audio technica AT2050をレビュー。3つの指向性を使えるコンデンサーマイク

audio technica AT2050

評価:3.5

ぎたすけ

AT2050はAT20シリーズで一番いいやつだよな。何が違うの?

たけしゃん

指向性切替機能とマイクの形式が感度の高いDCバイアス型になったのが特徴だね。やっぱり音は良くなってるよ
補足

レビューのためにaudio technica様よりデモ機をお借りしました

先にAT2050の評価まとめ
音質
 (3.5)
使いやすさ
 (4)
価格(2.5万円程度)
 (3.5)
総合評価
 (3.5)
主な用途所感

ボーカル
相性良く録れる
YAMAHA FG820

アコギ
相性良く録れる
原稿を読んでいる男性

スピーチ
相性良く録れる
メリット
デメリット
  • 音の距離感が近くクッキリと鮮明な音質
  • 3万未満で貴重な指向性切替可能な機種
  • 1万円台のマイクより音がワンランク良い
  • 指向性切替が不要なら+7,000円でAT4040買ったほうが良さげ

AT2050で録った動画

泣き地蔵 / Vaundy 【アコースティックCover】
この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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audio technica AT2050の特徴

AT2050を正面から撮った写真
マイクタイプ XLRコンデンサーマイク
指向性全指向性
単一指向性
双指向性
周波数特性20Hz – 20kHz
最大SPL 149dB
S/N比 77dB
寸法 171 × 52mm
重量412g
公式HP

audio technicaの2.5万円程度で買えるXLRコンデンサーマイク AT2050。

自宅録音・動画配信のために設計された製品で、オーディオテクニカの中ではミドルモデルですね。

主なコンデンサーマイク一覧

製品名特徴
AT2020
AT2020
低価格でシンプルなマイク
実売価格 12,000円
AT2035の正面画像
AT2035
低ノイズで付属品も充実
実売価格 16,000円
AT2050を正面から撮った写真
AT2050
指向性切替可能なマイク
実売価格 25,000円
AT4040の正面画像
AT4040
DTMで定番の人気製品
実売価格 32,000円
audio technica AT4050
AT4050
プロユースの定番マイク
実売価格 77,000円

AT2050の特徴は指向性が3種類から切替可能となった点です。

指向性

マイクが音を拾う方向のこと

また、AT2035まではマイクの形式がバックエレクトリックコンデンサー型でしたが、AT2050からDCバイアスコンデンサー型に変わっています。

DCバイアス
バックエレクトリック
  • 音の感度が非常に良い
  • 耐風が非常に弱く、環境を選ぶ
  • 耐久性は弱い
  • 主にスタジオレコーディングで使用
  • 音の感度が良い
  • 耐風は弱いが、割と色んな場所で使える
  • 耐久性は普通
  • 一般録音・放送など幅広く使用される

一概にDCバイアスの方が良いとは言えないものの、DCバイアス型のほうが音の感度は良いと言われています。

実際にAT2020、AT2035と比較してAT2050は音がクッキリと臨場感ある印象です。

それでは、AT2050の製品仕様から解説をしていきます。

仕様を飛ばしてレビューを読みたい方は<AT2050をレビュー>を参照ください。

製品仕様 目次

指向性

マイクの指向性 単一指向性・双指向性・無指向性を説明した図解
単一指向性 正面の音を拾う
双指向性前後の音を拾う
全指向性360°の音を拾う

AT2050は3つの指向性を本体スイッチで切り替えられるようになっています。

audio technica AT2050は指向性切替できる

宅録のボーカル・ギター録りだと基本的に単一指向性しか使いません。

一方で会議、対談、多重奏などの録音では他の指向性を使うケースもあります。

指向性特徴
単一指向性の図解
単一指向性
正面の音のみを拾う
1人で使う場合に最適
双指向性の図解
双指向性
前後の音を拾う
対談などで便利
無指向性の図解
無指向性
360度の音を拾う
会議室などで便利

3万円未満で指向性切替機能可能なマイクって地味に珍しいんですよね。

色んな用途で使う人にはAT2050は貴重な製品です。

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ローカット・PAD

audio technica AT2050のローカットスイッチ
audio technica AT2050のPADスイッチ
ローカット80Hzのハイパスフィルター
PAD -10dBの減衰

AT2050は本体にはローカットとPADのスイッチもついています。

自宅のレコーディングであまり使うことはないですが、ローカットに関しては空調の音や車の走行音をカットしてくれることもあります。

ライブ配信で周囲の音が気になる場合は試しにローカットをONにしてみると良いでしょう。

PADは-10dBの減衰なのでONにすると音量がガクッと下がります。

大音量楽器の収録などに使う機能ですが、ボーカルやアコギ録りでは使うことは基本的にないです。

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AT2050に合うマイクスタンド

audio technica AT2050

AT2050は大きさも重さも標準的なマイクなので、基本的にどのマイクスタンドも問題なく使えます。

補足

500g程度までは大抵のマイクスタンドは支えられる(AT2050は412g)

おすすめはブームスタンドであれば定番のKC。

マイクアームなら安くて使い勝手の良いKTSOULが良いです。

もしくはaudio technica AT8700Jも良いですね。8,000円程度と値は高めですが、おしゃれで安定性も抜群です。

ROYCELマイクアームとAT8700Jの並べた画像

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付属品

AT2050のマイクケース

AT2050にはマイクポーチとショックマウントが付属しています。

ショックマウントはマイクスタンドにマイクを取り付ける際に使うアイテムです。

audio technica AT2050

ショックマウントは地面や机からの振動ノイズを防いでくれます。

また、AT2050には別売りの専用ポップフィルターを取り付けることができます。

ボーカル録りにはポップフィルターはあったほうが良いのでセットで購入すると良いでしょう。

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audio technica AT2050をレビュー

audio technica AT2050
先にAT2050の評価まとめ
音質
 (3.5)
使いやすさ
 (4.5)
価格(2.5万円程度)
 (3.5)
総合評価
 (3.5)

それでは、具体的にAT2050をレビューしていきます。

最初にメリット・デメリットを箇条書きでまとめると以下の通りです。

メリット
デメリット
  • 音の距離感が近くクッキリと鮮明な音質
  • 3万未満で貴重な指向性切替可能な機種
  • 1万円台のマイクより音がワンランク良い
  • 指向性切替が不要なら+7,000円でAT4040買ったほうが良さげ

低予算で指向性切替できるマイクが欲しい人には非常に良い製品です。

一方で指向性切替が不要なら、AT2035に下げるか、AT4040まで上げるかした方がコスパ的にも良いかな…と感じました。

レビューの目次

音質はエントリーモデルのマイクより良い

audio technica AT2050 上から撮った

AT2050でボーカル、アコギを録ってみるとAT2020やAT2035よりもクッキリとした音が録れました。

音の特性的にはaudio technicaらしいフラットな音で原音に忠実です。

実際にボーカル、アコギを別々にAT2050で録った動画がこちら。

泣き地蔵 / Vaundy 【アコースティックCover】

1万円台のマイクと比べると距離感近く録れるので良いですね。

AT2050はフラットな特性で最大入力音圧レベル149dBなのでドラムとかギターアンプとかでも使いやすそうです。

ボーカル、アコギはもちろんいけますが、多目的に使う用途で買うのも一番マイク性能を引き出せそうかなと思いました。

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2万円台で指向性切替可能なマイク

audio technica AT2050の指向性スイッチ

AT2050は3種類の指向性を切替可能なマイクになっています。

3万円未満だと指向性切替できるマイクってほとんどないんですよね。僕が知る限りは他はAKG P420くらいです。

AKG P420
実売価格は2.3万円程度

AKG P420は音に暖かみがあって、音が立体的ですね。

P420もAT2050も良いマイクですが、P420は付属のショックマウントと組み合わせるとかなり重たいです。

AKG P420

P420だとRoycelマイクアームでは重たくて支えられないです。

そんなわけで、自宅利用がメインならAT2050のほうが取り扱いは楽ですね。

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AT2035やAT4040との比較

AT2020
AT2020
AT2035の正面画像
AT2035
AT2050を正面から撮った写真
AT2050
AT4040の正面画像
AT4040
指向性単一指向性単一指向性全指向性
単一指向性
双指向性
単一指向性
S/N比71dB82dB77dB82dB
本体機能なしローカット
10dB PAD
ローカット
10dB PAD
ローカット
10dB PAD
付属品スタンドマウント
マイクポーチ
ショックマウント
マイクポーチ
ショックマウント
マイクポーチ
ショックマウント
マイクケース
ダストカバー
重量345g403g412g360g
実売価格約1.1万円約1.6万円約2.5万円約3.2万円

AT2050はAT20シリーズだと一番上のモデルで約2.5万円。

音も良いですし、指向性切替もできるので便利ではありますが、指向性切替が不要ならAT2035かAT4040で良いかなとは思っちゃうですよね。

音質で言うとAT2035よりそれなりに良いものの、やっぱりAT4040のほうが解像度の高い音で録れるので音重視ならAT4040まで上げたほうが良いと感じます。

AT4040で録った動画

結 / Saucy Dog アコースティック Cover

一方で音質もそれなりで指向性切替が不要ということなら、AT2035でも十分なクオリティなんですよね。

audio technica AT2035

AT2035に下げれば、価格も9,000円程度下がるので大分お財布に優しくなります。

やはり、AT2050を買うポイントとしては指向性切替を使うかどうがです。

指向性切替を使うなら、AT2050は音・価格・スペック的にも使いやすいので非常におすすめです。

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audio technica AT2050 まとめ

audio technica AT2050
  • 2.5万円で買える指向性切替可能なコンデンサーマイク
  • 2万円台で指向性切替できるマイクは貴重
  • 指向性切替がいらないなら、AT2035かAT4040で良い

ぎたすけ

指向性切替がポイントかぁ。実際に指向性切替って使うもんなの?

たけしゃん

ボーカルギターやってる分には使わないね。まあ、正直ボーカルはAT4040でいいかなと思うね

audio technica AT2050のレビューでした!

2万円台で貴重な指向性切替可能なマイクです。

一方でボーカルギターだと指向性切替って、ほとんど使わないんですよね。

僕も最初に買ったコンデンサーマイクは指向性切替タイプでしたが、ほぼ単一指向性しか使ってないです。

なので、ほんとに指向性切替機能が必要かは考えたうえで購入検討しましょう。

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