ぎたすけ
たけしゃん
飛ばし読みガイド
読みたい場所をクリック!
Taylor(テイラー)414ce V-Class
Taylor(テイラー)の数字3ケタシリーズの中間グレードにあたる、Taylor 414ce V-Class。
実売価格も33万円程度なので、予算30万円のギターに該当しており、Martin D-28などと同じ価格帯になってきます。
「Taylor(テイラー)のギターは生音がいまひとつだが、エレアコとしての性能は素晴らしい」
…という印象ですが、414ce V-Classまでくると生音も十分高レベルになっています。
ボディの形状
Taylor(テイラー)のレギュラーモデルには6種類のボディ形状があります
Taylor 414ce V-ClassはGA(グランドオーディトリウム)というボディ形状を採用しています。
GA(グランドオーディトリウム)はドレッドノートより、ボディ上部を細めにしてくびれを作ったTaylor独自のボディです。
音量やパワーを極力キープしつつ、音のレスポンスを向上させ、ドレッドノートとスモールギターの良いとこ取りしたギターボディです。
なお、400シリーズには3種類のラインナップが用意されています。
- 412ce…GC(グランドコンサート)
- 414ce V-Class…GA(グランドオーディトリウム)
- 416ce…GS(グランドシンフォニー)
GAのシェア率が圧倒的に高いですが、ギタリストの方はGSを使っている人が結構いる印象です。
416ce(GS)
V-Class
※出典:Taylor公式HP
414ce V-ClassはV-Classブレイシングという工法を取りいれています。
アコースティックギターのブレーシングといえば「Xブレーシング」ですが…
V-Classは本体内部でXブレーシングとは異なる振動パターンを作り出して、音量をキープしつつ高音のサスティーンを持続させる…というアイデアです。
確かに音量を大きくさせると高音の伸びが犠牲になり、逆もしかり。
そんなわけでドレッドノートのほかにスモールギターの存在価値もあるわけで両立できるギターがあれば理想的ではあります。
V-Classはその理想を追い求めた…ということですね。
確かに音の鳴りは良いです。
特に響きが豊かな感じで音の膨らみや広がりが出ています。
木材
- トップ:シトカ・スプルース
- サイド&バック:オバンコール
- ネック:トロピカル・マホガニー
400シリーズはオール単板で構成されたギターです。
サイド&バックに使われている、オバンコールはまだまだアコギでなじみの薄い木材ですね。
オバンコールはローズウッドに近い、木目と音質という特性を持っています。
なので、供給が不足しているローズウッドの代替材として活用され始めています。
実際に414ceのサイド&バックも元々はローズウッドでしたしね。
オバンコールを弾いてみると、たしかにローズウッドに近い艶と深みがある音を奏でてくれます。
ただ、ローズウッドよりは硬い音になっており、サスティーンの伸びはやや控えめで代わりに音の輪郭がしっかりしています。
Rosewood 400 Series
400シリーズにはサイド&バックがインディアン・ローズウッドになったRosewood 400 Seriesがあります。
人気なのはGA(グランドオーディトリウム)の414ce Rosewood V-Classですね。
サイド&バックがローズウッドになって、音の艶と深みが増しています。
Martinのギターにかなり近い音質です。
代わりに単音での輪郭はオバンコールに分があるので、好みが分かれるところです。
僕は自身のメインギターがローズウッドなのもあり、414ce Rosewood V-Classのほうが好みです。
特にサスティーンの伸びを重視する人はローズウッドが良いです。
実売価格は414ce Rosewood V-Classのほうが+3万円ほど高いです。
木材自体がオバンコールよりローズウッドのほうが高いので致し方ないところですね。
ピックアップ
414ce V-ClassにはTaylor独自のピックアップ ES2が搭載されています。
内部に3つのピエゾセンサーが取付けされており、しっかりとした出力かつナチュラルな音質を実現しています。
コントローラーはボディ上部に3つのツマミ(Volume/Treble/Bass)が用意されています。
また、ボディ内部にはフェイズスイッチが付いており、位相を逆転できるようになっています。
他のピエゾタイプとは一線を画した音質なので、さすがエレアコに定評があるTaylor(テイラー)といったところです。
414ce オバンコール
414ce ローズウッド
Taylor(テイラー)414ce 相場価格
- 新品…33万円程度
- 中古…20万円程度
414ce V-Classは新品で33万円程度が相場です。
なので、Gibson J-45やMartin D-28などの有名ギターと同じ価格帯ですね。
414ce V-Classはエレアコとしては有名ギターにも全く引けを取らないのでライブ中心に方にはおすすめできる機種です。
中古市場では20万円くらいが相場です。
ただ、市場見ていると物によって価格の上下が激しいので相場価格はほんとに参考程度のものですね。
20万円だとちょっと…と思いますが、15万円くらいのものも割とあるので中古を探し回るのも良いですね。
Taylor 414ce 買取 相場価格
ES2搭載(現行仕様)
- 良品(ちょい傷程度)…8万円程度
- 並品(汚れ・傷あり)…5.7万円程度
ES1搭載(旧仕様)
- 良品(ちょい傷程度)…7.7万円程度
- 並品(汚れ・傷あり)…5.5万円程度
Taylor 414ceは販売価格に対して、買取相場価格は低めの設定です。
Taylorギター自体の買取相場が814ceを除いて基本安いので、仕方ないところです。
しかも、年代が経過することで価格が上がる可能性も薄いので眠らせている人は早めに売却したほうが良いでしょう。
最短30分で現金化
出張・宅配・店頭を選択可能
414ce オバンコール
414ce ローズウッド
Taylor(テイラー)414ce V-Classのレビュー
それでは、Taylor 414ce V-Classをレビューしていきます。
はじめに総評すると「生音は及第点、エレアコの音は優秀」です。
Taylor(テイラー)のエレアコは生音が弱点…と評されることが多いですが、414ce V-Classまでくると生音も及第点は取っています。
さすがに同価格帯で生音をうりにしている、Martin D-28やYAMAHA LL36 AREと比べると分が悪いです。
…が414ce V-Classはエレアコの音が良いという強みがありますからね。
各メーカーの有名ギターとも十分、互角以上に戦えるエレアコです。
艶と深みがある音質
414ce V-Classは生音もなかなか良いです。
僕は一緒にMartin OMCPA4 Rosewoodと弾き比べて試したのですが、艶と深みは負けず劣らずでいい勝負でした。
サスティーンの伸びはローズウッドにかなわないですが、音の深みや箱の響きは良好です。
ストロークでは箱が響いて倍音も良く出ており、指弾きのアルペジオでも艶のある高音が出ます。
アコギの音がメインとなる楽曲のレコーディングにも十分使える品質です。
また、414ce V-Classを試してみてサスティーンの伸びがもっと欲しい…という方は414ce Rosewood V-Classを試しましょう。
エレアコの音はさすが
生音もなかなかいいですが、やっぱりエレアコとしてアンプに繋いだときの音が良いです。
ES2で拾った音はナチュラルだし、特に指弾きのアルペジオでは高出力ながら艶のある音をしっかり拾っていて素晴らしいです。
コントローラーとして付いているTrebleとBassの効きも良いので、攻めた音も作れます。
ハウリングにも強いので、エレアコとして非常に使いやすいです。
弾きやすい
Taylor(テイラー)ギターの強みは弾きやすいことです。
ネック幅の太さは44.5mmとMartinの太めネックと同じですが、厚みが薄い仕様になっています。
そのため、ネック幅は広めで指を細かく動かしても窮屈にならないですが、握りやすいという良いとこ取りした造りになってます。
また、コンピューター制御を使った製造工程により品質が安定しています。
僕はかなりの数のTaylor(テイラー)ギターを弾いてますが、外れに出会ったことがありません。
アメリカでシェア率 No.1まで登り詰めたのは、この弾きやすさと安定した品質という強みがあったからでしょうね。
414ce オバンコール
414ce ローズウッド
同価格帯ギターとの比較
414ce V-Classは実売価格で33万円ほど…なので競合となりそうなギターはこちら。
- Martin D-28(実売価格 34万円程度)
- YAMAHA LL36 ARE(実売価格 31万円程度)
- Maton EBG808 ARTIST(実売価格 32万円)
このうち、Martin D-28とYAMAHA LL36 AREで標準でピックアップは搭載されていない純粋なアコギです。
後付けでピックアップを載せる必要がありますが、生音はやはり414ce V-Classより上です。
ただ、後付けで良質なピックアップを付けてもエレアコとしても良い鳴りになるかは賭けになります。
また、ピックアップ後付けの部品&工賃を載せると+3~5万円なので、やや高くつきます。
よって、Martin D-28とYAMAHA LL36 AREは生音重視の人が取るべき選択肢となります。
そして、ライブでのエレアコ使用に重きを置く人は414ce V-ClassとMaton EBG808 ARTISTの比較となります。
このMaton EBG808 ARTISTは生音もピックアップ通した音も素晴らしいギターです。
ただ、小ぶりなボディでフィンガースタイルに最適なギターなので、ジャカジャカと弾きたい人は414ce V-Classの方が良いです。
あらためて、まとめると414ce V-Classはこんな人におすすめ。
- 歌モノの伴奏でストロークが中心
- ライブで使いやすいギターを探している
- 弾き語りもバンドも両方やる
まとめてみると、やっぱりシンガーソングライターには使いやすいギターですね。
414ce オバンコール
414ce ローズウッド
Taylor(テイラー)414ce V-Class まとめ
- ローズウッドに近い性質のオバンコールを用いたエレアコ
- 生音も及第点でエレアコとして優秀な万能ギター
- 歌モノの伴奏でストローク中心の人と相性が良い
ぎたすけ
たけしゃん
Taylor 414ce V-Classの解説でした。
オバンコールって、まだまだ浸透していないですが弾いてみると良い木材だとわかりますね。
今後はローズウッド枯渇に伴いオバンコールを使ったギターの価値が上がりそうです。
414ce V-Classを30万円ちょっとで買えるのも、今だけかもしれません。
生音も良くて、エレアコとしては素晴らしい使いやすさな万能ギターです。
GibsonやMartinだけでなく、ぜひTaylorも選択肢に入れて買うギターを検討しましょう。
414ce オバンコール
414ce ローズウッド
よく読まれている記事
初心者が覚えるべき ギターコード 10個を練習用の譜例付きで解説
男性の音域を平均・低め・高めの3種類で解説。音域チェックできる音源付き
コンデンサーマイク おすすめランキングベスト10【2024年版】 〜プロアーティスト使用マイクも紹介〜
初心者向けアコースティックギター おすすめ6選。購入するギターの選び方を107名のアンケート調査付きで解説
ギターのストロークパターンを練習しよう。弾き語りでよく使う譜例 10パターンで解説
ギターのカポタストでキー変更するための上げ方、下げ方を役立つ早見表と合わせて解説
ギター初心者も弾ける簡単な曲 おすすめ50選。練習時のポイント解説付き
SYNCROOM(シンクルーム)の使い方、設定、遅延対策を解説。無料で自宅セッションを楽しもう!
女性の音域を平均・低め・高めの3種類で解説。参考アーティストも合わせて紹介
アコギ メーカー11社を解説。ブランドごとの特徴やおすすめのギターを紹介