ぎたすけ
たけしゃん
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アコギの録音(レコーディング)
弾き語り、アコースティック、バンドと様々な構成で必要となるアコースティックギター。
生楽器なので、手軽にレコーディングできますが、地味に奥が深いんですよね。
まず、アコギの録音方法は大きく3種類に分かれます。
録音方法 | 概要 |
マイク録り | マイクを立てて生音を録音 |
ライン録り | エレアコを繋いで録音 |
MIX | マイクとラインで同時に録音 |
アコギのレコーディングではマイク録りが基本ですが、自宅で周囲の雑音が多い場合はライン録りが有効だったりします。
本記事ではマイク録りとライン録りにわけて、それぞれ録音時のセッティングやポイントを解説していきます。
目次
アコギをマイクで録音する
まずはアコギレコーディングで基本となるマイク録りです。
アコギのマイク録音はモノラル録音とステレオ録音に分かれます。
録音方法 | 概要 |
モノラル録音 | マイク1本で録音 |
ステレオ録音 | マイク2本でステレオ録音 |
カバー動画などを出すための録音であれば、モノラル録音で十分です。
一方で筆者の経験上では、仕事ではステレオ録音を頼まれることが多いですね。
本章でもモノラル収録とステレオ収録の両方について録り方を解説していきます。
モノラル録音
まずは基本となるマイク1本でのモノラル録音です。
アコギの録音ではマイク位置によって、音が大きく変わります。
マイク位置 | 特徴 |
サウンドホール | 低音が強くなる |
ネック寄り | 弦鳴りを多く拾う |
オフマイク (マイクを離す) | 音が遠くなり 部屋鳴りも多く拾う |
最適解はギターの特性や部屋の音響で変わりますが、基本的にはネック寄りからホール方向を狙うのが良いです。
まずはそれぞれのマイキングで録った音を用意したので聞いてみましょう。
サウンドホール
ネック寄り
オフマイク
聴き比べてみても、ネック寄りが一番バランスの取れた音ですね。
なので、ボディとネックの接合部あたりからサウンドホール側に角度を付けることが多いです。
また、マイクの距離は30cm程度開けると良いでしょう。
このマイク距離もマイクの特性によります。
ダイナミックマイクの場合は10cmくらいの時もありますし、コンデンサーマイクの場合は50cmくらい開けることもあります。
マイク距離もアコギの鳴り具合で調整できるとベストです。
距離を離せば軽い音になりますし、近づけると低音域を中心に音が膨らんできます。
僕はコンデンサーマイクで30cm程度離すことが多いです。
なお、録った後にプラグインのEQなどでローカットすることもできますが、低音だけをうまくカットするのは難しいです。
そのため、録音の段階でマイク距離を調整して抑えた方が良い結果になることが多いですね。
なお、モノラルのアコギ録音でおすすめのマイクは以下の2本です。
マイク | 特徴 |
AT4040 | コンデンサーマイク フラットな特性で使いやすい ボーカル録りもいける |
BETA57A | ダイナミックマイク 楽器用マイクの定番 ボーカルにも使える |
audio tehcnica AT4040はフラットでアコギ録りでも使いやすいコンデンサーマイクです。
宅録では定番の人気マイクなので、1本持っておくと便利です。
SHURE BETA57Aは楽器用で定番のダイナミックマイクですね。
アコギ録り以外でもボーカルマイクとして使っている方も多く、ライブ用のマイクとしても活躍します。
ステレオ録音
続いてはマイクを2本立てて、ステレオで録音する方法です。
ステレオ録音することで音に広がりが出て、アコギの魅力を引き立たせることができます。
モノラル録音
ステレオ録音
ステレオ録音ではマイクの立て方がAB方式とXY方式の2種類に分かれます。
まず、並行に並べる立て方がAB方式です。
AB方式は音の広がりを強く感じられます。
マイク距離を離すことで広がり感も調整できます。
対して、XY方式はマイクをクロスさせるように立てます。
AB方式ほど音の広がりは出ないですが、位相がズレにくいのでマイクの調整が楽です。
AB方式とXY方式のどっちがいいかは好みかなと思います。
僕は弾き語りやアコースティック編成の録音が多いですが、ステレオ録音はほとんどAB方式で録ってます。
ただ、バンド内でPANを細かく振りたい時はXY方式で録った方が後から融通は効きやすいようですね。
マイクの設置位置ですが、僕はAB方式なら「ネックと本体の繋ぎ目」「ブリッジとサウンドホールの間」の2ヶ所にすることが多いです。
ただ、2本のマイクをくっつけて録ることも割と多いです。
歌とギターだけの場合はそんなに広がらなくて良いので、上記のセッティングも結構使います。
XY方式の場合は「ネックと本体の繋ぎ目よりややホール寄り」が多いですね。
マイク距離はどちらでも30cm程度離しています。
ステレオ録音でもやはり、アコギや部屋の環境によって最適な位置は変わります。
なお、ステレオ録音で使う2本のマイクは同じものでも違うものでも大丈夫です。
違うマイクを使う場合は音量に違いが出ないように事前に合わせましょう。
ただ、ステレオでの録音を頻繁にやる方はステレオペアマイクを買った方が良いです。
違うマイクだと、録音前の調整が大変ですが、ステレオペアなら設置も調整も簡単です。
ステレオペアだとUniversal Audio SP-1が音もよくておすすめです。
エレアコのライン録り
続いてはエレアコを繋いで録音するライン録りについてです。
ライン録りだと生感は薄れますが、周囲の騒音が入らないというメリットがあります。
また、最近は高性能なピックアップも増えてきたので、ラインでもかなり良い音で録れます。
僕も使っているL.R.Baggs Anthem
一方でライン録りではマイク録りと比べて、シールド周りのノイズ対策に気を配る必要があります。
エレアコのライン録り 目次
ケーブルは極力短く、家電は離す
自宅でのライン録りで注意すべきことはノイズの混入です。
エレアコのシールドはアンバランス接続なので、家電からの電磁ノイズを拾いやすいです。
気をつけないと、すぐに「ジー」「キー」といったノイズが入ります。
まず気をつけるべき点は以下の3つです。
- 激安ケーブルを使わない
- ケーブルはできるだけ短く
- 家電や電源タップの近くは通さない
激安ケーブルはノイズ対策が不十分なものが多いです。
CANAREなど定番のメーカーのものを使いましょう。
また、家電・PC・ディスプレイ・電源タップなどは近づけるとノイズの原因になるため避けましょう。
どうしても厳しい場合は間にDIを挟んでバランス接続に変えてみるのも手です。
バランス接続でも家電や電源タップからノイズを拾いますが、アンバランス接続よりは大分マシです。
僕もエレアコのサンプル音など録る際は上図のパラアコを挟んでます。
パラアコはライブでも重宝するので、エレアコ弾きなら持っておいて損はないです。
ピックアップ側の音量を十分に上げる
エレアコはピックアップに音量つまみがついているタイプが主流です。
その場合はまず、ピックアップ側の音量つまみで十分に音量を引き上げましょう。
その上でオーディオインターフェイス側のGAINを使って調整します。
ピックアップ側の音量つまみが絞られた状態だと、ノイズ比率の高い信号をオーディオインターフェイスに送ってしまいます。
その状態でオーディオインターフェイスのGAINを上げると、当然ノイズも増幅されてしまうわけです。
そのため、まずはピックアップ側で十分に音量を稼いで、オーディオインターフェイスに音を送りましょう。
なお、ピックアップがパッシブで音量つまみがない場合は普通にオーディオインターフェイス側だけで調整しましょう。
それでノイズが気になる場合は間にプリアンプ兼DIを挟むことも検討しましょう。
プリアンプ兼DIがあると前述のシールド・家電周りのノイズ対策にもなります。
ノイズが気になる場合は弦アースも検討しよう
ライン録りでは、ピックアップからの微量な電流がノイズの原因となることも多いです。
ジャックに触れるとノイズが収まる場合はこれに該当します。
この微量な電流によるノイズの対策が弦アースです。
ブリッジやサドル下を加工して、弦に触ることでジャックを触っているときと同じ状態にしてノイズを消します。
僕のエレアコも弦アースを取って、ライン録りでのノイズを抑制しています。
弦アースはギター工房に頼むと5,000円〜10,000円程度で加工してもらえます。
ただ、弦アースを取るなら、そのお金でマイクを買った方が良い気もします。
微量な電流ノイズはライン録りでは気になるレベルでも、ライブでは問題にならないことが多いですからね…。
アコギ録音 まとめ
- アコギ録音はマイク録りとライン録りに分かれる
- 自宅やスタジオでの録音はマイク録りが基本
- マイク録りはマイキング、ライン録りはノイズ対策に気を配ろう
ぎたすけ
たけしゃん
アコギの録音についての解説でした!
僕も大分やっていますが、本当に奥が深いです。
ただ、アコギの録音は需要が高いので、やれるといろんな場面で役立ちます。
ぜひ、色々試してみてください!
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