SHURE BETA87Aをレビュー。プロ使用者も多い人気のライブ用コンデンサーマイク

SHURE BETA87A 横

評価:4

ぎたすけ

コンデンサーマイクってライブでも使えるんだな。レコーディング専用かと思ってた

たけしゃん

ライブ用にチューニングされたコンデンサーマイクがあるんだよ。BETA87Aもライブ向けだね
BETA87Aの評価
音質
 (4)
使い勝手
 (4.5)
価格(29,800円)
 (4)
総合評価
 (4)
メリット
デメリット
  • 高音の伸びが非常に良い
  • 細かいニュアンスもしっかり拾う
  • 声の低い男性ボーカルには不向き
  • アコギ録りには向いていない
ありふれた言葉 / ROCKING TIME 【アコースティックCover】
補足

BETA87AとBETA87A-Xは同じ製品です

この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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SHURE BETA87A

SHURE BETA87A
マイクタイプ XLRコンデンサーマイク
指向性スーパーカーディオイド
周波数特性50Hz – 20kHz
感度 -52.5dBV
(1 Pa = 94 dB SPL)
重量207g
公式HP

SHUREのライブ向けコンデンサーマイク BETA87A

プロアーティストのライブやテレビでもよく見る定番のマイクです。

ダイナミックマイクのSM58などと比べると、高音の伸びやレスポンスが良いです。

SHURE BETA87A 横

音の抜けが良いので、女性ボーカルやハイトーンの男性ボーカルで使用している人が多いですね。

まずはBETA87Aの製品仕様から解説していきます。

仕様を飛ばして、レビューを読みたい方は<SHURE BETA87Aをレビュー>を参照ください。

レビューの目次

ライブ向けのコンデンサーマイク

SHURE BETA87A 下部

BETA87AはXLRコンデンサーマイクなので、使用にはファンタム電源が必要です。

ファンタム電源

48Vの電源。ミキサーやオーディオインターフェイスに備わっている

コンデンサーマイクは繊細で解像度の高い音が録れますが、ハウリングに弱いのが特徴です。

BETA87Aに関してはチューニングなどの工夫で、ハウリングやハンドリングノイズを抑制しています。

一方で周波数特性や感度に関しては、ダイナミックマイクにかなり近い仕様となっています。

一方で周波数特性表を見ると中高音はかなり上がってます。

SHURE BETA87Aの周波数特性表
仕様書から引用

実際に使ってみても、中高音域の伸びやレスポンスはコンデンサーマイクらしい仕上がりになってます。

スーパーカーディオイド

スーパーカーディオイドの図解

BETA87Aは正面の音を拾うスーパーカーディオイドマイクです。

通常のカーディオイドと比べると、左右の音を拾う範囲が狭くなっています。

マイクの指向性 カーディオイド・スーパーカーディオイド・ハイパーカーディオイドを説明した図解

なお、指向性にカーディオイドを採用したBETA87Cというマイクもあります。

ただ、コンデンサーマイクでカーディオイドだとハウリングにはやや弱い傾向があります。

SHURE公式にも「フロアモニター使用だとBETA87Cはハウリング起きやすい」と記載があります。

イヤモニを使う人はどちらでも良いですが、フロアモニター環境でも使うならBETA87Aのほうが良いですね。

ちなみにBETA87Aもハウリングはしやすくはあるので、イヤモニしたほうが安定します。

本体は細くて軽い

SHURE BETA87A 横

BETA87Aは重量 207gとマイクの中でも軽い部類です。

また、持つ部分がかなり細めになっており、BETA58Aなどと比べてもスマートです。

SHURE BETA87AとBETA58A
左がBETA87A、右がBETA58A

ハンドマイクで使ってみると、持つ部分はかなり細く感じますね。

非常に軽いので、ダイナミックにパフォーマンスする人には扱いやすそうなマイクです。

付属品

SHURE BETA87A付属のマイクポーチ
SHURE BETA87A付属のマイクホルダー
SHURE BETA87A付属のステッカー
  • マイクポーチ
  • マイクホルダー
  • ステッカー

BETA87Aには上記3点の付属品が付いています。

どれも良質で使いやすいものですね。

なお、マイクホルダーには3/8-5/8変換ネジがついているので、マイクスタンドに合わせられます。

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SHURE BETA87Aをレビュー

SHURE BETA87A 横
BETA87Aの評価
音質
 (4)
使い勝手
 (4.5)
価格(29,800円)
 (4)
総合評価
 (4)

それでは、BETA87Aを細かくレビューしていきます。

はじめに箇条書きでメリット・デメリットをまとめると以下の通りです。

メリット
デメリット
  • 高音の伸びが非常に良い
  • 細かいニュアンスもしっかり拾う
  • 声の低い男性ボーカルには不向き
  • アコギ録りには向いていない

高音域の伸びが良いですね。煌びやかな音です。

一方でボーカル相性は出そうなマイクだなとも感じました。

また、アコギ録りにはあまり適していないため、ボーカルマイクと割り切ったほうが良いです。

レビューの目次

高音の伸びが魅力的

SHURE BETA87A 斜め

BETA87Aでボーカル、アコギを録ってみました。

コンデンサーマイクらしい高音の伸びと煌びやかなサウンドが魅力ですね。

ボーカル、アコギを別々にBETA87Aで録った動画がこちら。

ありふれた言葉 / ROCKING TIME 【アコースティックCover】

ハスキーな声の広い具合などが良いですね。

BETA87Aはレスポンスも良いのでニュアンスも付けやすいです。

ダイナミックマイクのBETA58Aとどれくらい違うのか音源で聴き比べてみましょう。

BETA58A

SHURE BETA58

BETA87A

SHURE BETA87A 横

BETA87Aのほうが、音が明らかに滑らかですね。

細かいニュアンスを付けたり、サラッと歌う方はBETA87Aがおすすめです。

逆に勢いよく歌う場合は滑らかさはなくても良いので、BETA58Aで良いかなと感じました。

なお、BETA87Aはアコギ録りには向いていないですね。

BETA87Aでアコギ録りしている写真

1・2弦の音がうるさくなってしまいます。

ボーカル、アコギで兼用したい人はダイナミックマイクのBETA57Aのほうが良さげです。

SHURE BETA57A

ライブでもコンデンサーマイクの煌びやかな高音が欲しい人にはBETA87Aはすごく良いマイクですね。

コンデンサーマイクにしては感度が低い

SHURE BETA87A マイクグリル横

BETA87Aは感度 -52.5dBVと大分低いです。

補足

コンデンサーマイクは-30~40dBVが多い。ダイナミックマイクは-51~55dBVが多い

なので、マイクプリのゲインをかなり上げないと音量が小さいです。

安いオーディオインターフェイスだと音量が不足する可能性があるので気を付けてください。

YAMAHA AG03MK2 ブラック
AG03MK2などはやや不向き

ライブハウスやスタジオなら音響設備がしっかりしてるので、問題ありません。

競合製品との比較

製品SHURE BETA87A 横
BETA87A
audio technica AE3300
AE3300
SHURE BETA58
BETA58A
メーカーSHUREaudio technicaSHURE
タイプコンデンサーコンデンサーダイナミック
指向性スーパーカーディオイドカーディオイドスーパーカーディオイド
感度 -52.5dBV
(1 Pa = 94 dB SPL)
-42dB
(0dB=1V/1Pa 1kHz)
-51dB
(2,8mV/Pa)
コメント高音域の伸びが良いフラットでバランスが良い
音の解像度も高い
力強くて音の抜けも
そこそこ良い
実売価格約29,800円約28,000円約16,500円
ECサイトAmazon
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サウンドハウス
公式ストア
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BETA87Aと競合製品として、audio technica AT3300とSHURE BETA58Aを比較しました。

まずは、同価格帯で同じコンデンサーマイクであるaudio technica AE3300です。

audio technica AE3300

比較してみると、AE3300はフラットで各音域でバランスの取れたコンデンサーマイクです。

AE3300で録った動画

ピーターパン / 優里 アコースティック Cover【フル・コード付き(概要欄の最後に記載)】

AE3300は何にでも使える万能差がありますね。

一方で高音の伸びに関してはBETA87Aのほうが良いです。

ハイトーンの男性ボーカルや女性ボーカルはBETA87Aのほうが合う人が多そうですね。

続いてはダイナミックマイクのBETA58Aです。

BETA58A

SHURE BETA58

BETA87A

SHURE BETA87A 横

万能なのは環境変化やハウリングに強いBETA58Aですね。

一方で高音の伸び、音の滑らかさではBETA87Aのほうが断然良いです。

SHURE BETA87A 横

ハイトーンだったり、繊細なニュアンス付けを活かすならBETA87Aが良いですね。

僕はフロアモニターでも、普通に使えましたが、ハウリングが気になる人はイヤモニを使うとよいでしょう。

SHURE BETA87A レビュー

SHURE BETA87Aの外箱
  • ライブ向けにチューニングされたコンデンサーマイク
  • 高音の伸びや繊細な表現をしっかり再現してくれる
  • ハイトーンの男性ボーカル、女性ボーカルに適している

ぎたすけ

ちょっと相性は出るけど、ハマる人にはハマるマイクって感じ?

たけしゃん

そうだね。僕はハイトーンボーカルだから、使っていて相性よかったよ

SHURE BETA87Aのレビューでした。

僕は普段、BETA58Aを使っていますが、BETA87Aのほうが高音が気持ちいいですね。

可能なら、ダイナミックマイクとBETA87Aを併用して使い分けるのがベストかなと感じました。

BETA87A 1本で行くならイヤモニの導入も検討すると良いでしょう。

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