評価:4.5
ぎたすけ
たけしゃん
AG06MK2
AG03
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YAMAHA AG06MK2
入力端子 | コンボジャック×2 LINE(ステレオ) × 2 AUX ×1 |
出力端子 | ステレオアウト×1 モニターアウト×1 Phone ×2(同時使用不可) AUX ×1 |
サンプリングレート | 192kHz/24bit |
接続端子 | USB 2.0 4極ミニ入出力 |
対応OS | Win,Mac,iOS,Android ※Androidは4極ミニ接続 |
寸法(WHD) | 152 × 63 × 201mm |
ライブ配信で人気の高いYAMAHA AGシリーズの最新機種 AG06MK2。
人気のAG06から細かいところを改良し、より使いやすい製品となっています。
先代のAG06からの変化は以下の通りです。
- 音質の改善
- CH2もファンタム電源に対応
- 4極ミニ入出力端子の追加
- ミュートボタンの追加
- iOS専用アプリの追加
個人的に一番大きいのはCH2がファンタム電源に対応したことですね。
弾き語りやデュオなど、コンデンサーマイクを2本使いたい人たちにも勧められる製品になりました。
また、4極ミニ入出力が使えるようになったのも地味に大きいですね。
早速製品仕様から解説していきます。
使用を飛ばしてレビューを読みたい方は<AG06MK2をレビュー>を参照ください。
製品仕様の目次
入出力端子
AG06MK2は充実した入出力端子が用意されています。
1人での利用はもちろん、デュオやアコースティックユニットでも活用できます。
AG06MK2になって、コンボジャックが2基ともファンタム電源対応になりました。
コンデンサーマイクを2本挿せることで、利用範囲が色々と広がります。
弾き語り配信ではボーカル、アコギにそれぞれコンデンサーマイクを立てられますね。
そのため、シンガーソングライターの方はAG03MK2よりAG06MK2を買ったほうが安定です。
また、AGシリーズはヘッドセット端子も用意されており、雑談やゲーム実況でも使いやすいのが良いですね。
なお、AUX端子が「4極ミニ入出力」です。先代は入力のみでしたが、AG06MK2は入出力対応になっています。
AUX端子が入出力対応になったことに関する変化も説明していきます。
4極ミニ入出力の恩恵
4極ミニ端子は主にスマホやタブレットと繋ぐときに使用します。
USB接続だと正常に動作しないときに使うのがメイン用途です。
AndroidだとUSB接続すると端末相性があって、動かない機種やアプリが多いんですよね。
4極ミニ接続の場合は電源供給や専用アプリとの連携などはできないですが、その分端末相性はほとんど出ません。
たけしゃん
なので、公式でも「Android: 4極ミニ入出力端子(TRRS)接続により対応」と記載があります。
また、iOSでも通話モードになるアプリだとUSB接続の機種は動作しません。
対して、4極ミニ接続は通話モードになるアプリでも使えます。
通話モードになるアプリ例
- 通話
- LINE電話
- SKYPE
- FaceTime…など
たけしゃん
少し前に流行ったClubhouseも流行った時はUSB接続の外部マイクは使えませんでした。
USBと4極ミニの両方が使えると、こういった場面で接続を切り替えれば対応できるので良いですよね。
また、細かいですがUSBと4極ミニ入出力は同時利用できる仕様になってます。
そのため、例えばPCでツイキャス配信しつつ、同時にスマホでSpoonにも配信といったことが可能です。
あとはラジオ番組でよくある番組中にリスナーと電話を繋ぐ的なこともできますね。
USB接続したPCで配信しつつ、4極ミニで繋いだスマホから電話すれば相手の声もPC配信に流せます。
AG06MK2は入力端子も豊富なので、色んな使い道ができそうですね。
また、Androidはオーディオインターフェイスの選択肢が非常に狭いので、AG06MK2の登場は非常に大きいですね。
本体スイッチで一通りの操作が可能
AGシリーズが配信利用で人気なのは本体で操作が一通り完結するからです。
AG06MK2は先代のAG06からミュートスイッチが追加されています。
AG03MK2と違ってフェーダーがないので、ミュートスイッチはあると助かりますね。
マイクの入力を一時的に切りたいときに便利です。
また、エフェクトもON/OFFスイッチがついています。
本体だけでエフェクトON/OFFできるのは良いですね。
細かい調整だったり、ボタンにないエフェクトをかけたい場合は専用アプリから調整しましょう。
オプションでフットスイッチにも対応
AG06MK2は別売りのフットスイッチFC5を取付できます。
FC5を取付することで足元でリバーブやミュートのON/OFFを切替できます。
フットスイッチに何の機能をアサインさせるかは専用アプリのAG Controllerから選択できます。
使い道は色々ありそうですが、パッと思いつくのはリバーブの細かいON/OFFです。
ラジオ番組みたいにタイトルコールやセリフにだけ深いリバーブをかけるような使い方が適してますね。
手で本体スイッチを押すでも良いですが、足元のほうが瞬時にできますからね。
深めのリバーブをセットしておいて、足元で切替できると、よりラジオ番組っぽい構成が作れそうです。
AG Controller
AG06MK2にはWindows、Mac、iOSで動く専用アプリ「AG Controller」が用意されています。
AG Controllerを使うことでアプリ上でエフェクトの調整などを細かく行えます。
AG Controller
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AG Controllerには「Simple」と「Detail」の2モードが用意されています。
Simpleモードは音響機器が分からない人でも感覚的に使えるように設計されています。
Detailは通常モードという感じでエフェクトなどを微調整できます。
最近はPC持ってない人も多いので、スマホ内でエフェクト調整が完結できるのは強いです。
コンプレッサーやリバーブは微調整したいことが多いので、専用アプリの有無は大事です。
実際のエフェクトのかかり具合は後半のレビューでサンプル音源を付けて紹介していきます。
ループバック機能
配信ではよく使うループバック機能も、もちろん搭載されています。
ループバックのON/OFFは本体スイッチで操作できます。
項目 | 内容 |
DRY CH 1-2G | 1CHと2CHをパラ出力 DTMなど制作用途で使用する エフェクトは反映されない |
INPUT MIX | 全入力をステレオミックス エフェクトは反映する |
LOOPBACK | 全入力・端末の音をステレオミックス エフェクトは反映する |
配信で使うのは「INPUT MIX」か「LOOPBACK」のどちらかです。
PCの再生音を配信に流したいなら、LOOPBACKですね。
INPUT MIXはスマホでのライブ配信やコラボ配信で使うことが多いですね。
コラボ配信でLOOPBACKを選ぶと、相手の声がハウリングしますので注意しましょう。
INPUT MIXとLOOPBACKを正しく使い分けることが地味に大事です。
ループバックについての詳しい話は下記の記事を参照ください。
付属品
- 取扱い説明書
- USBケーブル
- Cubase AI(ダウンロード)
- Cubasis LE(ダウンロード)
- WaveLab Cast(ダウンロード)
- Rec’n’Share(ダウンロード)
USBはAG06MK2本体の端子はUSB-Cですが、接続の形式自体はUSB2.0です。
そのため、接続先のPCはUSB2.0でも特に問題はありません。
USB2.0での接続でも、別での電源供給は不要でバスパワーのみで動作します。
ただし、スマホ・タブレットへの接続、4極ミニ端子での接続時は別途電源供給が必要になります。
スマホをUSB接続する場合
4極ミニで接続する場合
iOSの場合はUSB 3カメラアダプタを別途用意しましょう。
また、4極ミニ端子用のケーブルは付属しないため、別途用意しましょう。
また、ソフトウェアはDAWであるCubase AIとCubasis LE(スマホ・タブレット)のライセンスが付属します。
歌ってみたなどの音楽制作への対応のバッチリです。
他にもYAMAHAのRec’n’Shareと連携して手軽な撮影なども可能です。
Rec’n’Share
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アコースティックユニットでの撮影なども絡めると豊富な入出力が一層活きますね。
YAMAHA AG06MK2をレビュー
それでは、AG06MK2を細かくレビューしていきます。
はじめにメリット・デメリットを箇条書きしていくと以下の通りです。
弾き語りの配信、アコースティックユニットでの配信などに最適な機種ですね。
ボーカル&ギター&ピアノという編成で配信可能です。
さらにはゲーム実況などにも適しており、オールラウンダーというべき機種ですね。
音質はクリアで良好
AG06MK2でボーカル、アコギの音を色々録ってみました。
先代のAG06とほぼ変わらない印象で、配信やカバー動画制作などで使うには十分なレベルです。
比較用でワンフレーズ録ってみましたので、聴き比べてみましょう。
使用したマイクはAG06MK2と同時発売のYAMAHA YCM01です。
AG06MK2
AG03
Babyface Pro FS
聴き比べてみると、AG06MK2は先代よりは中高音域がハッキリしている印象を受けます。
プロユースのBabyface Pro FSと比較しても、割と良い勝負なので十分なレベルですね。
AG06MK2でカバー動画も制作してみました。
動画制作で使っても、良い感じですね。
配信からカバー動画制作まで万能に使えます。
ちなみに先代と一緒でダイレクトモニターの音はホワイトノイズがやや多いです。
ですが、実際に録音される音(配信で流れる音)はクリアでキレイに録れます。
また、INPUT MIXとLOOPBACKはDRY CH1-2Gより音量が小さいです。
これも先代と一緒ですが、適正な音量はモードによって変わるので気を付けましょう。
たけしゃん
このあたりの細かい使い分けをちゃんとしておけば、制作でも配信でも十分役に立つはずです。
複数人配信でも使いやすい
AG06MK2はコンボジャック2基にLINE入力も2系統と入力端子が豊富です。
CH2のコンボジャックもファンタム電源対応になったので、対応できる幅が広がりました。
使用例
- 弾き語りの録音・配信
- 対談配信
- アコースティックデュオの録音・配信
- アコースティックバンドの録音・配信
ボーカル・ギター・ピアノといった3人編成もAG06MK2だけで対応可能です。
2万円程度のオーディオインターフェイスで3人編成をカバーできる機種ってほとんどないんですよね。
AG03MK2は1人での配信に適していますが、AG06MK2は1人〜3人くらいの配信に適しています。
AG06MK2を選んでおけば、後々ユニットやグループを組んだときに複数人で利用できます。
価格差も5,000円くらいなので、迷ったらAG06MK2にしておくのが間違いないですね。
また、ギター弾き語りの人は弾き語りやアコギRECなどマイクを2本使うときは結構多いのでAG06MK2推奨です。
やはり、ギター弾き語りだとコンボジャック2基の製品が間違いないですね。
AG Controllerが使いやすくて便利
新しくなったAG Controllerは非常に使いやすい作りになっています。
初心者にも優しいSimpleモードでは用途を選ぶだけでエフェクトが自動で設定されます。
エフェクトなし
下図のエフェクト設定
リバーブがほんのりかかって、コンプレッサーはやや強めに効いてます。
Detaliモードでは1CHと2CHのエフェクトを細かく調整できます。
Detailモードでは直感的にパラメーターを調整できる上にプリセットも豊富に用意されています。
プリセットは1CHはマイク用途中心、2CHはギター・ベース用途中心に用意されていますね。
なお、2CH側にも少量ながらボーカル・スピーチ用途のプリセットも用意されています。
プリセットだけでも色んな音色を作れるので、詳しく無い人でも触りやすいですね。
また、各エフェクトの他にPANやSENDの設定もできるようになっています。
ユニットで演奏するときに楽器ごとにPANを触れるのは良いですね。
最近は配信アプリもステレオが多くなったので、このあたりの設定を活かせることも多そうです。
なお、エフェクトは「DRY CH1-2G」だとモニター専用になります。
なので、配信でエフェクトをかけた音を流す場合は「INPUT MIX」か「LOOPBACK」を選択しましょう。
たけしゃん
4極ミニ入出力が地味に便利
AG06MK2になって、出力にも対応したAUX端子。
下記のような人が恩恵を受けられます。
- Androidユーザー
- スマホでLINE通話やSKYPEなどを使う人
- ボイスチャットなど通話を手軽に配信で流したい人
- 2つの配信アプリで同時に配信したい人
Androidユーザーはもちろん、iPhoneユーザーも会議系のアプリで外部マイクが使えます。
テストでAG03MK2を経由してコンデンサーマイクで友達とLINE通話しましたが、音が超キレイになります(笑)。
テストがてら手持ちのAndroid AQUOS sense2でnanaの歌録りをやってみました。
nana-music.com音の遅延は少し感じましたが、nana側で調整して普通に録れました。
AndroidだとAG Controllerは使えませんが、本体ボタンでエフェクトやループバック自体は使えます。
USBと4極ミニ入出力の両対応自体が珍しいですが、更に多機能なので使い道が広がりますね。
AG06MK2の登場でスマホ配信の自由度が上がりそうです。
なお、接続に際して、iOSは3.5mm変換アダプタが必要です。
iOS用
UR-Cシリーズとの比較
AG06MK2 | UR22C | UR24C | |
入力端子 | コンボジャック×2 LINE×2 | コンボジャック×2 | コンボジャック×2 |
ビットレート | 192kHz / 24bit | 192kHz / 32bit | 192kHz / 32bit |
4極入出力 | 〇 | × | × |
ヘッドセット | 〇 | × | × |
エフェクト | 〇 | 〇 | 〇 |
スマホアプリ | 〇 | 〇 | 〇 |
ループバック | 〇 | 〇 | 〇 |
実売価格 | 約23,100円 | 約17,820円 | 約24,000円 |
AG06MK2を購入検討する際に迷うのはSteinberg UR-Cシリーズです。
ただ、AGシリーズとUR-Cシリーズは割と棲み分けができています。
製品 | こんな人におすすめ |
AG06MK2 | 配信メインの人 ゲーム実況をやる マイクを2本使う |
UR22C | 音楽制作メインの人 ゲーム実況はやらない マイクを2本使う |
UR24C | 音楽制作メインの人 ゲーム実況はやらない マイクを2本使う 出力が4OUT欲しい人 |
こんな感じで配信と音楽制作のどちらがメインかで選択肢を変えると良いですね。
音楽制作メインの人はUR-Cシリーズの方がシンプルで使いやすいです。
逆にゲーム実況など、色んなジャンルの配信をやる人はAG06MK2がいいですね。
ヘッドセット、AUX端子など配信で活躍する端子が色々とついています。
また、AG06MK2は入力端子が豊富なので、ボーカル・アコギ・ピアノなどのユニットで活躍します。
このあたりは自身の用途を整理して、適した製品を選びましょう。
AG06MK2 まとめ
- ミュートボタン、4極ミニ入出力など細かいところが便利になった
- 専用アプリが使いやすく、初心者でもエフェクトを効果的にかけられる
- 音楽制作がメインの人はUR-Cシリーズの方が良い
ぎたすけ
たけしゃん
AG06MK2のレビューでした!
これだけ入出力端子が充実していて、iOSやAndroidでも使えるのが素晴らしいですよね。
先代のAG06以上に色んな使い道が見つかりそうな機種だと感じました。
新しいAGシリーズでライブ配信事情もまた変化していきそうですね。
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