評価:4
ぎたすけ
たけしゃん
でも、アコギ用マイクの中でも高音質だからハマる人にはすごくハマりそう
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audio technica ATM350GL
2019年4月に登場したアコギ・クラシックギターに取付できるコンデンサーマイク、ATM350GL。
ギターボディに取付して、マイク位置を自由に変えられるアイデア商品です。
こういった、マイク取付系の製品はたくさん発売されていますが、マイクの質が非常に良いのがATM350GLの特徴です。
実売価格4.2万円程度と価格帯は高めですが、ライブ・レコーディング兼用の最適解になりそうなアイテムなんですよね。
まずはATM350GLの商品仕様・使い方から解説していきます。
仕様・使い方はいいから、レビューを読みたいという方は<ATM350GLのレビュー>を参照ください。
ATM350GL 仕様の目次
ATM350GLの基本スペック
- 単一指向性
- 周波数特性:40~20,000Hz
- S/N比:65dB
- 最大入力音圧レベル 159dB
- 取付可能幅(推奨値)90mm~135mm
ATM350GLはバックエレクトレットコンデンサー型を採用したマイクです。
スタジオレコーディングで使われるコンデンサーマイクは、DCバイアスコンデンサー型が一般的。
バックエレクトレットコンデンサー型は音の繊細さはDCバイアス型に劣るものの、耐久性・耐風性は強め。
なので、レコーディングから一般放送・ライブなど広い用途で使用されています。
取り付けるギターマウントは幅を調整できる仕様で、推奨値は90mm~135mmです。
よくあるドレッドノートは100mm程度、グランドオーディトリウムは95mmと普通のギターは問題ありません。
対して、リトルマーチン(ミニギター)は75mm程度なので取り付けできません。
購入前にギターの幅が推奨値以内に収まっているかをメジャーで確認しておきましょう。
ATM350GLの取り付け方
ATM350GLは3つのパーツで構成されており、各パーツを組み立ててからギターに取付します。
非常に簡単で、説明書とかなくてもパッとできちゃうレベルです。
まずは3つのパーツがこちら。
マイク&グースネック
ギターマウント
パワーモジュール
そして、この3パーツの組み立てからギター取付を流れで解説していきます。
手順だけ見ると、やや長そうですが、実際はどの工程も数秒で終わるんで1分で取り付けできます。
ATM350GLの本体機能
ATM350GLのパワーモジュールというパーツにローカットフィルターの切り替えスイッチがついています。
スイッチを上に切り替えると、80Hz以下をカットするローカットフィルターがかかります。
レコーディング時はDAWで調整するので、あまり使うことはないです。
ライブでもPA側でローカットしてもらうことが基本ですが、PAいない現場などで使えそうです。
付属品
- ATM350GL 本体
- 専用ケース
- バイオリンマウント
専用ケースはATM350GL本体一式が入るので、結構大きめです。
中を開けるとクッションと固定用の両面テープがついています。
ちょっと大きいですが、鞄などには全然入るので持ち運びは楽です。
ちなみにギター用のセットなのですが、なぜかバイオリン向けの固定テープ(バイオリンマウント)が付属しています。
ギターとバイオリンの両方やる方がいれば、活用できます。
齋藤ジョニーさんとかバイオリンも弾いてたので、両方やる人もいるっちゃいるのかも。
ATM350GLをレビュー
それでは、ATM350GLを具体的にレビューしていきます。
総評すると、「価格は高いけど、かなり使える」です。
価格は4.2万円と高いのがネックですが、音質は良好でマイキングの自由度も高いです。
レコーディングでもライブでも使えるので、現状持っている楽器・機材によっては最適解になりそうなアイテムです。
ATM350GLのレビュー目次
音質はすごく良い
ATM350GLは各音域バランスよく、輪郭もあって良い感じのアコギ音が録れます。
バックエレクトレットコンデンサー型のマイクって、DCバイアスコンデンサー型に比べて音質悪いと思ってましたが、そんなことなさそうですねぇ…。
実際にDCバイアスコンデンサー型のAT4040(3.2万円)、同じバックエレクトレットコンデンサー型のAT2020(1万円)をATM350GLと比較してみましょう。
AT4040
AT2020
ATM350GL
個人的にはAT2020よりはATM350GLのほうが明らかに良く聴こえます。
そして、AT4040と比べても遜色ないレベルで録れています。
AT4040のアコギ録りの音は、僕的に3万円近辺のコンデンサーマイクでは一番好きなんですよね。
バックエレクトレットコンデンサー型のATM350GLでAT4040とこれだけ近い音が録れるとは…。
これは偏見を改めねばなるまいて…。
今度はライブでアコギマイクとして、よく使うダイナミックマイク SHURE SM57と比べてみましょう。
ATM350GL
SM57
さすがに音の解像度が違う感じですね。
ATM350GLの音のほうがクッキリと輪郭が出て心地良いです。
利便性の高い取り付けタイプのコンデンサーマイクで、この音質は素晴らしいです。
マイキングの位置は要調整
ATM350GLはグニョっと曲げて調整できるグースネックです。
かなり自由度高く、グニョグニョ曲げられるのでマイキングは自由自在。
そして、マイキングで音が大きく変わるので調整が超重要です。
僕が試した感じは下記の位置が推奨です。
- アコギの最終フレットあたりを狙う
- アコギ本体からマイクは結構離す
サウンドホールに近いと低音が強すぎてバランス悪くなります。
なので、サウンドホールからはやや外した上で距離も開けた方が良いです。
実際に僕的に良かったポジションとダメなポジションの音を聞き比べてみましょう。
良かったマイクポジション
ダメなマイクポジション
ダメなポジションは低音が出すぎちゃって、音のバランスが酷いですね(苦笑)。
ローカットで低音切る手もありますが、マイキングの調整で何とかしたほうが出音が良くなるのでマイキングを頑張りましょう。
また、マイクと右手がぶつからないように意識することも重要です。
音が良かったマイクポジションは右手も当たらないので、このポジションが推奨ですね。
ATM350GLを使ってみて、改めてマイキングの重要性を痛感しますね…。
なお、グースネックはグニョグニョ動きますが、ギタープレイくらいの振動ではビクともしませんので安心です。
ケーブルの取り回しは決めた方が良いかも
マイクから出ている細いケーブルですが、放置するとぶら~んと左足付近に垂れます。
ライブでは邪魔にならないように、テープかなんかでギターボディ背面に固定しちゃった方がいいですね。
マグネットタイプのピックアップを使っている人とかと同じ要領です。
※ボディ背面でケーブルさばいてるエレアコ
ちなみにマイクからギターボディ背面まではグースネックの留め具で誘導できるようになってます。
グースネックが良い感じにできていて、使いやすくて良いですね。
ギターに跡がついたりはしない
ギターマウントにはゴムパッドがついています。
なので、ちゃんと未使用時は外すなど常識的な使用方法をしていれば、ギターが痛む心配はありません。
とはいえ、ほんとに傷がつかないか不安かと思うので、2日間つけっぱなしにして実験してみました。
対象はラッカー塗装のギターとナチュラルフィニッシュのギターの2本です。
2日間付けっ放し後のラッカー塗装ギター
2日間付けっ放し後のナチュラルギター
ラッカー塗装もナチュラルも、取り付けた跡や傷は全くつきませんでした。
ちゃんと未使用時は取り外すようにすれば、ギターへのダメージは気にならないですね。
ATM350GLがハマる人
僕なりに考えたATM350GLがハマる人はこの2パターン。
- Gibson、Martinのエレアコ持ってる人
- 複数のギターでマイクを使いまわしたい人
両方当てはまる人はATM350GLはかなり良いと思います。
それぞれの理由を解説していきます。
Gibson、Martinのエレアコ持ってる人
GibsonとMartinのエレアコのピックアップはインブリッジピエゾが主流です。
カスタム品以外だとGibsonはL.R.Baggs、MartinはFishmanのインブリッジピエゾが採用されています。
(参考)各ギターメーカーのピックアップ
バンドだといいんですけど、弾き語りとかアコギの音がメインになる形態だとインブリッジピエゾって微妙なんですよねぇ…。
そんなわけで弾き語りで活動する人はわざわざ、デュアルピックアップに乗せ換える人も多いんです。
その時の選択肢として、ピックアップ載せ替えじゃなくてATM350GLを足すっていう選択肢はかなりいいと思うんですよね。
デュアルピックアップも良いですが、ATM350GLほど良好な音質にはならないですからね。
秦基博さんもアコースティック形態のライブツアー「Green Mind」でアコギに取付式のマイクを使っていました。
弾き語りとかアコギの音が前面に出る構成だと、外部マイクで拾う音が一番いいですからねぇ。
- バンド→ピエゾで対応
- 弾き語り→ATM350GLで対応
- アコースティックユニット→ピエゾ・ATM350GLのデュアルで対応
こんな感じで形態に合わせてベストチョイスできるので、使い勝手が良いです。
また、ATM350GLなら宅録のレコーディングやライブ配信でも活躍できるのも大きいです。
ATM350GLはマイクスタンド不要なので、自宅で弾き語り録るときもスペース的に楽なんですよね。
僕も自宅でのライブ配信はPCデスク前からやるので、マイクスタンド2本立てるのしんどくてギターはピックアップで拾ってますしね。
マイクスタンド不要なのは、自宅でのYouTube撮影やライブ配信など地味に色々助かるんですよね。
複数のギターでマイクを使いまわしたい人
ATM350GLの強みは色んなギターに使いまわせることです。
内蔵のピックアップと違って、取り付け・取り外しが前提の製品なので簡単に使いまわせます。
特に運用しやすそうな人はアコギ・ガットギターを使い分ける人ですね。
ガットギターはエレガットもあるものの、ナイロン弦の特徴を出すためにマイクで音を拾いたいところ。
テープでマイク張り付けてる人も、よく見ますがATM350GLだと固定が楽でスマートで安心です。
4.2万円という価格感もピックアップの中では高いほうですが、使いまわせることを考えればコスパ的に悪くないです。
穴開け加工したくないギターなどにも使えるのもポイント高いです。
audio technica ATM350GL まとめ
- ギター本体に取付るタイプのコンデンサーマイク
- 音質は通常のコンデンサーマイクと比べても遜色ない
- 色んなギターに使いまわす人、ピエゾにナチュラルな音を足したい人向け
ぎたすけ
たけしゃん
audio technica ATM350GLのレビューでした。
取り付けタイプのコンデンサーマイクはこれまでもありましたが、かなりレベル高い商品でした!
僕もガットギターや生音重視のギターを買おうかなと思ってたので、そのときにATM350GL使えそうだなぁと思いましたね。
ニッチな製品ではありますが、弾き語りやソロギターやってる人で欲しい人は多そうな商品です。
ライブ・レコーディングでのアコギの音に悩んでる人は、ぜひ検討してみてください。
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