sE Electronics V3をレビュー。1万円で買える質の良いダイナミックマイク

sE Electronics V3 側面上向き

評価:4

ぎたすけ

マイクの先端がちょっと赤くてカッコいいな

たけしゃん

見た目もいいし、音もなかなか良いよ。価格も1万円くらいだからかなり良いマイクだね
補足

レビューするためにフックアップ様からデモ機をお借りしました

V3の評価
音質
 (4)
使い勝手
 (4)
コスパ(10,600円程度)
 (4.5)
総合評価
 (4)
メリット
デメリット
  • 及第点が取れる音質
  • ノイズ対策が充実
  • 金属製で耐久性も高い
  • 質の割に価格が安い
  • 音の抜けはイマイチ

サンプルボーカル(エフェクトなし)

この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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sE Electronics V3

sE Electronics V3 横から撮影
マイクタイプXLRダイナミックマイク
指向性カーディオイド
周波数特性50 to 16,000 Hz
感度 2.5 mV/Pa (-52 dB)
質量約295g
公式サイト

sE Electronicsのカーディオイドダイナミックマイク V3

1万円程度の価格帯ですが、音質・造り・付属品のどの点で見ても優秀なマイクです。

なお、本シリーズはV3がカーディオイド、V7はスーパーカーディオイドになっています。

sE Electronics V3とsE Electronics V7
左がV3、右がV7

また、実売価格はV3は1万円程度、V7は13,200円程度となっています。

まずはV3の製品仕様から解説していきます。

仕様を飛ばして、レビューを見たい方は<V3のレビュー>を参照ください。

カーディオイドマイク

単一指向性の図解

V3は正面の音を中心に拾うカーディオイドマイクです。

左右の音はあまり拾わないので、ボーカルや楽器収録に適した指向性です。

公式の楽器別の適正表を見ると、ボーカルをはじめ様々な楽器に対応しています。

sE Eletronicsのマイク適正表。楽器別に適性が記載されている
公式サイトより引用
補足

上表をスマホで見る場合は横画面で見てください

金属製の筐体

sE Electronics V3 斜め上

V3は筐体全てが金属製になっています。

プラスチックのパーツを使用していないため、耐久性に優れています。

全て金属製ですが、マイク重量は295gと標準的な重さになっています。

sE Electronics V3 側面上向き

なお、グリル周りは面取りが施されており、机などに置いても転がらないようになっています。

ステージはもちろん、カラオケマイクとしても使いやすそうです。

ショックマウント・ウィンドスクリーン内蔵

sE electronics V3のグリルを外した

V3はマイクにショックマウントとウィンドスクリーンが内蔵されています。

そのため、ハンドリングノイズやポップノイズに強いです。

なお、ウィンドスクリーンはマイクグリル内部に入っており、グリルのカラーに影響します。

sE electronics V3のグリル内部。ウィンドスクリーンが入っている

デフォルトではsEレッドカラーが入っていますが、スペアでブラックも同梱されています。

グリルが赤く見えるのが好みでない人は自身でブラックに変えましょう。

付属品

sE electronics V7の付属品一式
  • マイククリップ (変換ネジ付き)
  • 交換用ウィンドスクリーン (ブラック)
  • キャリングポーチ

V3は上記3点の付属品がついています。

マイククリップはマイクスタンドに取付けて使うものですね。

sE Electronics V3付属のマイクホルダー

変換ネジも入っているため、スタンドのネジサイズに合わせて使えます。

キャリングポーチも使いやすい質感のものですね。

sE Electronics V3 付属のポーチ

1万円程度の製品にしては、付属品も質が良く充実しています。

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sE Electronics V3をレビュー

sE Electronics V3 マイクスタンドに取付けた
V3の評価
音質
 (4)
使い勝手
 (4)
コスパ(10,600円程度)
 (4.5)
総合評価
 (4)

それでは、V3を細かくレビューしていきます。

まず、はじめにメリット・デメリットを箇条書きでまとめると以下の通りです。

メリット
デメリット
  • 及第点が取れる音質
  • ノイズ対策が充実
  • 金属製で耐久性も高い
  • 質の割に価格が安い
  • 音の抜けはイマイチ

この品質で1万円はかなりお買い得だと感じました。

音質もクリアでライブ用途でも、十分及第点は取れるレベルです。

一方で1万円半ば〜後半のマイクと比べると、音はやや見劣りします。

比較用のサンプル音も用意したので、実際に聴き比べてみてください。

及第点は十分取れる音質

sE Electronics V3 斜め上

サンプルボーカル(エフェクトなし)

V3でボーカルを録音してみると、なかなか音も良いです。

クリアで素直な音なので、ボーカルから楽器録りまで広く使えそうなマイクですね。

1万円でこのレベルなら、かなりお買い得だなと感じました。

付属品の質も良いですし、コスパで見てもトップレベルじゃないでしょうか。

sE electronics V7の付属品一式
付属品

一方で上の価格帯と比べると、やはり音の抜けがいまひとつという印象です。

比較用でサンプル音源を用意したので聞いてみましょう。

sE Electronics V7(13,200円程度)

sE Electronics V7 側面上向き

SHURE SM58(14,000円程度)

SM58の画像

聴き比べてみると、V7は中音域から高音域の流れが滑らかで抜けも良いです。

SM58も中音域のパワーがあり、音が前にきています。

比較すると、V3はやや音が引っ込んでいる印象ですね。

sE Electronics V3

価格差は3,000円程度なので、悩ましいところです。

V3でも問題ないですが、ライブでガンガン使う方はV7まで頑張った方が間違いないかなと感じます。

価格に対して品質が良い

sE Electronics V3 マイクスタンドに取付けた。斜め前

V3は価格に対して品質が良いです。

本体は金属製で耐久性が高く、ウィンドスクリーンとショックマウントも内蔵しています。

sE Electronics V3 側面上向き

前段のサンプル音もハンドマイクで録ってますが、ハンドリングノイズやポップノイズはよく抑えられています。

ルックスも高級感があるので、1万円と言われると驚きます。

sE Electronics V3 XLR端子

最近はどこも値上がりしているので、この品質で1万円の製品はかなり少なくなりましたからね。

予算1万円で使えるマイクを探している方にはとても良い製品だと感じました。

SHURE PGA58との比較

製品sE Electronics V3 側面上向き
V3
SHURE PGA58
PGA58-XLR
指向性カーディオイドカーディオイド
感度-52 dB
2.5 mV/Pa
 -55 dBV/Pa
1.79mV
周波数特性50 to 16,000 Hz50 to 16,000 Hz
付属品マイクホルダー
ウィンドスクリーン
キャリングポーチ
マイクホルダー
ポーチ
XLRケーブル
実売価格約10,600円約9,500円

最後は近い価格帯の定番製品 SHURE PGA58-XLRとの比較です。

どちらも1万円近辺でちゃんと使えるダイナミックマイクですね。

まずはサンプル音で比較してみましょう。

PGA58は現在手元にないので、過去に録ったサンプル音です。ご容赦ください。

sE Electronics V3

sE Electronics V3 側面上向き

SHURE PGA58-XLR

SHURE PGA58

サウンドを比較するとV3の方がワンランク上かなと感じました。

PGA58は音がややこもっており、V3と比べると音の解像度もいまひとつですね。

また、V3のほうが音の感度も高いです。

マイク感度
V3-52 dB(2.5 mV/Pa)
PGA58 -55 dBV/Pa(1.79mV)

安いオーディオインターフェイスに繋げて使うと、PGA58は音量が不足しがちですが、V3は大丈夫です。

なので、自宅でAG03などを使って録音・配信する人もV3を選択した方が良いですね。

一方でPGA58は9,500円程度でXLRケーブルが付属するPGA58-XLRが購入できます。

SHURE PGA58に付属するXLRケーブル

XLRケーブルを別個で買うと2,000円程度するので、V3との実質的な価格差はそれなり差があります。

補足

PGA58は単体、XLRケーブル付属、XLR-フォンケーブル付属の3種類がある

カラオケのマイマイクとして使う人はXLR-フォンケーブルが付属するPAG58-QTRを買うと良いでしょう。

補足

カラオケ端末はフォン端子が多く、接続にはXLR-フォンケーブルが必要

まとめると、以下の通りです。

  • マイクとしての質はV3の方が良いと感じた
  • 自宅の録音・配信に使うならV3
  • コスパはケーブル付属のPGA58の方が良い

撮り比べてみると、そこそこ差は感じたので宅録やバンドで使う方にはV3をおすすめします。

sE Electronics V3 まとめ

sE Electronics V3 斜め下から撮影
  • 1万円で買える高品質なダイナミックマイク
  • 金属製の筐体で頑丈
  • ショックマウント・ウィンドスクリーン内蔵

ぎたすけ

昔は1万円あればSM58とか買えた気がするけど、今は違うんだな

たけしゃん

ここ数年で値上がりしたからね。今の価格感だとV3の品質で1万円はかなり安いと思うよ

sE Electronics V3のレビューでした。

こんなに安くて良いマイクがあったんだなーと感じました。

マイマイクの入門機として、ちょうど良い製品ですね。

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