評価:4.5
ぎたすけ
たけしゃん
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sE Electronics V7
マイクタイプ | XLRダイナミックマイク |
指向性 | カーディオイド |
周波数特性 | 40 to 19,000 Hz |
感度 | 2.0 mV/Pa (-54 dB) |
質量 | 約305g |
リフレクションフィルターやコンデンサーマイクで有名なsE Electronics。
そのsE Electronicsのダイナミックマイク V7です。
同シリーズはカーディオイドのV3とスーパーカーディオイドのV7があります。
V7は指向性がやや狭いため、音被りが少なく、周波数特性もV3よりやや広くなっています。
まずはV7の製品仕様から解説していきます。
仕様を飛ばしてレビューを読みたい方は<V7をレビュー>を参照ください。
スーパーカーディオイドマイク
V7はスーパーカーディオイドを採用したマイクです。
通常のカーディオイドより収音範囲がタイトで、正面の音を中心に拾います。
公式の楽器別の適正表を見ると、ボーカルやドラムのスネアなどのマイクに適しています。
使ってみた所感でもボーカルマイクという印象ですね。
アコギなどでも使えますが、ボーカルのほうが適しています。
カスタム開発されたアルミニウムボイスコイル
V7はカスタム開発されたアルミニウムボイスコイルを採用しています。
音被りが少なく、自然で素直なサウンドを収録してくれます。
ショックマウントとウィンドスクリーンを内蔵しているため、ノイズに強いところも良いですね。
金属製の筐体
V7の筐体は全て金属製です。プラスチックのパーツを使っていません。
そのため、耐久性に優れており、ステージなどで酷使しても耐えられる設計になっています。
また、グリルはスティールメッシュが採用されており、凹みやサビに強くなっています。
なお、グリル周りは面取りが施されており、机の上に置いても転がらないようになっています。
転がらないのは自宅やスタジオでの利用で地味に便利です。
付属品
- マイククリップ (変換ネジ付き)
- 交換用ウィンドスクリーン (ブラック)
- キャリングポーチ
V7の付属品は上記3点です。
交換用のウィンドスクリーンはマイク内部に入れるタイプになっています。
最初からsEレッドカラーのウィンドスクリーンがマイクに入っています。
同梱されているブラックのウィンドスクリーンに変えることで色合いを変えられます。
好みのウィンドスクリーンを使いましょう。
sE Electronics V7をレビュー
それでは、V7を細かくレビューしていきます。
初めにメリット・デメリットを箇条書きでまとめると以下の通りです。
音も良く、ハンドリングノイズやポップノイズにも強いので使いやすいですね。
ビリー・アイリッシュなど有名アーティストも使用しているマイクなだけあって、質が良いです。
ナチュラルで滑らかな音
V7でボーカルを録ってみました。
ナチュラルで聞きやすいサウンドですね。音の抜けもなかなか良いです。
他のマイクのサンプル音も用意したので、聴き比べてみましょう。
価格帯的にはV7はSM58が同価格帯でBETA58Aとe 935はワンランク上になります。
ただ、音質的にはワンランク上のマイクにも引けを取らないクオリティです。
音の抜けではe 935が最も優れており、軽くて明るめな音で気持ちよく入ってきますね。
逆にSM58やBETA58Aは中音域のパワーがあり、ロックなボーカルなどと相性がいい印象です。
V7は音の抜け感はe 935とSM58の中間くらいで、音の遷移が滑らかですね。
声色や歌い回しで様々な表現を取り入れるボーカリストにはとてもマッチすると感じました。
個人的にはブラックミュージックやシティポップなどのジャンルではV7が良いなと感じました。
音被りが少ない
V7をリハーサルスタジオでも使ってみました。
スーパーカーディオイドなこともあり、周囲の音の周りこみを抑制してくれます。
そのため、ハウリングにも強く、十分な音量を出すことができますね。
僕が普段使っている、SHURE BETA58Aもスーパーカーディオイドですが、V7の方がより音被りが少ない印象を受けました。
一方でスイートスポットもやや狭く感じます。
少しマイクが口から外れるとガクンと音量が落ちるため、ポジションには気を使う必要があります。
また、ウィンドスクリーンとショックマウント内蔵なので、ハンドリングノイズ・ポップノイズにも強いです。
先ほどのサンプル音源もハンドマイクで録ってますが、キレイに録れています。
バンド構成でのボーカルマイクとして、とても優秀なマイクだと感じました。
SHURE SM58との比較
最後は同価格帯のSHURE SM58との比較です。
まずは改めて、サンプル音を聴き比べてみましょう。
この2本を比べると、音質的に大きくは変わらないですね。
V7は高音の抜けが良く、SM58は中音域のパワーが強いので、やや特性が異なるかなと感じる程度です。
指向性はスーパーカーディオイドであるV7の方が狭く、音被りも少ないです。
周辺音の周りこみを抑制したい人、マイク音量を高めにしたい人はV7がおすすめです。
逆にマイクポジションはSM58よりは若干シビアなので、気をつける必要がありますね。
ちなみにスーパーカーディオイドで良いマイクだと、1万後半から2万円台になることが多いです。
V7はこれだけの音質で13,200円程度なので、スーパーカーディオイドで探している人にはとても良いマイクです。
V7はウィンドスクリーン内蔵でオンマイクでも扱いやすいので、ウィスパーボイスを多用する方にもおすすめです。
実際にV7を使っているビリー・アイリッシュのような歌い方はとても適していると思います。
Billie Eilish – bad guy(YouTube)
1万円半ばの価格帯ではロック系の方はSM58、繊細な歌い回しをする方はV7という分け方がいいかなと感じました。
僕もV7の存在を最近まで知らなかったのですが、1万前半でこんないい選択肢があったんだなと驚きました。
sE Electronics V7 まとめ
- スーパーカーディオイドで音被りの少ないマイク
- 音の抜けが良く、ナチュラルでバランスの取れた音
- ウィンドスクリーン内蔵でオンマイクで扱いやすい
ぎたすけ
たけしゃん
sE Electronics V7のレビューでした。
値上げラッシュで2万円超えするマイクが多い中で、1万円前半でこの品質はとてもありがたいですね。
声色や歌い回しで多彩な表現を使うボーカルと非常に相性が良いマイクだと感じました。
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