ぎたすけ
たけしゃん
僕はずっとWindowsでDTMやってきて、今は両方持ってるからリアルな実態や背景を色々解説していくよ
本記事はシンガーソングライターの筆者が長年WindowsでDTMをやってきた経験から、WindowsとMacの違いや過去にMac一択だった背景を解説していきます。
結論から言うと、今ではWindowsとMacのどっちを選んでも大丈夫です。
ただ、音楽制作でのWindows vs Mac問題については過去の背景を理解することが大事なんですよね。
また、最後に必要なPCのスペックについてもシンガーソングライター目線で解説します。
巷にはDTMer目線の情報しかほとんどないため、ぜひ参考にしてください。
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DTMする分にはWindows・Macどっちでもいい
まずは結論から話すと
2020年現在はDTMをやるならWindowsでもMacでもどちらでも大丈夫です。
Windows側の環境が非常に良くなったので、どちらでも差はありません。
ただ、この質問する人が本当に気にしてるのは音楽業界内の文化とかの話だと思うので、そのへんを掘り下げていきます。
まず、WindowsとMacの違いを列挙するとこんな感じ。
- PC本体が安い
- 一般社会だとWindowsが基本なので楽
- 拡張性が高く、色んな用途で使える
- Mac純正の制作ソフトは使えない
- PC本体が高い
- 音楽業界だとMacが基本なので楽
- デザイン性が優れている
- Mac純正の制作ソフトが安くて高性能
PC本体価格はMacはマジで高いです。
音楽制作でバリバリ使えるレベルのPCだとDELLは15万円くらいですが、Macは25万円くらいです。
スペック的に同じで10万円差があるのに超売れてるって、Appleはほんとすごいブランド力です(苦笑)。
あとやっぱり、重要なのが社会生活との親和性ですよね。
一般企業との兼業ミュージシャンはWindowsのほうが便利です。
大半の会社のPCがWindowsですからね。
僕は一時期Macも使ってましたけど、やっぱり大分違いますので両OSの操作を覚えるのは大変です。
逆に音楽業界に就職する人はMacのほうが楽です。
制作会社とかスタジオの求人では「Macが使えること」が必須条件になってることがめちゃくちゃ多いです。
実務上はWindows・Macどっちでも問題ないと思いますが、だからこそ今更Mac文化から変わらない気もします。
このへんは自分がどういった仕事で生活していくのか次第ですね。
音楽業界で生きてる人は大半がMacなので、Macのほうが仕事を習いやすいのもあります。
ただ、一歩外の世界に出るとWindowsのほうが教えてくれる人や情報量は圧倒的に多いんですよね。
例えば、ガチの音楽制作とか映像制作系の情報はMacばかりですが、歌ってみたとかYouTuber向けの情報はWindowsのほうが圧倒的に情報量が多いです。
なので、整理して分けると
- 音楽業界に就職を考えてる人…Mac
- 音楽は趣味でやる人…Windows
- フリーの音楽家をやる人…どっちでもいい
こんな切り分けになるかなと。
DTMをやるPCが云々というよりは自身の進路で考えたほうが良いです。
そして、ここから先は音楽制作=Macだった時代の背景や実情を解説していきます。
このへんの背景を理解すれば、おのずと自身がどっちのOSを選ぶべきか見えてくる気がします。
音楽制作といえばMacだった理由
以前(2010年くらいまで)は本当に音楽制作=Macという文化でした。
何でか?というと単純で音響機器やDAWがMac専用ばかりだったからなんです。
特にプロユースのオーディオインターフェイスは大半がMac専用でした。
そして、なぜMac専用ばかりだったのかというとOS標準ドライバの問題があったんですよね。
Macはもともとクリエイター利用が想定されているので、OS標準ドライバであるCore Audioが優秀なのです。
そのため、楽器メーカーもCore Audioを想定して作れば良かったわけです。
しかし、WindowsのOS標準ドライバは音楽制作で使えるレベルのものではなかったんです。
なので、楽器メーカー側が音楽制作に対応できるドライバは独自に作らなきゃいけないという壁がありました。
更にはMacはハードとソフトを自社のみで扱ってるのでApple製品のみですが、Windowsはオープンにしてるんで色んなメーカーがPCを製造してます。
なので、楽器メーカーもWindows対応するというのはサポートの重みが違ってくるのでハードルが高いわけです。
たけしゃん
そんなわけで大半の楽器メーカーが、Windowsには手を出さない状況が長年続いてました。
Windows対応メーカーが急激に増えた
音楽業界とは逆に一般社会ではWindowsが急激に浸透していきます。
そして、DTMも一般的になってきたため、プロよりアマチュアユーザーのほうが人口数がはるかに多くなりました。
アマチュアユーザーはもちろん普段の仕事ではWindowsを使ってる方が大半です。
なので、楽器メーカーも自社のシェア率・売上を伸ばすにはWindows対応するしかない状況になってしまったわけです。
ぎたすけ
たけしゃん
Windows対応の機種が増えてDTM参入者も大分増えたしね
そんなわけで、2000年代後半くらいからはプロユースのメーカーも一気にWindows対応しはじめました。
2020年現在ではWindows対応していないメーカーのほうが圧倒的に少ないです。
とはいえ、やっぱり昔からWindows対応しているROLANDやSTEINBERGに比べて、最近対応したメーカーはドライバが動作不安定だったりします。
僕もプロユースメーカーで定番のMOTUが2010年くらいにWindows対応したので購入しましたが、ドライバがめちゃくちゃ不安定でした…(苦笑)。
最近のMOTU製品は大丈夫みたいなので、やっぱり動作安定までの試行錯誤でそれなりに時間がかかるようですね。
音楽業界では今でもMacが基本
前述の通りでWindowsでの音楽制作が一般化してきたのって、まだここ10年くらいの話なんです。
なので、音楽業界だと未だにMacばかりです。
音楽専門学校では、入学時にMacの購入勧誘とかあったりするくらい。
ただ、重要なのはMacのほうが必ずしも音楽制作用途において優れているわけではないということです。
現状はWindowsとMacで明確な差はありません。
音楽業界がMacばかりなのはMacしか選択肢がなかった時代が長い上に、別に今更Windowsに変える理由もないだけの話なのです。
とはいえ、音楽業界で働くと職場で使うPCが基本MacなのでMacが使えることが応募条件になってたり…。
現状は音楽業界での就職を考えるなら、Mac使えたほうが良いことは間違いありません。
音楽講師もMacユーザーばかり
音楽専門学校や音楽教室で講師をやっている方も大半がMacユーザーです。
これも単純に講師自身が勉強している時代はMacしか選択肢がなかったためですね。
僕の場合は音楽専門学校でDTM習ったんですけど、授業ではPC持ち込み不可で学校のPCを使わなきゃいけなくて強制的にMacを使うハメになりました。
たけしゃん
また、Macユーザーの先生にWindowsのPC操作やPCトラブルを相談しても解決は厳しいので、そのへんは自力で頑張るしかありません。
僕もDAWとWindows関連のトラブルはメーカーに聞くかネットで調べて自己解決のどちらかでずっとやってきました。
まあ、とはいえ肝心の音楽的なスキルについてはPCは関係ないです。
音楽教室についても自前のPC持ち込み可能なのが普通なので、現状はそんなに困ることはないかなと感じます。
DTMに必要なPCスペック
ぎたすけ
たけしゃん
WindowsとMacの話が終わったところで最後にDTMに必要なPCスペックについて解説をします。
まず、大前提はPCスペックは高いに越したことはありません。
ただ、DTMerの方々が言うほどの高スペックPCは正直必要ないのが実情です。
というのも、シンガーソングライターのデモ制作で必要なスペックと、DTMerが完パケするのに必要なスペックでは天と地ほどの差があるからです。
シンガーソングライターのデモ制作なら5~15トラック程度で足りることが大半です。
対して、DTMerが完パケする場合は100トラックとか普通に使います。
もちろん、DTMer側は使用するソフトウェア音源やプラグインもすごい数になるのでPCの負荷が尋常ではありません。
ちなみにDTMerの方は作編曲家をされているUGさんの下記記事が詳しいので参照にするとよいです。
[驚愕]CPUスペックでDTMパソコンを選ぶと失敗するその理由とは
シンガーソングライターの場合は大した数のソフトウェア音源もプラグインも使いません。
歌、コーラス、ギター数本重ねるなど生楽器だけでソフトウェア音源を使用しない人も結構多いはず。
たけしゃん
そんなわけで、シンガーソングライターのDTMにおいてはDAWの推奨環境をクリアしていれば十分いけます。
ここでは、最もメジャーなDAWであるCubase 11の推奨環境を見てみましょう。
Cubase11の推奨環境
項目 | 推奨環境 |
CPU | Intel i5 以上 |
メモリ | 8GB |
ディスク空き容量 | 70GB以上(※) |
ディスプレイ解像度 | 1920 x 1080 |
グラフィックボード(Winのみ) | Direct X 10、WDDM 2.0 に対応したグラフィックボード |
※推奨環境は70GB以上ですが、他の用途も考えてSSDで200GBはあったほうが良いと思います
DTMerの場合はここから大量のプラグイン・ソフトウェア音源を使用することを想定する必要があります。
しかし、シンガーソングライターであれば推奨環境をカバーしておけば快適に動きます。
たけしゃん
現に僕のMacbook Proは推奨環境ギリギリですが、全く問題なくCubase AIで音楽制作できています。
強いて言うなら、重たいプラグイン使うときの保険でメモリは16GBあったらベターかなという感じです。
また、上記は「推奨環境」なので、スペックがもっと低いPCでも動きが悪いものの使えなくはないです。
特にシンガーソングライターの方だと、推奨環境以下のPCを使ってる人が割と多いです。
ただ、PCの世界は時代の進化に合わせて必要スペックが上がっていくものなので、推奨環境を下回ってると数年でスペック的に厳しくなるのが実情です。
そのため、コスパも考えると推奨環境を満たすPCを買って長く使ったほうがベターです。
たけしゃん
(再掲)Cubase11の推奨環境
項目 | 推奨環境 |
CPU | Intel i5 以上 |
メモリ | 8GB |
ディスク空き容量 | 70GB以上(※) |
ディスプレイ解像度 | 1920 x 1080 |
グラフィックボード(Winのみ) | Direct X 10、WDDM 2.0 に対応したグラフィックボード |
※推奨環境は70GB以上ですが、他の用途も考えてSSDで200GBはあったほうが良いと思います
DTMならWindowsとMacどっち? まとめ
- DTMやる分にはWindowsでもMacでも変わらない
- 音楽業界への就職を考えてるならMacが有利
- 音楽=Macとなっていたのは、昔は大半の音響機器やDAWがMacのみ対応だったから
ぎたすけ
たけしゃん
この質問する人が本当に聞きたいのそこだと思うしね
DTMをやるPCのOSについての解説でした。
本当にここ10年くらいでWindowsのDTM環境はよくなりましたね。
最近だと、Windowsだからといって困ることはほとんどない気がします。
音楽=Macという考えを持ってる人はもう一度冷静になって考えたほうが良いと思います。
PC本体価格の差で音楽制作に必要な機材が一通り買えてしまいますからね。
Macが好きとか、音楽業界に就職したいとかそれなりに理由がないならWindowsにしたほうが良いケースが多いです。
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