AKG C114をレビュー。3万円台でレアな3つの指向性を使い分けられるコンデンサーマイク

AKG C114を正面から撮影した画像

ぎたすけ

指向性を切替られるマイクってたくさんあるイメージだけど、珍しいの?

たけしゃん

USBマイクは多いんだけど、XLRの低価格帯のマイクだとほとんどないんだよね。だからC114は貴重なんだよ
AKG C114を左斜めから撮影した画像
AKG C114の評価
音質
 (4)
使いやすさ
 (4)
価格(33,000円程度)
 (4)
総合評価
 (4)
メリット
デメリット
  • 3万円台で希少な指向性切替に対応
  • 原音に忠実でクセのないフラットな音質
  • リサイクル合金筐体で質感・耐久性も良好
  • ボーカル録りならAT4040LCT440 PUREが良さげ
  • PAD・ローカット非搭載
  • マイクポーチは付属しない

ボーカル

アコースティックギター

この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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AKG C114

AKG C114の外箱を正面から撮影した画像
項目仕様
マイクタイプコンデンサー(サイドアドレス型)
指向性カーディオイド/無指向性/双指向性(切替式)
周波数特性20 Hz – 20 kHz
感度(カーディオイド)13.5mV/Pa (-37.4 dBV)
セルフノイズ12dB(A) SPL
最大SPL145 dB
全長158 mm
重量415 g
付属品ショックマウント
実売価格約33,000円(税込)

AKGは、長年プロの現場で使われてきたマイクの名門メーカーです。

そのAKGが2026年に発売したC-Seriesの中で上位モデルにあたるのがC114。

1本でカーディオイド・無指向性・双指向性の3つの指向性を切り替えられるのが、最大の特長です。

AKG C104とC114を並べた写真
左がC104、右がC114

使ってみた所感では、音はフラットで万能に使えそうなタイプです。

そこに、指向性切り替え機能が付いているため、1本で多様な用途に対応できるのが強みですね。

一方で、ボーカルやアコギの録音だけを考えると、同価格帯のAT4040LCT440 PUREのほうが良いと感じました。

このへんは製品レビューで詳しく解説します。

まずは製品仕様からです。

仕様を飛ばして、レビューを読みたい方は<AKG C114をレビュー>を参照ください。

C12・C414譲りのエッジターミネート型カプセル

AKG C114をマイクアームに取り付けて右側から撮影した画像

C114には、AKGの名機C12やC414系の設計を受け継ぐエッジターミネート型のカプセルが採用されています。

エッジターミネート型カプセル

カプセルの「縁」で信号を取り出す方式。AKGの歴史的名機に使われてきた設計で、繊細で滑らかな高域が出やすいとされる

AKG C414 XLSとC414 XL2
左がC414 XLS、右がC414 XLII

回路はトランスを使わないトランスレスFET方式で、ノイズが少なく素直な音が出やすい構成です。

トランスレスのFET回路

音声信号の増幅・インピーダンス変換に、トランスを使わず、FETという半導体素子を使う回路

3万円台としては、かなり高スペックと言えます。

録音した所感でも、低ノイズでクリアな音が録れると感じました。

なお、コンデンサーマイクなので、使用するにはファンタム電源(+48V)に対応したオーディオインターフェイスが必要です。

単一指向性・無指向性・双指向性に対応

マイクの指向性 単一指向性・双指向性・無指向性を説明した図解

C114は、3つの指向性を切替えることができます。

本体のスイッチで、正面の音を中心に拾う単一指向性、前後を拾う双指向性、全方向を拾う無指向性を選べます。

AKG C114の指向性切り替えスイッチをアップで撮影
左から無指向性、単一指向性、双指向性

ボーカルなどのソロの録音では単一指向性、対談では双指向性、部屋全体の収音なら無指向性といった感じで、用途にあわせて切り替えられます。

3万円近辺のコンデンサーマイクで、指向性切替に対応している製品は非常に少ないので貴重です。

PAD・ローカットは非搭載

AKG C114を背面から撮影した画像
C114の背面

C114には、AT4040などについているPADとローカットの機能はありません。

機能内容
ローカット低い帯域をカットするハイパスフィルター。空調音や走行音などの低域ノイズを抑える
PAD入力音を一定量だけ減衰させる機能。大音量の楽器を録るときに音割れを防ぐ

指向性切替機能を付けるなら、こちらも付けて欲しかったなと正直思いました。

一方、最大音圧(0.5%THD)は145dB SPLとかなり高いので、PADがなくても大抵の楽器は対応できそうです。

付属品

AKG C114のパッケージを上から撮った画像
  • マイク本体
  • ショックマウント

C114には振動ノイズに強いショックマウントが付属します。

旧来のC214などで採用されているショックマウントとは異なるタイプですが、マウントの質感も良い感じです。

AKG C114付属のショックマウントを横から撮った画像

床からの振動が気になる環境でも安心して使えます。

マイクポーチは付属しません。保管にはジップロックやShureのマイクケースなどを別途用意しましょう。

AKG C114をレビュー

マイクアームに取り付けたAKG C114を左側から撮影した画像
AKG C114の評価
音質
 (4)
使いやすさ
 (4)
価格(33,000円程度)
 (4)
総合評価
 (4)
メリット
デメリット
  • 3万円台で希少な指向性切替に対応
  • 原音に忠実でクセのないフラットな音質
  • リサイクル合金筐体で質感・耐久性も良好
  • ボーカル録りならAT4040LCT440 PUREが良さげ
  • PAD・ローカット非搭載
  • マイクポーチは付属しない

それでは、AKG C114を細かくレビューします。

総評すると、「音はフラットで素直。3万円台で指向性を使い分けられる万能マイク」です。

最大の価値は、AKGのマイクで指向性切替に対応しながら3万円台という点ですね。

一方、指向性切替を使わない人には、AT4040かLCT 440 PUREのほうが良いかなと思いました。

原音に忠実な、フラットで素直なサウンド

AKG C114をマイクアームに取り付けて、正面から撮影した画像

C114をオーディオインターフェイスに繋いで、ボーカルとアコギを録ってみました。

フラットでおとなしいサウンドという印象です。

ボーカル

アコースティックギター

色付けが少なく、弦の音がそのまま出てくるような、原音に忠実なサウンドです。

ボーカルもアコギも、変なクセがなく素直に録れる印象でした。

ただ、なんかいまひとつ面白みに欠ける感じがするんですよね…。特にアコギ。

このへんはただの好みな気もするんですが、フラット系ならaudio technica AT4040のほうが自分は好き。

audio technica AT4040
audio technica AT4040

ボーカル(AT4040)

アコースティックギター(AT4040)

このへんは筆者の個人的な好みも入っていそうですが、指向性切替が不要ならAT4040をおすすめしたいです。

この価格で指向性を切り替えられるのが最大の武器

AKG C114の指向性切り替えスイッチをアップで撮影

C114のいちばんの強みは、やはり3つの指向性を切り替えできることです。

単一指向性、無指向性、双指向性を実際に切り替えてみると、それぞれきっちり指向性が変わります。

マイクの指向性 単一指向性・双指向性・無指向性を説明した図解

どれも役割に合った拾い方をしてくれるので、用途に応じて1本で対応できるのは素直に便利です。

たとえば、対面での対談収録や、部屋全体の空気感を含めた360度の収録、M/Sでのステレオ録音など、カーディオイド1本では難しい録り方が、これ1本でこなせるわけです。

そして、3万円台で3つの指向性を切り替えられるマイクは非常に少ないです。

AKG C114とC214を並べた画像
C114とC214。C214も単一指向性のみ

C114は、この価格帯で複数の指向性を切り替えて使いたい方に特化したマイクと捉えると、存在価値は大きいと思います。

新しいショックマウントは使いやすい

AKG C114付属のショックマウントを正面から撮った画像

C114のショックマウントは、従来のC214やC314で採用されているものとは異なるタイプになりました。

プラスチック製から金属製に変わって、耐久性は上がった印象を受けます。

AKG C114をマイクアームに取り付けて右側から撮影した画像
C114
C214をマイクアームに取り付けした画像
C214のショックマウントはプラスチック製

個人的には、C114のショックマウントのほうが使いやすいと感じました。

マイク本体の筐体も高級感あって良い感じです。

AKG C114を側面から撮影した画像

リサイクル合金とのことですが、耐久性も高そうでなかなか良いですね。

現場でガシガシ使っても大丈夫そうです。

AT4040・LCT 440 Pureとの比較

左からLEWITT LCT 440 PURE、AKG C114、audio technica AT4040を並べた画像
左からLCT 440 Pure、C114、AT4040

最後に、価格帯が近いaudio technica AT4040、LEWITT LCT 440 Pureとの比較です。

まずは、スペックを表で見てみましょう。

製品AKG C114を正面から撮影した画像
AKG C114
audio technica AT4040
AT4040
LEWITT LCT440 PURE
LCT 440 PURE
メーカーAKGaudio technicaLEWITT
指向性カーディオイド
無指向性
双指向性
カーディオイドカーディオイド
周波数特性20Hz–20kHz20Hz–20kHz20Hz–20kHz
感度13.5mV/Pa
(-37.4 dBV)
25.1mV/Pa
(-32dB)
27.4mV/Pa
(-31.2dBV)
セルフノイズ12dB(A)12dB(A)7dB(A)
最大SPL145dB
(0.5%THD)
145dB
(1kHz THD1%)
140dB
(0.5%THD)
本体機能指向性切替PAD(-10dB)
ローカット(80Hz)
なし
実売価格約33,000円約39,600円約35,600円
補足

実売価格は記事制作時点のものです。最近は価格変動がすごいのでご注意ください

スペックを踏まえたうえで、筆者の印象をまとめると以下の通りです。

  • ボーカル録りなどできらびやかな特性が良いならLCT 440 PURE
  • 単一指向性のみでフラットタイプならAT4040
  • 異なる指向性を1本で使い分けたいならC114

割と用途が明確な3本だなと思いました。

まず、ボーカルや楽器録りなど、ソロの録音用途であればLCT 440 PUREかAT4040がおすすめです。

AT4040は原音に忠実なフラットな特性で、ボーカルから楽器まで幅広い収音に使えます。

audio technica AT4040

AT4040(ボーカル)

AT4040(アコースティックギター)

次にLCT 440 PUREですが、ハイ上がりで音の抜けが良いタイプです。

ボーカル録りに適していますが、高音域はギラっとした感じなので好みは分かれそうなマイクでもあります。

LEWITT LCT440 PURE

LCT 440 PURE(ボーカル)

LCT 440 PURE(アコースティックギター)

ボーカルやアコギの録音がメインであれば、この2本から選ぶほうが良いと感じます。

C114は悪くないんですが、自分のようなシンガーソングライターはあまり選ぶ理由がないマイクだなと思ってしまいました。

ただ、指向性を使い分けたい場合は話が変わります。

ソロの録音・対談・アンビエンスなどの用途で使い回したい人にとっては、C114はとても良い選択肢だと感じました。

audio technica AT4040audio technica(オーディオテクニカ)AT4040をレビュー。DTMで定番の万能マイク LEWITT LCT440 PURELEWITT LCT 440 PUREをレビュー。宅録の定番になりそうな扱いやすいコンデンサーマイク

AKG C114 まとめ

AKG C114を正面から撮影した画像
  • 3万円台では希少な、指向性を切り替えられるコンデンサーマイク
  • 音はフラットで原音に忠実。悪くないがやや物足りないかも
  • ソロ録音・対談・アンビエンスなどで使いまわせるマイクとしては最適

ぎたすけ

弾き語りメインだと、ちょっと用途が惜しいのか

たけしゃん

そうだね。シンガーが宅録で使うというよりはスタジオとかのほうが重宝されそうな気はするね

AKG C114のレビューでした。

自分のようなシンガーソングライターにはピンとこなかったんですが、指向性切替できるマイクが欲しい方にはちょうど良い製品だと思います。

ソロ録音・対談・アンビエンスなどで使いまわせるマイクを探している方はチェックしてみてください。

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