SHURE BLX24/B58をレビュー。定番で使い勝手の良いワイヤレスマイク

SHURE BLX24 BETA58

評価:4.5

ぎたすけ

確かにワイヤレスマイクというとSHUREってイメージあるよな

たけしゃん

プロのライブでもよく見るしね。BLX24は本格的な仕様だけど初心者でも扱いやすいのがいいね
BLX24/B58の評価
音質
 (4)
使い勝手
 (4.5)
価格(58,000円程度)
 (4)
総合評価
 (4.5)
メリット
デメリット
  • 高音域もクリアで音が良い
  • 通信が安定している
  • 設定が簡単
  • マニュアルでの周波数設定はできない
製品名について

公式の表記はBLX24/B58ですが、販売店によってBLX24/BETA58やBLX24/B58JBと記載されています

この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
プロフィール詳細お問い合わせ

SHURE BLX24/B58

SHURE BLX24 BETA58 斜めから撮った
マイクタイプダイナミックマイク
到達距離91m
※使用環境による
通信B型(免許不要)
電池寿命
(送信機)
単三電池 2本
最大14時間
重量マイク:218g(電池含まず)
レシーバー:241g
公式HP

プロアマ問わずに定番のSHUREワイヤレスシステム。

その中でも安価で設定も簡単な使いやすい製品がBLX24/B58です。

送信機BLX2と受信機BLX4がセットになっています。

SHURE BLX24 BETA58

プロの現場でもよく使われるB帯を利用したワイヤレスですが、オートスキャンで簡単に設定できるようになっています。

送信機のマイクカプセルは定番のBETA58Aを採用しており、音質も良好です。

SHURE BLX24 BETA58 ハンドヘルド送信機 前方

まずはBLX24/B58の製品仕様から解説していきます。

仕様を飛ばして、レビューを読みたい方は<BLX24/B58をレビュー>を参照ください。

製品仕様の目次

免許不要のB帯を利用

SHURE BLX24 BETA58 受信機

BLX24/B58はB帯を利用したワイヤレスシステムです。

音楽用途のワイヤレスは、主にB帯と2.4GHz帯を利用します。

帯域概要
B帯プロ仕様の製品で一般的な帯域
混信が少なく音飛びしにくい
2.4GHzWi-FiやBluetoothでも使う帯域
音質はいいが、混信や障害物による
音飛びのリスクはやや高め

2.4GHz帯の製品は安価で汎用性も高いですが、混信などによる音飛びリスクがあります。

Xvive XV-U3 トランスミッターと受信機 前面
2.4GHz帯のXV-U3

また、2.4GHzだとほぼデジタルワイヤレスなので、B帯のアナログワイヤレスに比べて音が良いですね。

補足

B帯もデジタルワイヤレスはあるが、価格がかなり高い

対して、B帯はやや高価で受信機も大きいですが、通信の安定度は高く、プロのライブでも良く使用されます。

SHURE BLX24 BETA58 斜めから撮った

僕は両方持っていますが、2.4GHz帯だと数時間に1回程度は一瞬の音飛びが発生します。

対して、B帯はほとんど音飛びしないので、ボーカル用途ではB帯をおすすめしています。

BLX24/B58もB帯なので、普段スタジオやライブハウスで使っていても音飛びはほとんど発生していません。

ライブ用途でも安心して使える仕様になっています。

BETA58Aのマイクカプセル

SHURE BLX24 BETA58 ハンドヘルド送信機 グリル部分を外した

BLX24/B58は定番ダイナミックマイク BETA58Aのマイクカプセルを採用しています。

BETA58Aはプロのライブでもよくみる、業界標準のマイクです。

SHURE BETA58A

SM58と比べて、高音域の抜けが良く、クリアでパワーのある音質です。

指向性も狭くなっており、音の回り込みを抑制してくれます。

なお、BLX24はPGA58、SM58、BETA58Aの3つのマイクカプセルを選択できます。

SHURE SM58とPGA58
SM58とPGA58
補足

型番はBXL24/B58、BLX24/SM58、BLX24/PG58となる

SM58はBETA58Aの下位モデルで業界標準の定番マイク、PGA58はSM58の下位モデルのマイクとなっています。

ただし、BLX2はマイクカプセル交換できないので、購入後にマイクカプセルを変更できません。

なので、ライブで使うならSM58かBETA58Aをおすすめします。

最大6波同時使用可能

SHURE BLX24 BETA58 ハンドヘルド送信機 側面

BLX24/B58は最大6波まで同時に使用可能なので、6本までワイヤレスマイクを同時に使用できます。

補足

マイク(送信機)1本につき、受信機1台必要です

なお、BLXシリーズは受信機1台で送信機2台まで同時に使えるBLX288があります。

グループなどで毎回複数本使う予定の人はBLX24よりBLX288の方が良いでしょう。

アンテナ内蔵タイプ

SHURE BLX24 BETA58 受信機

BLX24/B58はアンテナ内蔵で、ダイバーシティー方式を採用したワイヤレスシステムです。

コンパクトで省スペースで設置できますが、用途に応じてアンテナを付け替えたりはできません。

なお、外付けアンテナが良い方はBLX24Rを選択しましょう。

筆者はライブハウスやスタジオでアンテナ内蔵のBLX24/B58を使ってますが、全く問題ないです。

個人で所有する人は基本的にはアンテナ内蔵のBLX24で問題ないです。

ちなみにキュウソネコカミのボーカルギター ヤマサキさんもBLX24/B58です。

付属品

SHURE BLX24 BETA58 付属ケース内部
  • ハンドヘルド送信機
  • 受信機
  • 電源アダプタ
  • マイクホルダー
  • 単三電池 2本
  • 専用ケース

BLX24/B58には上記の付属品が付いています。

専用ケースは大きいですが、かなりしっかりした良いものが付いてきます。

SHURE BLX24 BETA58 付属ケース

ただ、筆者は大きいので携帯用では使っていません。

普通に送信機と受信機を別のポーチに入れて持ち歩いています。

また、ハンドヘルド送信機は単三電池で駆動するため、同梱されています。

SHURE BLX24 BETA58 付属の単三電池

送信機の下部を回して取り外すと、単三電池を入れるところがあります。

SHURE BLX24 BETA58 送信機電池を入れるところ

送信機は単三電池2本で最大14時間駆動します。

電池残量を知らせるディスプレイ表示はないため、電池残量は余裕のあるものを使用しましょう。

audio technica AT-UMX3のバナー(PC)PR

SHURE BLX24/B58をレビュー

SHURE BLX24 BETA58 送信機と受信機
BLX24/B58の評価
音質
 (4)
使い勝手
 (4.5)
価格(58,000円程度)
 (4)
総合評価
 (4.5)

それでは、BLX24/B58を細かく解説していきます。

はじめにメリット・デメリットを箇条書きでまとめると以下の通りです。

メリット
デメリット
  • 高音域もクリアで音が良い
  • 通信が安定している
  • 設定が簡単
  • マニュアルでの周波数設定はできない

音質、通信の安定度も良好です。

設定もオートスキャンで周波数を勝手に設定してくれるので、初心者でも簡単に使えます。

製品レビューの目次

音質は有線と大きくは変わらない

SHURE BLX24 BETA58 ハンドヘルド送信機 逆側面

BLX24/B58を使ってみると、クリアで艶感ある高音域とパワーのある中音域で良い感じです。

有線やデジタルワイヤレスと比べると音の抜けなど若干劣る感じはしますが、ライブで使用するには十分なレベルだと感じました。

SM58と比べると、音の抜けがよいのでバンド内でも存在感が出しやすいですね。

SHURE BLX24 BETA58 ハンドヘルド送信機 側面

一方でBLX24はマイクカプセルをBETA58Aにすると、SM58と比べて大分価格が上がります。

型番実売価格
BLX24/B5858,000円程度
BLX24/SM5847,000円程度
BLX24/PG5839,800円程度

ただ、後からマイクカプセルを交換できないため、後悔しないように選びましょう。

有線のSM58とBETA58Aはどこのリハーサルスタジオにも置いてあるので、迷う場合は試してみると良いです。

設定は非常に簡単

SHURE BLX24 BETA58 受信機を起動させた

BLX24/B58はオートスキャンで初心者でも簡単に設定することができます。

実際の流れは以下の通りです。

オートスキャン

受信機を起動し、groupボタンを押すと空いているグループが自動選択される

SHURE BLX24 BETA58 受信機 チャンネルを決定
SHURE BLX24 BETA58 受信機 自動でスキャン
送信機の設定

送信機の電源を入れ、受信機と同じグループとチャンネルを設定する

SHURE BLX24 BETA58 送信機のグループを選択
SHURE BLX24 BETA58 送信機のチャンネルを選択

これだけで設定完了です。

1回設定すれば、次回起動時も設定は引き継がれます。

なお、送信機のchannelボタンを5秒長押しするとマイクの感度を0dBと-10dBで切替できます。

SHURE BLX24 BETA58 送信機チャンネル設定
-10dBだと数字の横に「.」がつく

ボーカル用途で使う場合は0dBだと音割れするので、-10dBに下げるとよいでしょう。

使い方はこれだけなので、非常に簡単です。

通信はさすがの安定度

SHURE BLX24 BETA58 斜めから撮った

BLX24/B58はB帯を利用したワイヤレスシステムだけあって、通信は非常に安定しています。

スタジオやライブハウスで使用していますが、音飛びしたことはほとんどないです。

やはり、2.4GHz帯の製品と比べると大分安定していますね。

SHURE BLX24 BETA58 送信機の電源を入れた

ボーカル用途で使うなら、やっぱりB帯の製品が安定です。

ゼンハイザー XSW 1-825との比較

SHURE BLX24 BETA58
BLX24/B58
SENNHEISER XSW 1-825 マイクとレシーバー
XSW 1-825
最大同時使用台数6台7台
オートスキャン
設定モードスキャン
プリセット
スキャン
プリセット
アンテナ内蔵アンテナ内蔵アンテナ
受信方式アンテナダイバーシティアンテナダイバーシティ
マイクカプセルBETA58Ae 825
実売価格5.8万円程度4万円程度

最後はゼンハイザーのXSW 1-825との比較です。

なお、ライブ用途のワイヤレスはSHUREとゼンハイザーのシェア率が圧倒的に高いです。

XSW 1-825はゼンハイザーワイヤレスのエントリーモデルで、スペックはBLX24に近いです。

SENNHEISER XSW 1-825 マイクとレシーバー

ただ、機能面においてはXSW 1-825のほうが細かいところが充実しています。

例えば、XSW 1-825はマイク本体にミュートスイッチとディスプレイがついています。

SENNHEISER XSW 1-825 マイクディスプレイ
ディスプレイで電池残量や使用chを見れる

BLX24/B58は送信機側には電源スイッチのみでミュートスイッチやディスプレイはありません。

SHURE BLX24 BETA58 ハンドヘルド送信機 逆側面

また、マイクの感度設定もBLX24/B58は0dB、-10dBのどちらかですが、XSW 1-825は加えて-20dB、-30dBも選択できます。

SENNHEISER XSW 1-825 マイクのGAIN設定
dB使用例
0dBボーカル
-10dBラウドボーカル
-20dBインストルメント
-30dBブラス
XSW 1-825 公式マニュアルより引用

最大同時使用台数もBLX24が6台に対して、XSW 1-825は7台となっています。

そのため、機能面を見るとXSW 1-825が良いですね。

一方でマイクカプセルの選択肢はBLX24のほうが豊富です。

BLX24はPG58、SM58、BETA58Aの3種類から選択可能です。

SHURE BLX24 BETA58 ハンドヘルド送信機 前方
型番実売価格
BLX24/B5858,000円程度
BLX24/SM5847,000円程度
BLX24/PG5839,800円程度
マイクカプセルの交換はできません

対して、XSW 1-825でセットになるマイクカプセルe 825はPG58とSM58の間くらいのランクのマイクです。

BETA58Aと同等レベルのマイクカプセルは選択できません。

補足

e 935のマイクカプセルが選択できる上位のワイヤレスセットだと87,000円程度する

なので、予算を抑えつつ音質面を重視したい場合はBLX24/B58が強いんですよね。

僕もBLX24/B58とXSW 1-825を両方使い比べてみましたが、やはりBLX24/B58のほうが高音域の質が良かったです。

SHURE BLX24 BETA58 ハンドヘルド送信機 グリル部分

このあたりは予算と重要視するものによって選択を変えるといいでしょう。

音質重視であればBLX24/B58、機能面重視であればXSW 1-825が良いかなと思いました。

SHURE BLX24/B58 まとめ

SHURE BLX24 BETA58 付属ケース内部
  • プロの使用者も多いSHUREのワイヤレスマイク
  • B帯を利用しているが、オートスキャンで設定は簡単
  • マイクカプセルはPG58、SM58、BETA58Aから選択できる

ぎたすけ

やっぱり、SHUREだけあって音も通信も良い感じだったな

たけしゃん

そうだね。それに定番製品だから現場のPAさんも慣れている点も強いね

SHURE BLX24/B58のレビューでした。

定番なだけあって、安心感あるワイヤレスマイクですね。

初めてのワイヤレスマイクを買う人も、本格的なライブ活動で使っていく人にもおすすめの製品です。

関連記事

SHURE BLX24 BETA58 ハンドヘルド送信機 後方ワイヤレスマイク おすすめ5選。ボーカル用の選び方や注意点を細かく解説 XSW-D XLR BASE SETを斜めから撮ったSENNHEISER XSW-D XLR BASE SETをレビュー。ワンタッチでマイクをワイヤレス化できる便利アイテム SENNHEISER XSW 2-835 マイクとレシーバーSENNHEISER XSW 2-835をレビュー。手軽に使える安定したワイヤレスマイクシステム Xvive XV-U3 トランスミッターと受信機 背面Xvive XV-U3をレビュー。手持ちのマイクをワイヤレス化できる便利アイテム BETA58とSM58【2024年】ダイナミックマイク おすすめランキングベスト10。ライブ、配信の両方で使える選び方を解説 audio technica AE3300ボーカルマイク おすすめランキングベスト10【2024年】ープロアーティスト使用マイクも紹介ー