audio technica ATH-R30xをレビュー。2万円以下で買える高品質な開放型モニターヘッドホン

audio tehcnica ATH-R30xの左斜めから撮った写真

評価:4

ぎたすけ

開放型ヘッドホンって、耳の部分がメッシュで空いてるタイプのヘッドホンだっけ?

たけしゃん

そうだよ。音の抜けが良くて、聴き疲れしないから作業用に1台持っておくと良いね
補足

レビューのためにデモ機をお借りしました。

ATH-R30xの評価
音質
 (4)
付け心地
 (5)
コスパ(18,150円程度)
 (4.5)
総合評価
 (4.5)
メリット
デメリット
  • 音場は広くてリアル
  • 低音域もしっかり出ている
  • 本体の造りがとてもよい
  • 軽くて付け心地が良い
  • ケーブル着脱不可
  • 遮音性は低い
この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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audio technica ATH-R30x

audio technica ATH-R30xを左斜めから引きで撮った
型式オープンバックダイナミック型
ドライバーφ40mm
出力音圧レベル92dB/mW
再生周波数帯域15~25,000Hz
最大入力1,000mW
インピーダンス36Ω
質量(コード除く)約210g
プラグφ3.5mm金メッキステレオミニ
コード長3.0m

2025年に新しく発売された、オーディオテクニカの開放型モニターヘッドホン ATH-R30x

自宅での音楽制作に適した、リファレンスモデルです。

audio technicaは、プロ向けのモニターヘッドホンだと密閉型が中心で、開放型はバリエーションが少なかったのですが、2025年に3製品が新たに発売されました。

製品audio tehcnica ATH-R30xの左斜めから撮った写真
ATH-R30x
audio technica ATH-R50xを右斜めから撮った画像
ATH-R50x
audio technica ATH-R70xaの側面
ATH-R70xa
型式開放型開放型開放型
ドライバーφ40mmφ45mmφ45mm
出力音圧レベル92dB/mW93.3dB/mW97dB/mW
再生周波数帯域15~25,000Hz5~40,000Hz5~40,000Hz
ケーブル両出し片出し両出し
ケーブル着脱不可
質量約210g約207g約199g
実売価格約18,150円約27,830円 約54,450円

ATH-R30xは、その中でも比較的安価なエントリーモデルに該当します。

オーディオテクニカの開放型モニターヘッドホンは、評判がいいもののハイエンドモデルしかなかったので、1万円台のATH-R30xが増えたのは嬉しいですね。

本記事では、上位モデルとも比較しながら、細かくレビューします。

まずは、製品仕様から解説します。飛ばしてレビューを読みたい方は<ATH-R30xをレビュー>を参照ください。

開放型ヘッドホン

audio technica ATH-R30xのハウジング部分をアップで撮影

ATH-R30xは、ハウジングが開放されている開放型のモニターヘッドホンです。

補足

公式の表記だとオープンバックヘッドホン

逆に、ハウジングが閉じているヘッドホンを密閉型と呼びます。

それぞれの特長は、下図の通りです。

ヘッドホンの密閉型と開放型の特徴をまとめた図解

ATH-R30xはハウジングが開放されており、ドライバーの再生音が直接耳に届くため、リアルな音場を実現しています。

実際に聴き比べてみても、音の広がりがあってリアルな臨場感を味わえます。

軽くて通気性も良いので、長時間作業にも適しています。

開放型専用設計のφ40mmドライバーを搭載

audio technica ATH-R30xを左側面から撮った写真

ATH-R30xは、開放型専用設計のφ40mmドライバーを搭載しています。

開放型の自然で広がりあるサウンドに加えて、低音域の強さを感じます。

バンドサウンドを流すと、抜けのいい音が心地よく広がっていくのですが、重低音はしっかり出ています。

個人的にはかなり好きなサウンドですね。

ケーブルは両出しで着脱不可

audio technica ATH-R30xの両耳出しケーブル。着脱不可

ATH-R30xは、ケーブルはLRの両方から出ている両出しが採用されています。

ヘッドホンの両出しと片出しの違いを説明した図解

そして、ATH-R30xはケーブル着脱はできない仕様になっています。

上位モデルのATH-R50xは片出しで着脱可能、ATH-R70xaは両出しで着脱可能になっています。

ATH-R30xも着脱可能にして欲しかったですが、ケーブル着脱したい方は上位モデルを選択しましょう。

付属品

audio technica ATH-R30xのジャック部分。6.3mm変換アダプタが付属

ATH-R30xの付属品は、6.3mmステレオ変換プラグアダプターのみです。

ポーチなども付属せず、シンプルなパッケージとなっています。

音質や本体の造りをみると、これで1万円台はかなり頑張っている印象を受けるので、仕方ないかなと思いました。

ATH-R30xの質感は、上位モデルと比べても遜色ありません。

audio technica ATH-R30xをレビュー

audio technica ATH-R30xをノートPCの左端に置いた写真
ATH-R30xの評価
音質
 (4)
付け心地
 (5)
コスパ(18,150円程度)
 (4.5)
総合評価
 (4.5)

それでは、ATH-R30xを細かくレビューしていきます。

まず、箇条書きで簡単にまとめたメリット・デメリットはこちら。

メリット
デメリット
  • 音場は広くてリアル
  • 低音域もしっかり出ている
  • 本体の造りがとてもよい
  • 軽くて付け心地が良い
  • ケーブル着脱不可
  • 遮音性は低い

全体的に完成度高く、作業用でもリスニング用でも使い勝手がよい開放型ヘッドホンです。

1万円台で、このクオリティはさすがオーディオテクニカ。

予算2万円以内で、開放型のモニターヘッドホンが欲しい方に最適です。

音場はリアル、低音域の存在感が強い

audio technica ATH-R30xのハウジング部分は開いている

ATH-R30xでさまざまな音源を聴いてみました。

密閉型に比べると音場が広く、定位も正確なのでライブ音源を聴くと会場にいるような臨場感があります。

特に、中音域がクリアで良いですね。

ボーカルの細かいニュアンスがしっかり再現されていて、声フェチな自分には満足度の高いサウンドです。

audio technica ATH-R30xをノートPCとコンデンサーマイクと一緒に撮影

一方で、少し気になったのが低音域の強さです。

開放型にしては珍しく、低音域がしっかり効いてる印象を受けました。

ベースラインが、自然に頭へ入ってくる感じ。

良くも悪くも密閉型ヘッドホン寄りの鳴り方をしているような感覚です。

上位モデルのATH-R50xは、低音域の存在感はありつつも各音域のバランスは良いですが、ATH-R30xは若干低域に寄っていると感じました。

左がATH-R30x、右がATH-R50x
左がATH-R30x、右がATH-R50x

逆に、ローが強いヘッドホンが好みの方は、ATH-R30xが良いかもしれませんね。

気持ちローが強いというレベルなので、気にならない方が多いかなと思います。

軽くて付け心地は良好

audio technica ATH-R30xのサイズ調整を限界まで広げた

ATH-R30xの本体重量は約210gと、非常に軽いのが特長です。

ヘッドホンを長時間つけて作業していると、この軽さが本当に良いんですよね。

筆者が普段使っている、SENNHEISER HD 400 PROは240gなのですが、30gって結構違うんだなと感じました。

SENNHEISER HD 400 PRO
SENNHEISER HD 400 PRO

また、ATH-R30xは側圧も程よく、サイズ感にも余裕があるので付け心地はとてもいいです。

オーディオテクニカの開放型は、サウンドだけでなく、付け心地の良さが強みだと感じます。

audio technica ATH-R30xのR部分のサイズ調整

エントリーモデルのATH-R30xも、付け心地の良さは上位モデルと変わらないレベルなのが素晴らしいです。

造りもしっかりしているので、1万円台であることを考えるとすごく良い製品だなと思いました。

ATH-R50xとの比較

audio technica ATH-R50xを右斜めから撮った画像
ATH-R50x

最後は、上位モデルであるATH-R50xとの比較です。

まず、スペックや価格の違いを見てみましょう。

製品audio tehcnica ATH-R30xの左斜めから撮った写真
ATH-R30x
audio technica ATH-R50xを右斜めから撮った画像
ATH-R50x
型式開放型開放型
ドライバーφ40mmφ45mm
出力音圧レベル92dB/mW93.3dB/mW
再生周波数帯域15~25,000Hz5~40,000Hz
ケーブル両出し片出し
ケーブル着脱不可
質量約210g約207g
実売価格約18,150円約27,830円

スペック表で見ても、ATH-R50xのほうがワンランク上ですね。

価格差は、1万円程度となっています。

サウンド面を比較すると、ATH-R50xのほうが音場が広く、低音域から高音域までバランスよく出力されている印象です。

audio technica ATH-R50xを左下からアップで撮った画像

ATH-R50xはφ45mm大口径ドライバーを搭載しており、周波数帯域も広いので、ATH-R30xとの差は結構感じますね。

そのため、予算が許すならATH-R50xまで頑張ったほうがよさそうだなと思いました。

一方で、ATH-R30xも十分優秀なので、2万円以内で収めたい場合はとても良い選択肢です。

audio technica ATH-R30xのイヤーパッド部分

どっちか迷ったら、ATH-R50xを推しますが、ATH-R30xでも後悔することはないと思います。

audio technica ATH-R30x まとめ

audio technica ATH-R30xをノートPCの左端に置いて上から撮った写真

ぎたすけ

音質も大事だけど、付け心地が良いってのは重要だよな

たけしゃん

編集作業とかで使ってると、付け心地は一番重要だと思うよ!

audio technica ATH-R30xのレビューでした。

オーディオテクニカの開放型モニターヘッドホンで、1万円台の選択肢ができたのは嬉しいですね。

しっかりしたものを買おうとすると、どうしても2万円以上は必要だったので、ATH-R30xは入門機としておすすめです。

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