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中級者向けのアコギとは

中級者向けのアコギを解説するにあたって、重要なのは中級者の定義です。
中級者の定義は人によって、全然違うので本記事では下記のように定めて説明をします。
- 一通りの基本コードを抑えられる
- レパートリーが10曲以上ある
- 人前で演奏していく気がある
上記の3点を想定して、適切なギター選びについて解説していきます。
特に最後の「人前で演奏していく気がある」が重要です。ここでギター選びが大きく変わるので注意してください。
中級者向けのギター選び

まず、本来は初心者向け、中級者向けのギターという括りはありません。
初心者でも高級ギター使ってる人はいますし、中級者でも数万円のギターを使ってる人はたくさんいます。
ただ、基本的な演奏ができる人は下記のようなギターを持つことで、より音楽を楽しめて成長もできます。
- 優れた演奏性
- アコースティックで豊かな響き
- ライブハウスなどの会場で使いやすい仕様
このへんの条件を満たすギターは予算10万円くらいからですね。
数万円のギターとは明らかに差が出てきます。
参考で102名を対象に行ったアンケート調査の結果を見てましょう。
この中から下記3つの理由を選択した方が買ったギターの価格を抽出してみましょう。
- もっと良いギターが欲しくなった
- 本格的な音楽活動で必要になった
- エレアコが必要になった
このあたりの情報を踏まえて、次は購入予算について説明していきます。
中級者向けギターの相場・価格

価格 | 特徴 |
5万円 | 初心者向けギターが中心 音楽活動で使うとやや物足りない |
10万円 | 選択肢が豊富で質も良い 国産メーカーならオール単板が選べる |
20万円 | 有名ブランドのギターも選べる 海外メーカーでもオール単板が選べる |
30万円 | J-45やD-28など有名ギターも選べる プロの使用者も多い価格帯 |
先ほどのアンケート結果でもありましたが、中級者の方が良く買うギターの価格帯は10~20万円です。
10万~20万円あたりは各メーカーの選択肢も豊富で、ライブやレコーディングでの使い勝手も良い製品がたくさんあります。

一方で予算が30万円あると、Martin D-28やGibson J-45などの超有名なアコギも選択肢に入ってきます。
一生遊べるギターを考えるなら予算30万円を見ておくと良いですね。
プロを目指してる人は優先順位を考えよう

プロを目指してる10代・20代の方は個人的にはアコギに大きな予算を割くべきではないと思います。
自分の周りの20代を見ていても、演奏は良いのに伸びていない人は大体下記のパターンなんですよね。
- アコギは30万円以上のものを持っている
- PCやオーディオインターフェイスは持っていない
アコギよりもPC・オーディオインターフェイス・マイクなど制作系のアイテムを優先的に買うべきです。

極論、アコギが5万から30万に変わったところでファンは増えません。
ですが、制作環境を整えてコンスタントに質の良い発信ができれば、今の時代なら大きく飛躍できる可能性は十分あります。
たけしゃん
また、仮歌やアコギRECといった音楽系の仕事もPCを持っていない人にはまず回ってきません。

音楽で食べていきたいのであれば、仕事を受けられる環境作りは必須です。
30万円のアコギを買うより、10万のアコギを買って20万で制作するための機材を揃えましょう。
個人的にはアコギの予算は10万円で全然大丈夫です。
実際にプロでもデビューの段階だと10万円前後のエレアコを使ってる人は多いです。
たけしゃん
おすすめのギターメーカー

中級者におすすめのギターメーカーを上げると以下のメーカーです。
メーカー名 | 本拠地 (国内代理店) | メイン層 (僕の所感) | 10万円 | 20万円 | 30万円~ | エレアコ (僕の所感) |
Martin | アメリカ (クロサワ楽器) | 全般 | 〇 | 〇 | 〇 | 普通 |
Gibson | アメリカ | 歌モノ | △ | 〇 | 〇 | 普通 |
Taylor | アメリカ (山野楽器) | 歌モノ | 〇 | 〇 | 〇 | 得意 |
Cole Clark | オーストラリア (イシバシ楽器) | 歌モノ | × | 〇 | 〇 | 得意 |
YAMAHA | 日本 | 歌モノ | 〇 | 〇 | 〇 | 得意 |
K.Yairi | 日本 | 全般 | 〇 | 〇 | 〇 | 普通 |
あとは予算とエレアコにするかどうかで分岐します。
まず、予算20万円くらいまでだとYAMAHAなどの国内メーカーがおすすめですね。
アコギは国内メーカーの方が木材が同レベルでもワンランク安いです。
国内メーカーは20万円くらいから、ローズウッドやマホガニーのオール単板が主流になります。

海外有名ブランドだとマホガニーやローズウッドのオール単板は30万円以上が多いですね。
また、エレアコを選択する場合はYAMAHA、Taylor、Cole Clarkあたりがピックアップの質がよくておすすめです。

最近はオープンマイクで弾き語りの方を見ていてもYAMAHA、Taylorを使っている人が多いですね。
アコギかエレアコか

良いギターを買うときに悩むのが、ライブで使えるエレアコにするべきかどうかです。
まずは100名を対象としたアンケート調査で2本目に買ったギターはどっちか聞きましたので見てみましょう。
思ったよりアコギを買った人が多いですね。
一方で本格的な音楽活動をやるために2本目を買った人は大半がエレアコでした。
エレアコを使う予定があるのなら、エレアコにしておくのが間違いないです。
メーカー純正エレアコのほうが当たりはずれが出にくいですからね。

一方で予算30万円以上になってくると、逆にエレアコの選択肢が減ったりします。
最近は簡単に着脱できる高音質ピックアップもあるので、高価格帯の方はそういったアイテムの利用も考えるとよいでしょう。

ただ、ピックアップの出音はメーカー純正エレアコのほうがやはり安定してます。
メインの用途がエレアコと決まってるなら、最初からエレアコを買いましょう。
新品か中古か

良いギターを買うときに有効な選択肢が中古です。
新品・中古についても102名を対象にアンケート調査したので、結果を見てみましょう。
やはり、新品が多いですね。
僕は新品・中古のどちらも買ってますが、「価格が理由なら中古はNG」だと思ってます。
中古は本体買うときは安いですが、メンテナンスにお金かかることが多いんですよね。

トータルコストで考えると新品とほとんど変わらないので、それなら新品買ったほうが良いです。
一方で製品の仕様だったり、ヴィンテージだったりと価格以外が理由なら中古は非常に有効です。
特にTaylorとかGibsonは特殊仕様の限定品が多いので、中古で気に入った仕様の製品を探すのは面白いですね。
中級者におすすめのアコギ 6選

それでは、おすすめのアコギを価格別で6本紹介していきます。
ライブ活動で使うことを考えて、エレアコ中心になっています。
製品名タップで解説に飛びます
価格別の目次
予算10万円の中級者向けアコギ

予算10万円のアコギ選びでは、やはりYAMAHAなど国内メーカーが強いです。
国内メーカーだと、10万円近辺からオール単板のアコギが登場します。
一方でTaylor、Martinといった有名ブランドのアコギ一部登場する価格帯です。
ここ5年くらいで選択肢がだいぶ増えた価格帯でもありますね。
YAMAHA FGX3

シェイプ | トラッドウェスタン |
トップ材 | シトカ・スプルース |
サイド&バック | マホガニー |
ピックアップ | 3wayタイプ |
付属品 | ライトケース |
実売価格 | 110,000円程度 |
2019年に発売されたYAMAHA FG / FS RED Labelの下位モデルFGX3。
11万円程度でオール単板かつ高性能なピックアップ搭載のエレアコです。
生音はザクザクした感じでYAMAHAらしい音になっています。

万能にこなせる音ですが、ストロークが気持ち良いですね。
1ヶ月ほど借りてましたが、弾き語りでも非常に歌いやすい音で好感触でした。
ピックアップにはピエゾ、コンタクト、マイクの3Wayで拾うAtmosfeel™が採用されています。

10万円程度のエレアコで3wayは本当にすごいですね。
他メーカーはアンダーサドルピエゾが多い価格帯なので、頭1つ出ているスペックです。
FGX3のピックアップの音
ボディサイズはトラッドウェスタンのFGとフォークのFSが選択できるようになっています。

生音もエレアコの音も良好なので、予算10万円ならぜひチェックしてほしい製品ですね。
たけしゃん
Martin DJr-10E-02
シェイプ | D Junior-14 Fret |
トップ材 | シトカ・スプルース |
サイド&バック | サペリ |
ピックアップ | Fishman Sonitone (ピエゾ) |
付属品 | ギグバッグ |
実売価格 | 90,000円程度 |
Martinの少し小さめサイズのエレアコ、DJr-10E-02です。
ドレッドノートジュニアという名称でドレッドノートを少し小さめにしたモデルになっています。

ドレッド ノート | DJr | リトル マーチン | |
全長 | 約1022mm | 約950mm | 約865mm |
スケール | 約645mm | 約609mm | 約584mm |
ボディ幅 | 約396mm | 約360mm | 約319mm |
通常サイズとミニギターの中間的なサイズ感ですね。
音質はミニギターよりは通常サイズ寄りの音でしっかり鳴ります。
歯切れの良いザクザクした音でストローク、カッティングが良いですね。
動画撮影でも、色んな画角で入れやすいサイズなので楽です。
また、FISHMAN製のピックアップも搭載されているため、ライブ活動でも活躍できます。
ただ、ナット幅が44.5mmと太めのネックになっています。
購入にあたっては実際に試奏して、ネックを握ってみてからにしたほうが良いです。

予算20万円の中級者向けアコギ

続いて、予算20万円のおすすめギターです。
予算20万円だと海外メーカーはエントリーモデル、国内メーカーは中堅モデルが中心ですね。
TaylorやCole Clarkの人気モデルも選択できるようになるので、エレアコは選択の幅がだいぶ広がります。
YAMAHA FGX5

シェイプ | トラッドウェスタン |
トップ材 | シトカ・スプルース |
サイド&バック | マホガニー |
ナット | 牛骨 |
ブリッジ | 黒檀又は縞黒檀 |
付属品 | ハードケース |
実売価格 | 180,000円程度 |
2019年発売のFG / FS Red Labelの上位モデルFGX5です。
下位モデルのFGX3との違いは以下の通りです。
一番異なる点は国内生産か中国生産かという点ですかね。
両方お借りしていた時には弾き比べましたが、FGX5のほうが鳴っている感が強かったです。

また、シトカ・スプルースとマホガニーのオール単板といえば、Gibson J-45ですがFGX5はキャラクターが大分違います。
FGX5の演奏音
J-45の演奏音
FGX5はザクザクとした明瞭なストローク音ですね。
J-45はジャカジャカとした音質です。
弾き語りで使ってみると、かき鳴らすならJ-45でキレイに振りぬくならFGX5が良いかなと感じました。
ピックアップにはピエゾ、コンタクト、マイクの3Wayで拾うAtmosfeel™が採用されています。

予算20万円だと、他メーカーもピックアップの質がよくなりますが、Atmosfeel™はその中でもレベル高いです。
FGX5は生鳴もエレアコとしての音も優れているのがすごいですね。
ボディシェイプはFGX5がトラッドウェスタン、FSX5が小ぶりなフォークです。

実売価格で18万円程度なので、非常にコスパが良いです。
一方で発売当初から人気が高く、2020年以降は品薄状態がずっと続いています。
Taylor 214ce Rosewood Plus
シェイプ | オーディトリアム |
トップ材 | シトカ・スプルース |
サイド&バック | ローズウッド(合板) |
ナット | Nubone |
サドル | Micarta |
付属品 | ライトケース |
実売価格 | 176,000円程度 |
Taylorのエントリーモデル 214ceをグレードアップさせた214ce Rosewood Plus。
オールグロスフィニッシュで高級感溢れるルックスになっています。
ちなみに214ceはサイド&バックの木材にKoaを使っていましたが、2019年からローズウッド仕様の製品が追加されました。
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旧仕様の214ce Rosewoodではありますが、音質はこんな感じです。
ジャキジャキしたやや軽めの音ですね。
各音域のバランスが良いので、すーっと入ってくる感じで弾き語りとも相性いいです。
214ceはTaylor独自のピックアップES2が搭載されています。

ES2はブリッジ後方にセンサー型のピックアップが配置されています。
素子はピエゾですが、音は通常のアンダーサドルピエゾよりはナチュラルな音です。
バンドの中に入っても埋もれずに存在感のある音になっています。
弾き語りからバンドまで幅広く使えるエレアコですね。

予算30万円の中級者向けアコギ

予算30万円になると、Gisbon J-45やMartin D-28といった有名ギターも選択肢に入ります。
一生モノを探している人にもおすすめできるギターがたくさん出てきます。
憧れのアーティストが使っているギターも選べるので、夢が広がる価格帯ですね。
Gibson J-45

シェイプ | ジャンボ |
トップ材 | シトカ・スプルース |
サイド&バック | マホガニー |
ナット | Black |
サドル | Tusq |
付属品 | ハードケース |
実売価格 | 290,000円程度 |
アコギの代名詞的な存在、Gibson J-45。
プロアーティストの使用者も非常に多い超有名アコギです。
J-45は年代によって仕様が異なり、ものすごい数のバリエーションがあります。
現行のJ-45は「J-45 Standard」という製品名のものです。
J-45はジャキッとした音質で音量はストロークの輪郭がしっかりしています。
そして、現行のJ-45は鳴りはほどほどですが、ちょうど歌いやすい音量レベルなんですよね。
弾き語りでも良い音ですが、バンドに入ったときのサウンドも非常に良いです。
僕もTaylor 814ceとJ-45の2本使ってますが、J-45は本当に便利です。
ボーカルギターとして使う分にはJ-45はものすごく良いですね。
Martin D-28

シェイプ | ドレッドノート |
トップ材 | シトカ・スプルース |
サイド&バック | イーストインディアン ローズウッド |
ナット | Bone |
サドル | Compensated Bone |
付属品 | ハードケース |
実売価格 | 320,000円程度 |
J-45と並んでアコースティックギターの代名詞となっているMartin D-28。
煌びやかで伸びのあるサスティーンとバランスの良い出音はジャンル問わずに重宝されています。
D-28も歴史がないので、色んな仕様のバージョンが存在します。
現行品は「D-28 Standard」という型番ですね。
J-45は歌モノに寄ってるギターですが、D-28はインストとかソロギターでも活用されています。
1本で色んなジャンルに対応したい人にはうってつけのギターですね。
たけしゃん

中級者におすすめのアコギ まとめ
- 予算は10万円〜で考えると選択肢が豊富
- プロを目指している人はPCや制作の予算を優先すべし
- 中古に手を出すなら価格以外の理由にすべし
ぎたすけ
たけしゃん
中級者向けのアコギについてでした!
やはり、重要なのは用途ですね。主にどういった活動で使うのかを明確にして選定しましょう。
失敗したくない!と考えすぎると一生迷ってしまうので、迷ったら自身の勘を信じましょう。
人のアドバイスも大事ですが、あなたが良いと思ったら、そのギターがあなたにとっての最高のギターです。





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