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マイクの指向性とは
マイクの指向性とはマイクが音を拾う方向を示したものです。
指向性表はマイクを上から見た図で、帯域別に色分けされてどの角度の音を拾うか記載されています。
本記事では、もう少しわかりやすいイラストで指向性の概要を説明していきます。
まず、指向性は大きく下記の3種類に分類されます。
指向性 | 特徴 |
単一指向性 | 正面の音のみを拾う 1人で使う場合に最適 |
双指向性 | 前後の音を拾う 対談などで便利 |
無指向性 | 360度の音を拾う 会議室などで便利 |
そして、マイクによって1つの指向性のみ対応する製品と複数の指向性に対応する製品が存在します。
複数の指向性に対応する製品は本体に切替スイッチがついています。
ザックリで言うと、5万円以上のコンデンサーマイクから指向性切替できるものが増えます。
ただ、audio technica AT2050のように2万円台でも切替できるマイクは一部存在します。
なお、ダイナミックマイクは単一指向性(カーディオイド)にしか対応していません。
たけしゃん
また、製品によっては各指向性の中間的なものを選べる製品もあります。
指向性が3種類以上に分かれている場合も、収音範囲が大きくは変わるわけではありません。
「単一指向性」「双指向性」「無指向性」を更に細かく分類しているだけの話です。
ここからは3種類の指向性とUSBマイクでよくある「ステレオ」について掘り下げて解説していきます。
指向性解説 目次
単一指向性(カーディオイド)
主な収音範囲 | 正面 |
主な用途 | 歌 スピーチ 楽器 |
単一指向性で録ったサンプル音
単一指向性は正面からの音を拾う指向性です。
英語ではカーディオイドと呼び、日本でもカーディオイドと呼ぶ人が割と多いです。
関係のない周囲の音を拾いにくいため、歌・楽器・スピーチなど、単独の音を拾う用途で使われます。
ボーカルや楽器収録用のマイクは基本的に単一指向性ですね。
自宅でのライブ配信・テレワークにおいても、環境音を拾わないように単一指向性マイクを使用する人が多いです。
単一指向性は正面の音をメインに収音しますが、左右の音も多少は拾います。
そこで、単一指向性の中でもさらに細かく左右の収音範囲が分類分けされています。
このカーディオイドの種類に関しては後半の<カーディオイドの種類>で細かく解説していきます。
双指向性(バイディレクショナル)
主な収音範囲 | 正面と背面 |
主な用途 | 対談 コラボ |
双指向性で録ったサンプル音
双指向性は前後の音を収音する指向性です。
英語ではバイディレクショナルですが、日本だとほぼ双指向性ですね。
正面と背面の音を拾うため、用途は主にラジオのような対談です。
2人で歌うデュオなどでも使えますね。
一方で単一指向性に比べると、収音範囲が広いため雑音を拾いやすいです。
そのため、対談でも結局は単一指向性のマイクを2本用意して、それぞれに設置することが多いですね。
そこまで音質をシビアに考えなくて良い場合は双指向性を使います。
トーク系のライブ配信などの用途では、双指向性で十分クリアに録れます。
無指向性(オムニ)
主な収音範囲 | 360度 |
主な用途 | 複数人の会議 バンドの一発録り |
無指向性で録ったサンプル音
無指向性は360度の音を全て収音する指向性です。
英語ではオムニと呼びます。
無指向性の主な用途は会議ですね。
会議室に置いてあるマイクは大抵、無指向性です。
無指向性は360度全ての音を拾うので、雑音なども拾いやすいです。
また、1人1人の声はどうしても遠くなるので、単一指向性に比べて音は大分ぼやけます。
一方でマイク1本で複数名の声を収録できるので、会議の録音などでは重宝します。
1万円くらいのUSBマイクだと、単一指向性と無指向性を切替可能な製品が主流です。
逆に数千円の安価なUSBマイクは単一指向性か無指向性のどちらかにだけ対応しています。
自宅のテレワーク用に無指向性のマイクを買うと、非常に使い辛いので気を付けましょう。
ステレオ
主な収音範囲 | 製品による |
主な用途 | 楽器録り デュオ |
ステレオモードで録ったサンプル音
ステレオは正しくは指向性ではなく、収音方法です。
最近のUSBマイクでは指向性選択で「ステレオモード」が選べる製品が多いです。
そのため、本記事でもステレオについて触れていきます。
ステレオ録音は複数本のマイクを使って、収録する方法です。
LとRでマイクを設置して、より立体的な音を録るときに使用します。
ハイエンドのUSBマイクは複数のマイクカプセルが内蔵されており、ステレオ録音できるようになっています。
Lyra-Y3で使える指向性
指向性 | 特徴 |
フロント | 正面の音を拾う ボーカル・ナレーション向き |
フロント&バック | 全面の音を均一に拾う 対談やデュエット向き |
タイトステレオ | 前面の音をステレオで拾う 楽器の収録向き |
ワイドステレオ | 前面、背面をステレオで拾う ライブレコーディング向き |
モノラルの単一指向性や無指向性と比べて、臨場感あるサウンドを録ることができます。
一方でボーカルやナレーションにおいては、シンプルな単一指向性のほうが音がクリアで聴きやすいです。
単一指向性(カーディオイド)の種類
声や楽器の収録で活躍する単一指向性ですが、収音範囲に合わせて細かく分類分けされています。
ボーカルマイク、楽器用のマイクを選ぶときは単一指向性の中でもどれを選ぶのか?が割と重要になります。
まずはザックリ分類分けすると、以下の通りです。
指向性 | 特徴 |
カーディオイド | 側面もそれなりに拾う 背面の音はあまり拾わない カバー角度 131° |
スーパーカーディオイド | 側面の拾う角度が狭い 背面の音もやや拾う カバー角度 115° |
ハイパーカーディオイド | 側面の拾う角度が非常に狭い 背面もそこそこ拾う カバー角度 105° |
主流はカーディオイド、スーパーカーディオイドのどちらかです。
ハイパーカーディオイドはかなり少ないです。
ここからは各指向性に対応した代表的な製品を紹介していきます。
カーディオイドのマイク
カーディオイド(単一指向性)は正面の収音がメインですが、側面の音もそこそこ拾います。
なので、ある程度はマイキングが甘くても音を拾うので扱いやすいですね。
こだわりが特になければ、まずはカーディオイドのマイクを購入することをおすすめします。
そして、カーディオイドは主流の指向性なので製品はたくさんあります。
ダイナミックマイクではゼンハイザーのe 935が代表的なカーディオイドマイクです。
高音の抜けが良く、ライブで使いやすい人気製品です。
コンデンサーマイクではAKG C214が代表的なカーディオイドマイクです。
ハイ上がりの特性でボーカルやアコギ録りに適したチューニングになっています。
スーパーカーディオイドのマイク
スーパーカーディオイドはカーディオイドに比べて、側面の収音範囲が狭くなってます。
その分、背面の音も少し拾う性質があります。
側面の音を拾いにくい分、音の回り込みを防止できるのでハウリングにも強いです。
一方でマイクの向きには気を付けないと、ガクンと音量が落ちてしまいますね。
スーパーカーディオイドの代表的な製品はSHURE BETA57Aです。
主に楽器録音用で作られたダイナミックマイクですが、ボーカルマイクとしても人気が高いです。
コンデンサーマイクだと、NEUMANN KMS105がスーパーカーディオイドですね。
プロで使用者が多いNEUMANNのライブ向けに作られたコンデンサーマイクです。
コンデンサーマイクはハウリングしやすいので、指向性を絞って音の回り込みを抑制しています。
ハイパーカーディオイド
ハイパーカーディオイドはスーパーカーディオイドより更に側面の収音範囲を絞った指向性です。
正面だけではなく、背面の音も少し拾います。
側面の収音範囲がタイトなので、マイキングは注意してピンポイントで音を狙いましょう。
その分、音の回り込み抑制効果も強く、ハウリングにも強いです。
なお、ハイパーカーディオイドのマイクは大分少ないです。
指向性の範囲的にも万能なマイクではないので、使用目的が明確な人だけ買うようにしましょう。
ダイナミックマイクではaudio technica AT2040がハイパーカーディオイドです。
AT2040はライブ配信向けに周囲の音が入らないように作られた製品です。
オーディオテクニカは比較的、ハイパーカーディオイドのマイクを多く作ってるメーカーですね。
コンデンサーマイクではハイパーカーディオイドのみ対応の製品は少ないです。
一方で指向性切替可能な製品で、ハイパーカーディオイドにも対応しているマイクはそこそこあります。
その1つがAKG C414 XLIIです。
C414 XLIIは9つの指向性を切替可能で、その1つがハイパーカーディオイドになっています。
C414 XLIIはプロユースのレコーディングスタジオでもよく使われている有名マイクですね。
マイクの指向性 まとめ
- 指向性とは音を拾う範囲を示したもの
- 主に単一指向性、双指向性、無指向性の3つに分かれる
- 単一指向性は更に拾う範囲別で、細かく分類されている
ぎたすけ
たけしゃん
マイクの指向性についての解説でした!
テレワークなどの普及で、マイクを個人で購入する人が増えてますが、指向性で悩んでる人も多いですよね。
自身で使う用途なら単一指向性が安定なので、まずは単一指向性マイクを買いましょう。
その上で他の用途でも使いたい場合は色んな指向性を理解するとよいでしょう。
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