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Blue Microphones Ember
マイクメーカーでは知られているBlue Microphonesが2019年6月に発売したエントリーモデル、Blue Microphones Ember。
コンデンサーマイクの中でも、低価格帯の部類ですが音質は良好なマイクです。
これまでのBlueのマイクは最も安いもので、2万半ばでした。
Emberは実売価格で1.2万円。
満を持して、Blueも1万円前後の安いコンデンサーマイクの競争に参入してきたというわけですね。
まずは、Emberの仕様や特徴から細かく解説していきます。
Emberの基本スペック
- 単一指向性
- 周波数特性:38Hz~20,000Hz
- 最大入力音圧レベル 132dB
- 重量 380g
よくある感じのスペックですね。
周波数特性が38Hz~とせまめに設定されています。
…といっても、周波数特性20Hzと38Hzの違いを判別するのは人間では難しいので気にする必要はないでしょう。
指向性
指向性は単一指向性のみ対応。
ボーカルや配信でのトークであれば、単一指向性しか使用しないので特に問題はありません。
正面しか音を拾わないので、複数人で喋りながら配信する場合は複数マイクを立てるか、配置を工夫しましょう。
Ember 寸法・重量
- 寸法:219mm(高) x 39.26 mm(幅) x 31.91mm(奥)
- 重量 380g
重さはコンデンサーマイクの中では普通といったところです。
問題となるのは高さです。219mmはコンデンサーマイクの中でトップレベルの高さ。
後で細かくレビューしますが、自宅使用だと使いやすくはないです。
スタンドマウント付き
マイクスタンドとの接続するために専用スタンドマウントが付属しています。
マイクスタンドとの接続部分はこんな感じ。
※マイクスタンドとマイクが直接連結されるので、振動が伝わりやすい
スタンドマウントだと地面の振動をノイズとして拾いやすい弱点があります。
…といっても下に静音カーペットなど敷いていれば問題ありません。
フローリング直置きは足でリズムを取る時もかなり気を付けないと、ボン!といった低音をマイクが拾ってしまいます。
気を付ければ大丈夫ですが、意識はする必要があります。
なお、上のモデルに当たるSpark SLはショックマウントです。
ただし、Spark SLは価格が倍くらいします。
ショックマウントが必要な方は別売りの安価なショックマウントを買うなどして対処するのが良いでしょう。
安価なショックマウント
Blue Emberをレビュー
それでは、コンデンサーマイク Blue Microphones Emberをレビューしていきます。
はじめに総評すると「使い勝手はイマイチだが、音質は1万円とは思えない高レベルなマイク」です。
縦長の形状が自宅だと使い辛かったり、吹かれが入りやすかったり…と使い勝手はイマイチ。
その代わり、音質は3万円クラスのマイクと比較しても見劣りしません。
音質はナチュラルかつクリア
まず、音を録ってみて感じたのが「アコギの音が凄く良い!」ということ。
1万円近辺のマイクでアコギの録り音がよいと感じたことがなかったので、ちょっと衝撃。
高音域のキラキラした音は拾いつつ、低音域・中音域もしっかり入っているので全体のバランスが良いです。
また、ボーカル録りも良い感じでした。
1万円のマイクだと音が奥に引っ込みがちなのですが、Emberは割と近い感じで繊細な音が録れてました。
ハスキーボイスの方や繊細な女性ボーカルには相性が良さそうです。
予算1万円だと繊細なボーカルはMXL V67Gが定番でしたが、今後はEmberという選択肢が主流になりそうです。
縦長の形状が使い辛い
※audio technica AT2020を並べてみた
Emberは高さ219mmと縦に長い形状ですが自宅で使用するには使い辛いです。
マイクアームや卓上スタンドだと高さ調節がきついんですよね。
とくに自立型の卓上スタンドは位置調節の自由度が低いです。
※自立型の卓上マイクスタンド
ローテーブルに卓上マイクスタンドを置く形だと、Emberのマイク位置とボーカルの口の位置を合わせられませんでした。
※ローテーブル
本や箱で適当な台座を作って調節するなど、古風な高さ調節が必要です。
マイクアームならEmberを逆さ吊りにすれば問題なく位置調整できます。
ただ、安いマイクアームだとアームの長さが足りません。
Blue Compassなど長いマイクアームを選んだほうが良いです。ただ、Compassは15,400円と高いんですよね…。
歌録りやライブ配信など日常的に頻度高く活用する方は、使い勝手の良いaudio technica AT2020の方が良いかなと感じますね。
Ember対応のマイクスタンド
僕の家にあるマイクスタンドで試した対応可否はこちら。
- ブームスタンド(TAMA)…〇
- ブームスタンド(KC)…〇
- ブームスタンド(ノーブランド)…〇
- Roycel マイクアーム…〇
- ブーム型卓上スタンド…△(高さ調節がきつい)
重量の観点ではどのマイクスタンドでも問題ありませんでした。
ただし、高さ調節の面で卓上スタンドは難ありです。
よって、Emberを使いたい方はマイクアームかブームスタンドのどちらかにしましょう。
マイクアームもできればアームの長さが欲しいです。値段は張りますがBlue Compassだと長いマイクでも楽に逆さで吊るせます。
Blue Compass
KC ブームスタンド
吹かれが入りやすい
吹かれとは風や息の音が入ってボボッ!というノイズが載る現象のこと。
Emberは感度が高いのか、吹かれが入りやすいです。
僕は色んなコンデンサーマイクを使ってますが、Emberが一番吹かれが発生しました。
よって、まずポップガードは必須。
※吹かれ防止のポップガード
そして、ポップガードをつけてても吹かれが発生するのでマイクとの距離感は意識しましょう。
幸い、指向性がやや狭いようで周りの音を拾い辛いので音量を上げて離れ気味に録るようにすると良いでしょう。
離れることでボーカルのニュアンスは変わっちゃうんですけど、それでも他の1万円のマイクよりは繊細な音が録れます。
Ember
同価格帯マイクとの比較
同じ1万円周辺のマイクで競合となるのは下記の2機種。
- MXL V67G
- audio technica AT2020
どちらも以前から存在する定番のコンデンサーマイクです。
僕はEmberを含めた3本をすべて持っていますので、掘り下げて比較していきます。
MXL V67Gとemberを比較
MXL V67Gは1万円で買えるマイクの中で中音域をブーストしていることが特徴です。
ハイトーンな男性ボーカルや女性ボーカルの美味しい帯域をブーストしているので音がキラッとしてます。
ただ、音質面で言うとEmberのほうが繊細に音を拾ってくれる上にフラットで癖がないので使いやすいです。
MXL V67Gは本体が重くて使いやすいマイクとは言い辛いので、欠点はEmberとほぼ一緒。
よって、好みはあるものの基本的にはEmberを選択したほうが良いです。
ember
V67G
AT2020とEmberの比較
続いてはaudio technica AT2020との比較です。
ザックリ言っちゃうと、下記の使い分け。
- 音質重視…Ember
- 総合力重視…AT2020
どちらも音質的には癖がなくフラットで使いやすいです。
参考までにAT2020で録った参考動画です。
ただ、僕が両方使った印象ではEmberのほうが繊細な部分が収録されており、音が前に出ており良好に感じます。
しかし、使いまわしにおいては断然AT2020のほうが楽です。
AT2020ならマイクの位置調節やマイクスタンドの選択で苦労することがありません。
正直なところ、日常使いするマイクだとわずかな音質差より使い勝手のほうがはるかに重要なんですよね。
使い勝手が悪いと、面倒になってやる気なくなっちゃいますから(僕の体験談)。
よって、自宅で日常使いする人はAT2020をおすすめします。
逆に基本的にはスタジオに持ち込んで使う…など使用頻度がそこまで高くない方はEmberが良いですね。
ember
AT2020
Blue Emberにおすすめのオーディオインターフェイス
Emberを使うにはオーディオインターフェイスをセットで購入する必要があります。
そこで、おすすめのオーディオインターフェイスは下記の2つ。
- DTMメイン…Steinberg UR22C
- ライブ配信メイン…YAMAHA AG03MK2
上記2機種のどちらかを買っておけば間違いないです。
2機種を比較してみると…
AG03MK2 | UR22C | |
入力端子 | コンボジャック LINE | コンボジャック×2 |
ビットレート | 192kHz / 24bit | 192kHz / 32bit |
4極入出力 | 〇 | × |
ヘッドセット | 〇 | × |
エフェクト | 〇 | 〇 |
スマホアプリ | 〇 | 〇 |
ループバック | 〇 | 〇 |
実売価格 | 約18,300円 | 約17,820円 |
Steinberg UR22Cはマイクを2本挿せるので、音楽制作において色んな状況に対応しやすいです。
対して、YAMAHA AG03MK2はライブ配信に特化した機能が本体パネルに詰め込まれてます。
エフェクトのON/OFFから、ヘッドセット端子といったゲーム実況で使いたい機能まで盛りだくさん。
なので、AG03MK2は音楽用途以外でゲーム実況や雑談配信するには便利です。
逆に基本は音楽系の配信や動画制作、レコーディングが中心の方はUR22Cのほうが汎用性が高くおすすめです。
AG03MK2
UR22C
Blue Ember まとめ
- 有名マイクメーカー Blueがついに発売した1万円ちょっとで買えるコンデンサーマイク
- 使い勝手がやや悪いところがあるものの、音質は同価格帯の中で頭1つ出てる感じ
- 日常使いするなら、使いやすいaudio technica AT2020のほうが有利
ぎたすけ
たけしゃん
Blue Microphones Emberのレビューでした。
安くて音質の良いコンデンサーマイクを求めている方には実に良い製品ですね。
ついに1万円という価格帯でも「音質」と「使い勝手」のどちらを選ぶ?なんていう悩みが出てきましたね。
以前だと、そもそも音質はイマイチが大前提だったので時代の進化はすごいものです。
音録りは自宅ではなく、リハーサルスタジオでやるという人も多いので選択肢が増えたことは純粋に嬉しいですね。
Ember
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