じますが、SC-1でも十分なクオリティです。
モデリングできるマイクの種類もボーカル録音であれば、SC-1で十分だなと感じました。
一方でアコギ録音に関しては、Sphereシリーズのほうが断然便利です。
Sphereシリーズの場合はモデリングできるマイクの種類が豊富で、ダイナミックマイクやペンシル型マイクも選択できます。
ダイナミックマイクやペンシル型マイクを選択すると、ちゃんと音の質感もそれっぽい音に変わります。
録音後にコンデンサーマイクからダイナミックマイクに差し替えられるので、アコギ録音ではとても便利です。
また、Sphere DLXだとステレオ収録にも対応できるため、録った後のマイクポジションの調整も自由度が高いです。
このへんもアコギ録音では、とても便利なんですよね。
逆にボーカルの場合はモノラル録音ですし、録音後にコンデンサーをダイナミックにしたいこともあまりないと思うので、SC-1で十分かなと感じました。
SC-1は実売価格も79,200円と比較的、手が出しやすい価格帯なのも良いですね。
1本のマイクで様々な質感の音を使いたい方におすすめです。
Universal Audio SC-1 まとめ
- 専用プラグインで有名マイクをモデリングした音にできる
- SC-1自体はフラットで、低域から高域まで滑らかな音
- 専用プラグインはDAW上でも動作するので便利
ぎたすけ
たけしゃん
Universal Audio SC-1のレビューでした。
これだけ、高精度のモデリング機能を搭載したマイクがついに10万円未満で買えるようになったか…と驚きました。
1本のマイクで色んな音を楽しみたい方にとてもおすすめな製品です。
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