ぎたすけ
たけしゃん
読みたい場所をクリック!
Solid State Logic SSL Connex

マイクタイプ | USBコンデンサーマイク |
指向性 | 選択モードによって変化 |
サンプリング周波数 | 96kHz / 16bit |
接続端子 | USB-C(USB 2.0) |
対応OS | Windows Mac iOS Android |
2022年に発売された、SSLのUSBマイク SSL Connex。
プロユースのオーディオミキシングコンソールで有名なSSLのUSBマイクということで、発売当時はかなり話題になりました。
USBマイクでは珍しく、平らな形状のバウンダリーマイクになっています。

自宅のPCデスクで、手軽に置いて使える形状なのは魅力的ですね。
価格も、発売当初は27,000円程度だったと思うのですが、現状は11,000円で購入できます。
実際に使ってみた所感では、机に置いて使う用途にはあまり適していません。
一方、マイクスタンドを使って位置調整すると、1万円程度とは思えない音質になります。

ウェビナー用に机に置いて使おうと思って買ったので、正直残念でした。
ただ、マイクスタンドで配置を工夫したら、カメラに映らない位置に設置しても高音質に収音できることがわかり、結果的に毎日使っています。
まずは、製品仕様から解説します。
仕様を飛ばして、レビューを読みたい方は<SSL Connexをレビュー>をみてください。
4基のマイクカプセルを搭載

SSL Connexは、本体内部に4基のマイクカプセルを搭載しています。
4基のマイクカプセルがどのように動くかは、設定されたプリセットモードによって変化します。(後述)
高度なレコーディングなどに使用するイマーシブモードでは、どのマイクを使用するかチャンネルで選択できます。
チャンネル | 用途 |
チャンネル1&2 | マイク信号のデュアルモノ/ステレオmix ※選択されたプリセットモードに依存 |
チャンネル3 | フロントマイク(①) |
チャンネル4 | バックマイク(②) |
チャンネル5 | 左マイク(③) |
チャンネル6 | 右マイク(④) |
指向性を選択することはできないものの、単一指向性っぽいモード、無指向性っぽいモードが用意されています。
元値が27,000円程度だったこともあり、かなりハイスペックなUSBマイクです。
4つのプリセットモードを選択可能

SSL Connexは、4つのDSPモードが用意されており、用途によって最適な設定を選択できます。
モード | 用途 |
ソロ | オンライン会議、ポッドキャストなど 個人での使用に最適 |
グループ | 集団のオンライン会議など 複数の音声を拾うのに最適 |
ボーカル | 歌声の収音に最適 |
ミュージック | 楽器などの大きな音源に最適 |
この4つのモードは、本体操作で切り替えることができます。
モードが変わると、「Solid State Logic」の色が変化します。




それぞれのモードによって、使用されるマイクカプセルの組み合わせが自動で変化します。
モード | 使用されるマイク |
ソロ | フロントマイクのみ |
グループ | 4つのマイク全部 |
ボーカル | 4つのマイク全部 ※前方付近に焦点を当てたステレオ収録 |
ミュージック | 4つのマイク全部 ※本体前方を中心としたステレオ収録 |
ソロが単一指向性っぽいモード、グループは無指向性っぽいモードと言えます。
ボーカルとミュージックは、ステレオで音に広がりのあるモードとなります。

また、モードによってSSL EQ とダイナミクスアルゴリズムで音が調整されます。
使った所感では、ソロとグループはナチュラルな音で、ボーカルとミュージックはコンプレッサーで音量が均一化されます。
そのため、DAWなどでボーカル収録するなら、イマーシブモードにしてチャンネル3を選択するのが良いかなと思いました。
あと、声量がある人はボーカルモードは厳しいかもしれません。
自分も、ボーカルモードで歌を録ると音量を絞ってもコンプが強くかかりすぎるので、日ごろの練習の録音ではミュージックモードを使っています。
ミュートやプッシュトーク機能を搭載

SSL Connexは、本体操作で以下4つの機能を使用できます。
機能 | 概要 |
ミュート | ロゴをタップするとミュートにできる |
プッシュトーク | ミュート中に一瞬だけ話すことができる |
カフスイッチ | 一瞬だけミュートにできる |
モニターミックス | マイク入力をヘッドホンに返す |
まず、本体中央の「Solid State Logic」を押すと、ミュートのON/OFFを切り替えできます。

タッチセンサーなので、音を出さずにサッと切り替えできます。
続いて、プッシュトークは、ミュート中に一瞬だけ話す際に使うモードです。
ミュート状態で、ロゴを長押しすると押している間だけ、マイクがONに戻ります。

手を離すとミュート状態に戻るので、一瞬だけミュートを解除して、そのままミュートし忘れる事故を防止できます。
カフスイッチは、ミュートが解除された状態で、ロゴを長押しすると押している間だけミュートされます。

手を離すと、ミュートも解除されるため、ミュートの解除し忘れを防止できます。
トーク中に水を飲む際などは便利ですね。
ミュートのON/OFFで、これだけ多彩な設定を入れているのはSSL Connexくらいではないかと思います。
多くのレコーディングスタジオや放送局のコンソールを手掛けるSSLらしい機能です。

最後のモニターミックスは、マイクに入力された音を接続したヘッドホンに返す機能です。
マイク入力のモニター音量は3段階から調整することができます。

要はダイレクトモニタリング機能ですね。自分の声がヘッドホンに返ってきます。
なお、SSL Connexはヘッドホン端子が用意されており、本体でボリューム調整ができます。
ロゴの下にある「-」と「+」で音量を調整します。

ヘッドホンボリュームが0になると、真ん中のヘッドホンアイコンが赤く点灯するようになっています。
ちなみに、ヘッドホン端子の音質もUSBマイクにしてはかなり良いです。
付属品

SSL Connexの付属品は、USBケーブルとマイクスタンド接続用の変換ネジです。
USBケーブルはType-Cですが、C to Bに変換するアダプタが1個ついています。

加えて、マイクスタンドに取付するための変換ネジも付属しています。

SSL Connexは、至近距離に持ってきた方が明らかに音が良いため、マイクスタンドやマイクアームと組み合わせて使うのが現実的かなと感じています。

あとは、専用のASIOドライバーが公式サイトからダウンロードできるようになっています。
Plug and Playでも問題なく動作しますが、イマーシブモードなどの一部機能はASIOドライバーのインストールが必要です。
ちなみに、iPhone 13 ProはUSB 3 カメラアダプタで接続して使用できました。
同時に充電もしないと動かなかったので、USBカメラアダプタではダメそうです。ご注意ください。
Solid State Logic SSL Connexをレビュー

それでは、SSL Connexを細かくレビューしていきます。
はじめにメリット・デメリットを箇条書きでまとめると以下の通りです。
率直な感想を言うと、机などに置いて使うバウンダリーマイクとして買うと微妙です。
自分は、MacBook Proの内蔵マイクのほうが良いと思ってしまいました。
一方、マイクスタンドを使ってマイキングを工夫すると、素晴らしいマイクになります。
このレベルを1万円で買えるとは信じられないです。
そういった意味で、形状による誤解で大分損していそうな製品だなと思います。
机に置いて使うのは微妙

机に置いて使える高音質マイクが欲しいというのが、筆者の購入目的でしたが、その用途では微妙でした。
これは音源を聴いてもらうのが早いので、比較音源を用意しました。


どちらもPCデスクに置いて、30cmくらいの距離から録音しています。
両方が大体同じ波形になるよう、音量調整しました。
SSL Connexのほうが明瞭ですが、反響音が強いですね。
自分は総合的に考えて、これならMacBook Proのままでいいなと感じました。楽ですし。
SSL Connexは振動音も大分拾うので、机に設置して使うには微妙な点が多かったです。
マイキングを工夫すれば化ける

ガッカリした一方で、SSL Connexはマイキングを工夫すればとても良いマイクになるとも思いました。
自動でEQやコンプレッサーでの調整が入るので、良くも悪くもマイキング次第なんですよね。
こちらも、マイクを口元斜め下10cm程度に持ってきた音声を用意しました。
口元斜め下10cmは、かなり良い感じの音質ではないでしょうか。
MacBook Proと比べても、反響音が減って聴き取りやすい音になっています。
しかも、SSL Connexの内蔵マイクは斜め上向きに設置されているっぽいので、カメラに映りこまない位置でこの音質にできます。
自分はマイクスタンドで、口元から斜め左下10~20cmあたりに設置しています。
カメラに映らず、音質も良いのでとても満足しています。
イマーシブモードは結構使えるかも

イマーシブモードは、内蔵された4基のマイクカプセルを個別に扱えるモードです。
チャンネル | 用途 |
チャンネル1&2 | マイク信号のデュアルモノ/ステレオmix ※選択されたプリセットモードに依存 |
チャンネル3 | フロントマイク(①) |
チャンネル4 | バックマイク(②) |
チャンネル5 | 左マイク(③) |
チャンネル6 | 右マイク(④) |

例えば、ボーカルグループで使う場合、それぞれが①~④のマイク位置に立ってパラアウトすれば、それなりのクオリティの一発録りができます。
アコースティックユニットでも、良い感じに使えそうです。
プッシュトークとカフスイッチは地味に便利

SSL Connexの良いところとして、ミュート周りの機能が豊富な点が挙げられます。
機能 | 概要 |
ミュート | ロゴをタップするとミュートにできる |
プッシュトーク | ミュート中に一瞬だけ話すことができる |
カフスイッチ | 一瞬だけミュートにできる |
モニターミックス | マイク入力をヘッドホンに返す |
例えば、他の方が説明している場面で急に振られた場合、プッシュトークで一瞬コメントすると勝手にミュートに戻るので便利なんですよね。
あと、自分の環境だと、相手の話し声にロボット掃除機が反応することがあるので、その場合にカフスイッチを使っています…(笑)。

最初は使わない機能だなと思っていましたが、割と便利でよく使います。
なので、「机に置いて使えるマイク」という当初の用途ではまったく使っていませんが、なんだかんだで満足してウェビナーやオンライン会議用マイクとして活用しています。
購入検討されている方は、机に置くよりはマイクアームなどで位置調整して使うものと考えて検討することをおすすめします。
Solid Stage Logic SSL Connex まとめ

ぎたすけ
たけしゃん
Solid State Logic SSL Connexのレビューでした。
当初想定した使い方では微妙だったのですが、工夫次第でかなり良い感じになります。
特に、カメラに映りこまない位置で良い音にできるのはありがたいですね。
ビジネスのウェビナーやオンライン会議だと、「ガチのマイクを映したくないよなぁ…でも音質はこだわりたいんだよな…」と思っていたので、とても助かっています。





よく読まれている記事
初心者が覚えるべき ギターコード 10個を練習用の譜例付きで解説
男性の音域を平均・低め・高めの3種類で解説。音域チェックできる音源付き
コンデンサーマイク おすすめ17選【2025年】。ボーカルレコーディングで定番の製品を徹底比較。
初心者向けアコースティックギター おすすめ6選。購入するギターの選び方を107名のアンケート調査付きで解説
ギターのストロークパターンを練習しよう。弾き語りでよく使う譜例 10パターンで解説
ギターのカポタストでキー変更するための上げ方、下げ方を役立つ早見表と合わせて解説
ギター初心者も弾ける簡単な曲 おすすめ50選。練習時のポイント解説付き
女性の音域を平均・低め・高めの3種類で解説。参考アーティストも合わせて紹介
アコギ メーカー11社を解説。ブランドごとの特徴やおすすめのギターを紹介
SYNCROOM(シンクルーム)の使い方、設定、遅延対策を解説。無料で自宅セッションを楽しもう!