ぎたすけ
たけしゃん
- リバーブの基礎知識
- 弾き語りにおけるリバーブの使い方
- おすすめのリバーブ
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リバーブの基礎知識
たけしゃん
リバーブは音にモデリングした残響音をくわえて、音の奥行や広がりを演出するエフェクト。
EQ、コンプレッサーと並んで使用頻度が高いエフェクトの1つです。
具体的には部屋や音楽ホールの残響音をモデリングし、原音とMIXすることで自然な響きを作り上げます。
強くかけすぎるとお風呂で歌っているかのようになってしまいます。
エコーやディレイとの違い
カラオケのエコーやギターで良く使うディレイと似たような効果があるため、ごっちゃになりやすいのがリバーブ。
それぞれの特徴をまとめると、こんな感じ。
- リバーブ…ある空間の残響音を加える
- エコー…同じ音を遅らせて鳴らす(短)
- ディレイ…同じ音を遅らせ鳴らす(長)
つまり、エコーとディレイは遅らせる感覚が異なるだけで基本一緒。
リバーブは反射音なので、同じ音が鳴るわけではなく反射されて残った音が加えられます。
といっても、リバーブとエコーの使い方はほぼ一緒。
ディレイは使い方が幅広く、リバーブのような使い方もされればフレーズづくりに使われたりもします。
余韻を作って雰囲気をよくする
リバーブの主な役割は余韻を作って楽曲の雰囲気をよくすることです。
細かく言うと…。
- 残響音を加えてリスナーに臨場感を与える
- 楽器・ボーカルに同じ残響音を与えて馴染ませる
- ボーカルのニュアンスに余韻を加える
と言った感じ。
レコーディングブースなど全く反射がない部屋で歌を録ると、ほんとに味気ない音源になります。
リバーブで彩ることでグッと雰囲気が良くなるのです。
強すぎるとぼやける
リバーブをかけると一聴した感じは演奏がうまく聞こえるので、強くかけてしまいがち。
しかし、リバーブを強くかけると逆に不自然さが際立ってきます。
ニュアンスや抑揚もなくなってしまうので、聴いていて感情移入できない音源になります。
また、音程やピッチのズレもある程度はリバーブでぼやけさせるとわからなくなります。
基本の考えは化粧と一緒。
やりすぎには注意して、程よいところで調節しましょう。
参考記事
カラオケではエコーなしで歌うべきか?エコーの仕組みや上手な付き合い方を解説
リバーブのパラメーター
たけしゃん
リバーブタイプ
リバーブタイプとはモデリングする環境の設定をさします。
多種多様な環境が用意されていますので、オーソドックスなものをご紹介していきます。
- Hall
- Room
- Plate(鉄板プレートの残響音)
- Convolution(実在する場所からモデリング)
- Spring(金属スプリングの残響音)
このあたりがよく使うもの。
ボーカルはバンド形態であれば、Plate系を使うことが多いです。
ギターはSpringリバーブが定番ですが、アコギだとRoomやPlateが合うことも多いので「これ!」というものはありません。
弾き語り音源だと、HallやRoomで統一させたほうが浮いた感じが出にくく有効ですね。
プリセットで「ボーカル(男女別)」「アコースティックギター」が用意されているものも多いため、活用するのもよいでしょう。
リバーブタイム(Decay)
リバーブがかかり始めてから消えるまでの時間を調節するパラメーター。
曲のテンポと合うようにかけるのが定石です。
ザックリ言うと、音がごちゃごちゃになっている場合は長すぎ。
逆にリバーブかけているのか、よくわからない時は短すぎです。
ボーカルのロングトーンなどでテンポと響きにずれがないかを確かめると良いでしょう。
プリディレイ
原音が入力されてから残響音が発生するまでの時間を設定するパラメーター。
狭い部屋ではすぐ反射されるため、プリディレイは早め。
逆にホールなどの広い空間では反射に時間がかかるため、プリディレイは遅め。
弾き語りだと、ルーム感を出すことが多いですがプリディレイ自体はやや遅めくらいが合います。
また、プリディレイにEQやフィルターを併用して高音域をカットするなど調節することもあります。
MIX
原音とリバーブをかけた音との比率。
MIX以外にDRY(原音)、WET(エフェクト音)という表記も使われます。
MIXの調整でリバーブのかかり具合が変わります。
他の設定にもよりますが、弾き語りだと薄っすらかける程度が良いので10~20%あたりが合うことが多いですね。
バラードなら、もう少し強めでも良いでしょう。
弾き語りでのリバーブ活用
たけしゃん
基本的にどのエフェクトにも共通ですが、弾き語りでは薄めがおすすめ。
原音を聴きやすいように整える…といったレベルが良いです。
状況別でおすすめを書くと、こんな感じ。
- ライブ配信…RoomやHallを薄めでかける
- 弾き語り録音…全体薄めだが、盛り上がるとこはやや深めにする
- バンド録音…Plate系で弾き語りより深め。歌が浮かないようにする
リバーブは聴き手に臨場感や距離感(奥行)を演出します。
深ければ遠くに感じますし、浅ければ近くに感じます。
弾き語りは基本的に近めの音が適しているので、リバーブなど空間系エフェクトは浅くなるよう薄めにかけましょう。
僕の理想の音は秦基博さんの音源。
秦さんは弾き語りのレコーディングで「肉薄するような近い音」という注文を出すそうです。
弾き語りアルバムevergreenを聴くと正にそんな感じ。
レコーディングエンジニアの諸鍜治辰也さんのコメントでは「Aメロは少なく、徐々に上げてサビは深めで曲中で三段階くらい変えている」とのことでした。
「Live at the room」の音源では全体通して薄めに設定されており、弾き語りの良さが良く出ています。
参考記事
弾き語りのレコーディング(録音)方法とおすすめの機材を解説おすすめのリバーブ
たけしゃん
リバーブを使う場面は大きく2つ。
- ライブ
- レコーディング
ソフトはかけ録りできないため、ライブではハードウェアでの対応が基本となります。
逆にレコーディングは後がけで自由に対応できるソフトウェアのほうが万能です。
弾き語りすとだとソフトウェアを使うことが多いですね。
ライブではライブハウスの音響さんがリバーブ設定してくれるので、独自で用意する必要はあまりないからです。
ハードウェアを持つ人は音を作り込みたいギタリスト寄りの方ですね。
ソフトウェア
DAWに付属のプラグインでも対応は十分可能です。
ただ、汎用性があって品質が良いのはサードパーティー製の製品。
おすすめはド定番ですが、Waves Renaissance Reverb。
DTM本のリバーブ講座では超高確率で登場するソフトウェアプラグインです。
バンドル WAVES Goldに入っています。
WAVES GoldにはEQ、コンプレッサーをはじめ、良く使うエフェクターが一通り入っているので弾き語りすとにおすすめです。
ハードウェア
ハードウェアで購入する場合はリバーブ単体よりマルチエフェクター型を買うことをおすすめします。
昨今の製品だとEQ、コンプレッサー、リバーブとアコギエフェクター三種の神器が揃っている良製品が多く、単品よりコスパが良いからです。
得におすすめなのはアコースティックギター用のプリアンプ兼マルチエフェクターFISHMAN ToneDEQ。
ベーシックな奏法から特殊奏法まで1台で完結させられる万能機種。
主な機能
- 4バンドEQ
- ブースター
- コンプレッサー
- リバーブ/ディレイ/コーラス/フランジャー/トレモロ
- D.I
FISHMAN ToneDEQ一台あれば音作りで困ることはない優れものです。
ピックアップの有名メーカーであるFISHMAN製なのでピックアップとの相性も良いところもおすすめです。
おすすめの関連記事
アコギ用プリアンプ おすすめランキング ベスト5。エレアコに適した選び方や機能を徹底解説!まとめ
- リバーブはモデリングした残響音を加えるエフェクト
- 弾き語りでは弱めにかけて近い音を演出するのが良い
- ハードウェアよりソフトウェアを活用することが多い
ぎたすけ
たけしゃん
リバーブの解説記事でした!
ライブ配信や宅録だと、ついつい強くかけてしまいがち(経験談)。
リバーブ強くかけると歌っていて良い感じに聴こえるんですよね。
後で聴きなおして我に返る。
弾き語りだと歌にギターにお世話になることが、とにかく多いリバーブ。
自身の歌を自然にかつ聴きやすくなるバランスを意識して実験してみましょう。
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