評価:4.5
ぎたすけ
たけしゃん
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Apogee Duet 3
入力端子 | コンボジャック×2 1/4 “ライン入力×2 |
出力端子 | 1/4 “ライン出力×2 ヘッドホン端子 ×1 |
サンプルレート | 192kHz / 24bit |
接続端子 | USB-C(2.0) |
対応OS | Win,Mac,iOS |
寸法 (長さ・幅・深さ) | 150×102×30mm (本体ノブ含む) |
重量 | 340g |
コンパクトで高音質、そして優れたデザインで人気の高いApogee Duet 3。
先代のDuet 2から機能性、ルックスなど細かい点をブラッシュアップした3代目のDuetです。
専用アプリ「Apogee Control 2」の使い勝手もよく、DSPエフェクトも搭載されています。
音のクオリティは非常に良いため、スマートでハイレベルな制作環境を作りたい人に適した製品です。
まずはDuet 3の製品仕様と簡単な使い方から解説していきます。
仕様を飛ばして、レビューを読みたい方は<Apogee Duet 3をレビュー>を参照ください。
製品仕様の目次
4in 2out
Duet 3は4in 2outのオーディオインターフェイスです。
付属のブレイクアウトケーブルを介して、本体に楽器を接続できます。
ブレイクアウトケーブルは入力用コンボジャック×2、1/4″ライン入力×2、1/4″ライン出力×2という構成です。
コンボジャックは専用アプリでインピーダンスを変えられるようになっています。
その他、ヘッドホン端子は本体についています。
なお、本体ノブでは音量調整とミュートができるようになっており、操作方法は以下の通りです。
本体ノブを押して、音量調整したい対象を青く点灯させる
ノブを回して、音量を調整する。SPとHPはノブを長押しでミュートになる
なお、FX1とFX2はDSPエフェクトです。
ONの場合は青く点灯し、OFFの場合は消灯しています。
また、自宅で使う場合は別売りのDuet Dockを購入するとブレイクアウトケーブルが不要になるので便利です。
Apogee Control 2
Duet 3はWin、Mac、iOSに対応した専用アプリ「Apogee Control 2」に対応しています。
DSPエフェクト、ルーティングの変更など細かい調整が可能です。
DSPエフェクトは「EQ、コンプレッション、サチュレーション・コントロール」の3つが使用できます。
アナログライクなUIなので、感覚的に使えますね。効きもなかなかにいい感じです。
なお、かけ録りしか対応していないようで、モニターだけ適応させることはできませんでした。
あとはダイレクトモニターやループバック機能などもついています。
取説を読みながら確認したので、使い方を記載します。
ダイレクトモニター
PCを介さずに直接モニターの音をヘッドホンに返す機能がダイレクトモニターです。
PCを介さないため遅延なく、自身の声をモニターできます。
ダイレクトモニターをONにするためには、Apogee Control 2で赤枠部分を設定変更します。
この項目はヘッドホンに出力する音を選択する項目です。
対象部分をクリックすると、選択肢が4つ出てきます。
選択肢 | 出力する音 |
Follow Main | スピーカーと同じ音を出力 |
SW:Playbacks | Playbackチャンネルの音を出力 YouTubeなどPC再生音を指す |
Mixer | Master Mixerの音を出力 任意で出す音を選べる |
HW:Inputs | 入力チャンネルの音を出力 どのチャンネルを出すか選べる |
ダイレクトモニターを使うときは「Mixer」を選択します。
そして、モニターに返したいチャンネルのフェーダーを上げましょう。
PCで再生したオケの音を下げたいときはPlayback 1-2のフェーダーを下げれば下がります。
なお、ヘッドホン同様にスピーカー側に出力する音も右下の項目から選べます。
ヘッドホンとスピーカーで出す音を変えられるので、ライブで使う場合に色々工夫できそうです。
ループバック
PCの再生音をライブ配信などに載せられるループバック機能です。
Duet 3はループバックにも対応しており、Apogee Control 2の「Assign to SW Inputs」でON/OFFできます。
ここで「Software Inputs 1-2」を選択すると、PCの再生音もループして入力されます。
なお、ループして入力する音量は各トラックのフェーダーで調整しましょう。
なお、PCの再生音はPlayback 1-2から出ますが、DAWの音はPlayback 1-2と3-4のどちらから出すか選べます。
DAWは3-4に設定しておくと、PCの再生音とは別管理できるので地味に便利ですね。
付属品
Duet 3の付属品は専用ケース、ブレイクアウトケーブル、USBケーブルです。
USBケーブルはType C to Cですが、Type-A変換アダプタがついており、両対応できる仕様です。
なお、Duet 3はLightningのiOS端末で使う場合、15WのUSB-Cコンセントで電源供給が必要です。
もしくはセルフパワーのUSBハブを使って接続することも可能です。
ちなみにAnkerやRavPowerなど市販の15W出力対応のUSB-Cコンセントを2台試しましたが動きませんでした。
Macbook Pro 2019同梱の96W USB-Cで接続したところ、正常動作かつ安定動作しました。
また、セルフパワーのUSBハブは正常に動作しましたが、たまに落ちたり動作がやや不安定でした。
iOSでの利用が多い人はApple純正のUSB-Cコンセントの購入をおすすめします。
Apogee Duet 3をレビュー
それでは、Duet 3を細かくレビューしていきます。
まず、メリット・デメリットを箇条書きでまとめると以下の通りです。
音質はアンダー10万円の製品ではトップレベルです。
コンパクトサイズで携帯性もよく、PC・スマホどちらからの配信でも使い勝手が良いです。
歌い手・シンガーソングライターにベストマッチしている製品ですね。
レビューの目次
安定のクオリティ
Duet 3でボーカル、アコギを色々録ってみました。
解像度が高く、クリアな音が録れます。
マイクプリのゲインに余裕もあり、さすがのクオリティです。
ボーカル、アコギをDuet 3で録った動画がこちら。
10万円以内で買える製品の中では、トップレベルの音質です。
原音の時点で非常によくて、MIXもすぐに終わりました。
再生音もレンジが広く、クリアで良い音ですね。モニターの音が鮮明で歌いやすかったです。
コンパクトで優れたデザイン
Duet 3はコンパクトでおしゃれなデザインが良いですね。
机に置いても、邪魔にならないですし、見栄えも良いです。
ただ、汚れが目立つデザインなので、清掃は小まめにしたほうが良さそうです。
黒カラーなのもあって、指紋やホコリがかなり目立ちます。
まあ、おしゃれアイテムの宿命とも言うべきでしょうか…。
また、軽量で扱いやすいケースもついているので、持ち運びも楽なのが良いですね。
ノートPCとセットで持ち歩くのにちょうど良いです。
iOSでも動くので、iPhoneとDuet 3だけでも十分高音質なレコーディングが可能です。
配信での使い勝手も良い
Duet 3は専用アプリで音の調整、ループバックの設定が可能です。
RMEやMOTUと比べるとルーティングの自由度はやや劣りますが、普通に配信する分には十分なレベルですね。
また、iOSでの利用においても専用アプリで調整することが可能です。
ループバックONにすると、入力がステレオミックスされるため、ステレオ仕様のアプリでも1chの音をLRから出せます。
そのため、Duet 3はPC、スマホどちらからの配信でも使い勝手は良いですね。
欲を言うとDSPエフェクトにリバーブがあったら、なお良かったですね。
競合機種との比較
最後は競合機種との比較です。
ここではコンパクトで高音質なApollo SoloとBabyface Pro FSを比較対象にしました。
まず、Apollo Soloとの比較です。音質面ではほぼ互角な印象ですね。
Apollo Soloは柔らかくアナログテイストなサウンド、Duet 3はパキッとした明瞭なサウンドです。
Apollo SoloはDSPで動くUADプラグインが強力です。
そのため、エフェクトを使ったサウンドメイクはApollo Soloが優位です。
一方でループバック機能などはないため、配信での利用も考えるとDuet 3のほうが適していますね。
また、Apollo SoloはiOSでは使用できません。
トータルで見ると、Duet 3のほうが汎用性が高いですね。
Apollo SoloはUADプラグインを使いたい人向けという印象です。
続いて、僕もメインで使っているBabyface Pro FSとの比較です。
音質面で比較すると、Babyface Pro FSのほうが解像度はやや高く感じます。
価格的にも2~3万円ほど差があるので、価格相応に差がある印象ですね。
また、Babyface Pro FSのほうがルーティングの自由度も高いです。
専用アプリのRME Totalmix FXはループバックも含めて、かなり自由にいじれます。
Babyface Pro FSはDSPでリバーブが使える点も良いです。
なので、配信での使い勝手もBabyface Pro FSのほうが若干上ですね。
逆にDuet 3が良い点は以下の3点です。
- 価格が2~3万円安い
- iPhoneでも専用アプリがある(Babyface Pro FSはiPadのみ)
- DSPでコンプレッサーが使える(Babyface Pro FSは使えない)
やはり、価格が2~3万円安い点が大きいです。
Babyface Pro FSのほうが総合的に強いものの、Duet 3で困ることはほぼないですからね。
Duet 3も音質は非常に良く、歌録りの仕事でも十分使えるレベルです。
Duet 3を選択して、他の機材などに予算を振ったほうが良いかなと感じます。
歌い手・シンガーソングライターだと、Duet 3がベストチョイスになる人は多いでしょうね。
Apogee Duet 3 まとめ
- 10万円以下でコンパクト・高音質なオーディオインターフェイス
- 専用アプリでループバックやDSPエフェクトも使える
- 10万円以下ではトップレベルの音質
ぎたすけ
たけしゃん
Apogee Duet 3のレビューでした。
ルックス、サイズ感、音質のどれもが素晴らしいオーディオインターフェイスです。
予算10万円でプロレベルの音質を求めている人にうってつけのアイテムですね。
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