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AKG P820 TUBE
プロユースのマイクで有名な老舗メーカー AKGの真空管コンデンサーマイク P820 TUBE。
宅録などのプライベートスタジオでのレコーディングを想定して作られたAKG Project Studio Lineの最上位モデルです。
製品名 | 特徴 |
P120 | 低価格でシンプル 単一指向性 実売価格 9,000円 |
P170 | 楽器録りに適したマイク 単一指向性 実売価格 10,000円 |
P220 | オーソドックスなマイク 単一指向性 実売価格 13,800円 |
P420 | 指向性切替可能 温かみのある音 実売価格 23,000円 |
P820 Tube | 真空管マイク 指向性切替可能 実売価格 80,000円 |
真空管マイクですが、実売価格8万円程度なので割と手が出せる価格帯になってます。
P820 TUBEはマイク本体以外に電源ユニットがついており、指向性が9種類も切替できたりと多機能な機種になっています。
真空管を用いたマイクは艶やかで暖かみのある音になると言われますが、実際に使ってみるとリアリティがある厚い音になる印象を受けました。
早速、P820 TUBEの製品仕様から解説をしていきます。
製品仕様を飛ばして、レビューを読みたい方は<AKG P820 TUBEをレビュー>を参照ください。
P820 TUBE 製品仕様 目次
指向性
カーディオイド(単一指向性)
双指向性
無指向性
※ヒビノ商品ページより引用
AKG P820 TUBEは9種類の指向性を切り替えることが可能です。
指向性の切替は電源ユニットの右側のノブで行います。
指向性のノブは中央部分が単一指向性になっており、左に回すとどんどん無指向性に近くなります。
右に回すとどんどん双指向性に近くなり、全部で9種類選べる仕様になってます。
普通に歌録りやアコギ録りする分には、単一指向性だけあれば良いですが、撮影や対談など色んな用途で使う人には便利な機能ですね。
周波数特性
P820 TUBEの周波数特性は20Hz~20kHzとなっています。
指向性に合わせて、各帯域の特性は変わりますが、カーディオイドにおいては中高音域が少し上がるハイ上がりな仕様になってます。
ボーカルやアコギ録りにおいては、ハイ上がりのほうが相性良いことが多いので助かりますね。
なお、電源ユニット側にローカットフィルターと-20dBのPADスイッチがついています。
ローカットフィルターをONにすると、周波数特性の表でいう緑ラインの状態になります。
PADスイッチは20dB減衰させるものですが、自宅でレコーディングしている分にはローカットもPADもあまり使わないかなと思います。
指向性切替も含めて、かなり多機能で業務用という印象を受けますね。
大きさ・重量
真空管マイクということで、普通のマイクと比べて大きくて重たいです。
付属のショックマウントも重たいので、安価なマイクアームでは支えるのが厳しいです。
なので、安定感のあるマイクスタンドを選びましょう。
ブームスタンドであれば、安定感抜群のTAMAを推奨します。
マイクアームならaudio technica AT8700Jにしましょう。
付属品
P820 TUBEの付属品は電源ユニット、ショックマウント、ショックマウント交換用ゴム、電源ケーブル、XLR(7ピン)ケーブル、日本語取り扱い説明書、キャリングハードケースです。
さすがにたくさんありますね。
P820 TUBEと電源ユニットを接続するXLR端子は7ピン仕様になっています。
7ピン仕様のXLRケーブルは付属しているものを使いましょう。長さも8m程度あるので十分です。
そして、電源ユニットからオーディオインターフェイスやミキサーに繋ぐケーブルは通常の3ピンXLRケーブルになります。こちらは付属していないので、自分で用意しましょう。
また、電源ケーブルは3口タイプです。
変換アダプタなどは付属しないので、3口コンセントでないなら自身で変換アダプタを用意しましょう。
そして、英語の説明書とは別で日本語説明書が付属しています。
基本的なマイクと電源ユニットの使い方から、マイキングのポイントや録る楽器別のセッティング方法など記載されていて、かなり丁寧に作られてます。
僕も真空管マイク初心者だったので、この説明書は大分助かりました。
なお、ヒビノさんが制作しているものなので、他の輸入代理店の製品を買うと付属しません。
また、収納用にキャリングハードケースが付属していますが、非常に大きいです。
※後ろの26インチワイドモニターを隠せるほどの大きさ…
持ち運ぶ際はハードキャリングケースでいいでしょうが、普段の保管用はデシケーター使ったほうが良い気はしますよね。真空管マイクですし。
自宅で利用するにしてもスペースや保管環境など気を使う必要があるので、購入に際してはそのへんも合わせて検討したほうがよさそうです。
AKG P820 TUBEをレビュー
それでは、AKG P820 TUBEを具体的にレビューしていきます。
はじめにレビュー内容を箇条書きでまとめると、下記の通り。
- 音が良い!音像が近くて立体感がでる
- 自宅利用の場合は保管場所やスタンド選びに注意
- 真空管マイクなのに安い
音が良いですね!
僕自身、真空管マイクの利用が初なので真空管マイクだからなのかはわからないんですが、音が温かくて近い感じを受けます。
一方で真空管マイクだったり、電源ユニットの存在だったり、自宅利用では保管場所に気を使う必要があります。
まあ、P820 TUBE買う人はそもそも録音環境を整えてそうですが、そのへんも解説していきます。
P820のレビュー 目次
音が近くて立体感を出せる
P820 TUBEでボーカルとアコギを色々と録ってみました。
音に温かみがあって、近くに感じます。おかげで音に立体感が出ます。
P820 TUBEでボーカルとアコギを別々に録った動画がこちら。
ボーカルがすごく近くで歌ってる感じが出てるんですよね。おかげでボーカルとアコギの距離感が良い感じに出せます。
ボーカルとアコギだけのときって、歌とアコギの距離感がすごく大事だなーと思ってるんですけど、安いマイクだと録り音の時点で既に音が遠めになって、どうしようもなかったりするんですよね。
逆に録り音が近い感じなら、後から空間系エフェクトとかPANで距離感を好きに調整できるので助かります。
P820 TUBEの音は素材そのまんまもいけるし、調整も利くし、すごく良いですね!
ちなみに今回お借りしたP820 TUBEは新品だったので、使い込んでくと真空管がなじんで更に音の深みがでるかもしれないですね。
新品でもこれだけの音で録れるので、即戦力で普通に使えます。
保管場所など環境を整えるべし
P820 TUBEは真空管マイクなので、保管場所には気を使う必要があります。
やっぱ、デシケーターとかは持っておきたいですよね。
かつ、P820 TUBEの電源ユニットがそれなりにでかいので設置場所もスペースが必要です。
持ち運び用のキャリングケースも大きいので、置き場所の確保が必要ですね。
※キャリングケースはかなりでかい
更にはマイク自体も重たいので、マイクアームで対応するのは無理です。
ライブハウスなどで用いるマイクスタンドが必要となり、REC場所もスペースが必要です。
そんなわけで、省スペースでライトに宅録しようと考える人が手を出す製品ではありません。
それなりに部屋のスペースがあって、環境づくりに予算を割ける人が買うマイクです。
使い方をちゃんと覚える必要がある
真空管マイクなので、取り扱い方法をちゃんと理解していないと壊れます。
普通のマイクとはセッティングまでの流れが違うので気を付けましょう。
まあ、ヒビノ取扱のものを購入すれば日本語説明書が付属するので、それちゃんと読めばいいだけです。
そんな難しい内容でもないので、本記事でも基本的な使い方を解説しておきます。
電源ユニットの電源電圧が115(下)になっているか確認
ケーブル類を接続して、電源ユニットの電源をONにする。10秒くらいで正面電源ランプが青になる
マイクの真空管が暖まるまで待つ。説明書では最低5分は待つように記載されているので、余裕をもって10分くらいは見ておくとよい
RECが終わったら電源を落とす。マイクが暖かい状態で取り外すとダメージをあたえる可能性があるため、電源を落としてから5分程度待ってから、ケーブル類を外して片付ける
以上です。セッティングでは待つ必要があるので、RECは余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
なお、通常コンデンサーマイクを使用するにあたって必要となるファンタム電源は電源ユニットから供給されているので、オーディオインターフェイス側はOFFにしましょう。
ヒビノさん側にも確認しましたが、「故障のリスクを回避するためにファンタム電源は入れない方がよい」とのことでした。
10万円以内で真空管マイクを買える
AKG P820 TUBEの強みは10万円未満で買えることです。
真空管マイクというと、やっぱり数十万円はするイメージありますが、10万円未満なら手が出せる価格帯ですからね。
自宅の環境を整えて、プライベートスタジオを作ろうと考えている人にはすごく良いマイクではないかと感じました。
付属品も充実しており、製品の造りも非常にしっかりしてます。
P820 TUBEは雰囲気あるんで、自宅にあったらテンション上がりますよね(笑)。
また、ボーカルやアコギの生録をずっとやってると、音の温かみや距離感の重要性はかなり大きく感じますからね。
宅録でもワンランク上の音質を目指したい人には非常に良いマイクだと思いました。
AKG P820 TUBE まとめ
- 10万円未満で買える真空管コンデンサーマイク
- 音が温かくて、近いのでボーカル・アコギで良い距離感を出せる
- マイクの保管環境やRECスペースなど部屋の環境も整える必要がある
ぎたすけ
たけしゃん
AKG P820 TUBEのレビューでした。
自宅で真空管マイク使ったのは初めてだったのですが、やっぱり音が違うんだなぁと感じました。
一方でデシケーターとか設置スペースを確保するとなると、東京の賃貸住宅だと結構大変だな…と思ったり。
導入に当たっては、ご自身の部屋のスペース・環境などを踏まえて検討しましょう。
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