Steinberg UR242をレビュー。充実した機能を兼ね備えたオーディオインターフェイス

オーディオ機器

評価:3.5

ぎたすけ

オーディオインターフェイスって見た目だけだと入出力多いのか少ないのかわかんないよな。見た感じはUR22Cとかと大して変わらないけど

たけしゃん

前面は一緒でも、背面に端子がいっぱいあったりするからね

UR242は4IN 2OUTだから2万円台にしては入力端子が多い機種だよ

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たけしゃん

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ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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Steinberg UR242

  • 4IN 2OUTの充実した入出力
  • 配信で使えるループバック機能付き
  • 内蔵エフェクト搭載
  • Cubase AIが付属

2万円ジャストの価格帯で充実した機能を兼ね備えたオーディオインターフェイス Steinberg UR242。

歌ってみた、弾いてみた、ライブ配信、DTMと幅広く対応可能。

そして、1万円台のエントリーモデルと比較して入出力やエフェクト機能などが充実しているため、一歩踏み込んだ使い方ができます。

まずはSteinberg UR242の特徴を見ていきましょう。

Steinberg URシリーズの中間

URシリーズの機能比較表

UR242は人気のSteinberg URシリーズでちょうど真ん中のクラスにあたります。

それぞれの特徴を簡単に書くと…

  • UR12…最低限の入出力端子に絞ったエントリーモデル
  • UR22C…マイク接続やMIDI入出力が増えたDTMer向けのベーシックモデル
  • UR242…入力数4つに増やしてエフェクト機能と搭載したモデル
  • UR28M…出力数・モニターコントロール機能を強化したモデル
  • UR44…入出力数を増やして機能性を高めたモデル
  • UR824…プロユースにも応えられるモデル

…とこんな感じでです。

2019年からSteinberg UR-CシリーズというUSB3.0に対応した新シリーズが発売されています。

ただ、おそらく後継に当たるUR24Cは2IN 4OUTなんですよねぇ…。4INが欲しい人はUR44Cまでランクを上げる必要はありますね。

4IN 2OUT

  1. ファンタム電源対応のコンボジャック2つ
  2. LINE入力端子2つ(裏面)
  3. LINE出力端子2つ(裏面)
  4. MIDI入出力

入力端子はまず、前面にXLR・LINE両対応のコンボジャックが2つあります。

ファンタム電源対応でそれぞれの端子にPADスイッチが付いています。

PADスイッチ
入力信号の音量を一定量下げることができるスイッチのこと

エレキギターなどとの接続に使うHi-Z機能を備えているのは左側 INPUT1のみです。

エレキギター、エレキベースなどパッシブタイプの楽器を2本同時に接続したい方は1つ上のグレードであるUR44を買いましょう。

補足
プリアンプを通してアクティブタイプに変えるのもありです。ベーシストはプリアンプを挟む人が多い印象です

裏面にLINE入出力とMIDI入出力があります。

弾き語りシンガーソングライターだと2IN 2OUTで足りる人が多いですが、多人数で一発録りするときには助かりますね。

内蔵エフェクト

DSP内蔵エフェクトに対応しており、オーディオインターフェイスでエフェクトをかけられます。

UR242を選ぶ理由として一番大きいのが内蔵エフェクトです。

ライブ配信でオーディオインターフェイスのみでエフェクトをかけられるため、配信ツールを使う必要がなくなるためです。

エフェクトのコントロール自体は本体でなく、PC経由でdspMixFxというソフトウェアを介して行います。

内蔵されているエフェクトは以下の通り。

  • Sweet Spot Morphing Channel Strip(EQ・コンプレッサー)
  • REV-X(リバーブ)
  • Guitar Amp Classics(アンプシミュレーター)

どれも結構良い感じです。

ただし!REV-X(リバーブ)はかけ録りできないため、普通にやるとライブ配信でリアルタイムにかけることはできません。

この点に関しては、気になる人も多いと思うので次章のレビューで詳しく書きます。

UR242のループバック

ループバック機能の説明図解

ライブ配信で使う機能でステミキと呼ばれるものです。

PC内で流しているBGMとマイクからの入力音をオーディオインターフェイスを介して配信で流すことが可能です。

喋っている時に効果音を出したり、BGMを流したり…と活用範囲は広いです。

配信をしたいと考えているなら、ループバック機能は必須と言ってもいいくらいの機能になりつつありますね。

iPad / iPhone 接続可能

UR242はiPhone、iPadに接続して使用することが可能です。

接続には別途、Apple iPad Camera Connection KitもしくはLightning – USB カメラアダプタが必要です。

Andoroidは非対応です。

実際、動くらしいですが公式には動作保証されていませんので自己責任でお願いします。

また、UR242からはACアダプタでの電源供給なので、iPhone・iPadでも電源供給方法は変わりません。

補足
下位モデルではモバイルバッテリーやUSBタイプのACアダプタを自身で用意する必要がある

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Steinberg UR242をレビューする

PCを入力している人

はじめに総評すると「多人数で一発録りする人には最適な製品」です。

UR22CでなくUR242を買おうか悩んでいる人は悩んでいる理由によっておすすめかどうか変わります。

まず、DTMでも活用しつつライブ配信で手軽にエフェクトをかけれる機種を探している…という人にはイマイチです。

リバーブを活用するのに一手間いりますからね。

逆に入出力数が足りないという理由でUR242を検討されている方はマッチします。

ここまで低価格で優れた4INの機種は他にありません。

音質は良好

入力端子であるコンボジャックには安定のYAMAHA Class A マイクプリアンプD-Preが採用されています。

YAMAHAのミキサーにも採用されている、定番のプリアンプです。

ライブハウスやリハーサルスタジオなどでも、D-Preが入っているYAMAHAのミキサーは多く使われていますからね。

安くて入力数が多いUR242ですが、綺麗でちゃんと太い音が出力されます。

ur242は多人数配信に最適

4INは1人だと、そんなに活躍する機会はありません。

外部音源を別途つなぐには便利ですが、ソフトウェア全盛の今の時代だと利用している人も少ないですしね。

ですが、多人数で一発録りや配信するには非常に便利です。

例えば、スキマスイッチのようなアコギボーカル&キーボードやゆずのようなアコギデュオも同時録音可能です。

なので、ユニットを組んでる方や配信を複数人でやる方におすすめの機種です。

リバーブのかけ録りは工夫が必要

DSP内蔵エフェクトのうち、REX-V(リバーブ)だけ、かけ録り(リアルタイムエフェクト)できません。

メーカーの仕様書通りに書くと「 DSP 版 REV-X は録音チャンネルに対し、モニター専用として機能します(かけ録りはできません)」ということです。

試してみた感じだと、内部のルーティンがこんな感じになってます。

UR242 エフェクト

DSP内蔵エフェクトのうち、REX-V(リバーブ)だけ別の扱いとなっており、LINE OUTとモニターにしか出力できません。

そのため、リバーブをかけ録りしてPCに音を送ることができないわけです。

ただ、LINE OUTには出力されるのでかけ録りした音をPCに無理やり送れないことはありません。

例えば、LINE OUTとPC側のサウンドカード入力端子を接続すればかけ録りした音を送れます。

補足
音質がPC側のサウンドカードに依存してしまうので、推奨しません

また、LINE OUTをUR242の余ってる入力端子に繋いで、無理やりPCに送ることもできます。

補足
配信ソフト側の入力設定はLINE OUTと繋いだ入力端子を指定しましょう

なので、リバーブかけ録りができないわけでもないですが一工夫いります。

ちなみに本当に合ってるのか不安だったので、メーカーさんに聞いたところ仕様に対する認識は合ってるそうです。

また、メーカーさんからはLINE OUTからPCに送る方法については

「エフェクトはVSTプラグインとしても使えるので、配信ツールがVST対応していればプラグインをご使用ください」

と回答されました。

まあ、そんなわけでLINE OUTからPCへ無理やり送る手法は自己責任でやりましょう。

ちなみに色々調べていたらギター講師YouTuberの瀧澤さんが解説されていました(基本は上記解説と同じ内容です)。

【UR242でリバーブを掛けて生配信する方法】ツイキャス・YouTube・ニコ生など

内蔵エフェクトは良好

リバーブのかけ録りは一工夫必要ですが、エフェクト自体はどれも良好です。

EQ、コンプレッサー、リバーブどれも結構良い感じにかかります。

dspMixFx画面もDAWの画面と同じようなもので、直感的にコントロールしやすいです。

2万円ジャスト…という価格帯を考えると内蔵エフェクトや入出力数など機能性は素晴らしい機種ですね。

競合機種との比較

オーディオインターフェイスの比較表

UR242と主に競合となりそうなのは3機種。

  • Steinberg UR22C
  • YAMAHA AG03
  • Roland RUBIX24

最も機能的に近いのはRoland RUBIX24ですね。

RUBIX24は本体操作のみで使えるコンプレッサー/リミッターが魅力。

機能面、コスパはUR242のほうが優れているため、本体操作のコンプが不要な方はUR242が良いでしょう。

同じURシリーズであるSteinberg UR22Cとの比較についてはシンプルですね。

UR242のほうがLINE入力が2つ多く、価格差は4,000円です。

純粋に多人数録音をするならUR242。しないならUR22Cというわかりやすい切り分けですね。

UR242

UR22C

UR242におすすめのマイク

C214の正面写真

UR242とセットで買う、おすすめのマイクはズバリ AKG C214です。

プロのレコーディングスタジオで定番となっているAKG C414を基にDTMer向け安価版として発売された製品ですね。

AKG C414-xlii
C414 XLII

UR242自体がエントリーモデルから1段ランクが上がったオーディオインターフェイス。

なので、マイクが足を引っ張らないようにそれなりのランクのものを使ったほうが良いです。

AKG C214は本格的なDTMをやる方にもよく使用されているマイクです。

初期状態で高音が強めにチューニングされており、音の抜けも安価なコンデンサーマイクよりグッとよくなります。

実際にボーカルとアコギを録った動画がこちら。

別の人の彼女になったよ / wacci ギター弾き語り Cover

音は高音が強めにチューニングされていて、ボーカル録りやアコギ録りには使いやすいですね。

そして、小さくてコンパクト。重さは280gと非常に軽いです。

C214の付属品一式

この軽さなら卓上マイクスタンドでも問題なく使えますので、自宅での使いまわしが非常に楽です。

自身でボーカル録り、アコギ録りを完結させたい人にはおすすめのコンデンサーマイクです。

AKG C214

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UR242

Steinberg UR242 まとめ

コップと本
  • 2万円で買える入出力・内蔵エフェクトが充実したオーディオインターフェイス
  • リバーブだけ、かけ録りするのに一工夫が必要
  • 1人で使うならUR22C、多人数録音をすることがあるならUR242という切り分けが良い

Steinberg UR242の解説でした。

リバーブの使い方に少し癖がありますが、機能面や音質は2万円にしては非常に充実しています。

ユニットを組んでる方などにはおすすめできる機種ですね。

DTMからライブ配信までいろんな場面で万能に使える機種なので、持っていると活動の幅が広がりますね。

UR242

UR22C

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