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Gibson(ギブソン)J-160E
1954年にアコースティックギターでも大音量を出したい…という要望を基に発売された、Gibson(ギブソン) J-160E。
エレキギターで用いられるピックアップ、P-90を搭載したGibson(ギブソン)のエレアコモデルです。
もともと、Gibson(ギブソン)は1951年にJ-160Eの前身となるCF-100Eを発売していました。
※Gibson CF-100E
年々高まるエレアコモデルの需要に伴い、エレアコ専用モデルとして開発されたのがJ-160Eです。
The Beatles(ビートルズ)がデビューする1962年にジョン・レノンとジョージ・ハリスンがお揃いでJ-160E購入し、初期のアルバムのサウンドに使われています。
特にジョン・レノンはJ-160Eを使用している期間が長く、ビートルズフリークの方には憧れのギターとなっています。
現在はレギュラーモデルとしての製造はされていません。
2017年に限定販売された1962年製モデルの復刻版を基にJ-160Eの仕様を掘り下げていきましょう。
Gibson(ギブソン)J-160E ボディ形状
- スケール長 24.75インチ
- ボディ幅 16インチ
- ボディ長 20.25インチ
- ナット幅 40mm
(参考)ギターの寸法用語
ラウンドショルダー型のボディでJ-45などJシリーズと同じ形状です。
ですが、ところどころの仕様が異なる部分が存在します。
15フレットジョイント
J-160Eは15フレットジョイントになっています。
ジョイント位置を15フレットにした理由は不明ですが、フレット自体も19フレット仕様と20フレット仕様が混在しています。
アコギとエレキギターの中間ということで、試行錯誤していたからかもしれませんね。
ラダー・ブレイシング
J-160Eはラダー・ブレイシングを採用しています。
Gibson(ギブソン)のアコギは通常はXブレイシングですが、フィードバック(ハウリング)対策で鳴りを抑えた合板ボディ&ラダー・ブレイシングという仕様になっています。
Xブレイシングとはギターの鳴り方が、かなり異なります。
好きな人は好きなサウンドですが、普通に聴くとJ-160Eは全然鳴らない印象を持ちますね。
ナット幅
2017年に発売された1962年製の復刻版はナット幅40mmとナローネック仕様になっています。
しかし、1960年代がナローネック仕様というだけで通常ネックの43~44mm程度のJ-160Eも多数存在します。
Gibson(ギブソン)J-160E 木材
- トップ材:シトカスプルース(合板)
- サイド&バック:マホガニー(単板)
- ネック:マホガニー
- フィンガーボード:ローズウッド
Gibson(ギブソン)定番の組み合わせですが、トップ材が単板ではなく合板のシトカスプルースであることが特徴。
フィードバック(ハウリング)を防ぐためにあえて鳴りを抑えた合板仕様となっています。
生音は硬くて伸びがイマイチ。箱鳴りもイマイチ。
ピックアップを通すこと前提に作られたギターですからねぇ…。
といっても、ジョン・レノンのようなパーカッシブなリズムギターには最適なので、使い方次第なところではあります。
ピックアップを通した音はアコギとセミアコの中間的な音が鳴ります。
自然なまま増幅…というよりジャズ・ギターっぽいサウンドです。
Gibson(ギブソン)J-160E 使用するギター弦
アコギには通常はブロンズ弦を張りますが、J-160Eはエレキギターで使用されるニッケル弦が張られています。
元々はGibson SEG-900MLが張られていましたが、現在は製造されていません。
代替弦としては同じシリーズである、Gibson SEG-700Lあたりが良いでしょう。
やっぱり、アコギとエレキの中間的な感じがしますねぇ。
ピックアップ
J-160EにはGibson(ギブソン)純正ピックアップであるP-90が搭載されています。
エレキギターで用いられるシングルコイルのピックアップです。
アコギ用のピックアップと比べてナチュラルな感じはなく、音質はエレキギター寄りで出力されます。
ギター本体の右下にボリューム、トーンのツマミが付いています。
PAに接続するのも良いですが、ギターアンプに繋いで出力するのも良いですね。
Gibson(ギブソン)J-160Eの年代別変化
たけしゃん
それでは、1954年から製造されているJ-160Eを年代別で見ていきましょう。
1950年代から1990年代までポイントを絞って解説していきます。
1950年代
- トップ材:スプルース(単板&合板)
- サイド&バック:マホガニー
- ネック:マホガニー(ナット幅43mm)
1954年から製造が開始された、J-160E。
特徴的なデザインのブリッジとアジャスタブルサドルが目を惹きますね。
【参考記事】ギブソン(Gibson)のアコギにあるアジャスタブルサドルとは何かを解説
その他の1950年代の特徴
- サウンドホールロゼットがシングル
- ノブがスピードノブ、1958年からトップハット
- 木製ブリッジ
1950年代~1960年代前半まではルックスに関する軽微な仕様変更中心で割と仕様が安定しています。
1960年代
- トップ材:スプルース(合板)
- サイド&バック:マホガニー
- ネック:マホガニー(ナット幅40mm)
The Beatles(ビートルズ)が活躍する1960年代です。
1950年代から入って大きな仕様変更はナローネック仕様になるくらいですね。
1960年代の特徴
- サウンドホールロゼットがダブルになる
- ノブがメタルトップになる。1965年からはブラックハット
- ナット幅40mmのナローネック
Gibson(ギブソン)あるあるですが、1969年は仕様が変わります。
1969年は1970年代の仕様と基本同一であるため、次の1970年代に含めます。
ヴィンテージ市場でも人気のある1960年代もの。
J-160Eについては1960年代の復刻版も作られており、この時代の仕様になっているギターは比較的入手しやすいです。
1969~1979年
- トップ材:スプルース(合板)
- サイド&バック:マホガニー
- ネック:マホガニー(ナット幅43mm)
1969年の仕様変更
- ボディ形状がスクウェアショルダーに変わる
- サドルが通常の固定式に変わる
- ナット幅が43mmに戻る
- ピックガードが厚ラージに変わる
- ブリッジ向きが下向きのダウンベリーブリッジになる
…とまあ、1969年からは別のギター化しています。
アジャスタブルサドルではなくなり、ジャキジャキ感が薄れているかと思いきやボディの造りからか、大して変わらずジャキジャキでした。
J-160Eは1979年に生産完了し、リイシュー(再販売)される1990年代にはラウンドショルダー型に戻ります。
よって、スクウェアショルダー型の期間は10年のみと貴重な期間でもあります。
1990年代
- トップ材:スプルース(単板) ※1996年からは合板に戻る
- サイド&バック:マホガニー
- ネック:マホガニー(ナット幅43mm)
- ピックアップ:P-100 ※1996年からはP-90に戻る
- ボディ形状:ラウンドショルダー
生産完了してから10年がたち、1990年からリイシューされます。
トップがスプルース単板、ピックアップがP-100と音に関する仕様が変わっています。
P-100はHumbuckingピックアップでノイズに強く、音質が異なります。
結局は1996年からは元の仕様に戻り、1960年代のJ-160Eに近い仕様となります。
そして、2000年に入り、ジョン・レノンモデルや斉藤和義モデルなどシグネイチャーモデルのJ-160Eも発売されます。
今でも市場に多く見られる、人気ギターなんですね。
Gibson(ギブソン) J-160E 相場価格
年代別J-160Eの金額
- 1950年代のJ-160E …40~60万円
- 1960年代前半のJ-160E…70~100万円
- 1960年代後半のJ-160E…30~50万円
- 1970年代のJ-160E…30~50万円
- 新品のJ-160E…30万円前後
ジョンとジョージが使っていた1960年代前半のヴィンテージギターだけ、やたら高いです。
また、個体によって価格差が大きいギターですね。
同じ年代ものでも、よくある価格帯の3倍くらいするギターが存在します。
Gibson J-160E 買取 相場価格
- 良品(ちょい傷程度)…11万円程度
- 並品(汚れ・傷あり)…9万円程度
J-160Eは販売価格から考えると買取相場価格はかなり高めに設定されています。
J-45より高いです。コレクターの方向けに安く買える中古の需要があるのかもしれませんね。
J-160Eは癖が強いギターなのでハマる人はハマりますが、逆に一定期間弾くと急に冷めちゃう人もいそうなギターです。
なので、買取相場価格が高めなのは好材料です。
家で眠らせている人は無料買取査定に出してみると意外に高い値段が付くかもしれませんよ。
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Gibson(ギブソン)J-160Eの主な使用アーティスト
- 井上陽水
- エルヴィス・コステロ
- 奥田民生
- 北川悠仁(ゆず)
- 斉藤和義
- ジョージ・ハリスン
- ジョン・レノン
- 秦基博
- 山下達郎
FENDERのギターアンプに繋いでいますが、いかにもJ-160Eって感じの音がしますねぇ。
アコギの生音を忠実に…という感じではなくエレキっぽい音を出すところがJ-160Eのキャラクターですね。
ちなみに秦基博さんはデビューするまでJ-160Eを使用されており、デビュー後はJ-45に変わっています。
ライブアルバム「BEST OF GREEN MIND ’09」ではJ-45、J-160E、Martin D-28を使い分けており、聴き比べすることができます。
BEST OF GREEN MIND ’09
J-160E
Gibson(ギブソン)J-160Eを解説して
ぎたすけ
たけしゃん
Gibson(ギブソン) J-160Eの解説でした!
あらためて、年代別のザックリした金額間を書くと…。
年代別J-160Eの金額
- 1950年代のJ-160E …40~60万円
- 1960年代前半のJ-160E…70~100万円
- 1960年代後半のJ-160E…30~50万円
- 1970年代のJ-160E…30~50万円
- 新品のJ-160E…30万円前後
The Beatles(ビートルズ)のサウンドを作ったギターとして音楽マニアから珍重されているJ-160E。
ぜひ、一度触ってみてください。





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