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Martin(マーチン) D-35
他のMartin(マーチン)Dシリーズに遅れて、1965年に登場したMartin(マーチン)D-35。
Martin(マーチン)20シリーズ、40シリーズのサイド&バックに用いられたハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)が少しずつ枯渇してきたことを背景に生まれたギターです。
ギターヘッド、ネック、ボディの装飾からピックガードまで、基本の仕様はD-28とほぼ同じです。
特徴はサイド&バックがローズウッド、メイプルで繋いだ、ローズウッドの3ピースバックになっていることです。
木材の枯渇をきっかけに造られたギターですが、他のMartin(マーチン)ギターとは異なるキャラクターの音質は好評。
フィンガースタイルのプレイヤーやフォークシンガーに長年愛用される名ギターです。
まずは現在製造されているD-35の仕様を見てみましょう。
Martin(マーチン) D-35 ボディの形状
- 全長 40.25インチ
- スケール長 25.4インチ
- ボディ幅 15.6インチ
- ボディ長 20インチ
- ナット幅 42.8mm
(参考)ギターの寸法用語
D-35はアコースティックギターの標準ともいえる、Martin伝統の14フレットジョイントのドレッドノート。
アコースティックギターの基本形となっているボディサイズです。
ドレッドノートは低音が力強く、生音の音量も豊か。
弾き語りから、バンドのボーカルギター、ソロギターまで何でもこなす万能選手です。
フィンガースタイルのプレイヤーからフォークシンガーまで愛用者がいることからも万能に演奏をこなせるギターなことがわかりますね。
加えて、D-35はボディ内部のブレーシング位置がD-28と比べて、4mmほど低く共鳴が強い特徴があります。
ローズウッドの伸びの良い音にパワーが欲しい人はD-35を試してみましょう。
Martin(マーチン) D-35 木材
- トップ材:シトカスプルース
- サイド&バック:イースト・インディアンローズウッド
- ネック:セレクトハードウッド
- フィンガーボード:エボニー
- フィニッシュ:グロス
使用されている木材はD-28と一緒ですね。
Martin(マーチン)伝統のスプルース × ローズウッドの組み合わせです。
D-35の特徴はバックがローズウッドの3ピースバックとなっていることですね。
大型な木材を調達することが難しい時代に生まれたギターなので、複数の木材を繋ぎ合わせているわけです。
ちなみにギターには単板と合板という概念があります。
この単板と合板の違いは厚みの話であり、何も重ねていない木材を単板、複数の木材を重ねたものを合板と呼びます。
2ピースや3ピースのように複数の木材を横に繋ぎ合わせる場合は単板と合板に関係しません。
D-35は単板の木材を繋ぎ合わせているので、3ピースですが扱いは単板となるわけです。
プライは音の響きに大きな影響が出ますが、ピースはニワカの接着剤が間に挟まるものの音への影響はプライより少ないです。
そんなわけで、D-35は3ピースバックですが豊かな鳴りがするためプロアーティストでも使用者がいるわけですね。
ピックアップ
ピックアップは標準ではついていません。
オプションでMartinとFishmanが共同開発した、MARTIN Thinline 332+Plusが付いたモデルも選択できます。
ピエゾタイプのピックアップで音はおとなしめです。
弾き語りで使うなら、ピックアップ非搭載モデルを買ってデュアルピックアップを後付けしたほうが使いやすくはありますね。
Martin(マーチン) D-35 年代別の変化
たけしゃん
それでは、1965年から作られているD-35を年代別で解説していきます。
D-35はスペックはD-28の上位機種にあたります(といっても仕様はほぼ一緒)。
ですが、Martin(マーチン)では異色の3ピースバックであることから、Martin(マーチン)ヴィンテージギターの中では価格が低めです。
音質はキャラクターが違うだけで、他機種に全く負けていないため、掘り出し物を探したい人にはおすすめのギターといえます。
1960年代
※6弦ギターがないため、参考で12弦ギターのD-35です
- トップ材:シトカ・スプルース
- サイド&バック:ブラジリアン・ローズウッド(ハカランダ)
1960年代はフォーク・ブルーグラスブームがきている時代。
更にThe Beatlesが登場し、音楽史に残るアーティストが数多く生まれた時代でもあります。
もちろん、Martin(マーチン)のギターは名だたるスターに使用されていました。
1960年代の主な仕様変化
- 1966年…ピックガードがべっ甲柄から黒に変わる
- 1967年…ネック補強材がTバーからスクウェアロッドに変わる
- 1968年…ブリッジプレートがメイプルからローズウッドに変わる
- 1969年…サイド&バック材がハカランダからインディアン・ローズウッドに変わる
最も、大きい仕様変化は1969年後半にあったサイド&バックがハカランダからインディアン・ローズウッドに変わったことですね。
ヴィンテージ市場でもハカランダ仕様のギターは一気に価格が高騰します。
1960年代のD-35はヴィンテージ市場でもそこそこ見かけますが、数は多くはないです。
都内では御茶ノ水エリアのヴィンテージギターショップに集まっている印象ですね。
1970年代
- トップ材:シトカ・スプルース
- サイド&バック:インディアン・ローズウッド
1970年代のD-35はサイド&バック材がインディアン・ローズウッドに変わります。
それ以外ではペグがグローバー102Cに変わっています。
1970年代のD-35はサイド&バック材以外に目立った仕様変更はありませんが、20~30万円で買えるものもあり、イルカさんをはじめ往年のスターアーティストが使っていたこともあり人気があります。
ヴィンテージ市場でも1970~1980年代のD-35は割と多く存在するため、掘り出し物を探すには最も狙い目な年代ですね。
Martin(マーチン) D-35 相場価格
D-35の年代別 ザックリな金額間
- 1960年代 D-35…50~100万円
- 1970年代 D-35…20~40万円
- 新品のD-35 …35万円程度
Martin Dシリーズでは比較的、安めの価格で手に入れやすいのがD-35です。
特に1970年代 D-35や中古のD-35は20万円台もあったりするので、手が出しやすい価格ではあります。
鳴りは全然良いですし、使用者も少ないので意外と狙い目なギターですね。
Martin D-35 買取 相場価格
- 良品(ちょい傷程度)…10万円程度
- 並品(汚れ・傷あり)…9万円程度
D-35は販売価格に対して、買取相場価格は安めに設定されています。
まあ、中古市場でもD-35は安いですからね。
…とはいっても10万円近い値段がつくポテンシャルをもっているギターです。
今は家で眠らせている人は買取査定に出してみると良いでしょう。
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Martin(マーチン) D-35の主な使用アーティスト
- イルカ
- 遠藤賢司
- 菅田将暉
- 中野督夫
- なぎら健壱
フォークシンガーの方が多いですね。
最近の使用者が菅田将暉さんくらい。吉田拓郎さんの大ファンらしく、その影響だそうです。
D-28の使用者が圧倒的に多いため、違うギターを使うこともセルフプロデュースと言えます。
D-35も音質は全く引けを取らないので、弾いてみて相性が良ければ検討の価値はあるギターです。
Martin(マーチン) D-35の解説をして
ぎたすけ
たけしゃん
Martin(マーチン)D-35の解説でした!
あらためて、ザックリとした年代別の価格帯を書くと…。
D-35の年代別 ザックリな金額間
- 1960年代 D-35…50~100万円
- 1970年代 D-35…20~40万円
- 新品のD-35 …35万円程度
1960年代はブラジリアン・ローズウッド(ハカランダ)の希少価値で高騰しています。
ただ、ブラジリアン・ローズウッド(ハカランダ)使用時代のMartinギターでは最も安く買える機種なので検討の価値はあります。
D-35を使っていると、ギター通なのかな?とか思っちゃいますね。
定番から少し外れた名ギターというポジションは何か良いですよね。
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