評価:4
ぎたすけ
たけしゃん
Babyface Pro FSで録ったカバー動画
読みたい場所をクリック!
RME Babyface Pro FSの特徴
入出力 | 最大12in 12out |
アナログ入出力 | 4in 4out XLR端子は2つ |
サンプリングレート | 192kHz/24bit |
接続端子 | USB2.0(USB3でも動作) |
ヘッドホン端子 | 2基(6.3mmと3.5mm) |
寸法(WHD) | 108 × 35 × 181mm |
重量 | 680g |
プロユースのメーカーとして有名なRMEが販売する小型オーディオインターフェイス Babyface Pro FS。
手のひらサイズでありながら、音質はプロの音楽制作でも良く使われている機種です。
入出力端子はそんなに必要ないけど、音質はハイレベルなものが欲しいという人が良く選ぶ製品です。
僕はもともとMOTU 828mk3 Hybridを長年使ってましたが、下記の不満点があってBaby face Pro FSに変えました。
- Windowsだとよく落ちる(Macは安定)
- iOSで使えない
- 外部に持ち運べるものにしたい
本記事を書いてる段階ではBaby face Pro FSを使い始めて半年ほどですが、WindowsでもMacでも非常に安定しており、満足してます。
一方でSteinbergなどのライトな低価格製品と比べて操作に知識が必要です。
まずはBabyface Pro FSの製品仕様から解説していきます。
仕様を飛ばして、レビューを読みたい方は<Babyface Pro FSのレビュー>を参照ください。
製品仕様 目次
入出力は12in 12out
入出力端子は多くはないですが、1人で音楽制作する分には困ることはなさそうな充実度です。
アナログが4in 4outなので、色んな楽器や外部音源をアナログで繋げたい人は他の選択肢を考えるべきですね。
一方でこんなにコンパクトボディなのに、ヘッドホン端子が2基あるのは地味にすごいですよね。
僕は基本1人ですが、歌録り手伝うときとかライブ配信を2人でやるときとかヘッドホン端子が2基欲しいときはたまにあるので嬉しいですね。
入出力数の割にはコンパクトで片手で持てるサイズ感なので、設置場所の確保も楽で助かります。
SteadyClock FS
Babyface Pro FSはSteadyClock FS回路なるものを搭載しており、ジッター値を1000兆分の1秒単位の精度で抑制できます。
ザックリいうとアナログ・デジタルの変換を行う際にオリジナルデータを色付けせずにそのまま再現できます。
そのほか、SPDIFなどを使った同期精度も高くなったりと色んな要素で活躍します。
ちなみに公式サイトの説明では以下の利点が生まれると解説されています。
- 外部クロック、内部クロックにかかわらずクリーンなクロックを供給することでデジタル同期を安定に保つ
- ノイズ・フロアが低くなりクリアなサウンドを実現する
- AD、DA変換時にノイズを含まない最適な品質を実現する
RME Totalmix FX
Babyface Pro FSにはルーティングやエフェクトなどを設定できる専用アプリ「RME Totalmix FX」が用意されています。
ループバックの設定も可能でエフェクトもかけられます。
使用できるDSPエフェクト
- リバーブ(センドリターン専用)
- エコー(センドリターン専用)
- EQ
モデルによってはコンプレッサー、エキスパンダー、オートレベルなどもあるようです。
Babyface Pro FSで確認した感じだと上記の3種でした。コンプレッサーがあると便利だったんですけどねぇ…。
ルーティングの設定自由度も高いので、Totalmix FXの使い方を一通り覚えればDAW、配信、PCサウンドでの利用は問題ないですね。
逆に本体操作がツマミなどなく、直感的ではないのでTotalmix FXの使い方を覚えて済ませたほうが良いです。
また、仕様もプロユースっぽい感じで何も機械分からない人が使うのはやや辛いです。
Steinbergなどのライトユーザー向けに製品を出しているメーカーと比べると仕組みは複雑で、取扱説明書も専門用語がめちゃくちゃ多いです。
なお、RME Totalmix FXはiPad版が490円で販売されています。
iPhoneでは RME Totalmix FXは使えません。
iPhoneで使う場合は本体操作を覚えましょう。正直、iPhoneでの運用はかなりきついです。
付属品
- プラスチックケース
- USB A to Bケーブル
- USB B to Cケーブル
- MIDIブレイクアウトケーブル
RME Babyface Pro FSの付属品は専用ケースとケーブル3本です。
ケーブルに関しては本体と端末を繋ぐ、USBケーブルですがType-A to BとType-B to Cがそれぞれ付属します。
僕もWindowsとiOSはType AでMacbook ProがType Cなので両方あって助かってます。
USBは接続先がType AでもType Cでもバスパワーで駆動しますが、iOSに繋ぐ場合に関してはUSB 3カメラアダプタと別売りの専用ACアダプタでの電源供給が必要です。
別売りのACアダプタが送料込みで10,560円と大分高いですが、僕はiOSでも使いたいので買いました。
最近はACアダプタを挿せるタイプのモバイルバッテリーもあるので、コンセントないところでも使えるのが救いです。
Babyface Pro FSをレビュー
それでは、Babyface Pro FSをレビューしていきます。
はじめにメリット、デメリットをまとめると以下の通り。
一番は音質ですね。ゲインも出力も低価格帯と比べて、音量幅に大分余裕があります。
ツマミを結構上げても、歪むことなく変なノイズも載らないのはさすがです。
一方でコスパは良いとは言えないですね。
値段の割には入出力の数、付属ソフトウェアなどは少ないです。
レビューの目次
音質はクリアでゲインも余裕がある
Babyface Pro FSはクリアで解像度が非常に高い音が録れます。
ゲインもMAX 65dBと低価格帯製品と比べると高く、グッと上げてもキレイに増幅されます。
実際にBabyface Pro FSでボーカル、アコギを録った動画がこちら。
やはり、音がクリアで太いですね。
アコギ録ってる時点で「数万円の機種とはさすがに音が違うな」と感じました。
また、ゲインに余裕があって増幅もキレイにできるので小さい音を録るときに楽です。
低価格製品と比べた時に違いを感じるのはゲインを上げたときですね。
あと、出力系も一緒でボリュームの余裕があってクリアな音が出ます。
モニターの音が澄んでいて聴きやすく、生楽器の録音が楽で良いです。
音のニュアンス細かくこだわるときはモニターの聴こえ方が重要なんですよね。
この価格帯の音に慣れると低価格帯の製品にはなかなか戻れません。
一方で最近は低価格帯の製品も良くできているので、劇的な音質差はありません。
細かいレベルでの差ではありますが、生楽器録音していると細かい差が大分気になるので重要ではありますね。
専用ソフトは便利だが初心者には難しい
ルーティングなどの操作は専用ソフトであるRME Total Mix FXで行います。
基本操作がわかれば、ルーティングも自由にできてエフェクトも色々使えるのでかなり便利です。
一方でルーティングなどの知識がないとスピーカーから音を出すのさえ難しいです。
Steinbergのような音響機器を初めて買う人でも簡単に使える仕様にはなっていません。
取扱説明書もいかにも業務用なので、何も分からない人が読んで理解するのはかなり大変だろうなと感じました。
ある程度は機械に詳しい人か、周りに相談できる人だけが買ったほうが良いです。
ただ、仕組みがわかれば非常に便利です。
ループバックも低価格帯と違い、ループさせる音を個別に選べますし、調整もトラック単位で細かくできます。
DAWの音を配信に出すのも簡単ですし、モニターと配信に流す音を別管理できます。
低価格帯製品では別ソフトを導入しないとできなかったことが、TotalMix FXだけでほぼ完結できますね。
たけしゃん
iPhoneは辛いが、iPadなら割といける
Babyface Pro FSをiOSでも色々と使ってみました。
思ったことは以下の3点ですね。
- iPhoneではTotalMix FXが使えないので、大分つらい
- iPadはTotalMix FXが使えるので、結構快適
- iPad版TotalMix FXだとリバーブやエコーが使えない
まず、iPhoneでの運用はTotalMix FXが使えず、かなりしんどいです。
iPhoneで使う場合は事前にPCもしくはiPadのTotalMix FXで調整は全部終わらせたほうがいいです。
ワンオペ配信では直感的につまみで調整したいので、Babyface Pro FSは向いていないですね。
iPhoneでの利用はおまけ程度に考えたほうが良いです。
逆にiPadなら、iPad版TotalMix FXの使い勝手はまあまあ良いので、普通に使えます。
iPadなら外でのレコーディングも普通にこなせそうです。
ただ、電源の確保など考えると、結局はノートPCで使ったほうが良いかなと感じます。
たけしゃん
コスパは微妙だが付加価値が高い
Babyface Pro FSは実売価格で13万円程度。
この価格だと、ANTELOPE AUDIO、MOTU、UNIVERSAL AUDIOといった競合メーカーがあります。
他の製品だと入出力数であったり、付属ソフトが充実しているので、Babyface Pro FSはコスパは悪いですよね。
一方で手のひらサイズで非常に高音質であることがBabyface Pro FSの強みです。
僕も外出先でレコーディングしたいケースが割とあるので、Babyface Pro FSを選びました。
ノートPC、Babyface Pro FS、コンデンサーマイクの3点なら普通のカバンで持ち歩ける範囲なので非常に楽です。
別売りのアダプタを買えば、iOSでも動くので更に身軽になりますしね。
また、各OSでの動作が安定しているのも非常にポイント高いですね。
仕事で使うとなると、まずは安定動作してくれないと話にならないですからね…。
828mk3のときは今夜中に締め切りなのに、OSから正常に認識されず焦ったことが何度かあります…。
たけしゃん
半年使っている所感では、Windowsでの安定感も抜群なので非常に助かっています。
Babyface Pro FSは以下の3点が素晴らしいので、高くても買う人が多いのも納得です。
- 音質
- 動作の安定感
- 携帯性
色んな楽器やハード音源などを使うDTMerには適していませんが、ボーカルやシンガーソングライターにはマッチする人が多いです。
数万円のオーディオインターフェイスからのステップアップで選択しやすい機種ですね。
Babyface Pro FS まとめ
- 小型で高音質。入出力数もボーカルやSSWなら十分
- 付属のソフトでルーティングやエフェクトも使える
- 機能は価格の割に少なめだが、動作の安定度は非常に高い
ぎたすけ
たけしゃん
Babyface Pro FSのレビューでした。
828mk3と比べて動作が非常に安定しているので、助かってますね。
ボーカルやシンガーソングライターでレコーディングの音質を向上させたい人にはやはり使いやすい製品ですね。
関連記事
Universal Audio Apollo Solo Heritage Editionをレビュー。優れた携帯性と音質を両立したオーディオインターフェイス Universal Audio Apollo Twin X Heritage Editionをレビュー。プロアマ問わずに人気の高いオーディオインターフェイス MOTU UltraLite mk5をレビュー。制作・配信ともに超便利なオーディオインターフェイス 【2024年】オーディオインターフェイス おすすめ12選。選び方や用途別で適した製品を徹底解説 【2024年】iPhone向け オーディオインターフェイスおすすめ7選。選び方や注意点をiOSで配信している筆者が徹底解説 配信向けオーディオインターフェイス おすすめランキングベスト10。選び方や注意点を細かく解説よく読まれている記事
初心者が覚えるべき ギターコード 10個を練習用の譜例付きで解説
男性の音域を平均・低め・高めの3種類で解説。音域チェックできる音源付き
コンデンサーマイク おすすめ17選【2024年】。ボーカルレコーディングで定番の製品を徹底比較。
初心者向けアコースティックギター おすすめ6選。購入するギターの選び方を107名のアンケート調査付きで解説
ギターのストロークパターンを練習しよう。弾き語りでよく使う譜例 10パターンで解説
ギターのカポタストでキー変更するための上げ方、下げ方を役立つ早見表と合わせて解説
ギター初心者も弾ける簡単な曲 おすすめ50選。練習時のポイント解説付き
SYNCROOM(シンクルーム)の使い方、設定、遅延対策を解説。無料で自宅セッションを楽しもう!
女性の音域を平均・低め・高めの3種類で解説。参考アーティストも合わせて紹介
アコギ メーカー11社を解説。ブランドごとの特徴やおすすめのギターを紹介