SHURE MV7をレビュー。XLR・USB両対応の高性能ダイナミックマイク

SHURE MV7

評価:4

ぎたすけ

MV7って見た目がカッコいいな。ラジオ番組やってるみたいでテンション上がるぞ

たけしゃん

放送局で定番のSM7Bをもとに作られてるからね。XLRとUSB両対応だから色々使えて便利だね
MV7の評価
音質
 (4)
使い勝手
 (5)
コスパ(33,800円程度)
 (2.5)
総合評価
 (4)
メリット
デメリット
  • 高音質でノイズも少ない
  • 自動調整モードで初心者でも音量調整が簡単
  • XLR・USB両対応
  • 専用アプリが使いやすい
  • 競合品と比べて価格が高い
  • iPhone接続に専用ケーブルが必要で高い(4,400円)
主な用途所感
原稿を読んでいる男性
ライブ配信
万能に使える
機能も豊富
マイクを設置しているスタジオ

DTM
XLRで万能に対応
音もなかなか良い
オンラインで仕事しているところ

テレワーク
高音質で万能

サンプル(ボイス)

サンプル(ボーカル)

この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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SHURE MV7

SHURE MV7の外箱
シルバーカラーのMV7-S-J
マイクタイプダイナミックマイク
USB/XLR両対応
指向性 単一指向性
周波数特性50Hz~16kHz
サンプリング周波数48kHz / 24bit(USB)
対応OSWindows、Mac、iOS、Android
重量約550g
公式サイト

数々の有名マイクを販売しているSHUREが作るUSBマイク MV7

XLR接続とUSB接続の両対応になっており、色んな用途で使用できるようになっています。

SHURE MV7のXLR端子とUSB端子

Web会議、配信はUSBで対応しつつ、DTMではXLRで対応といったことが可能です。

ダイナミックマイクとしても優秀なので、色んな使い道があるのが良いところですね。

まずはMV7の製品仕様から解説していきます。

使用を飛ばして、レビューを読みたい方は<SHURE MV7をレビュー>を参照ください。

単一指向性

単一指向性の図解
単一指向性のイメージ図

SHURE MV7は正面からの音を拾う単一指向性マイクです。

音声分離技術で音声を分離し、不要なバックグラウンドノイズを除去するようになっています。

MV7はダイナミックマイクなので、音の感度も低いです。

そのため、マイクの位置は正面で口元に持ってきましょう。

SHURE MV7 斜めから

公式のUser Guidesでも、主な設置例として「2.54~15cm」のニアと「15~45cm」のファーを紹介しています。

SHURE MV7設置例 ニア
SHURE MV7設置例 ファー
公式のUser Guidesより引用

設置位置は色々試したほうがいいですが、基本的にはニアかファーで良いと思います。

机にポンとおいて使おうとすると、声が大きい人以外は音量が足りないです。

XLRとUSB両対応

SHURE MV7のXLR端子とUSB端子

SHURE MV7はXLRマイク、USBマイクのどちらでも使えます。

XLRマイクとして使う場合はオーディオインターフェイスやミキサーにXLRケーブルで接続しましょう。

MOTU M2
MOTU M2

感度が-55dbV/Paと低めなので、オーディオインターフェイスはそれなりに良いものを使ったほうが良いです。

AG03MK2などでは、録る音自体が小さいとGAINが足りず、ややきついです。

USBマイクとして利用する場合は付属のUSBケーブルを使って、PCやスマホなどと接続します。

SHURE MV7付属のUSBケーブル

本体のイヤホン端子やタッチパネルなどは全てUSB接続時のみ機能します。

XLR接続だと、ただのダイナミックマイクになるので本体機能は何も使えません。

ちなみにMV7には、XLR端子のみ対応のMV7Xも存在します。

価格も22,000円程度と30%程度安くなるので、USB端子が不要な人はMV7Xを選びましょう。

タッチパネルで操作

SHURE MV7のタッチパネル

SHURE MV7は本体のタッチパネルで音量やミュートON/OFFの操作が可能です。

補足

USB接続時だけ機能します。XLR接続時はタッチパネルは使えません

右側にはマイク音量とイヤホン音量のどちらを音量操作するか選択するボタンがあります。

SHURE MV7のイヤホン音量とマイク音量の切替
イヤホン音量を選択するとLEDがオレンジになる

長押しすると「モニターミックスブレンド」のレベル調整になります。

SHURE MV7のタッチパネル
モニターブレンドはオレンジと緑の両方が点灯

左側にはミュートボタンがあります。

SHURE MV7のミュート機能
ミュート時は赤く点灯する

なお、右側にはタッチパネルをロックする鍵マークもあります。

SHURE MV7のイヤホン音量とマイク音量の切替

ロックは「ミュートボタン」と「マイク/イヤホン切替ボタン」を同時に長押しするとON/OFFできます。

また、自動レベルモードはアプリからのみONにできますが、ミュートボタン長押しでOFFにはできます。

自動レベルモード

入力音量に合わせて、自動で音量レベルを調整してくれるモード

専用アプリで色んな機能が使える

SHURE PLUS MOTIVのautoモード

Windows/Mac用

iOS/Android用

ShurePlus MOTIV

ShurePlus MOTIV

Shure無料posted withアプリーチ

専用アプリで使える機能をザっと紹介していきます。

まずは音量を自動調整する「AUTO LEVEL」と手動調整する「MANUAL」を選択します。

SHURE PLUS MOTIVのオートレベルとマニュアル

このAUTO LEVELがMV7の目玉かもしれないですね。

初心者は音量調整でつまづきやすいので、AUTO LEVEL機能はすごく便利です。

マイク距離に合わせて「Near」と「Far」を選択するだけで、自動で音量調整してくれます。

SHURE MV7設置例 ニア
SHURE MV7設置例 ファー
公式のUser Guidesより引用

やや大きめに調整されますが、普通に良い感じですね。

また、Toneで音色を3種類から選択できるので、多少の色付けもできるようになっています。

MANUALでは、マイク音量を手動で調整できる他にエフェクトを使用できます。

SHURE PLUS MOTIVのマニュアル画面
項目効果
Mic Muteマイクをミュートする
Mic Gainマイクの入力音量
Monitor Mixダイレクトモニターと
PCの音のバランス
EQ各帯域の調整
3種類のプリセットから選択
Limiter規定値を超えた音を規定値まで圧縮
設定はON/OFFのみ
Compressor大きい音を圧縮、小さい音をブースト
3種類のプリセットから選択

音声周りでよく使うエフェクトが搭載されています。

設定はプリセットを選択するだけで、初心者向けです。

詳細設定不可なので音楽用途だと物足りないですが、ゲーム実況・テレワークなら十分でしょう。

なお、AUTO LEVEL、MANUALともに画面下部に本体LEDの調整機能がついています。

SHURE PLUS MOTIVのLED設定項目
項目効果
Live meters本体の音量メーターが
入力音量に合わせて上下する
Night modeLEDの明るさがやや暗くなる

Live metersをONにすると、入力信号の強さを本体のメーターで確認できます。

SHURE MV7のタッチパネル
緑のランプが入力信号の強さで上下する

音量調整するにはLive metersをONにして、声を出しながらメーターを見てマイクゲインを調整するのが良いですね。

Night modeはLEDの強さが弱くなります。そんな変わらないです。

通常モード

SHURE MV7のタッチパネル

Night mode

SHURE MV7 ナイトモードののときのLED

アプリはスマホ版も用意されており、同じ感覚で使えます。素晴らしい。

iOS版 SHURE PLUS MOTIV

なお、PCもスマホもアプリでイヤホン音量を調整する項目はありませんでした。

イヤホン音量をあげるときは本体のタッチパネルで調整しましょう。

付属品

SHURE MV7の外箱
SHURE MV7付属のUSBケーブル
SHURE MV7付属のUSB-Cケーブル
SHURE MV7 変換ネジ
  • Micro-B to USB-A ケーブル
  • Micro-B to USB-C ケーブル
  • 変換ねじ

SHURE MV7の付属品はUSBケーブル 2本とマイクスタンド取付用の変換ねじです。

USB-Cケーブルが付いていますが、USB-C端子のiPadは動作保証対象外なので注意しましょう。

また、iPhoneなどの接続にはSHURE純正のライトニングケーブルが必要です。

補足

USB3カメラアダプタだと、第5世代iPadは正常動作しましたが、iPhone 13 Proは不安定で使えませんでした

専用ケーブルは1mだと4,400円、38cmは3,300円程度です。

38cmだと配信時の配置がかなりきついので、1mを買いましょう。

なお、ショックマウントやウィンドスクリーンは本体に備えられているので必要ありません。

SHURE MV7 横から
ウィンドスクリーンは初めから装着されている

ただ、付属のウィンドスクリーンは吹かれに弱いので、使ってみて気になるようだったら別で用意しましょう。

SM7B用のRK345が装着できるようなので、別で買うならRK345が安定ですね。

また、マイクスタンドは付属しませんので、別途購入が必要です。

SHURE MV7
スタンドがないとふらふらで安定しない

卓上利用のマイクスタンドセット、万能に使えるマイクアームセットがそれぞれ用意されています。

感度が低く、口元に持ってこないと音が小さいのでマイクアームセットが無難です。

補足

マイクスタンドとのセット品はブラックカラーしかありません

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SHURE MV7をレビュー

SHURE MV7 横から
MV7の評価
音質
 (4)
使い勝手
 (5)
コスパ(33,800円程度)
 (2.5)
総合評価
 (3.5)

それでは、SHURE MV7をレビューしていきます。

まず、メリット・デメリットを並べると以下の通りです。

メリット
デメリット
  • 高音質でノイズも少ない
  • 自動調整モードで初心者でも音量調整が簡単
  • XLR・USB両対応
  • 専用アプリが使いやすい
  • 競合品と比べて価格が高い
  • iPhone接続に専用ケーブルが必要で高い(4,400円)

まず、全体通して非常に良くできたマイクだと感じました。

特にUSB用途では、Auto Levelや専用アプリのプリセットなど初心者でも簡単に扱えるのが良いです。

一方で33,800円程度と価格が高いのがネックです。

iOS用の専用ケーブルやマイクスタンドも買うと、総額で4万円を超えてしまいます。

モノが良いので仕方ないですが、USBマイクで3万超えは正直辛いですね。

低ノイズで聴きとりやすい音

SHURE MV7

SHURE MV7で歌、アコギ、トークなどを録ってみました。

音はすごく良いですね。中高音がやや強めでローは控えめな印象を受けました。

トーク・歌など声に最適化されていて、SM7Bよりはターゲット絞ってる感じです。

SHURE MV7

周辺のノイズをあまり拾わず、音声だけをクリアに拾ってくれますね。

また、近接効果の調整が良い感じで、マイクに近づいても低音はそこまで膨らみません。

近接効果

マイクに近づくほどに低音域が強調される現象のこと

MV7でボーカルとアコギを録った動画がこちら。

ミックスナッツ/Official髭男dism 【アコースティックCover】

かなり良質なダイナミックマイクだなと感じました。

周辺ノイズや近接効果の抑制はよくできていて、普通のダイナミックマイクより使いやすいですね。

サンプルとして、3種類のマイクでワンフレーズ録り比べてみました。

iPhone 13 Pro

iPhone 13 Pro

Blue Yeti X

blue-yeti x

SHURE MV7

SHURE MV7

音質はコンデンサーマイクのBLUE Yeti Xがワンランク上ですね。音の解像度が違います。

とはいえ、MV7も十分良い音質です。

また、MV7は初心者でも簡単で使いやすい作りになってます。

USB利用の場合は自動レベルモードなどもあるので、そのへんが強いと感じますね。

音量は小さめ

SHURE MV7 横から

SHURE MV7はダイナミックマイクなのもあって、音の感度は-55dBV(USBは-47dBFS)と低めです。

接続するオーディオインターフェイスによっては音量が足りないこともあります。

補足

安いオーディオインターフェイスはゲインの増幅幅が狭いので、音量が不足しがち

また、USB接続の場合は内蔵のマイクプリで動作しますが、ゲイン幅は「0 to +36dB」なので低いです。

そのため、口元に近づけるオンマイクが前提と思ったほうが良いですね。

SHURE MV7設置例 ニア
公式の取扱い説明書より引用
オンマイク

音の発信源に近づけてマイクを設置すること。離して設置をオフマイクと呼ぶ

声量にもよりますが、机に置いて距離を離してしまうと音量が足りません。

XLR接続だと増幅幅が広いマイクプリを使えば良いですが、USBだとやりようがありません。

そのため、オンマイクで使うことを前提で買いましょう。

アプリは非常によくできている

SHURE PLUS MOTIVのautoモード

SHURE MV7のPC、スマホで使える専用アプリはわかりやすく、使いやすいです。

プリセットしか選択できないので、細かい調整はできないですが、初心者には非常にやさしい作りになっています。

注意

専用アプリはUSB接続時のみ使えます。XLRだと機能しません

色々と使ってみた感じはトークや実況はAUTO LEVELで十分ですね。

小声と大声を混ぜても、そこそこ良い感じに音量調整してくれます。

SHURE PLUS MOTIVのautoモード
初期設定のままでOK

下手にMANUALで色々いじるより、よほど良いです。

ニアにして、マイクを近づければ周辺ノイズもほとんど拾わないですし、本当に良くできています。

ただ、歌録りや楽器録りではAUTO LEVELはやや厳しいです。

マニュアルでマイクゲインをきちんと調整しましょう。

SHURE PLUS MOTIVのマニュアル画面

歌配信の用途では、LimiterをONにして、CompressorはLightくらいがちょうどよかったです。

SHURE PLUS-MOTIVの歌配信時の設定

エアコンやPCの動作音が入るようなら、EQを左から2番目のハイパスにしてみるといいですね。

なお、リバーブはありません。

やはり、歌配信よりはトーク配信向けに最適化されている感じはします。

競合製品との比較

SHURE MV7
MV7
blue-yeti x
Yeti X
PreSonu Revelator
Revelator
指向性単一指向性4種類3種類
ビットレート48kHz / 24bit48kHz / 24bit96kHz / 24bit
イヤホン端子
ゲインつまみ
モニターMIX
エフェクト
実売価格約33,800円約24,860円約27,500円

SHURE MV7の競合製品として出てくるのは、BLUE Yeti XPreSonus Revelatorです。

それぞれの製品の特色を挙げると、以下の通りです。

製品名特徴
SHURE MV7
MV7
XLR・USB両対応
XLR接続可能なため
音楽制作で有利
blue-yeti x
Yeti X
ロジクール製品と連携可
ゲーム実況で有利
PreSonu Revelator
Revelator
DAWが付属
ASIO対応でDSP搭載
音楽制作で超有利

競合製品と比較するとMV7は価格も高く、音質や性能的にも強くはないです。

XLR/USBの両方で活用するなら良いですが、USBだけの人だと明らかにコスパも悪いのが正直なところです。

その中で、MV7の強みは手軽さですね。

周辺ノイズ・近接効果の抑制や自動レベルモードなど、音の取り扱いに不慣れな人でも簡単に設定を最適化できます。

SHURE MV7 斜めから

スマホ向けに専用アプリが用意されている点も強いですね。

iOS版 SHURE PLUS MOTIV

iPhoneメインで配信する人には、2022年現在で一番良いUSBマイクだと思いました。

補足

iOS用アプリが用意されているUSBマイクは非常に珍しい

また、ルックスも良い感じで、配信映えします。

SHURE MV7 横から

放送局で定番のSM7Bとそっくりなので、ラジオ感出て良いですよね。

なので、こんな人にMV7をおすすめしたいです。

  • 音量設定など音の取り扱いに詳しくない
  • でも、配信やテレワークなどの音質にはこだわりたい
  • デスク回りの見た目にはこだわりたい

逆に音の設定を細かくやりたいなら、BLUE Yeti Xのほうが細かく調整できるのでおすすめです。

コスパや音質でいくと、Yeti X。

取り扱いやすさやルックスでいくと、MV7というのが僕の結論ですね。

SHURE MV7 まとめ

SHURE MV7
  • 放送局などで定番のSM7Bを安価にしたUSB/XLR両対応のマイク
  • 音の特性、アプリの利便性など初心者でも扱いやすい
  • 価格や音質面ではYeti Xのほうが良いが、取り扱いやすいのはMV7

ぎたすけ

確かにやや高い感はあるけど、取り扱いやすいってのは良いよな

たけしゃん

そうだね。音量調整ってほんと難しいからね。そこを自動化できるのは良いよね

SHURE MV7のレビューでした。

欲を言うと、USBのみで良いから2万円くらいだったらなぁと思っちゃいましたね。

とはいえ、アプリも含めて製品自体は非常に良いので、仕方ないかなとも感じました。

音の調整など自動で任せたい人には、非常に良いUSBマイクです。

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