ぎたすけ
たけしゃん
- ローズウッドの種類
- ローズウッドの特徴
- ローズウッドを使った代表的なギター
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ローズウッドとは
ローズウッドはツルサイカチ属の植物の総称でギターのサイド&バックや指板、ブリッジの材料として用いられています。
時間をかけて乾燥させたローズウッドは丈夫で周波数レンジの広い豊かな音を奏でてくれます。
16世紀から楽器の木材として活用されている、歴史の長い木材です。
ギターにおいてもMartinをはじめ、有名メーカーのフラッグシップモデルにはローズウッドを用いたギターが多いです。
ただ、昨今では様々な種類のローズウッドに輸入規制がかけられており、原料不足になっています。
なので、今後はローズウッドが用いられたギターは希少になっていき、価格も上がっていきそうです。
アコギに使うローズウッドの種類
ローズウッドも主要な産地ごとに分かれており、種類が豊富です。
ギターで使われるローズウッドはこちら。
- インディアン・ローズウッド
- ハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)
- ホンジュラス・ローズウッド
- マダガスカル・ローズウッド
一般的に高級とされているのは希少価値が非常に高いハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)。
ただ、どの種類のローズウッドが良いか?といっても個体によるため、何とも言えません。
最上級のローズウッドとなると、どの種類の物でも素晴らしいギターになりますからね。
それでは、各ローズウッドの特徴と代表的なギターを掘り下げて解説していきます。
インディアン・ローズウッド
- 最もよく使われるローズウッド
- インドが主要産地
- イースト・インディアン・ローズウッドとも呼ばれる
現在作られるギターで最も用いられるのがインドが産地である、インディアン・ローズウッドです。
ハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)が輸出規制にかかり、ギターの材量として使われなくなってから代替材として主役になった木材です。
インディアン・ローズウッドは強度・耐久性に優れた木材で乾燥後の状態が安定しやすいため、長年使える楽器になってくれます。
煌びやかな響きと優れた高音の伸びが魅力で様々な高級ギターの材量となっています。
産地が中米の西インドではなく、東アジアのインドであることからイースト・インディアン・ローズウッドと呼ばれることもあります。
楽器店のギター仕様表ではイーストがつくことが割と多いですね。
代表的なギター Martin D-28
アコギの代名詞ともいえるギター、Martin D-28。
トップ材:シトカ・スプルース、サイド&バック材:インディアン・ローズウッドで構成されています。
もともと、Martin D-28はハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)をサイド&バック材に使用していました。
しかし、輸出規制によりハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)が入手できなくなり、1969年からはインディアン・ローズウッドに変更となりました。
インディアン・ローズウッドの豊かな高音と低中高のレンジでバランスが取れた音質はどのジャンルにも合う万能なアコギです。
ハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)
※ハカランダ合板を用いたアムリタカスタムギターズのアコギ
- 昔はギターの木材として最も用いられていたローズウッド
- ブラジルが主要産地
- 現在は絶滅危惧種指定されており、超希少な木材となっている
1960年代まではサイド&バック材、指板、ブリッジとアコギの主要木材として活躍したハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)。
日本語ではスペイン語のハカランダという名前が主に用いられています。
ローズウッドの中でも明るい音色で鳴らしたときの存在感はピカイチです。
特にハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)を使った年代もののMartin(マーチン)ギターを弾くと、やっぱり違うなぁと感じてしまうだけの魅力があります。
また、暗褐色の木目は非常に美しくハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)で作られたギターは工芸品としても価値があるそうです。
ハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)が使われているギターはヴィンテージものでしか、ほぼ存在せず超高級品です。
100万円を超すことも珍しくないので、なかなか買えないですよね。
楽器店に行っても、ハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)が使われているギターはショーケースに入っていることが多いです。
代表的なギター Martin D-28(1969年以前のもの)
Martin(マーチン)の28と30、40シリーズは1969年中期まではサイド&バック材にハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)が使われています。
販売価格もハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)が使われていると倍以上の価格に跳ね上がります。
D-28の年代別 ザックリな金額間
- 1930年代 D-28…100万円以上
- 1940年代 D-28…100万円以上
- 1950年代 D-28…100万円以上
- 1960年代 D-28…50~100万円
- 1970年代 D-28…30万円台
- 新品のD-28 …20万円台
1970年代と、それ以前では偉い違いですね。
ハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)にしか出せない音色はありますが、インディアン・ローズウッドも十分に良質な木材です。
実際に弾き比べてみて、倍以上の値段を出す価値があるか確かめてみると良いでしょう。
アムリタ F-Model
東京は湯島にショールームを構える国内ギターメーカーのアムリタカスタムギターズ。
サイド&バックにハカランダ合板(間をメイプルで繋いでいる)を用いたアコギを販売しています。
合板ですが、鳴りは単板のハカランダに負けないレベルです。
音量も大きく、豊かな倍音と伸びる高音がヴィンテージのMartinに似ている鈴なりの音…というやつです。
価格も40万円ちょっとで販売されているため、ハカランダの新品アコギが欲しい方はチェックしたほうが良いギターメーカーです。
プロアーティストでは松室政哉さんとDedachiKentaさんがF Modelを使用されています。
アルペジオの音も良いですが、動画終わりのストロークの音が絶品ですね…。
実際にライブでマイク拾いの音を聞くと、もっとウットリしちゃう音ですよ。
なお、アムリタのギターは楽器店に流通していないので直接問い合わせる必要があります。
その分、木材の原価を考えると値段はかなり安めです。
ホンジュラス・ローズウッド
- 明るい音でハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)に負けない音質のローズウッド
- ベリーズ(中南米)が主要産地
- 現在は入手困難な高級木材となっている
ハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)に輸出規制がかかって代替材として使用されるようになったホンジュラス・ローズウッド。
ニューハカランダや中南米ローズウッドとも呼ばれる木材の代表格です。
音質は堅くて重く材質がクッキリした明るい音を奏でます。
ギターマニアの中ではハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)よりホンジュラス・ローズウッドを好む人も割と多いそうです。
僕も弾いた印象では明るくて存在感のある音質は好みでした。
現状は入手困難な木材になっており、レギュラーで使っているメーカーはほとんどありません。
カスタムモデルとしてMartinやTaylorがホンジュラス・ローズウッドを使ったギターをたまに製作しています。
代表的なギター K.Yairi DY-45
国内ギターメーカー K.Yairiのスタンダードシリーズである DY-45です。
トップ材:ソリッドスプルース、サイド&バック材:ソリッド・ホンジュラス・ローズウッドを使用しています。
レギュラーモデルですが、そもそもK.Yairi自体が職人の手作業中心のメーカーで本数を多く作らないので、店頭ではあまり見ることができません。
僕もK.Yairi本社のショールームで弾きましたが、明るくて繊細で良い鳴り方します。
海外メーカーで同じ木材のギターを買うよりも1~2ランクは価格も下がるので、ホンジュラス・ローズウッドを狙っている方はK.Yairiはおすすめです。
マダガスカルローズウッド
- 最もハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)と外観が近いローズウッド
- マダガスカルが主要産地
- 現在は入手困難な高級木材となっている
ハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)に近い美しい外観のマダガスカルローズウッド。
音質もハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)に近い性質を持っています。
そのため、ハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)の代替材として人気があったものの、2000年に保護地域での伐採が禁止され、現在は入手困難な木材になっています。
各メーカーのカスタムモデルでマダガスカルローズウッドを使用していることがありますが、見かけることは少ないローズウッドです。
使用したギターを入手すること自体も困難な貴重な木材です。
代表的なギター Martin 000-42ECJM
日本用に製作されたエリック・クラプトンシグネイチャーモデル Martin 000-42ECJMです。
トップ材:アディロンダック・スプルース、サイド&バック材:マダガスカル・ローズウッドという希少木材同士の組み合わせです。
通常のエリック・クラプトンシグネイチャーモデルはインディアン・ローズウッドですが、特別仕様になっています。
クラプトンが使っている000-42はハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)なので、近い材質を追求した…という感じですね。
ローズウッドについて まとめ
- アコギのサイド&バック、指板、ブリッジに使われる木材
- 最も使われるのはインディアン・ローズウッド
- 年々、輸出規制の範囲が広がり供給が追い付いていない状態
ぎたすけ
たけしゃん
ローズウッドの解説でした!
余談ですが、商品仕様に「ローズウッド」としか書いていないものって結構ありますよね。
これはおおまかに2パターンあります。
- 同じ型番でも個体によってローズウッドの種類が異なる
- 合板のため、色んなローズウッドが混在
安いギターは後者なんですけど、最近はローズウッドが入手しづらくなっているので仕様に産地まで書かないケースが増えているようですね。
いづれかは自分が使っているインディアン・ローズウッドもハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)みたいに超希少になってしまうのだろうか…。
木材があるうちにギターを買って大事に使うのが良いですね。
自分のギターも大事に使わないとなぁと思いました。
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