ぎたすけ
たけしゃん
アコギの中古市場について

アコギは楽器ジャンルの中でも中古市場が最も盛んです。
かなりの品数があり、東京には中古専門店などもあるほどですね。

まず、中古市場における製品は下記の3種類に分かれます。
名称 | 概要 |
中古 | 製造後、消費者の手に渡り 使用されたもの |
アウトレット (新古品) | 長期展示品など消費者には 使用されていないもの |
ヴィンテージ | 中古のなかでも年代もので プレミアがつくもの |
なお、本記事では中古ギター全般について解説していきます。
ヴィンテージに特化した内容は下記記事を参照ください。
そして、多くのお店はデジマートなどに出展しているので、下表の共通指標で商品をランク付けしています。
ランク | 状態 |
S | 新品 |
A+ | 新品同様 |
A | 美品 |
B+ | 通常使用問題なし |
B | 目的によって修理が必要 |
C+ | 完動品ではない |
C | ジャンク品 |
そんなわけで、最近はギターの状態を細かく明記している店舗が増えました。
そのため、昔と比べてハズレを引くことは大分減っていると思います。

ただ、何もわからず中古ギターに手を出すのは、やはりリスクが高いです。
本記事でも中古ギター選びの基本的な知識を解説していきます。
アコギの中古相場

アコギの中古相場は付加価値で大きく変動しますが、ザックリは下表の相場間です。
ランク | 新品価格との比率 |
S | 新品(100%) |
A+ | 90%〜95% |
A | 85%〜90% |
B+ | 80%〜85% |
新品との価格比率は高級ギターも安価なギターもあまり変わりません。
そのため、高級ギターほど中古の価格メリットが出やすく、安価なギターほどメリットが少ないです。

また、ギターの修理費用は工賃(人件費)の占める割合が高いため、ギターの本体価格と比例しません。
そして、中古のほうが早期に故障する確率は高いです。
なので、安価なギターほど中古で買うメリットは少ないです。
個人的には新品で10万円未満のギターを中古で買うのはリスクの方が高いのでおすすめしていません。
中古アコギの選び方と注意点

さて、次は中古のアコースティックギターの選び方です。
最近はギターの状態を明記した上で、購入後3か月もしくは半年の保証を付けているところが大半です。
そのため、明記された説明の意味を理解して買えば後悔するようなことはあまりないです。
そして、よく明記されているのは下表の内容です。
項目 | 概要 |
傷や変色の有無 | 本体に傷や変色があるか |
弦高 | フレットから弦までの高さ 演奏性に大きく影響する |
フレットの残り | フレットの減り具合 著しく減ると修理が必要 |
トラスロッドの余裕 | ネックの反りを調整するもの 余裕がないと調整範囲が狭い |
傷や変色の有無はそのままの意味ですが、実物を見たほうが良いです。

写真だと大したことがないように感じても、実物を見ると結構デカく感じたりします。
あとの3項目については掘り下げて解説していきます。
弦高

弦高はフレットの頂点から弦の下方側までの高さを指します。
弦高は演奏性に大きく影響するもので、状態によって下表のように影響が出ます。
基準となるのは1弦と6弦の12Fの弦高で、標準的な数値は以下の通りです。
項目 | 標準的な弦高 |
1弦12F | 約2.0mm |
6弦12F | 約2.5mm |
弾き語り用途だと、上表から±0.3mmくらいが良いですね。
ソロギターだと、大分低めに設定する方が多いです。
試奏してみて、しっくりこない場合は調整してもらえるか確認しましょう。

ギター工房併設のお店だと、購入する場合は希望の高さに調整してくれることが多いです。
また、弦高と合わせて、各フレットで音の詰まりやビビりがないかも確認しましょう。
ローフレットからハイフレットまで一通り鳴らしてみるのが良いですね。
フレットの残り

フレットはニッケル素材のものが一般的ですが、弾いていると徐々にすり減ってきます。
そのため、最近はフレットの残りを明記しているお店が多いです。
フレットがすり減ってくると、音の詰まり・ビビり・チューニングのズレなどが発生します。

そうなると、すり合わせもしくはフレット交換の対応が必要となります。
修理方法 | 概要 |
すり合わせ | フレットの高さを合わせる作業 1.5万円〜2万円程度 |
フレット交換 (リフレット) | フレットを新しいものに交換 一部交換と全交換がある 3.5万円〜5万円程度 |
フレットが減っているギターは安くても、1年や2年でフレット交換が必要になったりします。
そうすると、トータルで新品より高くついてしまうことも割と多いです。
できれば、フレット山が70~80%程度は残ってる状態が良いですね。
トラスロッドの余裕

トラスロッドとはギターの内部に埋め込まれた金属の棒を指します。
先端には回せるナットが付いており、回すことでネックの反りを調整できます。

ネックは真っ直ぐな状態が望ましいですが、湿度の変化などで反ります。
そして、反る方向によって順反りと逆反りに分かれます。

項目 | 状態 |
順反り | ネック中程(7~12F)が 下がるように曲がった状態 |
逆反り | ネック中程(7~12F)が 盛り上がるように曲がった状態 |
ネックが反った状態になると、どこかのフレットで音が詰まったり、ビビったりします。
また、弦高も変化し、弾きにくくなったりもします。
このネックの反りを調整できるのがトラスロッドです。

回す方向によって、順反りと逆反りを調整することができます。
回す方向 | 起こる現象 |
右(時計回り) | 締まって順反りを解消できる |
左(反時計回り) | 緩んで逆反りを解消できる |
そして、トラスロッドの余裕とは回せる範囲を指します。
既にどちらかの方向に限界近くまで回して調整している場合はトラスロッドの余裕がないということになります。
そのため、基本的にはトラスロッドの余裕はあったほうが良いですね。
なお、ネックが反っているかの判断は下記の手法で確かめましょう。
2Fと15Fを左手と右手で押さえる

2Fと15Fを押さえた状態で7~8Fあたりを軽く叩く

状態 | 症状 |
正常 | 叩くとカチカチと音がする |
順反り | 叩くとビーンという音がする ※ハンマリングに近い音 |
逆反り | 叩いてもほとんど音が鳴らない |
中古アコギの選び方 まとめ

- 中古のアコギは新品価格の7~9割程度が多い
- 安価なギターは中古で買うとデメリットが多い
- 最近は状態を明記してくれる店が多いので判断しやすい
ぎたすけ
たけしゃん
中古アコギの選び方についての解説でした!
僕自身も中古で何本か買っていますが、今のところは失敗もなく、長年ライブで使えています。

一方で新品と比べると、やはり修理やメンテナンスはそこそこの頻度で必要です。
個人的には価格を理由に中古に手を出すのはおすすめしません。
5年くらいのスパンで見るとメンテも含めたトータルコストは新品とあまり変わらないからです。

欲しい仕様のギターが中古市場にしかない…など明確な理由がある場合に中古を検討するのが良いですね。





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