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Martin 000-42(マーチン トリプルオー42)
エリック・クラプトンが使用したことで000シリーズ ブームの火付け役となった、Martin(マーチン)000-42。
Dシリーズより少し小ぶりでレスポンスの良いボディがクラプトンのテクニカルプレイと相性良く光っています。
製造期間は特注生産を除くと、1938年~1943年のわずか6年間。
その後は限定モデルなどを販売していたものの、1992年にMTV「アンプラグド」にてクラプトンが使用したことで問い合わせが殺到。
1990年代後半にレギュラーラインナップとして復活し、再販されるようになりました。
フィンガースタイルやブルースギタリストから愛される000-42を、まずは現在の仕様で分析してみましょう。
Martin 000-42 ボディ形状
- 全長 39.75インチ
- スケール長 24.9インチ
- ボディ幅 15.25インチ
- ボディ長 20インチ
- ナット幅 44.5mm
(参考)ギターの寸法用語
000(トリプルオー)サイズはドレッドノート型であるMartin(マーチン)Dシリーズより、全長・スケール長・ボディ幅と全体的に一回り小さくなっているのが特徴。
小ぶりでレスポンスが良く、フィンガースタイルのプレイヤーから愛されているボディ形状です。
000-42はネック幅が44.5mmとMartin(マーチン)ギターでは太いタイプのネックになっています。
44.5mmは各弦の間隔がやや広くなり、左手が細かく動いても指同士がスムーズに移動できるスペースを確保できます。
その反面でネックが太いため、握った時の感覚で違和感があったり、親指を活かしたプレイがやり辛い…と人を選びます。
人気ギターである000-28は42.8mmですが、クラプトンシグネイチャーの000-28ECは44.5mmとなっています。
この2機種もネックの太さで賛否両論あるくらいなので、気になる方は握って感覚を試したほうが良いでしょう。
Martin 000-42 装飾
000-42は45シリーズに次いで、ハイグレードな42シリーズとなります。
装飾に関しては28シリーズに比べて、ギターヘッドのロゴや指板のインレイ、ボディ縁にパール装飾が施されており、豪華になっています。
対して、45シリーズと比較すると指板のインレイサイズが異なり、ボディ縁のパール装飾がトップだけ(45はバックも施されている)といった差があります。
ただ、1938~1943年に製造されたモデルだとギターヘッドのロゴが28シリーズに近かったり、指板インレイも1Fは無しになっています。
近代モデルの方が45シリーズに近く、豪華になっていますね。
Martin 000-42 木材
- トップ材:シトカスプルース
- サイド&バック:イースト・インディアンローズウッド
- ネック:マホガニー
- フィンガーボード:エボニー
- フィニッシュ:グロス
木材の構成はMartin(マーチン)伝統の組み合わせですね。
000-28ではネックがセレクトハードウッドでしたが、上位グレードの000-42はマホガニーが使われています。
ボディはトップ:シトカスプルース × サイド&バック:インディアンローズウッドというMartin(マーチン)定番の組み合わせ。
高音の伸びが良く、1弦~6弦を一気に鳴らした時の音のバランスと響きが心地良いのが特徴です。
フィンガースタイルや刻むストロークでのプレイヤビリティは抜群ですね。
ピックアップ
ピックアップは標準ではついていません。
オプションでMartinとFishmanが共同開発した、MARTIN Thinline 332+Plusが付いたモデルも選択できます。
ピエゾタイプのピックアップで音はおとなしめです。
弾き語りで使うなら、ピックアップ非搭載モデルを買ってデュアルピックアップを後付けしたほうが使いやすくはありますね。
Martin 000-42(マーチン トリプルオー42) 年代別の変化
たけしゃん
1938年より作られている、000-42ですが生産時期は主に2つの時期に分かれます。
- 1938年~1943年(Pre war期)
- 1990年代後半以降
40シリーズは日本から輸入したパールが使用されており、D-45をはじめとしたパールモデルのギターは大戦が激化する1942年で製造中止となってしまいます。
その中で、42シリーズに関しては1943年まで製造されていました。
45シリーズは1968年に製造再開されましたが、000-42についてはクラプトンブームがくる1990年代後半までは限定モデルがたまに製造される程度です。
その分、クラプトンブーム後は様々な種類のクラプトンシグネイチャーモデルが発売されています。
ちなみにクラプトンが使用しているのは1939年製の000-42です。
1938年~1943年(Pre War期)
- トップ材:アディロンダック・スプルース
- サイド&バック:ブラジリアン・ローズウッド(ハカランダ)
Pre War期の000-42は木材やピックガード、ブリッジは上位グレードの000-45と同じ仕様になっています。
装飾部分は現在の000-42とも異なり、指板 1Fのインレイがなく、ギターヘッドも横文字のMartinロゴです。
ネック幅は44.5mmで生産開始され、1939年から他のギターと一緒に42.9mmのナローネックタイプに仕様変更されています。
Pre war期の000-42は6年間しか製造されておらず、本数は非常に少ないです。
そのため、ヴィンテージ市場でも見つけることは難しいですが、1939年仕様の復刻モデルが販売されています。
復刻モデルはトップ:アディロンダック・スプルース、サイド&バック:マダガスカル・ローズウッドを使用しており、ナット幅:42.9mm。
インレイやギターヘッドの仕様などは当時を再現したものになっています。
エリック・クラプトンシグネイチャー
※000-42EC
1995年に登場したエリック・クラプトンシグネイチャーモデル 000-42ECは種類が多数存在します。
ECモデルの000-42
- 000-42EC…最初に発売されたモデル。木材の質が良い以外はレギュラーモデルの000-42と一緒
- 000-42ECB…トップ:イングルスマン・スプルース、S&B:ハカランダの最高級モデル
- 000-42ECB’11…ECBを基にS&B材をインディアンローズウッドに変更したモデル
- 000-42MEC…トップ:カラバチアン・スプルース、S&B:マダガスカルローズウッド仕様のモデル
- 000-42ECJ…日本用に生産されたモデル。木材の質が良い以外はレギュラーモデルの000-42と一緒
- 000-42ECJM…日本用に生産されたモデル。トップ:アディロンダック・スプルース、S&B:マダガスカル・ローズウッド
5種類ですね。
どれも木材は最高品質なものを使っており、レギュラーの000-42より価格も高いです。
また、クラプトンモデルは42シリーズに限らず、ネック幅が44.5mmで統一されているので太めのネックが苦手な人には辛い仕様になっています。
どのモデルも木材の質は最高なものを求めており、あと何十年かするとヴィンテージギターとして、大変な値段が付きそうなものばかりです。
000-42 ECJM
Martin 000-42(トリプルオー42)相場価格
年代別D-45のザックリな金額間
楽器店で見かける価格帯だと、大体上記の通りですね。
通販だと、並行輸入品が多いため値段がもう少し下がっているものもあります。
000-42自体は人気なので、レギュラーモデル以外にリミテッドエディションがたまに作られている印象です。
やっぱり、リミテッドエディションになると100万円を超えるものが多いです。
Martin 000-42 買取 相場価格
000-42
- 良品(ちょい傷程度)…22万円程度
- 並品(汚れ・傷あり)…12万円程度
000-42EC
- 良品(ちょい傷程度)…39万円程度
- 並品(汚れ・傷あり)…33万円程度
000-42は基が高いだけあって、買取価格もかなり高額ですね。
特に000-42ECは希少価値もあるので、何店舗に買取査定出せばもっと高い金額が付く気もしますね。
000-42シリーズは意外とクラプトンブームで買って、今では家で眠らせている人が多いのではないかと思います。
結構な額になるので、買取査定に出してみてはいかがでしょうか。
最短30分で現金化
出張・宅配・店頭を選択可能
Martin 000-42(トリプルオー42)使用アーティスト
- エリック・クラプトン
- 小倉博和
- 森山直太朗
Martin(マーチン)000-42は生産数もそれほど多くないのもあり、使用しているアーティストは少ないですね。
Martin(マーチン)の中でもグレードが高めのギターで新品で買っても、60万円以上するというところも理由かもしれませんね。
Martin(マーチン) 000-42の解説をして
ぎたすけ
たけしゃん
Martin(マーチン)000-42の解説でした!
生産時期も短く、近年に入って作られたモデルはそんなに大きな仕様変化もないので買う時に迷わなそうなギターですね。
000-42のクラプトンシグネイチャーモデルは年々、希少価値が上がって高値で取引されるようになりそうな気がしますねぇ。
新しめの000-42を買って、使い込んで自身でヴィンテージギターを作り上げる…なんてのも夢があって楽しそうですね。
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