評価:3.5
ぎたすけ
たけしゃん
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AKG P420
マイクで有名な老舗メーカー AKGの2万円前半で買えるコンデンサーマイク AKG P420。
2万円台でありながら、1インチの大口径ダイヤフラムでデュアル・ダイアフラム構成という高機能な製品です。
P420は宅録などプライベートスタジオでのレコーディングを想定して作られたAKG Project Studio Lineの上位モデルになります。
製品名 | 特徴 |
P120 | 低価格でシンプル 単一指向性 実売価格 9,000円 |
P170 | 楽器録りに適したマイク 単一指向性 実売価格 10,000円 |
P220 | オーソドックスなマイク 単一指向性 実売価格 13,800円 |
P420 | 指向性切替可能 温かみのある音 実売価格 23,000円 |
P820 Tube | 真空管マイク 指向性切替可能 実売価格 80,000円 |
P420は価格的には2.3万円程度となっており、DTMで人気のAKG C214よりはワンランク下の価格帯となっています。
※AKG C214
AKG P420は指向性切替も可能で、価格的にも機能的にも魅力的なマイクになってます。
使った所感としては音質も素直な感じで良かったです。
それでは早速、AKG P420の製品仕様から解説していきます。
製品仕様を飛ばして、レビューを読みたい方は<AKG P420をレビュー>を参照ください。
P420の製品仕様 目次
指向性
AKG P420はカーディオイド(単一指向性)、双指向性、無指向性の3パターンの指向性を切替可能です。
音楽のレコーディングでは基本的にカーディオイドしか使いませんが、対談とか会議とかでは他の指向性も使えます。
指向性 | 特徴 |
単一指向性 | 正面の音のみを拾う 1人で使う場合に最適 |
双指向性 | 前後の音を拾う 対談などで便利 |
無指向性 | 360度の音を拾う 会議室などで便利 |
指向性の切替は本体正面にスイッチがあります。
※左から双指向性、単一指向性、無指向性
3万円未満のコンデンサーマイクで指向性切替できる製品は地味に少ないので、貴重な存在です。
周波数特性
※ヒビノ商品ページより引用
AKG P420の周波数特性は20Hz~20kHzとコンデンサーマイクでは標準的な数値です。
各帯域で見てみると、中高音域がちょっと持ち上がってるくらいで基本はフラットになってます。
AKG C214と比べると、中高音域の持ち上がり方が控えめになってます。
C214は結構強めのハイ上がりなので、フラットよりのマイクが欲しい人にはP420のほうが良いですね。
なお、本体背面にローカットフィルターと-20dBのPADスイッチがついています。
※緑色のラインがローカットONの場合
逆サイドには音量をガクッと下げられるPADスイッチがあります。
どちらも宅録で歌とアコギを録る分には、あまり使うことはないです。
とはいえ、色んな用途で使っていると必要な場面も出てくるので、あるに越したことはないですね。
大きさ・重量
- 寸法:54×166mm
- 質量:512g
AKG P420は大きさは標準的ですが、質量は重たい部類に入ります。
付属のショックマウントも450g程度と重たいので、安価なマイクスタンドで支えるのは厳しいです。
自宅にあるマイクスタンドでテストしてみた結果がこちら。
- ブームスタンド(TAMA)…〇
- ブームスタンド(KC)…〇
- ブームスタンド(ノーブランド)…△
- Roycel マイクアーム…△
- ブーム型卓上スタンド…×
△の2つは角度によってはネジをガチガチに締めれば固定できますが、ブームを結構伸ばすとマイクの重さで落ちてくるので実用面を考えるとやや厳しいです。
まあ、マイク本体&ショックマウントで約1kgと相当重いですからね…。
ふらつかないようにスタジオなどで定番のKCのブームスタンドを使ったほうが良いです。
また、リフレクションフィルターなどを併用する人は値段は高いですが、安定性抜群のTAMAのブームスタンドを推奨します。
約1kgのマイクにリフレクションフィルターとなると、KCのマイクスタンドでは厳しいです。
マイクアームであれば、重いマイクでも安定するaudio technica AT8700Jがおすすめです。
このへんは適したマイクスタンドを選択しましょう。
付属品
AKG P420の付属品はショックマウント、ショックマウント交換用ゴム、キャリングハードケースです。
ショックマウントはしっかりした造りで重みがあります。
見た目も本格的でいい感じです。
地面からの振動ノイズも遮断してくれるので、カーペットなどを敷いてない環境でのレコーディングで重宝します。
キャリングハードケースは頑丈ですが、ちょっと大きいので保管するには場所を取ります。
代わりに取っ手もついていて、持ち運びには割と便利ではありますね。
AKG製品は安い割に付属品の質がよくて良いですね。
AKG P420をレビュー
それでは、AKG P420を具体的にレビューしていきます。
最初にレビューを箇条書きでまとめると以下の通り。
- 音の感度が良く、温かみのある音質
- 2万円台で指向性切替できるマイクは貴重
- 本体が重たくて、マイクスタンドの選択や配置は注意が必要
音質良いですね。温かみがあって、繊細な音もしっかり拾ってくれます。
2万円台だと、僕が知ってる範囲では一番好みな音でした。
機能面も指向性切替、ローカット、PADスイッチがあり、2万円台とは思えない充実度。
付属品の質を考えてもコスパ良好ですね。
一方でマイクとショックマウントが重たくて、使えるマイクスタンドが限定されます。
それなりに良いマイクアームもしくはスタンドを買う必要がありますね。
レビューの目次
温かみのある音で解像度高め
AKG P420は温かみがあって、音の距離が近い感じです。
1~2万円台のマイクは膜がある感じの距離感だったりするので、P420のほうが良い感じに録れますね。
実際にP420でボーカルを録った動画がこちら。
安いマイクと比べて、音が立体的で近いのでボーカルとアコギの距離感が出しやすくて良いですね。
このレベルの音なら、仮歌とか仕事でも普通にこなせそう。
マイク本体が重たいのが難点ですが、音質的にはお値段以上の性能です。
2万円台で指向性切替可能
AKG P420は指向性を3種類切替できる仕様になっています。
2万円台だと、指向性切替できるマイクって少ないんですよね。audio technica AT2050くらい。
AT2050は実売価格で2.5万円程度なので、AKG P420のほうが2,000円程度安いです。
普通のボーカル録りだと単一指向性があれば十分ですが、対談とかグループで一発録りするときとかに無指向性や双指向性は使えます。
なので、P420は自宅利用だけの人よりはスタジオなどでグループでの録音をする機会もある人が適しているかなと感じます。
マイクとショックマウントが重い
マイク本体(512g)とショックマウント(約450g)が重たいです。
低価格帯マイクだとトップレベルに重たくて、安価なマイクスタンドで支えるのは厳しいですね。
これが僕的には結構なマイナスポイントなんですよね…。
自宅でレコーディングする場合は手軽さは、かなり大事なんです。
動画にマイク映りこませるときも、ブーム伸ばしてマイクの位置は自由度高く調整したいですしね。
まあ、スタジオで使うことが多い…とか、自宅でも普通のマイクスタンド立ててガッチリセッティングする几帳面な人向けかなと。
狭い部屋の中で自由度高く、手軽に使っていくならP420は不向きです。
たけしゃん
指向性切替が不要で、自宅での利用がメインだったら価格は上がりますが、AKG C214(3.3万円程度)がおすすめです。
AKG C214で録った動画
C214はボーカル・アコギ録りに適した音質で質量も軽いので、狭い部屋でも使いまわしが楽です。
中高音が程よく持ち上がっていて、男性ボーカルは相性良い人が多いマイクです。
AKG P420 まとめ
- 2万円台前半で買える指向性切替可能なコンデンサーマイク
- 温かみのある音で、立体感もあって良いマイク
- マイク本体が重たいので、自宅での取り回しがややしんどい
ぎたすけ
たけしゃん
AKG P420のレビューでした!
マイクが重たいという難点がありますが、それ以外は機能面も音質も価格以上に優れたマイクという印象でした。
以前は指向性は単一指向性だけあれば、十分だなと思ってましたが、最近は動画やライブ配信が浸透してきて、他の指向性を使う機会も多少は増えたのかなとも感じます。
個人録音だけでなく、グループなど色んな状況を対応するには安くて質の良い便利なマイクです。
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