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ぎたすけ
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AKG P120
プロユースの製品を多く販売している有名なマイクメーカーAKG。
そのAKGが作る低価格帯モデルのマイクがAKG P120です。
P120は宅録などプライベートスタジオでのレコーディングを想定して作られたAKG Project Studio Lineの下位モデルです。
製品名 | 特徴 |
P120 | 低価格でシンプル 単一指向性 実売価格 9,000円 |
P170 | 楽器録りに適したマイク 単一指向性 実売価格 10,000円 |
P220 | オーソドックスなマイク 単一指向性 実売価格 13,800円 |
P420 | 指向性切替可能 温かみのある音 実売価格 23,000円 |
P820 Tube | 真空管マイク 指向性切替可能 実売価格 80,000円 |
P120の実売価格は8,000~9,000円程度。
かのAKGのマイクが1万円未満で買えるのは、ほんと驚きです。
しかも、使ってみるとキレイに音が録れるので更に驚き。
早速、AKG P120の製品仕様から解説していきます。
仕様を飛ばして、レビューを見たい方は<AKG P120をレビュー>を参照ください。
P120の製品仕様 目次
カーディオイド
※ヒビノ商品ページから引用
AKG P120の指向性はカーディオイド(単一指向性)となっています。
正面の音のみを拾うタイプです。
指向性の表を見た感じ、複雑な感じに見えますが、使ってみると普通のカーディオイドという印象でした。
ボーカル録り、楽器録りで使うのに適している仕様になっていますね。
もちろん、ナレーションとか話し声を録るにも適しています。
周波数特性
※ヒビノ商品ページから引用
周波数特性は20Hz~20kHzとコンデンサーマイクでは標準的な範囲。
非常にフラットな音域特性になっており、高音域で少し山がある程度です。
また、低価格帯では珍しく本体にローカットフィルターがついています。
スイッチを左に切り替えるとローカットフィルターがONとなります。
先ほどの周波数特性の表で言うと緑色のラインがローカットフィルターONの場合になっています。
宅録だと音を録った後にソフトウェアのEQでローカットすることが多いですが、ライブ配信やるときなどは環境によってローカットフィルターONにしとくといいかもしれないですね。
なお、本体には音を-20dB減衰させるPADスイッチも搭載されています。
PADスイッチを-20dB側に切り替えると、音量がガクンと下がります。
宅録で歌やアコギを録る分には使うことはほとんどないと思いますが、マイク本体だけで音量を調整したいときに便利です。
大きさ・重量
- 寸法:54×166mm
- 質量:456g
AKG P120は大きさは標準、質量は重めです。
貧弱なマイクスタンドだと支えられない場合があるので注意が必要ですね。
自宅のマイクスタンドでテストした結果がこちら。
- ブームスタンド(TAMA)…〇
- ブームスタンド(KC)…〇
- ブームスタンド(ノーブランド)…△
- Roycel マイクアーム…〇
- ブーム型卓上スタンド…×
ノーブランドの安いやつだと厳しいです。
それなりにちゃんとした定番マイクスタンドを選択しましょう。
スタジオで定番のKCブームスタンドなら、余裕で安定します。
デスクに取り付けるマイクアームでもKTSOULは安定して支えられてます。
このどちらかをセットで購入すると良いでしょう。
付属品
AKG P120の付属品はマイクスタンドに取り付けるためのスタンドアダプタのみです。
スタンドアダプタには3/8変換ネジも入っています。
スタンドアダプタはマイクとマイクスタンドを直接接続するため、床の振動ノイズなどを拾いやすいデメリットがあります。
スタンドアダプタ(P120)
ショックマウント(P220)
使ってみて、振動ノイズが気になる人は別売りのショックマウントを購入しましょう。
僕が自宅で使ってみた感じはスタンドアダプタで問題なかったです。
また、マイク本体が456gと重めなのでショックマウントも軽めのものを選ばないとマイクアームだと支えられなくなるリスクがあります。
たけしゃん
そのため、別売りショックマウントの購入は使用するマイクスタンドの耐荷重との兼ね合いも踏まえて慎重に検討したほうが良いです。
大抵の方は付属のスタンドアダプタで問題ないと思うので、まずは付属品で使用してみることをおすすめします。
AKG P120をレビューする
それでは、具体的にAKG P120をレビューしていきます。
レビュー内容を箇条書きでまとめたものがこちら。
- 安いが音質はしっかりしている
- 付属品の質や耐久性もよさげ
- マイク本体がやや重いのでマイクスタンド選びは注意
- MPM-1000より耐久性や機能面で優れている
こんな感じで、かなり良いですね。
これだけの音質・品質のマイクを8,000~9,000円程度で買えるのは凄いです。
一方でマイクの重量がやや重めだったり、気をつける点もあります。
また、レビューでは6,000円程度で買えるベストセラーマイクのマランツプロ MPM-1000との比較もしていきます。
レビューの目次
1万円未満と思えない音質の良さ
AKG P120でボーカルとアコギ、コーラスなどを録ってみました。
1万円未満のマイクとは思えないレベルですね。非常にクリアで聴きやすい音が録れます。
ノイズも少ないですし、音の感度も良いです。
1万円未満のマイクでは、間違いなくトップレベルの音質ですね。
実際にボーカルとアコギをP120で別々に録った動画がこちら。
オーディオインターフェイスは1.6万円程度で買える、Steinberg UR22Cを使ってます。
このレベルの音質で録れれば、YouTubeやライブ配信など一通りのことは全く問題ないですね。
音の特性としては気持ちハイが上がってる感じですが、ボーカルもアコギも素直な音が録れてました。
逆にちょっと音に物足りなさも感じますが、1万円未満であることを考えると十分すぎるクオリティです。
普通の話声もクリアかつ低ノイズに録れるので、ゲーム実況やナレーション、テレワークなどにも使えます。
耐久性や付属品の質も良好
AKG P120はマイク本体の造り、付属のスタンドアダプタの質が良いですね。
競合機種に当たるマランツプロ MPM-1000は安くて付属品も多いですが、耐久性が若干不安なんですよね。
AKG P120は付属品は少ないものの、単品の質はMPM-1000に比べて良好です。
こういった部分で、AKGは有名な老舗メーカーという感じがありますよね。
AKGはメーカー保証自体も2年と長めなので、安いながらも安心して長期的に使える製品になってます。
質量がやや重いのでマイクスタンド選びは注意
マイク本体の質量が456gとマイクの中ではやや重めです。
また、付属のスタンドマウントも造りがちゃんとしていて、結構重めなので合わせると500g以上はありそうです。
そのため、簡易な卓上型スタンドで支えるのが厳しいです。
※簡易な卓上型スタンド
KCのグースネックは安定して支えられたので、卓上型スタンドを使うならKCグースネックを推奨します。
また、AKG P120の重量であればマイクアームは割と普通に支えられます。
ノーブランドの製品はネジ回りが雑でグラつくのが結構多いです。はずれを引かないように定番品を買うようにしましょう。
MPM-1000との比較
AKG P120と競合するのが、6,000円程度で買える人気のコンデンサーマイク マランツプロ MPM-1000です。
僕はMPM-1000も持っているので、両製品を比べてみるとこんな感じです。
とまあ、こんな感じで音質は両方良好です。
MPM-1000で録った動画
どちらのマイクも1万円未満とは思えないレベルですね。
パーツの耐久性などはP120のほうが優れてます。
付属品はMPM-1000のほうが多いもののチャチな感じで、P120はスタンドアダプタだけですが、しっかりした造りです。
※MPM-1000の付属品を並べた写真
なので、両製品を比べるとこんな結論になります。
- コスパ的にはMPM-1000が優勢
- 耐久性など長期使用の観点ではP120が優勢
買い替えはせずに同じマイクをずっと使い続ける…ということならAKG P120が推奨です。
逆にまずは低予算でマイクを購入して、何年かしたらいいマイクに買い替えたいというならMPM-1000で良いかなと感じます。
MPM-1000も造りは若干チャチではありますが、落下や衝撃に強くないというだけで、取り扱いに気を付ければ何年も使えますからね。
僕も買ってから数年は経ってますが、付属のショックマウントが歪んだくらいで問題はないです。
このあたりはコスパと耐久性の兼ね合いですね。
価格的にも2,000~3,000円の差なので、自身の予算に合わせて検討するのが良いでしょう。
AKG P120におすすめのオーディオインターフェイス
AKG P120とセットで買うオーディオインターフェイスでおすすめなのはSteinberg UR22Cです。
UR22Cは1.6万円程度で買える機種ですが、音質も良く、多機能で非常に使いやすいです。
(再掲)P120とUR22Cで録った動画
付属にCUBASE AIとCubasis LEがついてくるので、PCでもスマホでも音楽制作可能です。
上記の動画も音はCUBASE AIで録ってます。
また、UR22Cは配信で便利なループバック機能や内蔵エフェクトもついており、専用アプリで調整することができます。
アプリはPC用とスマホ用の両方が用意されていて、スマホだけでも色々と調整できるのがほんとに便利なんですよね。
たけしゃん
僕もDTM、YouTube動画の制作、スマホでのライブ配信は全部UR22Cでこなしてます。
もっと低価格なオーディオインターフェイスはありますが、UR22Cなら何をやるにも便利なので予算を上げてでも購入する価値がありますよ。
AKG P120 まとめ
- 1万円未満で買える有名メーカーAKGのコンデンサーマイク
- 低価格だが音質や付属品の質は良好
- マイクがやや重いので、簡易なマイクスタンドだと支えるのは厳しい
ぎたすけ
たけしゃん
AKG P120のレビューでした。
低価格でありながら、よくできたマイクだなーと感心しました。
最近はほんとに低価格でも、良い音質で録れる機材が増えたなぁ…と感じます。
低予算で気軽にチャレンジできる環境は整っているので、ぜひ歌ってみたやライブ配信にチャレンジしてみましょう。
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