ぎたすけ
たけしゃん
読みたい場所をクリック!
audio technica AT-UMX3
アナログ入力 | コンボジャック×2 LINE(GUITAR) LINE STREO(KEYBOARD) |
アナログ出力 | HEADPHONE OUT |
サンプルレート | 192kHz / 24bit |
接続端子 | USB-C |
対応OS | Windows macOS Catalina macOS Big Sur macOS Monterey macOS Ventura iOS:16.4.1 iPad OS:16.4.1 Android OS:10、11、12、13 |
audio technicaが2024年2月に発売するオーディオインターフェイス AT-UMX3。
audio technicaのマイク開発を長年手がけてきた、技術および設計担当者が監修した製品です。
コンパクトながらループバックなど、配信向けの機能を搭載し、操作パネルもシンプルで分かりやすい設計になっています。
使ってみた所感では、「AG03から配信に不要な機能を落としてシンプルにした製品」という印象ですね。
AG03は配信で便利な機能に加えて、DTMでも使えるように様々な機能が盛り込まれています。
そのため、配信だけやる人には分かりづらい点がやや多いです。
対して、AT-UMX3は配信向けに絞ったシンプルな作りになっているので、初心者でもとっつきやすいです。
まずはAT-UMX3の製品仕様から解説していきます。
仕様を飛ばして、レビューを見たい方は<AT-UMX3をレビュー>を参照ください。
入出力
AT-UMX3の入力端子はマイク用のコンボジャック、ギター用の6.3mm標準ジャック、キーボード用の6.3mm標準ジャック(ステレオ)の3種です。
ギター用の標準ジャックはHi-Zになっています。
なお、入力は1chとなっており、マイク・ギター・キーボード全てが同じチャンネルから音が出ます。
各入力端子の音量調整は本体ノブで行います。
AG03と同じようにGAINとLEVELが分かれている仕様です。
取扱説明書記載のノブの初期推奨位置は下表のとおりです。この位置から自身で微調整すると良いでしょう。
チャンネル | ノブの位置 |
コンボジャック (マイク接続時) | GAIN:2~3時 LEVEL:12時 |
LINE | GAIN:12時 LEVEL:3時 |
トークなら上表が基準で良いですが、歌う場合はGAINをもう少し下げたほうが良いですね。
ギターとキーボードのノブは共用となっており、切替スイッチでどっちの楽器を使うか選択できます。
なお、ギターとキーボードは排他になっているようで、両方同時に音を出すことはできませんでした。
また、このチャンネルはスマホやオーディオプレイヤーを繋いで音楽などを流すこともできます。
接続には3.5mm-6.3mmケーブルなどを利用しましょう。
そして、コンボジャックのチャンネルにはミュートスイッチが付いています。
このミュートスイッチはコンボジャックのみ作用し、ギターやキーボードのChはミュートされません。
続いて、出力です。
出力は前面の3.5mmヘッドホン端子のみです。
音量調整はPHONESと書かれた、大きいノブで行います。
ハイインピーダンスのヘッドホンでもキレイに鳴らせる余裕があります。
また、音質もかなり良いのでハイスペックですね。
ダイレクトモニタリング
AT-UMX3はダイレクトモニタリング機能を搭載しています。
ダイレクトモニタリングとは、オーディオインターフェイスに入力した音をPCなど介さずにモニターできる機能です。
PCなどを挟まないことで遅延なく、自分の声をモニタリングできます。
なお、本体にダイレクトモニタリング機能をON/OFFできるスイッチがついています。
配信アプリやDAWから自分の声を返す場合、ダイレクトモニタリングはOFFにしましょう。
ループバック
AT-UMX3はループバック機能も搭載しています。
ループバックのON/OFFは本体スイッチで切替できます。
ループバックONにすると、USB接続したPCなどの再生音をライブ配信で流すことができます。
接続したPCの再生音はPHONESの左隣にあるノブで音量調整できます。
ループバックのON/OFFスイッチが付いている製品は意外と少ないので、配信中にON/OFF切り替えたい人には貴重ですね。
対応OS
- Windows
- macOS Catalina
- macOS Big Sur
- macOS Monterey
- macOS Ventura
- iOS:16.4.1
- iPad OS:16.4.1
- Android OS:10、11、12、13
AT-UMX3はWindows、Macだけでなく、iOS、iPad OS、Androidにも対応しています。
どのOSでもUSBで繋ぐだけで使えるようになっています。
なお、LightningのiOSは接続にUSBカメラアダプタが必要です。
また、スマホやタブレットに接続する場合は、別途USBでの電源供給が必要です。
AT-UMX3には電源供給用のUSB端子があるため、コンセントやモバイルバッテリーに繋ぎましょう。
ちなみにUSB-CのAndroidはスマホからの電源供給のみで駆動しました。
iOSもUSB-Cであれば、別途電源供給は必要ないかもしれません。
付属品
AT-UMX3の付属品はUSBケーブル(Type-A to C)とUSB-C変換アダプタです。
なお、AT-UMX3はUSB 2.0なので、USB Type-AのPCと接続しても問題なく動作します。
audio technica AT-UMX3をレビュー
それでは、AT-UMX3を細かくレビューしていきます。
はじめにメリット・デメリットをまとめると以下の通りです。
ライブ配信向けにシンプルにまとまっているという印象ですね。
audio technica製品だけあって、価格の割に音が良いです。
DTMなどやらない人なら、AT-UMX3がちょうど良い人は結構多いと思いました。
音は結構良い
AT-UMX3はaudio technica製品ということもあって、価格の割に音質は良いです。
特に再生音は音がクッキリしており、低ノイズかつ高出力なのでかなり良いと感じました。
AG03は再生の音質が微妙なので、AT-UMX3と聴き比べると結構な差を感じました。
また、ダイレクトモニターに関しても低ノイズでクリアなので、自分の声が聞き取りやすいです。
マイク入力の音質はAG03とほぼ同レベルと感じました。
音楽制作向けのFOCUSRITE Scarlettなどと比べると、マイク入力の質は若干劣る印象を受けます。
ただ、配信用途であれば、AT-UMX3でも十分すぎる音質レベルです。
配信向けに特化させた製品で、ここまで音が良いものはかなり少ないんじゃないかと思います。
操作性は良好だが、音量調整はやや難解
AT-UMX3は本体コントロールパネルがシンプルでわかりやすいです。
ノブを回して調整するだけなので、直感的に使えるところが良いですね。
ノブの配置もシンプルに整理されていて、わかりやすいです。
配信で必要な機能に絞って、うまく整理された作りになっています。
ダイレクトモニタリングやループバックのON/OFFも本体スイッチで調整できるので、配信中でも調整しやすいです。
サイズもかなりコンパクトなので、机に置いて使いやすい点も良いですね。
一方、GAINとLEVELが分かれているのは、初心者にはややわかり辛いです。
AG03も同じ仕様ですが、調整の仕方を間違えて失敗する配信者が多いんですよね。
AT-UMX3の場合、取扱説明書で下表のようにセッティング例を書いてくれています。
チャンネル | ノブの位置 |
コンボジャック (マイク接続時) | GAIN:2~3時 LEVEL:12時 |
LINE | GAIN:12時 LEVEL:3時 |
ここを基準にして、自身で微調整するようにしましょう。
GAINとLEVELを極端な設定にすると、ホワイトノイズの増加や音割れの原因になるので気を付けてください。
スマホ配信で使いやすい仕様
AT-UMX3はiPhoneやAndroidのスマートフォンでも利用できます。
AT-UMX3は接続した楽器の音をまとめてステレオで入力する仕様なので、スマホのライブ配信で便利ですね。
スマホのライブ配信アプリはステレオ仕様のものが多く、モノラル入力のオーディオインターフェイスだと片耳からしか音が出ないんですよね。
AT-UMX3はステレオ仕様のアプリでも問題ないので、そのへんの問題を気にする必要がありません。
アプリ | 仕様 |
17Live | モノラル |
nana | モノラル・ステレオ切替可能 |
nanaパーティー | ステレオ |
Poco-cha | ステレオ |
インスタライブ | モノラル |
LINEライブ | モノラル ※1chしか認識しない |
ツイキャス | ステレオ |
YouTube Live | ステレオ |
TikTok | モノラル ※1chしか認識しない |
GarageBand | モノラル・ステレオ切替可能 |
iOSのビデオ | ステレオ |
本体の大きさ的にもスマホとセットで持ち歩けるサイズ感なので、スマホ配信用のミキサーとしてはかなり優秀です。
スマホでのライブ配信やnanaの歌録音などの用途では、とても使いやすい製品です。
また、Androidでも動作する点が良いですね。
筆者が検証機として使っているAQUOS sense2で試した感じは、普通にスムーズに動作していました。
AQUOS sense2でちゃんと動作するオーディオインターフェイスはほんとに少ないので、ちょっと感動しました(笑)。
YAMAHA AG03mk2との比較
最後はライブ配信で定番のYAMAHA AG03mk2との比較です。
AG03mk2とAT-UMX3の違う点はDTMに必要な機能が備わっているかどうかです。
AG03mk2はスピーカーを接続するためのモニターアウトやRCA端子などが備わっています。
また、DAWのCubase AIなどが付属しているため、配信以外に音楽制作をやりたいと考える人にも適しています。
更にDSPエフェクトとして、EQ、コンプレッサー、リバーブなどが使えます。
歌枠の配信などをやる場合も、AG03mk2のほうが有利な点が多いです。
一方で、AT-UMX3はDTM系の機能は付けず、ライブ配信でよく使う機能をミニマムにまとめた作りになっています。
そのため、AG03mk2と比べて、本体コントロールパネルがシンプルで直感的に操作しやすいです。
AT-UMX3は接続端子やソフトウェア周りもシンプルなので、初心者でも扱いやすいですね。
更にAT-UMX3はデフォルトでステレオ入力なので、iPhoneでのライブ配信もアプリの仕様を気にする必要がありません。
また音質に関して比較すると、Phone端子の再生音はAT-UMX3のほうが大分良いと感じました。
ダイレクトモニターのホワイトノイズもAG03と比べると、明らかに少ないので自分の声を聞き取りやすいです。
改めて、それぞれの製品に適した人をまとめると以下の通りです。
AG03mk2は万能で、一通りの使い方に対応できます。
AT-UMX3はもう少し守備範囲が狭いですが、その分、シンプルで使いやすいです。
雑談配信、ゲーム実況であれば、AT-UMX3のほうが使い勝手はいいのではないかと感じました。
audio technica AT-UMX3 まとめ
- audio techncaのライブ配信向けオーディオインターフェイス
- シンプルな作りで音もなかなか良い
- DTMや歌枠配信をやるならAG03mk2のほうが良い
ぎたすけ
たけしゃん
audio technica AT-UMX3のレビューでした。
ライブ配信向けの機能をコンパクトにまとめて、整理したオーディオインターフェイスです。
こういった製品は意外となかったので、ちょうどハマる人は多そうだなと思いました。
シンプルで高音質な配信環境を構築したい人におすすめの製品です。
関連記事
オーディオインターフェイスの使い方。基本操作からDAW・配信での初期設定まで具体的に解説 【2024年】オーディオインターフェイス おすすめ12選。選び方や用途別で適した製品を徹底解説 安いオーディオインターフェイス おすすめ10選。価格帯別で歌ってみたやライブ配信に適した製品を紹介 【2024年】iPhone向け オーディオインターフェイスおすすめランキングベスト10。選び方や注意点をiOSで配信している筆者が徹底解説 コンデンサーマイク おすすめランキングベスト10【2024年版】 〜プロアーティスト使用マイクも紹介〜 配信向けオーディオインターフェイス おすすめランキングベスト10。選び方や注意点を細かく解説 弾き語り配信に必要な機材の選び方とおすすめ製品を解説よく読まれている記事
初心者が覚えるべき ギターコード 10個を練習用の譜例付きで解説
男性の音域を平均・低め・高めの3種類で解説。音域チェックできる音源付き
コンデンサーマイク おすすめランキングベスト10【2024年版】 〜プロアーティスト使用マイクも紹介〜
初心者向けアコースティックギター おすすめ6選。購入するギターの選び方を107名のアンケート調査付きで解説
ギターのストロークパターンを練習しよう。弾き語りでよく使う譜例 10パターンで解説
ギターのカポタストでキー変更するための上げ方、下げ方を役立つ早見表と合わせて解説
ギター初心者も弾ける簡単な曲 おすすめ50選。練習時のポイント解説付き
SYNCROOM(シンクルーム)の使い方、設定、遅延対策を解説。無料で自宅セッションを楽しもう!
女性の音域を平均・低め・高めの3種類で解説。参考アーティストも合わせて紹介
アコギ メーカー11社を解説。ブランドごとの特徴やおすすめのギターを紹介